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2009年12月13日 (日)

「The 4th Kind フォース・カインド」の試写会に行ってきました

@niftyココログのコネタマで、この映画の予告編を見た感想をブログを書くと試写会の招待券が当たるということで、自分のブログに書いたところ、運良く当たりました。

「この映像を見て、あなたはどう思いますか?(試写会プレゼント付き)」

今回は、当選20組の枠に対して参加者が116名だったようなので、普通の試写会よりも当たる確率はかなり高かったかもしれません。

 試写会の招待状は試写会の間際に来ることが多いのですが、今回は2日前になっても来ません。どうなっているのかと思っていると、試写会の前日に電子メールの添付ファイルで送られてきました。なにか事情があったようです。

 さて、映画のほうですが、内容は映画のタイトルそのものです。

すなわち

The 4th Kind

ALIEN ENCOUNTER OF THE FOURTH KIND

Close Encounter of the Fourth kind

A human is abducted by a UFO or its occupants.

(http://en.wikipedia.org/wiki/Close_encounter)

  ↓

第四種接近遭遇は空飛ぶ円盤の搭乗員に誘拐されたりインプラントを埋め込まれたりすること。また、空飛ぶ円盤の搭乗員を捕獲、拘束すること。

(http://ja.wikipedia.org/wiki/接近遭遇)

なお、英語版の予告編では、はっきりと

  ALIEN ENCOUNTER OF THE FOURTH KIND   ABDUCTION

と表示されているので、ここまでの話であれば、ネタバレにはなっていないと思いますが・・・。

 映画のパンフレットによれば、「この映画は、65時間以上に渡る記録映像及び音声の抜粋と、その再現映像とで構成されている。」ということになっています。

フィクションということであれば、映像の出来を楽しめばよいのですが、少なくとも部分的には記録映像であるということになると、当然記録映像の信憑性が問題になります。

予告編でも乱れた映像が出てきますが、乱れ方のパターンが気になります。

映画を見る限りでは、映像の乱れ方がアナログビデオカメラ特有の乱れ方のように思われますが、この映画の背景である2000年には家庭用のデジタルビデオカメラが普及していたので、なぜ、高画質で信頼性が高いデジタルビデオカメラを使用しなかったのか不思議です。なお、デジタルビデオカメラの場合には、映像の劣化は通常ブロックノイズとなって表れます。また、信号が欠落した場合には、黒い正方形や長方形が表示されることが多いです。

もし、たまたま手元にアナログビデオカメラがあったので、それを使用したと仮定しても、最初に映像の異常を発見した後も同種類のカメラ(映画では同一のカメラであるかどうかはよく判りませんでした)を使用し続けることは、とても考えられません。

観測(測定)の際に異常が生じた場合には、異常の原因を解析するのが当然ですが、この映画を見る限りでは、異常原因の解析は行われていないように思われました。少なくとも環境状態を測定するための各種測定器(ガウスメータ、電界強度測定装置、静電電位計など)を設置して、どのような状態の時に異常が発生するのかを確認するのが当然と思われます。

もし解析に時間が掛かるのであれば、他の種類のカメラ(デジタルビデオカメラ、銀塩ムービーカメラ等)を併用するか、置き換えて使用するのが当たり前であるような気がします。

また、何らかの理由でアナログビデオカメラを使い続ける必要があったとしても、映像の乱れ方が不自然であるように思われます。

映画に出てくるような映像の乱れは、記録ヘッドから磁気テープへの書き込み、または、再生ヘッドによる磁気テープの読み出しが正常に行われなかった場合に発生する映像の乱れに類似しています。すなわち、磁気テープの変形(しわ、折れ、わかめ)、磁性粉の剥離、磁気ヘッドの目詰まり(ヘッドクロッギング)、テープパスの不良、ヘッドとテープの接触圧のなどが発生したときにこのような映像の乱れが生じることがあります。

この映画の場合には、催眠状態にある患者が異常な行動をとった場合にのみ映像が乱れているので、記録ヘッドから磁気テープに映像信号が書き込まれるときに、何らかの原因で異常が発生したと考えるのが妥当であるように思われます。

ここでまたいくつか疑問が出てくるのですが、映画を見るかぎりでは、患者の異常な行動と映像の乱れには因果関係があるように思えます。離れた位置からビデオカメラに影響を与えるものとしては、常識的には、光、音、電界、磁界、電磁波、放射線などが考えられますが、生身の人間の場合にはこのようなエネルギーを発生するようには思われません。ただし、上記Wikipediaによれば、第四種接近遭遇にはインプラントが含まれているようなので、催眠で患者の記憶が戻ってきそうなときに都合よく起動してエネルギー(?)発生するような特殊な装置(?)が埋め込まれていると仮定すれば、一応筋は通ります。なお、ここでは映画「エクソシスト」のような心霊現象が考えないことにします。「エクソシスト」も実話だそうですが・・・(原作を読んだときには悪魔の存在を信じそうになりました)。

なお、UFOからのエネルギーにより映像の乱れが発生する可能性もありますが、映画の中では、UFOと映像の乱れの関連が示されたのは1回だけだったように思えます。また、催眠で患者の記憶が戻ってきそうなときにUFOからエネルギーが飛んでくるというのも一寸考えにくいです。

ここで、ビデオカメラの記録のプロセスを単純化して考えてみると、以下のようになります。

(1)光→電気変換系:CCDイメージセンサで光を電気(映像信号)に変換する。

(2)電気→電気系:増幅回路でCCDイメージセンサの出力を増幅して磁気記録ヘッドに供給する。

(3)電気→磁気変換系:磁気記録ヘッドで映像信号を磁気テープに書き込む。

各系での信号のレベルを考えると、(1)<(2)<(3)となります。

信号のレベルは大きいほど外乱(雑音)の影響を受けにくくなるので、常識的には、(3)電気→磁気変換系が最も影響を受けにくい筈なのですが、映像を見る限りではこの部分が影響を受けたときに生じるような乱れが発生します。影響を受け易いと思われる(1)光→電気変換系、(2)電気→電気系で発生する特有の障害がないのが不思議です。

離れた場所からビデオカメラに影響を与えるものとしては、大出力のレーダーが知られています。航空母艦の甲板からのビデオレポートの映像で画面に周期的に線や点が表示されることがありますが、これはレーダーの影響です。レポータも画面の乱れはレーダーの影響であるとコメントしていました。

一次資料は未確認ですが、こんな情報(「カメラと電磁干渉」)もありました。

今回の映画の場合には異常の原因となったエネルギー(?)が不明ですが、現時点で知られているエネルギーの種類から考えると磁界や電磁波の可能性が高いように考えられます。その根拠は以下の通りです。

UFOの原理としては色々説がありますが、トンデモ系ではない資料としてNECのUFO特許「飛翔体の推進装置」(特開平05-172040、登録2936858)があります。特許の出願自体は様式さえ整っていれば内容に無関係に永久機関でも公開されますが、この出願は特許庁の審査を受けて登録されています。すなわち、国の機関からお墨付きをもらっています(一応)。

この特許によれば、推進のエネルギーは断続される磁場(磁界)により発生するもののようなので、もし映像の乱れが磁界によるものであれば、それなりに部分的には理屈が通ります。ただし、断続磁場が原因だったとしても、映画のような映像の乱れにはならないように思われます。

この特許で一寸面白かったのは、公報の中に「飛翔体(宇宙船)周辺の空間領域は局所的に曲がっているので、重力レンズ効果により、飛翔体(宇宙船)の形状が変化し、あるいは、地上の観測者との位置即ち距離と方位角度により全く見えない死角ができる可能性がある。」、「磁場をOFFするタイミング制御により、宇宙船下部の物体の吸い上げ放遂が行える。」という記載があり、ABDUCTIONを連想してしまいました。

また、1962年に米国により実施されたStarfish Primeと呼ばれる太平洋上空400kmでの核爆発実験では、約1400km離れたハワイで、街灯、テレビ、ラジオ、防犯装置、電話回線ようのマイクロ波リンクなどに影響を与えたようです。この影響はEMP(electromagnetic pulse)によるものであると考えられています。

以上のことから考えると、映像の乱れは強力な磁界や電磁波により発生する可能性があるものの、映画の中で記録映像とされている映像のような乱れ方にはならないように思われるので、個人的にはかなり信憑性が怪しいように思われます。

映画の中で提示された情報だけでは、J. Allen Hynek 氏による三つの分類の中の

  ALIEN ENCOUNTER OF THE SECOND KIND    EVIDENCE

にも達していないように感じます。なお、映画では、EVIDENCEを「痕跡」と訳してありますが、「証拠」と訳されることが多いように思われます。分野によって異なる訳語が使用されることは良くありますが、「証拠」のほうが反論の余地がないという感じがします。

ということで、「信じるかどうかは、あなた次第。」というキャプションに対しては、「一寸ね・・・」という感じです。

直接、映画とは関係ないかもしれませんが、UFO目撃関係の情報を調べていたら一寸面白い資料がありました。

それは「磁気閃光現象」というもので、「低周波磁界に頭部をさらすことにより閃光が知覚される現象」だそうです。

磁気閃光現象における網膜での誘導電流密度の解析

http://ci.nii.ac.jp/naid/110003260984/

この現象に色々なバリエーションがあると仮定すると、ある人には見えて他の人には見えないという状態に対して合理的な説明ができるかもしれません。

実際、下記の記事には、磁気とalien abductionsの関係について書いてあります。

TMS: Twilight Zone Science?

http://www.wired.com/medtech/health/news/2002/04/51699

“Persinger believes that naturally occurring magnetic interference could be at the heart of mystical experiences and a whole host of paranormal phenomena, ranging from ghosts to alien abductions.”(上記URLからの引用)

ここまでは、一応映画のプロットに関する話だったのですが、この映画「THE FOURTH KIND について調べていたら、ネタバレ以上の驚愕の事実(?)が判りました。

ここから先は究極のネタバレ(?)になるので、透明インクで書くことにします。文字を見るためには魔法の呪文(「編集」→「すべて選択」)が必要です。」

2010.07.07修正】

ここから先はネタばれになりますが、透明文字を使用使用するとスパムと誤認される可能性があるようなので、普通文字に修正しました。

THE FOURTH KIND」についてIMDb(The Internet Movie Database) The Fourth Kind (2009)を見てみると、下の方のFAQに「Is any of the real footage real?」という質問があり、この回答を見るとこの映画の状況が判ってきます。

http://en.wikipedia.org/wiki/The_Fourth_KindDeceptive marketing campaignの項に同様なことが書いてあります。

また、CNNのニュースにも関連する情報があります。

CNN.COM

'The Fourth Kind' of fake?

http://www.cnn.com/2009/SHOWBIZ/Movies/11/06/fourth.kind.real/index.html

面白そうなので、もう少し調べて見ました。

下記の情報によると、映画会社がプロモーションのために現実世界のニュース機関に宣伝用の虚偽のニュース(Dr. William (Will) Tylerの死亡記事)を送ったようです。

以下が実際の虚偽の死亡記事です。

“NOME – Dr. William (Will) Tyler of Nome passed away on Wednesday, August 2, 2000. Dr. Tyler’s cause of death is currently under investigation.

Dr. Tyler made his home in Nome with his wife Dr. Abigail Tyler and their two children. Dr. Tyler and his wife moved to Nome in late 1997 to conduct studies of sleep disorders at their Nome practice, Tyler’s Health and Care. He is survived by his wife, son and daughter. A memorial service and burial have yet to be announced pending the closure of the current cause-of-death investigation.”

いくら宣伝のためでも、ここまでやったら反則でしょう。

この虚偽のニュースに関する記事が地元にメディアに載っていました。

newsmier.com

Movie makers fabricate Alaska news to promote alien abduction fantasy

Alaska newspapers, movie studio reach settlement over 'Fourth Kind'

Technology might make it possible to fool even more people, all of the time

Movie-maker hit bottom with fake news Web site

The real story behind The Fourth Kind

The Anchorage Daily News

For visiting villagers, a trip to town was their last

結局のところ、この映画は、アラスカで実際に発生した連続行方不明事件にインスパイアされて製作されたフィクションであるというのが私の感想です。

映画自体もそれほど悪くはないと思いますが、虚偽ニュースの話の方が面白かったです。

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コメント

フォースカインドを見てあの記録映像は本物なのかが気になってこのHPにきました。映像の不審な点やその後に虚偽ニュースとして出てきた情報などからするとやはり真実ではないようですね。
この映像は真実です。みたいな売り方をしていたのでちょっと残念。

投稿: | 2010年9月15日 (水) 17時03分

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