映画「ラブリーボーン」を見てきました
家人のお供で映画「ラブリーボーン(The Lovely Bones)」を見てきました。
この種の映画は好みの影響が大きいと思われるので、あくまでも個人的な印象ですが、折角見たので感想を一言二言。
この映画についての予備知識は殆どなく、テレビのCMで一寸見かけたのと、「ラブリーボーン」というタイトルが一寸不思議だと思った程度でした。
見終わった後の印象は、この映画ではどのようなテイストを味わえばよかったのかが、よく判らなかったということです。
サスペンス?、ミステリー?ホラー?スプラッター(直接的な映像はありませんが・・)?家族愛?初恋?あるいは、丹波哲郎の世界?・・・
別に霊的な話に拒否反応はないのですが、今ひとつ感情移入ができませんでした。
死後の世界から現世を見守るというパターンでは、かなり雰囲気は異なりますが「ゴースト/ニューヨークの幻」がありますが、これは結構楽しめました。「ゴースト」の場合には、ウーピー・ゴールドバーグが演じる半偽霊媒師の存在が結構大きかったような気がします。
「ラブリーボーン」の場合にも霊感を持っている少女が出てくるのですが、ストーリーに対する関与が一寸薄いような気がしました。最後の方で霊的体質を持っていることとストーリーの絡みがやっと判ってきますが・・・・。
金庫を陥没穴に廃棄するシーンで金庫を転がす場面の描写が結構長く、そのときに霊感少女も出てくるので、何か(悪事露見など)が起きるのかと予想したのですが、別の展開になってしまいます。
最初にゴミ廃棄用の陥没穴が出てきたときは、星新一の「おーいでてこーい」を連想してしまいました。
映画の中での陥没穴の存在理由がよく判らなかったのですが、証拠を隠滅したと思っても「天網恢々疏にして失わず」ということでしょうか?
また、少女(スージー)の祖母のキャラクタが結構濃いのですが、ストーリーへの関与が一寸ものたりないような気がします。
最後のほうで、スージーの妹が犯罪計画のノートを見つけるのですが、父親や母親にではなく、祖母に渡すのは、両親が通常状態ではないあの状況では祖母に渡すのが適していると考えたから?
そのほか、一寸気になった点をいくつか。
・映画の中では、当時(1973年)はこの種の犯罪は少なかったので、少女が食事に遅れても家族は余り気にしなかったような説明になっていたような気がしますが、治安の状態にかかわらず、事故の可能性もあるので、普通は食事に遅れたら心配すると思いますが・・・。
・死後の世界の先輩(?)の少女(英語版のWikipediaによればベトナム系アメリカ人?)の名前が一寸変わっていて、且つ、昔聞いたことがあるような名前だったので、後で調べてみたら、トルーマン・カポーティの小説「ティファニーで朝食を」の主人公のホリー・ゴライトリーと同じ名前でした。Wikipediaを見ると、やはり小説からとったようです。ホリー・ゴライトリーは、高級娼婦だったような気がするのですが、少女の名前をホリー・ゴライトリーにすることにどのような意味があったのかよく判りませんでした。
・映画の最初の方でスージーが自転車に乗って片手で110カメラで撮影するシーンがあり、撮影した写真が後で物語に関係してくるのですが、自分が昔使用した時の記憶では、とてもあのように綺麗には撮影できるようには思われません。現在の手ぶれ補正付きコンデジでも一寸難しいかも・・・。
・110フィルムを何十本も撮り溜めていましたが、何のためにそのようにしたのかがよく判りませんでした。それ以上に判らなかったのは、事件前にした1本づつ現像するという約束を事件後も守ることの意味が判りません。母親の方はそんな約束を守ることは意味が無いと言っていましたが・・・。
最後のほうで「ラブリーボーン」の意味についての話が出てきたのですが、良くわからなかったので確認してみました。小説の中では以下のような説明があるようです。
"These were the lovely bones that had grown around my absence; the connections--sometimes tenuous, sometimes made at great cost, but often magnificent--that happened after I was gone. And I began to see things in a way that let me hold the world without me in it. The events that my death wrought were merely the bones of a body that would become whole at some unpredictable time in the future. The price of what I came to see as this miraculous body had been my life."
http://film-dramas-based-on-books.suite101.com/article.cfm/the_lovely_bones_a_unique_crime_thriller
これを読んでもまだ良くわかりませんが、少女の死後に生じた家族の絆のようなものでしょうか?
どこかに他の人が、この映画は観客がこうなるはずだと思っている方向を外して作っていると書いていましたが、そう考えると納得できないこともありません。
思いつくままに書き飛ばしましたが、自分のようなおじさんの場合には、この映画を楽しむのは一寸難しかったです。
小説を読めばもう少し納得できるのかもしれませんが、そこまでの元気はありません。
下記のURLで、原作(英文)の1ページから10ページまで閲覧できるようなので、一寸見てみましたが、即挫折です。英語は難しいです。
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0316168815/ref=sib_rdr_ex?ie=UTF8&p=S00G&j=0#reader-page
【2010.02.10追記】
日本語の小説の一部も、下記のURLで閲覧できることがわかったので、こちらをざっと読んで見ました。
Villagebooks
『ラブリー・ボーン』 第2章(文庫P27-34)より
http://www.villagebooks.co.jp/lovelybones/book/read.html
この公開されている部分を読むと、この物語の雰囲気が少し判ってきたような気がしますが、この感じ(「大霊界」?」)を映画から読み取るのは一寸難しいです。
なお、この部分にホリー(ルームメイトなんですね)のことが書いてあります。
映画の話からは離れますが、この公開されている部分で「クールエイドが入ったディキシーの紙コップ」と言われてもピンときません。
意味が判らないと気持ちが悪いので一寸調べてみました。
“Don't drink the kool-aid”というイディオム
http://www.anemo.co.jp/life/abbott/20.html
DIXIE CUPS
http://www.ideafinder.com/history/inventions/dixiecup.htm
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