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2010年1月22日 (金)

FMバンドの下端が63MHzのポケットラジオを買いました

 近所のホームセンターに行ったら、一寸変わったラジオを売っていました。

【パッケージ】

1package

 何が変わっているかとというと、受信周波数範囲が以下のようになっており、FMバンドの下端が63MHzとなっています。
  AM  : 525~1630 kHz
   FM1 : 63~88 MHz
  FM2 : 88~108 MHz

 FMバンドが2分割されて、下側がFMとTVのローバンド(CH 1~3)、上側がTVのハイバンド(CH 4~12)となっているラジオは時々見かけますが、このように受信周波数範囲の下限が63MHzとなっているポケットラジオは初めて見ました。
 製品名は「LIFLEX AM/FM1ポケットラジオ KMG08-4970」(Made in China)です。なんか部品番号みたいなモデル名です。980円也。
  "KMG08-4970"をGoogle, Yahoo!, Goo, Baiduで検索してもヒット件数が0でした。(2010.1.22現在)

(2010.1.23 00:12 追記:今検索したら自分のページが1件だけヒットしました。)

 パッケージと取説は日本語ですが、日本のFM放送バンドは76~90MHzなので、FM放送受信用とも思えません。取説にも特に受信対象についての説明はありません。
 wikipedia(http://en.wikipedia.org/wiki/FM_broadcast_band#CCIR_bandplan)によれば、旧ソ連などではFM放送バンドとして65.8~74 MHzが使用されていたようですが、在庫の部品が今頃放出されたとも考えにくいです。
 日本の場合には63MHzは何に割り当てられているのかを総務省の電波利用ホームページで調べてみました。

周波数割当計画の検索(http://www.tele.soumu.go.jp/search/wari/index_w.htm)
http://www.tele.soumu.go.jp/cgi-bin/warisearch.cgi?BLOK=2&FLOW=63&HZ=3&as_fid=193514657
これによると、60.7925 - 68 MHzは、電気通信業務用、公共業務用、放送事業用、一般業務用となっています。

使用状況の詳細(平成21年9月現在)(http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/30m.pdf
30MHz~335.4MHz (102KB)

 この資料では54~68MHzの主な用途は、「市町村同報防災行政無線等の公共業務、放送事業者の音声番組中継」となっています。
 自宅付近でも、ときどき防災行政無線の屋外受信子局のスピーカから音声が流れてくるのですが、音が不明瞭で何を言っているか判らないことが多いです。特に、冬は窓を閉め切っているので、広報自体が聞こえません。
 もし、上に書いた防災行政無線の信号を直接受信できるのであれば、何かの役に立つかもしれないということで、聞こえるという保証はありませんが買うことにしました。価格もそれほど高くないし・・・。

 早速使って見ましたが、第1印象はあまり良くありません。第1に選局ダイアルのバックラッシュ(ガタ、アソビ)がかなり(2~3mm)あります。ダイアルの回転方向を反転するときに、ダイアルの回転と周波数の変化が連動しないので、非常に選局がしにくいです。選局がクリチカルなアナログ短波ラジオでは、バックラッシュは致命傷ですが、TVやFMの放送が選局しにくいというのは、一寸うまくありません。感度のほうは、価格が価格なので余り期待していませんでしたが、FMの感度は、以前購入したROC-10よりも良くない感じがします。かなり感度が悪いFMラジオでもTVの1チャンネルの音声搬送信号(95.75MHz)は聞こえるのですが、受信条件が悪いせいか受信できませんでした。

 感度が低いわりには、63~70 MHzあたりでは選局ランプが点灯したままの状態になります。原因が内部なのか外部なのか良くわかりませんが、電子機器からの不要輻射と思われるビッビッビッというような周期的なノイズやTVのバズ音が聞こえます。TVのバズ音はTVの1チャンネルの映像搬送信号(91.25MHz)のものと思われますが、本来63~70 MHzでは聞こえないはずの信号なので、こればラジオ自体のイメージやスプリアスが原因と思われます。
 電気的な特性の他に、操作性の問題もあるように思われます。
 受信周波数範囲が、TV、FM1,FM2の3バンドに分かれているので、周波数の表示も三つに分かれているのですが、左からFM2、FM1、TVとなっています。
 ところが、バンド切り替え用のスライドスイッチは、左からTV、FM1、FM2となっており、パネルのバンド表示とは逆になっています。右側に周波数が表示されているTVを受信したいときは、スライドスイッチを左側に移動させなければならないというのは、ストレスを感じます。メカ的なリンク機構などの設計上の制約はないように思われるので、なぜこうような配置にしたのかよく判りません。

【バンド切換スイッチ】

2slide_sw_2

 もっとも、昔購入した一流国内メーカー製のTV付ラジカセでは、左側にカセットメカ、右側にCDメカがあるにもかかわらず、信号選択スイッチは左側がCD、右側がカセットという不思議な配置になっていたので、外からみだだけでは判らないような深い事情があるのかもしれません。

 さて、肝心の防災行政無線のほうですが、まず、このラジオの受信周波数範囲の下限が63MHzまで伸びているかどうか確認しました。
 SSGなどいう洒落たものは持っていないので、大昔に買ったトリオのグリッドディップメーターDM-6(1.7-180MC)を引っ張り出して着ました。周波数の表示がMHzではなくてMCなのが時代を感じさせます。バンドF(60-180MC)のコイルを挿して電源を入れるとメーターの針が振れました。どうにか発振しているようです。

【DM-6】

3dm6

 ラジオの受信バンドをFM1に切り替えてダイアルを下端に移動させた状態で、DM-6の発振周波数を徐々に変化させると、DM-6のダイアルの目盛りがほぼ63MHzのとことでキャリアが受信できました。次に、DM-6の目盛りが正しいかどうかを確認するために、DM-6からの信号をFRG-965(60-905MHz)でチェックしたところ63.2MHzで受信できました。
 意外なことにと言っては失礼かも知れませんが、パネルの下限の周波数表示は正しいように思われます。

【下限周波数チェック】

4calib

 総務省の電波利用ホームページで技術基準適合証明等を受けた機器の検索をしてみると、一寸古いですが以下のような装置がありました。
名称  電波の型式、 周波数及び空中線電力 技術基準適合証明をした年月日
屋外拡声装置 F2D,F3E 68.82MHz 0.1W     H16.7.16
http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/material/proof/2004/139tele.xls

 電波法施行規則 第四条の二 (電波の型式の表示)(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%93%64%94%67%96%40%8e%7b%8d%73%8b%4b%91%a5&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S25F30901000014&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1
によれば以下のようになっています。

   F:主搬送波の変調の型式 → 周波数変調
   2:主搬送波を変調する信号の性質 → 変調のための副搬送波を使用するもの  
   D:伝送情報の型式 → データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令

   F:主搬送波の変調の型式 → 周波数変調
   3:主搬送波を変調する信号の性質 → アナログ信号である単一チヤネルのもの   
   E:伝送情報の型式 → 電話(音響の放送を含む。) 

 これを見る限りでは、音声部分はアナログFMなので、普通のFM復調回路で復調できそうです。

 但し、下の資料によると、デジタル同報無線システムの場合には、多元接続方式がTDMA(時分割多元接続方式)、変調方式が16QAM(16値直交振幅変調)のようなので、この地域のシステムがデジタルの場合には、周波数が判っても素人では手が出せそうにありません。

日本無線技報 No.46
市町村 デジタル同報無線システム
http://www.jrc.co.jp/jp/company/html/review46/pdf/JRCreview46_07.pdf

 実際に防災行政無線が受信できるかどうかは試してみるしかありませんが、この地域では休日は定時放送が無いようなので、確認がなかなかできません。
 先日、行方不明者のお知らせが屋外拡声装置から聞こえてきたので、買ったラジオで63~70 MHzあたりを手動でスキャンしてみましたが、ノイズやスプリアスで肝心の信号は聞こえませんでした。
 屋外拡声装置のタワーに設置した八木アンテナでは受信できても、室内のロッドアンテナで受信するのは無理なのかもしれません。

 残念ながら現時点では受信できていませんが、もう少し調べてみたいと思います。
 自治体によっては専用の戸別受信装置が用意されているところもあるようですが、結構いいお値段がするようなので、このラジオで受信できればラッキーということになるのかもしれません。

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コメント

おじゃまします。
(特定小電力1W化を検索していてたどり着きました)

FM部分が珍しいラジオですね。

スポラディックE層が出ますと
日本でも66-73MHz付近のロシアFM放送を受信できます。
たとえば、こんな感じです。http://blog.goo.ne.jp/aaronstudio/e/0f83a5f862f3ff16ab9a9ca10d8abc76
(本当はもっと綺麗に聞こえています)

投稿: SR911 | 2010年6月 8日 (火) 18時45分

コメント有難うございます。ロシアのFM放送が聞けるとは知りませんでした。
開局時(コールサインが最初のJA1P**の頃の大昔です)に50MHzでVKやDUとQSOしたのを思い出します。
手元にFRG-965があるので66-73MHz付近をスキャンしてみます。

投稿: K | 2010年6月 9日 (水) 23時26分

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