2018年7月16日 (月)

長距離無線充電

  一寸旧聞になりますが、以下の記事を見かけました。

  「長距離無線充電」制度化へ 総務省、20年度実用化後押し
  2018.7.5 06:15
  https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180705/mca1807050500001-n1.htm

 記事の説明によれば、実用化の初期段階では室内のパソコンやスマートフォンを充電する程度ですが、将来的には屋外のドローンや電動車両への充電/電力伝送が計画されているようです。
 記事では、想定しているシステムの詳細は不明ですが、「実用化を目指す装置は、アンテナから機器に電力を送る距離が数メートル~数キロメートルに及ぶ。」とのことですので、空中線電力はかなり大きくなりそうです。

  以下の資料を見ると色々な方式があるようです。

  ワイヤレス電力伝送(WPT) - 総務省
  www.soumu.go.jp/main_content/000448580.pdf

 数m飛ばすということになると、電磁波(所謂電波)を使用することになると思いますが、趣味で無線をやっている当方にとっては放送/通信受信に対する影響が気になります。

 下記の資料によれば、種々の周波数が検討されているようですが、関係しそうな周波数もあります。

  2015.11.30. no.279 15 tokugikon
   ワイヤレス給電の技術概容
     http://www.tokugikon.jp/gikonshi/279/279tokusyu1.pdf
   ワイヤレス電力伝送(WPT)技術の 実用化に向けた動向と今後取り組み
     http://www.tokugikon.jp/gikonshi/279/279tokusyu2.pdf

  WPT作業班での制度化対象システムの表を見ると、42kHz~58kHz(数W-1.5kW)は、JJY(40kHz,60kHz)への影響が一寸心配です。
  

 PLCの場合は訴訟まで起きたようです。

  高速電力線搬送通信(PLC)訴訟と その技術的論点
  http://eritokyo.jp/independent/aoyama_plc0905.pdf

  PLC行政訴訟原告団解散のお知らせ
  http://plcsuit.jp/PLCexp146.htm

 GHz帯を使ったワイヤレス給電も検討されているようですが、これも一寸気になります。

  マイクロ波空間伝送型ワイヤレス電力伝送(WPT)システムの実用化に向けて
  2018.2.28
  http://www.soumu.go.jp/main_content/000536747.pdf

 初期段階では、周波数が920MHz帯、2.4GHz帯、5.7GHz帯、空中線電力が1W~20Wということのようですが、2.4GHz帯で20Wというと結構なハイパワーです。

 GHz帯を使ったワイヤレス給電としては、CES等で展示されたEnergousのWattUpやOssiaのCOTAが知られているようです。

  約1メートルの遠隔無線充電システム「WattUp」、CESで披露へ - ITmedia ...
  2017年12月28日 12時54分 公開
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1712/28/news062.html

  電池切れ〜買い替えのイライラからの解放。ワイヤレス充電可能な単三電池「Cota Forever Battery」
  2018.01.14 09:00
  https://www.gizmodo.jp/2018/01/cota-forever-battery.html

FCCの認可は下りたようなので、現在の電力レベルでは多分問題ないのでしょうね。

 当方は、趣味用に自分で電波(空中線電力10W)を出しているので、自分では「目に見えないもの怖がる厨」ではないと思っていますが、目に見えないものを根拠があって怖がるのは当然なような気がします。

 コイルスプリング内蔵のボールペンを捨てるようことはしませんが・・・

【蛇足】
 将来的には、ハイパワーのビームステアリングでターゲットに電力を集中させることになると思われますが、ステアリングミスで以下の動画のようなことにならないことを祈ってます。(動画のシステムは95GHzを使っているので、皮膚の表面にしか影響を与えないようです。)

  『Active Denial System』(ADS)
  https://www.youtube.com/watch?v=kzG4oEutPbA

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2018年7月12日 (木)

NHKのARIB必須特許リストには「NHK受信不可TV特許」は無かったです

 「NHK受信不可TV特許」ネタの続きです。

 新入社員の頃に「想像で物を言うな」と教えられました。

 NHKはARIB必須特許を沢山持っているから「NHK受信不可TV特許」も持っている可能性が高いというのはいかがなものでしょうか?

 ARIB必須特許の性質から考えて、ARIB必須特許に「NHK受信不可TV特許」が含まれる筈はありませんが、それこそ「想像で物を言うな」と言われそうなので、NHK関連特許の内容を確認してみました。

    ULDAGE
    ホーム> ARIB必須特許ライセンス>FAQ
    http://www.uldage.com/arib/arib06.html
  ”Q:ARIB必須特許ライセンスは、どのような特許をライセンス対象としていますか”

 現行のデジタル放送(BSデジタル放送、110度CSデジタル放送、地上デジタル放送、地上デジタル放送「ワンセグ」、地上デジタル音声放送)に対応するARIB(2k)必須特許ライセンスの必須特許ポートフォリオ(2018年7月1日付)には、誰でも無料でアクセスできるので、登録番号を確認することができます。

  必須特許ポートフォリオ
  2018年7月1日付ARIB必須特許ポートフォリオ
  http://www.uldage.com/pdf/arib/arib20180701.pdf

 また、登録番号が判れば、「独立行政法人 工業所有権情報・研修館」の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で特許の内容を確認することができます。

 上記ARIB必須特許ポートフォリオの概要を見てみました。
 2018年7月1日付の必須特許ポートフォリオに記載されている特許の件数は、全部で629件、生存分で363件ありました。
 生存分の中で、日本放送協会単独名義が35件で、共願や関連組織を含めると43件になります。

 とりあえず、この43件を見ればARIB必須特許に関しては、「NHK受信不可TV特許」の有無が確認できる筈です。
 個人ベースの調査なので、1件づつ照会することになりますが、43件なら大した数ではないので、頭から順番に見ていきました。

 登録番号が判れば、以下の手順で登録後の特許請求の範囲を確認することができます。
 「特許第3884869号」(NHK単独名義生存特許リストの最初の案件)の場合を例にします。

 (1)特許・実用新案番号照会のページにアクセスする。
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/tokujitsu/tkbs/TKBS_GM101_Top.action

 (2)「特許公報・公告特許公報(B)」の欄に「3884869」を入力して「照会」ボタンをクリックする。

 (3)照会結果の画面が表示されるので、「特許3884869 」をクリックすると特許の内容が表示されます。

 (4)画面右上の「入力画面」ボタンをクリックして(1)に戻る。

 案件毎に上記の(1)~(4)の操作を繰り返す訳ですが、今回は特許の権利範囲を確認する必要はなくて、「NHK受信不可TV特許」に関係するか否かを確認するだけなので、慣れれば1件1分以下で終わります。
 一番手間が掛るのは、登録番号の入力だと思いますが、事前にPDFの特許リストの登録番号をOCR機能でテキスト化して、NHK関連特許番号を抽出しておけば、コピー&ペーストで入力できるので、手間が掛りません。

 43件の内容をざっと見た範囲では、メッセージ配信が結構ありましたが、その他に、ISDB-T、OFDM、データカルーセル等が含まれていました。
 なお、当然のことですが、「NHK受信不可TV特許」に該当する特許は見当たりませんでした。

  ARIB必須特許ライセンスとは無関係に「NHK受信不可TV特許」の権利が存在するのではないかという議論があるかもしれませんが、この種の(怪しげな?)発明に関しては拒絶のハードルが結構高いと思われるので、基本的な権利が存在する可能性は非常に低い(略々零?)ような気ががします。(「想像で物を言うな」と言われそうですが・・・)

  拒絶をすべき特許出願
  http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/handbook_shinsa/63.pdf

 今までに調べた範囲では、下記の公開特許公報が関係しそうですが、J-PlatPatのデータでは、「査定種別(査定無し) 最終処分(未審査請求によるみなし取下) 最終処分日(平22.4.27)」となっています。

 特開2007-174694 「NHKが写らないテレビ受像機」

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2018年7月 7日 (土)

「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」?(その2)

  自分のブログのランキングを見てみたら、以下の記事がトップになっていました。

  2015年4月 8日 (水)
  「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」???
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-a83a.html

Photo_2
 昔の記事なので「なぜ?」と思っていたら、最近発売された業務用モニタが関係しているようです。
 「NHK受信不可テレビ」の観点で話題になったようです。
 チューナが無いので、通常のテレビ放送(ISDB-T等)が受信できないのは当然なのですが・・・
 
 ネット上の書き込みを見てみると、今回も特許の話が出てきているようです。
 上記の2015年の記事は、ネットニュースの「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」という文言に釣られて書いたものですが、現在では元の文言は削除されているようです。

 前回、ソースの確認はしませんでしたが、そのような話が出てくるということは、それなりの理由があるであろうということで少し調べてみました。

 日付は後ですが、関係がありそうな書き込みがありました。

  スラド
  特許の関係で 「NHK受信不可テレビ」 は不可能
  2016年09月07日
  https://srad.jp/comment/3076912

 以下の記事が根拠のようです。

  「NHKだけ映らないアンテナ」研究者に聞いた! 我々が逃れられない「NHKの呪縛」とは?
  2015/04/29
  http://news.nicovideo.jp/watch/nw1568996

 この記事には、「デジタル放送に関してNHKが持っている特許は100以上あります。TVメーカーが特許を使っている以上、権利者であるNHKが映らないTVを商品化することはできません。」という記載がありますが、「NHK受信不可テレビ特許」 の存在の根拠になるようには思われません。

 別の情報はないかと思って探してみたら以下の記事がありました。

  産経ニュース
  2015.11.22
  開発秘話「NHKだけ映らないアンテナ」はこうして生まれた! 掛谷英紀(筑波大学准教授)
  https://www.sankei.com/premium/news/151122/prm1511220036-n1.html

 この記事には以下のような記載があります。
 「NHKによるものだけでなく、各家電メーカー所有のものも含めて、テレビに関する特許はARIB必須特許ライセンスとしてアルダージ株式会社によって管理されている。この特許プールがNHKの特許を含む以上、NHKが映らないテレビは、特許使用が認められない可能性が高い。」

 この説明も「NHKが映らないテレビの特許」が存在するという根拠なしの前提で話が進んでいます。

 上記産経ニュースの記事にも書いてありますが、デジタル放送に関する必須特許は多数存在し、NHKだけが権利を持っている訳ではありません。

  ARIB必須特許ポートフォリオ
  http://www.uldage.com/pdf/arib/arib20180701.pdf

  NHK特許リストの最初の特許(特許第3884869号)
  https://plidb.inpit.go.jp/pldb/html/HTML.L/2007/004/L2007004071.html

  ARIB標準規格の例
  標準規格番号 ARIB STD-B21
  標準規格名 デジタル放送用受信装置 (望ましい仕様) 
  https://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/6-STD-B21v5_4-E1.pdf
  (日本語版は有料なので・・・)

 常識的に考えて、「NHKが映らないテレビの特許」が「ARIB必須特許」に含まれていること、すなわち、NHKが映らないことがデジタル放送用受信装置(テレビ)の必須条件であることは有り得ません。

 別の観点から・・・
 特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」ですが、「NHKが映らないテレビ」が産業の発達に寄与するとも思えません。

特許法
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000121&openerCode=1
(目的)
第一条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

 違法性はないと思われるので公序良俗違反にはならないでしょう。
 https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/new_shinsakijyun02_shiryou/04.pdf

(特許を受けることができない発明)
第三十二条 公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

 迂回発明というのもありますが、今回のケースでは関係なさそうです。

 色々考えてみましたが、結局「NHKが映らないテレビの特許」(権利)は都市伝説のような気が・・・

【関連内部リンク】
2015年4月16日 (木)
これが「NHKが写らないテレビ受像機」の特許!?
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-ef8e.html
(未請求取り下げで公開のみです。)

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2018年7月 2日 (月)

Zライト風カメラ保持アームを作ってみました

  PCの画面や小さな被写体を、カメラを移動させながらマクロで撮りたいことがありますが、手持ちで撮るとブレブレの映像になります。

 手振れ抑制用に、市販のZライト風スマホホルダを利用して、マクロ移動撮影用デジカメホルダを作ってみました。

  秋葉原で見かけた"MID TELESCOPIC MOBILE RACK"という商品をベースにして、スマホ用のボールヘッドを、100円ショップで買ったデジカメ用のミニ3脚(1脚に改造)のボールヘッドに交換して出来上がりです。

1_mid_telescopic_mobile_rack_1

2_mid_telescopic_mobile_rack_2

3_mid_telescopic_mobile_rack_3

4_mid_telescopic_mobile_rack_4

5_mid_telescopic_mobile_rack_5


 うまくバランスが取れるか心配でしたが、コンデジであれば、スプリングの張力とねじの摩擦のおかげで、カメラが垂れ下がることはありませんでした。
 また、カメラを手で押すと、比較的簡単に移動させることができました。

 以下、撮影サンプルです。
 手持ち撮影よりは見やすいのではないかと思います。

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2018年6月26日 (火)

German Aerospace Center, DLRによるはやぶさ2のアニメ

 ニュースを見て久しぶりに思い出しました。
 打ち上げられてから3年以上経過したのですね。

  朝日新聞デジタル
  はやぶさ2、あす午前リュウグウ到着 クレーター鮮明に
  2018年6月26日12時32分
  https://www.asahi.com/articles/ASL6V3FD3L6VULBJ007.html

 全体の様子が簡単に見える資料がないかと思って探してみたら、以下の動画が有りました。
 宇宙の知識が殆ど無い当方でもなんとなく雰囲気が判るような気がします。

  Animation: Asteroidlander MASCOT on board Hayabusa2 
  German Aerospace Center, DLR
  Published on May 16, 2018

  

 素人無銭家の感覚で考えると、約3億キロ離れて通信できるのはすごいです。

 以下のページに通信に関する記載がありました。

  3Dでみる「はやぶさ2」
  http://www.asahi.com/special/rocket/hayabusa2_3d/?iref=pc_extlink
  通信アンテナ

 「通信速度は1号機より向上したが、地上に比べると格段に遅い。」と書いてあります。
 「格段に遅い」とはどの程度なのでしょうか?

 以下の資料に関係がありそうな記載がありました。

  HAYABUSA2, THE NEW CHALLENGE BASED ON THE LESSONS LEARNED OF HAYABUSA
  https://ssed.gsfc.nasa.gov/IPM/PDF/1050.pdf

  以下、上記URLから抜粋引用。
-----------------------------
"In the daily operation, we use the X-band, but when we download the observation data of the asteroid, we use the Ka-band, because the Ka-band communication is about four times faster
than the X-band. The bit rate is up to 32 Kbps."
-----------------------------

 32kbpsということは、昔のISDNより遅いということですね。大昔に使っていたKansas City Standard(300 baud)よりは速いですが・・・
 誤り訂正手段が山盛りなんでしょうね。

 アマチュア無線でも最新はJT65とかJT9が使われているようです。
 一寸興味はありますが、HFのリグとアンテナが・・・

【参考外部リンク】
 Asteroid Explorer "Hayabusa2"
 Topics
 Home> Missions> Satellites and Spacecraft> Asteroid Explorer "Hayabusa2"> Project Topics
 http://global.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/topics.html

  「はやぶさ2」ミッションスケジュール暫定版
  http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/mission_schedule/

 To Ryugu リュウグウまであと
 http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

 JAXAウェブ
 https://twitter.com/JAXA_jp
 https://twitter.com/i/web/status/1010020903000764416

 Vacuum Magazine
 2016年5月23日/Interview,/
 「劣勢」はイノベーションを 生み出すチャンス
 https://www.ulvac.co.jp/wiki/jaxa-interview/

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