2018年8月13日 (月)

20kHz以上が表示可能なスペアナ・アプリ”UltraSound Detector”

  今日も朝から蝉がうるさいです。
 いかにも高調波を沢山含んでいるような耳障りな音です(感じ方には個人差があります)。
 夏休みで暇なので、どんな周波数成分を含んでいるのか調べてみました。

 予備知識がゼロで始めるのは効率が悪いので、ネットでざっと調べてみました。

 Wikipediaには、「発音筋は秒間2万回振動して発音を実現するとされる。」 としか書いてありません。20kHz?  出典は不明です。

  セミ - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%9F

  以下の資料の測定結果のグラフを見ると、3~10kHzのレベルが高いけれども、16kHzでそれ以上のレベルになっています。

  セミの鳴声(事務所内)の騒音レベル測定
  https://www.e-koubou.co.jp/sousin_archiives_109.html

 グラフの変化から想像する、もっと高い周波数まで伸びているような感じがしますが、測定範囲が20Hz~20kHzなので、これより高い周波数のデータはありません。

 以下の資料は、TCD-D10 ProIIF-780を使用した観測結果が書かれていました。

  Entomological Science (2013)
  Two new species of Cicadatra (Hemiptera: Cicadoidea) from Greece
  http://www.cicadasong.eu/files/article-31.pdf

 結論としては、5~17kHzということだったようです。
 なお、この資料では"F-780 (frequency response 22-50 kHz)"となっていますが、仕様では50Hz~18kHzとなっているので、別のもの? 特注品?
 もしオリジナルのままであれば、18kHz以上は拾えないような気がします。

 他の資料も見てみましたが、20kHz以上の例は見かけませんでした。

 当方は疑り深い性格なので、「本当なの?」ということで、もう少し調べてみました。

 以下の資料には、広帯域マイク(Ultramic 250:0~125 kHz)による測定例が記載されていました、

  High frequency components of the songs of two Cicadas (Hemiptera Cicadidae) from Sardinia (Italy) investigated by a low-cost USB microphone
  April 2015
  www.biodiversityjournal.com/pdf/6(1)_41-52.pdf

 結論だけ斜めに見た範囲では、測定した蝉が特殊なものであったのかどうかはわかりませんが、高調波は100kHz程度までかなりのレベルで存在するということのようです。

 それでは近所で鳴いている蝉はどうなの?ということでチェックしてみることにしました。
 当然まともな測定器などは無いので、スマホのアプリを探してみました。
 音声帯域(可聴周波数帯域)のスペアナアプリは色々ありますが、20kHz以上の周波数に対応するアプリはなかなかありません。

 色々探してみると、使えるかもしれないような下記のアプリがありました。

  UltraSound Detector - Google Play のアプリ
  https://play.google.com/store/apps/details?id=com.microcadsystems.serge.ultrasounddetector&hl=ja

 “synthetic telepathy"とか"ultrasonic weapons"とかいう怪しい言葉がでてきますが、説明によれば、25kHz程度まで表示できるようです。

 とりあえずインストールしてみました。(安全性は不明です)

【UltraSound Detector】
1ultrasound_detector_1

2ultrasound_detector_2

3ultrasound_detector_3

4ultrasound_detector_4



  アプリを走らせて、蝉の音をマイクで拾って表示させてみました。
 
 デフォルトの44100Hzのサンプリングレートでは周波数表示範囲が17.4~21.6kHzですが、48000Hzにすると17.1~23.4kHzに広がります。

【蝉の鳴き声のスペクトラム(表示範囲:17.1~23.4kHz)】
5ultrasound_detector_5


 蝉の種類はよく判りませんが、23kHz程度まで表示されています。。
 グラフをみる限りでは、入力音声信号系の周波数特性が超音波の領域まで伸びているように思えますが、A/D変換を伴うデジタル処理の場合には、サンプリング周期や折り返しの関係で、正常に表示されない場合があるので、にわかには信用できません。

 念のために、低周波発振器で20kHz付近の信号を発生させて、40kHz用超音波スピーカを無理やり直接駆動し、スピーカからの超音波をスマホのマイクに供給してチェックしてみました。
  なお、デジタル周波数カウンタの表示値は、レベルが不適切だったり、ノイズが混入したりしていると不正確な値を表示することがあるので、念のため2台で測定しました。

 実験環境は以下の通りです。
  低周波信号発生器:LEADER LAG-120A
    超音波スピーカ:UT1612 (40kHz用)
  周波数カウンタ:VICTOR VC2000, METEX-P10
  使用スマホ:SH-01F
  スペアナアプリ:UltraSound Detector
  スピーカとマイクとの距離:約3cm

【20kHz付近のUltraSound Detectorの表示変化】

 約17kHzと約24kHzの間で発振周波数を往復させてみましたが、特に折り返しなどの挙動不審なとことろはありませんでした。
 但し、24kHzを超えると正常に動作していない感じでした。
  サンプリング周波数が48000Hzである場合は、上限周波数は24kHzなので、理屈は合っています。

 スマホのマイク入力系の周波数特性は、可聴帯域ぎりぎりかと思っていたのですが、結構余裕があるのは意外でした。(将来の応用を見込んでいる?)

 一寸話は飛びますが、UltraSound Detectorには、超音波を検出したときにアラームを出したり、場所を特定したりする機能があるようなので、自分のスマホに勝手にアクセスされたくない人には、この種のアプリが必要になるかも・・・

  2018年06月28日 23時00分 ソフトウェア
  FacebookがTV広告で「人には聞こえない音」を流しスマホに秘密裏に周囲の音を録音させる可能性
  https://gigazine.net/news/20180628-facebook-phones-record-audio/

    United States Patent Application 20180167677
    BROADCAST CONTENT VIEW ANALYSIS BASED ON AMBIENT AUDIO RECORDING
    http://www.freepatentsonline.com/20180167677.pdf
    "the frequency of the audio feature is closer to 20 kHz"

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2018年8月 9日 (木)

キーホルダー/キーレス/808型カメラを充電したらLiPoバッテリが膨張

  手元には幾つかキーレスリモコン型のカメラがありますが、一年以上放置していました。
 先日、ドンキホーテを覗いていたら、似たようなカメラが999円(税抜き)で売っていました。
 この種のカメラは、808型カメラと呼ばれるようです。

  808 Car Keys Micro Camera Review
  http://www.chucklohr.com/808/

 手元には二つのバージョンがあります。
 もしかしたら別のバージョンかもと思って、安さに惹かれて買ってきました。
 
 家に帰ってからチェックしてみると、箱や本体の外観は2014年に買った「キーホルダー小型カメラ SA-1168」(808#23?)と全く同じでした。
  レシートには、「STHキーホルダー小型カメラ」と書いてありました。
 基板は未だ確認していませんが、別バージョンの可能性は少なそうです。

 とりあえず以前買った「キーレス型カメラ(型番不明)」(808#9?)と比べてみようということで、「キーレス型カメラ」を充電状態にして20分程度放置していたら、ケースのレンズ側に大きな隙間が出来ています。

【ケースの隙間】
1808camera


 大きな外力は加えていないので不思議です。
 ケースの隙間から中を覗いてみると、LiPoバッテリが膨らんでいるような感じです。
  ケースを開けてみると、バッテリがパンパンに膨れています。

【膨張したLiPoバッテリ】
2808camera

3808camera

 充電を続けると破裂するおそれもあるような感じです。
 このまま放置するのも一寸心配なので、バッテリを取り外しました。

【バッテリの取り外し】
4808camera

5808camera


 バッテリには、170mAh 3.7Vと印刷されているので、同じ仕様のバッテリに交換すればよさそうです。
 故障した「キーホルダー小型カメラ SA-1168」を部品取り用に保管してあったので、このバッテリと交換すればよいと思ってケースを開けてみると、バッテリのサイズが大幅に異なります。

【「キーレス型カメラ」のバッテリ(上)と「キーホルダー小型カメラ SA-1168」のバッテリ(下)】
6808camera

 交換は無理なようです。

 バッテリに「402030」と印刷されていたので、これを参考にして探してみると、互換バッテリがあるようです。

  402030 Replacement Battery For The 720p #16 808 Keychain Camera
  $ 3.99
  https://www.buymobius.com/products/standard-capacity-replacement-battery-pack-for-the-16-808-camera?variant=474158625

 一寸入手が面倒なようです。

 この「キーレス型カメラ」は、Webカメラとして使用した場合に、PCでの画像の表示範囲が「キーホルダー小型カメラ SA-1168」よりもかなり広かったので便利だったです。
 バッテリなしでもWebカメラとして利用できそうな気がしたので、試してみました。
 PCは、ThinkPad X230 Windows 7を使用しました。

 Webカメラ設定手順
 (1)当方の場合は、事前に表示ソフト「CameraViewer」をインストールする必要がありましたが、環境によっては不要かもしれません。
  BACKYARD - 工学ナビ
  http://kougaku-navi.net/backyard/index.html
  CameraViewer
 (2)PCとカメラをUSBケーブルで接続する。(カメラのランプは連続点灯)
  (3)「修復しますか?」の画面を閉じる。
 (4)「自動再生」の画面を閉じる。
 (5)カメラの電源ボタン(上から2番目)を短く押す。
 (6)「CameraViewer」を実行する。
 (7)「CameraViewer」ウィンドウの中のCamera IDを「0」にする。
 (8)「Run camera」をクリックする。
 (9)PCの画面にカメラの映像が表示されない場合、または、PC内蔵カメラの映像が表示される場合には、「Capture画像」を閉じる。
 (10)Camera IDの数を「1」増やして(8)に戻る。

 画像が表示されるまで、(8)~(10)のステップを繰り返す。
 当方の場合は、ID=1で画像が表示されましたが、環境によって変化するかもしれません。  

【Webカメラとして動作中の「キーレス型カメラ」】
7808camera


 バッテリなしでも動作しました。
 カメラをベランダに設置して、ローテータ付きアンテナの方向の確認ができるかもしれません。

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2018年8月 5日 (日)

315MHz付近をSDRPlay RSP2で受信してみました

 「電子キー(Keyless Entry)」ネタの続きです。
  というよりも、自分用のメモのようなものです。

 今までに得た情報から判断すると、電子キーに影響があったのは315MHz付近の比較的狭い周波数範囲のようです。

    我が国の電波の使用状況
    平成29年6月  総務省
    http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/ika.pdf

【315MHz付近の周波数割り当て】(上記URLから抜粋引用)

1313625mhz

 電波法施行規則に記載されている周波数範囲を確認してみました。

  電波法施行規則
  最終更新: 平成二十九年九月二十五日公布(平成二十九年総務省令第六十五号)改正
  http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325M50080000014&openerCode=1

------------抜粋--------------
(免許を要しない無線局)
第六条 
 4 法第四条第一項第三号の総務省令で定める無線局は、次に掲げるものとする。
  二 次に掲げる条件に適合するものであつて、総務大臣が別に告示する電波の型式及び空中線電力に適合するもの(以下「特定小電力無線局」という。)
  (1) テレメーター((2)に規定する医療用テレメーターを除く。)用、テレコントロール(電波を利用して遠隔地点における装置の機能を始動し、変更し、又は終止させることを目的とする信号の伝送をいう。)用及びデータ伝送(主に符号によつて処理される、又は処理された情報の伝送交換をいい、(3)に規定する体内植込型医療用データ伝送及び体内植込型医療用遠隔計測並びに(4)に規定する国際輸送用データ伝送を除く。)用で使用するものであつて、次に掲げる周波数の電波を使用するもの
   (一) 三一二MHzを超え三一五・二五MHz以下の周波数
   (二) 四一〇MHzを超え四三〇MHz以下の周波数
   (三) 四四〇MHzを超え四七〇MHz以下の周波数
   (四) 九一五MHzを超え九三〇MHz以下の周波数
   (五) 一、二一五MHzを超え一、二六〇MHz以下の周波数
------------------------- 

【電波法施行規則 第6条第4項第2号】
2


 「電子キー」や「キーレスエントリー」という用語は出てきませんが、第6条第4項第2号に記載の「テレコントロール(電波を利用して遠隔地点における装置の機能を始動し、変更し、又は終止させることを目的とする信号の伝送をいう。)用」というのが電子キーを意味しているようです。

 315MH帯の周波数は、「三一二MHzを超え三一五・二五MHz以下の周波数」となっています。
 一寸見にくいので、以下「312MHz~315.25MHz」とします。ただし、下端周波数は含みません。
 帯域は3.25MHz(=315.25-312)、中心周波数は313.625MHz(=312+3.25/2)となります。

 システムの詳細が良くわかりませんが、以下の資料に概略が説明されていました。

  サーキットデザイン
  特定小電力無線局315MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
  標準規格 ARIB STD-T93 1.0 版の概要
  http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/technical_pdf/STD-93.pdf

 主用途として以下のものが挙げられています。
  ・タイヤ空気圧モニターシステム
  ・キーレスエントリーシステム

 空中線電力の規定がなんか微妙です。(歴史的な事情?)
  ・312MHz 超え315.05MHz 以下:等価等方輻射電力 250μW 以下
  ・315.05 超え315.25MHz 以下:等価等方輻射電力 25μW以下

 下記の別の資料に、現行の主なテレメーター・テレコントロールシステムの比較表があるのですが、315MHz(0.25mW)で通信距離が数100mというのは実績なのでしょうか?

  テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討報告書
  平成28年1月
  テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討会
  http://www.soumu.go.jp/main_content/000399925.pdf

【現行の主なテレメーター・テレコントロールシステム】
3

 概略が段々判ってきましたが、周波数割り当ての詳細はどうなっているのでしょうか?
 315MHz帯の帯域は、312MHz~315.25MHzということになっています。

 以下の資料に記載されている315MH帯の周波数(312.15MHz, 313.85MHz, 314.01MHz, 314.86MHz)はこの範囲に入っています。
  周波数の分布を見ると、所定の周波数パレーションで複数のチャンネルが割り当てられているような感じです。周波数が近いところでは、測定周波数差が140kHz, 160kHzとなっているので、150kHzセパレーション?

 別の資料を見ると、CH01(313.075MHz)~CH20(314.975MHz)となっているので、100kHzセパレーションかと思っていたら、CH19がイレギュラーです。

  interplan
  IM315ソフトウェア取扱説明書
  https://www.interplan.co.jp/support/solution/IM315/manual/IM315_SW_manual.pdf

 あまり細かいところ突いても仕方がないので、どんな信号が飛んでいるのか実際に受信してみることにしました。
 アンテナは、144/430MHz用ホイップ、受信機はSDRPlay RSP2、表示アプリはSDRunoです。
  なお、最も近い駐車場は数十m離れています。

 画面を眺めながら信号が受信されるのを待っているのはしんどいので、SDRunoのウォーターフォールの表示期間を約30分にして、時々チェックしてみました。

【SDRuno Waterfall(30min)】
4a315mhz_waterfall_30min

  312MHz~315.25MHzの帯域内では、313MHz付近に一定周期で断続する信号見えます。
4btelemetric

 通常は、5秒周期で短いパルスが受信されますが、ときどき、この信号と相補的なタイミングで僅かに周波数が異なる弱い信号が受信されます。
 なんとなく双方向通信を行っているような感じですが、電子キーの挙動とは異なります。
 なお、帯域外の316~319MHzで結構色々な信号が見えますが、正体は判りません。

 電子キーの場合には、送信時間が非常に短いので、ウォーターフォールの流れる速度が遅いと見えない可能性があります。
 そこで表示区間を20秒程度にしてみました。

【SDRuno Waterfall(20sec)】
5315mhz_waterfall_20sec

6315mhz_waterfall_20sec

7315mhz_waterfall_20sec_2

  ノイズと信号の区別がつきにくいですが、 電子キーらしき信号が見えました。
 時間軸方向に伸びた信号と周波数方向に広がった信号が見えますが、後者が変調を受けた電子キーの信号でしょうか?
 自分が電子キーを持っていれば、実験してみるのですが、残念ながらありません。

 他人が使っているのを現認しながらチェックすれば、間違いないのかもしれませんが、極めて怪しげな挙動になってしまいます。

  スマートキーの弱点突く車盗難 微弱電波中継し解錠 :日本経済新聞
  2017/5/13 12:33
  https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H2M_T10C17A5CC0000/

  Tesla warns owners to protect against car thieves using key fobs
  Published:2018-08-01T19:45:46Z
  http://www.k5thehometeam.com/story/38789313/tesla-warns-owners-to-protect-against-car-thieves-using-key-fobs
  (relayattack対策の一例としてFaraday cageの話が出てきます)

 以下のような(怪しげな)製品も役に立つのでしょうか?
 
  315MHz Remote Control Jammer
  https://www.jammer-store.com/315mhz-car-remote-control-jammer.html
  "Works only with 433MHz frequency band"と書いてありますが・・・

 話が脱線してしまいましたが、「好奇心は災いの元 」と言われているので、今回はとりあえずここまでです。

 315MHz付近の信号をSDRで連続受信してIQ記録しておけば、突発的な受信の状態をあとでトレースできるかもしれません。

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2018年8月 1日 (水)

「2018 東急電車まつりin長津田」の応募は8月13日まで

  「2018 東急電車まつりin長津田」
  開催日時:2018年9月23日(日・祝) 10時~15 時
  http://www.tokyu.co.jp/railway/nagatuta2018/index.html

*2018_in



  一度行った事がありますが、そのときは後ろに別の予定が入っていたため、部品販売の列に並んでいる途中で時間切れになってしまいました。
 歳をとると、段々出かけるのが億劫になりますが、元気が残っていれば行くかもしれません。

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2018年7月28日 (土)

電子キーへの干渉

 ネットニュースで以下の記事を見かけました。

    軍艦の影響?車の電子キー不具合、長崎で多発 原因不明
    2018年7月23日19時06分
    https://www.asahi.com/articles/ASL6Y5QBTL6YTIPE03J.html

 有料会員でないと記事の全文は読めませんが、5月に佐世保で電子キーが正常に動作しなくなったという話のようです。

 素人無線家の好奇心で調べてみると、以下の記事(時系列)で大体の話が分かりました。

  西日本新聞
   車の電子キー無反応、トラブル相次ぐ 長崎県佐世保市で200件超 「米軍基地が影響か」の声も
  2018年05月29日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/420166/

  西日本新聞経済電子版
  佐世保の電子キー不具合を調査 九州通信局、電波障害確認へ
  2018年05月30日 03時00分 更新
  http://qbiz.jp/article/134775/1/

  西日本新聞
  佐世保の電子キー問題、米軍が調査へ 防衛局に情報提供要請
  2018年05月31日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/420772/

  西日本新聞
  佐世保の電子キー不具合、米軍が影響否定
  2018年06月01日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/421092/

  ベストカーWeb
  電子キーが使えない!! 原因は本当に軍用無線のせい!? 緊急時の使用法も解説
  2018年6月11日 / コラム
  https://bestcarweb.jp/news/motorsport/2857

 素人考えでは、電子キーで使用している周波数と同じまたは近傍の周波数が、他の送信機器で使用されているか、あるいは、周波数には無関係に超強力な信号で受信機の入力段がブロックされているか程度しか思いつきません。
 
 とりあえず、車の電子キーで使用されている周波数を調べてみました。

  平成 24 年度第 3 回医療電磁環境研究会
  電子式車両用施解錠装置の電波強度測定および植込み型心臓ペースメーカへの影響の検証
  http://www.bme-emc.jp/pdf/24no3Ishida.pdf

  製造国やメーカーで異なるようですが、「中心周波数は、312.15~ 315.00MHz の範囲内 (VolvoV60 のみ426.07MHz)であった」と書かれています。
 315MHz付近のようです。

    簡易スマート・キー・チェッカ の製作
    http://www.rf-world.jp/bn/RFW31/samples/p124-125.pdf

  この資料には、「送信周波数として国内ではUHFの315 MHz帯が使われており」と書いてあります。

 
  リモートキーレスエントリ(RKE)システムの要件
  https://www.maximintegrated.com/jp/app-notes/index.mvp/id/3395

  この資料にも「ワイヤレスの搬送周波数は現在、米国/日本で315MHzおよびヨーロッパで433.92MHz (ISM帯域)です。」という記載があります。

 
 英文のWikipediaには、以下のように書いて有りました。

  Remote keyless system - Wikipedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Remote_keyless_system
 "Most RKEs operate at a frequency of 315 MHz for North America-made cars and at 433.92 MHz for European, Japanese and Asian cars."
 
  この説明だと北米産は315 MHz、欧州/日本/アジア産は433.92 MHzとなっていますが、日本の実情とは違っているような気がします。

 一寸古いですが、下記の資料には、キーエントリーの周波数について書いてありました。

  平成19年2月7日.
  電波法施行規則及び無線設備規則の各一部を改正する省令案について
  (平成18年12月13日 諮問第35号).
  [315MHz帯タイヤ空気圧モニター、キーレスエントリーシステム等の導入に伴う制度整備]
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/denpa_kanri/pdf/070119_2.pdf

 この資料には、「特定小電力無線局が使用する周波数の電波を追加 313.625MHz(312MHz を超え315.25MHz 以下)」という記載があるので、315MHz帯というのは、312.00MHzを超え315.25MHz以下であると考えていいようです。
 前述の医療電磁環境研究会の資料に書いてあった「中心周波数は、312.15~ 315.00MHz の範囲内 (VolvoV60 のみ426.07MHz)であった」という説明に合致します。

    我が国の電波の使用状況
    平成29年6月  総務省
    http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/ika.pdf

  この資料の「30MHz-335.4MHz」の表には、キーレスエントリーの中心周波数として313.625MHzが記載されています。

【我が国の電波の使用状況 30MHz-335.4MHz】
30mhz3354mhz


313625mhz

 なお、英文のWikipediaに記載されていた433.92MHzは、日本ではアクティブ電子タグシステムに割り当てられていますが、アマチュア無線の430MHz帯の利用頻度が高い周波数範囲の近くなので、電子キーの周波数としてはあまり適していないような気がします。

【我が国の電波の使用状況 335.4MHz-960MHz】
3354mhz960mhz


43367mhz43417mhz

  以下の資料には、「アマチュア局からの干渉を許容することが前提であるため、干渉の可能性があることを十分認識し、周辺にシールドを設けるなど運用に支障が生じないような工夫が重要。」と書いてあります。

  433MHz帯アクティブタグシステムの技術的条件 - 総務省
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/pdf/060720_3_2-1.pdf

  この資料の中のアマチュア局数の推移のグラフを見ていると、そのうち消滅するから支障無い的な雰囲気が・・・(現在でも絶滅危惧趣味と言われているようです)

  市場には、433MHzのキーレスエントリーが流通しているようですが、「電波法に基づく免許等が必要な無線設備」のリストに記載されているものもあります。

  電波法に基づく免許等が必要な無線設備
  http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/illegal/result/

  平成26年度掲載分
  http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/monitoring/illegal/result/siryo002.pdf

【平成26年度掲載分(抜粋)】
_1
_2


 「電波法に基づく免許等が必要な無線設備」というのは一寸遠回しな表現ですが、簡潔に言うとリストに記載されている製品を使用すると電波法違反になるということです。
 電波法違反は結構罪が重いので要注意です。

 話が逸れましたが、以上のことから考えて、国内で合法的に使用されている車の電子キーの周波数は、基本的に315MHz付近であると考えてよいようです。

 やっと周波数が特定できたので、次は干渉の原因について考えてみました。

 この種の事象は、車の先進国である米国でも発生していることが推定されるので、関連情報を調べてみました。

 関係しそうな記事がありました。

  SHARED FREQUENCY: Radio band may be key to keyless mystery
  Sun | Local
  By Lloyd A. Pritchett, Sun Staff ? May 13th, 2001
  https://products.kitsapsun.com/archive/2001/05-13/0002_shared_frequency__radio_band_may_.html
(上記URLから抜粋引用)
-----------------------------------
The mysterious outages disabled keyless remote entry systems on thousands of vehicles in a roughly 50-square-mile area around Bremerton and Port Orchard on March 21-26 and also for several hours April 12.
-----------------------------------
The March outage occurred just as the Bremerton-based aircraft carrier USS Carl Vinson was returning to port after several weeks at sea. The April outage occurred the day after the carrier USS Abraham Lincoln arrived in Bremerton for maintenance work.
-----------------------------------
The affected keyless remote frequency of 315 megahertz is near the upper end of the military band, which includes all frequencies between 225 and 328.6 megahertz.
-----------------------------------
The Sun's research also found that those vehicles not affected by the outage are equipped with remote entry systems that use other frequencies, such as 434 megahertz and 314.2 megahertz.
-----------------------------------
There was no immediate explanation why the FCC officials asked about the 305-megahertz frequency, which is different from the one assigned to the malfunctioning keyless remotes.
Other experts also agreed it would be wrong to conclude the outages were caused by military equipment just because the affected frequency is in a military-reserved section of the spectrum and coincided with the arrival of military ships.
-----------------------------------
Outages of the type that hit Bremerton, affecting a 50-square-mile area for several days or several hours, are a rarity and too large to be caused by amateur radio operations, he said.
-----------------------------------

 障害発生の範囲が50マイル(80km)四方で、数千台の車両が影響を受けたようなので、佐世保に比べて規模が大きいです。

 記事には、色々書いてありますが、周波数範囲や軍艦の寄港時期が重なっているということでは判断できず、結局原因は不明ということのようです。

 軍用のATC(GCA?,GCI?)の話がでてきますが、通常は1回1秒程度で、長くても数秒なので、普通の状態では連続的に搬送波が出力されているのは考えにくいような気がします。
 米国の場合はFCCがかなり詳細に調査したようですが、"tight-lipped"という表現が出てくるので、色々な事情があるのかもそれません。

 315MHzでは影響があったけれども、434MHzと314.2MHzでは影響が無かったということですが、これがよく理解できません。
  "The Sun's research also found that those vehicles not affected by the outage are equipped with remote entry systems that use other frequencies, such as 434 megahertz and 314.2 megahertz."
 日本の場合は、315MHz帯は、312.00MHzを超え315.25MHz以下の周波数であると理解していますが、その場合には、315MHz帯の中に314.2MHzが含まれてしまいます。
 有効桁数がわかりませんが、この記事の315MHzが315.0MHzを意味するのであれば、315.0MHzと314.2MHzは800kHzしか離れていません。
  比率で考えると0.3%程度です。
  ということは、信号源は純度が高い周波数が安定した搬送波ということになるので、周波数ホッピングやスペクトラム拡散などは対象から外れてしまう可能性が高いです。
 物理量を比較する場合は有効桁数を揃えて欲しい・・・。

 
 別の記事を探してみました。
 Washington Postに関係しそうな記事がありました。

  washingtonpost.com  > Metro  >Maryland 
  Keyless Remotes To Cars in Waldorf Suddenly Useless
  By Joshua Partlow
  Washington Post Staff Writer
  Monday, July 5, 2004; Page B01
  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A28217-2004Jul4.html

 最初はスーパーマーケットの駐車場での話しなのですが、最後のほうはATTタワーからの秘密の信号(?)的な話になっています。
 315MHzの他に302MHzも出てくるのですが、302MHzは軍用信号の影響を受けるのか受けないのかよくわかりません。
 Bremertonのケースでは、305MHzは影響を受けないとなっています。
 前述のBremertonの話が引用されていますが、この記事でも結局原因は不明ということのようです。

 
 素人考えで色々妄想してみましたが、結局判りませんでした。

  DEURAS(DEtect Unlicensed Radio Stations)では、25MHz~3GHzを24時間監視できるので、簡単に位置が特定できるような気が・・・(毎年電波利用料を納めています)
 

    不法無線局探査設備(DEURAS).
    http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/mymedia/26/0924.html

    電波監視システム(DEURAS) (http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/K/deurs.html
Deuras



【参考外部リンク】
 スマートキー | アイシンものづくり精神
 http://www.aisin.co.jp/pickup/spirits/html/204.html

【蛇足】
 どこかで315MHz用を433MHz用に改造するという記事を見かけましたが、これって・・・

 

【2018.07.29追記】
  以下の資料には、関係があるかもしれない情報が書いてありました。

  MANUAL OF REGULATIONS AND PROCEDURES FOR FEDERAL RADIO FREQUENCY MANAGEMENT
  May 2010 Revision of the 2008 Edition
  https://www.ntia.doc.gov/legacy/osmhome/redbook/Manual_05_10_Full.pdf

 United States Tableを見ると以下の記載あります。

  285-315
  AERONAUTICAL RADIONAVIGATION
  MARITIME RADIONAVIGATION (radiobeacons)

  285-325
  MARITIME RADIONAVIGATION (radiobeacons) 5.73
  5.72 5.74 Aeronautical radionavigation (radiobeacons)

 妄想ですが、300MHz帯のTACANのようなもの?

 ナビゲーションやビーコンであれば、メンテナンスのために連続送信することもあり得るかもしれません。

 以下の資料は欧州の周波数割り当てに関するものですが、312-315MHzには防衛用(軍用)に関する記載があるので、一寸関係があるかもしれません。衛星経由のモバイル通信?

  Electronic Communications Committee (ECC)
  ERC REPORT 25
  THE EUROPEAN TABLE OF FREQUENCY ALLOCATIONS AND UTILISATIONS IN THE FREQUENCY RANGE 9 kHz to 3000 GHz
  https://www.fmv.se/Global/Verksamhet/Frekvensf%C3%B6rvaltning/REF%205_1_%20ECC%20Frekvensplan_ERCREP025_110621.pdf

European_table_of_frequency_allocat



  Frequency bands for LPD in EMEA countries - R1 - CEPT
  https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=18&ved=2ahUKEwjw77yXk8PcAhUMebwKHYI3AjQ4ChAWMAd6BAgHEAI&url=https%3A%2F%2Fcept.org%2FDocuments%2Ffm-44%2F32282%2Ffm44-16-020_m2m-via-satellite&usg=AOvVaw0gCSCgt0j_adaxGhei8V8H
(以下上記URLから抜粋引用)
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The frequency range 312-315MHz is partly authorized for LPD. These authorizations happen often in Asian countries, such as China and Japan and also few countries in other Regions. The possibility for Mobile Satellite Services could make it a good candidate for complementary space IoT constellation. However this frequency band is not authorized in Europe and Northen America where space services are in use for military purposes, often on an exclusive basis. (UHF Follow-On (UFO) Satellite Constellation and Mobile User Objective System (MUOS))
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