免許不要局の空中線電力の上限が0.01Wから1Wに
放送法等の一部を改正する法律案が2010年3月5日の閣議で決定されたようですが、下の資料の中の「免許不要局の拡大」に一寸興味が引かれました。
放送法等の一部を改正する法律案の概要
http://www.j-cast.com/images/2010/hosoho_kaisei.pdf
これによると、免許不要局が大幅に拡大され、空中線電力の上限が現在の0.01Wから1Wに見直されるようです。
無線LAN(WiFi)等がこれに含まれると思われますが、1Wというと結構なハイパワーです。
感電もするし、蛍光灯も点きます(ただし、UHFの単一キャリアでしか実験していません)。
IEEE 802.11jなどが技適マークだけで使用可能になるということでしょうか?
空中線電力が1mW/MHzの802.11gと利得が24dBiの指向性アンテナの組み合わせで約47.5kmの通信が可能だったという報告があるので、1Wだとどこまで飛ぶのでしょうかね?
【追記:勝手に無線LAN関係であろうと想像していたのですが、どうもそうではないようです。作業連絡無線システム用の陸上移動局のことかもしれません。】
2008年3月27日 [2008.3.26 プレスリリース]
無線LAN(WiFi)で通信距離47.5kmの日本新記録
http://www.jrc.co.jp/jp/whatsnew/20080326/index.html
個人的には、1Wレベルの2.5GHzや5GHz電磁波が常時飛び回ってるのは一寸心配です。
特にハイゲインのアンテナと組み合わせたら、至近距離では結構な電界強度になるように思われます。
この他には、「携帯電話基地局の免許の包括化」がありましたが、アマチュア無線もぜひ包括免許にしてほしいです。
【2010.03.06追記】
免許は不要でも、「発射する電波が著しく微弱な無線設備」以外は、「技術基準適合証明を受けた無線設備」が必要となると思われます。
免許及び登録を要しない無線局
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/proc/free/index.htm
微弱無線局の規定
http://www.tele.soumu.go.jp/j/ref/material/rule/index.htm
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コメント
そうでもなくもないようです。
内容を見ると必ずとも言えませんが。。。
参議院のトップページ右下
調査室作成資料
『立法と調査』
各号別索引 (バックナンバーリスト)
304号(平成22年5月1日) 特集:第174回国会の法律案等の紹介(3)
特集 第174回国会の法律案等の紹介(3)
通信と放送の法体系の見直し
投稿: | 2010年10月 8日 (金) 09時47分
度々おじゃま。これが元ですね。
電波新産業創出戦略 ~電波政策懇談会報告書~
投稿: | 2010年10月 8日 (金) 10時18分
Kです。コメント有難うございます。
以下の記事の中の「無線システムごとに」が具体的には何を意味するのかが良くわかりませんが、複数のシステムで見直しが行われる可能性があるようですね。
「立法と調査 2010.5 No.304」から抜粋引用
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2010pdf/20100501003.pdf
「電波を利用した新たなサービスや新製品を迅速に導入するためには、利用のための手続をできるだけ合理的なものとすることが必要である。例えば、現在、免許不要局の空中線電力の上限は法律上10mWとされているが、無線システムごとに無線システムの機能、使用周波数、利用形態等に応じて最適な空中線電力の上限を定められるようにこれを見直し、免許不要局の範囲を拡大することが適当である」
投稿: K | 2010年10月 9日 (土) 00時08分
国会で可決されました。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/176/meisai/m17603176007.htm
これからどうなっていくんでしょうかね。
パブコメ(?)にも慎重論が当然多いですからね。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000030536.pdf
投稿: | 2010年12月 6日 (月) 11時54分
↑度々おじゃま。
多くは無かった。2件ほどだった。
失礼。
投稿: | 2010年12月 6日 (月) 12時01分
Kです。
情報をありがとうございます。
賛成票232、反対票6だったのですね。
こんな情報まで見ることができるとは知りませんでした。
個人的には、パブコメの(社)日本民間放送連の意見に近いです。
アクセスコントロール関連の著作権法改正は、マジコンが対象と思われるのでわかりやすいですが、今度の電波法の場合には「免許不要局の範囲を拡大すること」の具体的な必要性がよく見えません。
確かに10mWは弱すぎかも知れませんが一挙に100倍の1000mWというのは、どういう話の流れなのか一寸興味があります。
PLCのときは裁判までおきて結構騒いでいましたが、今回は静かですね。(単に自分が知らないだけかもしれませんが・・・)
投稿: K | 2010年12月 6日 (月) 22時56分
これまで少し書き込みさせてもらってて、せっかくなので追加です。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_01000029.html
いよいよ意見陳述の段階に入りました。
投稿: | 2011年5月18日 (水) 21時13分
最新の情報をどうもありがとうございました。
「空中線電力の上限の見直し」と「小電力無線システムの高度化・利用の拡大」の関係が、今ひとつイメージが沸きません。
800-900MHz帯の記事はよく見かけるのですが、それ以外の対象がよくわかりません。
投稿: K | 2011年5月18日 (水) 23時03分
かなり古い書き込みですので、もうこのページは更新されておられないのかもしれませんが、興味深い記事であったため連絡させていただきます。私はラジコン好きで最近はドローンに興味を持っています。parrotというメーカーのbebopというドローンがwifiで2kmまで飛行可能と宣伝しているのですが、mimoを使っているとはいえ、日本では上限、10mw/MHzが上限とおもいますが、2kmまで飛ぶと思えますか? 知見をお持ちでしたらご教授ください。
投稿: Coby | 2015年6月27日 (土) 06時03分
Kです。
当方もドローンの通信については一寸興味があります。
以下の記事にかなり詳しい説明があります。
WiFiで2km飛行するヘリ
2014年5月13日 23:47
http://www.konure.com/it/2014/05/fly-over-2km-by-wifi.html
現在のParrotの広告では以下のようになっています。
Parrot
Bebop Drone/Skycontroller
http://www.parrot.com/jp/products/bebop-drone/#skycontroller-device
通信規格
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac
Wi-Fi アンテナ:2.4 GHz、5 GHz接続によるバイバンドMIMO アンテナ2本)
出力: 21 dBmまで
シグナル範囲:250mまで
21dBmまでということは126mWまでということになりますが、かなりの出力です。
dBm to Watt Conversion Calculator
http://www.h-peters.com/dbmtomw.html
802.11ではなく802.15(2.4GHz)の例ですが、下記の資料には次のように書いてありました
住友精密工業
よくある質問 - 無線 - 電波の到達距離はどの位ですか?
http://www.neomote.com/modules/smartfaq/faq.php?faqid=18
屋外で障害物が無い場所
10mW 200m
1mW 100m
条件によっては1kmを越す場合もあるようです。
Tokyo Cosmos Electric
長距離無線モジュール
http://tocos-wireless.com/jp/products/longrange.html
電波の飛びは環境の影響が大きいので、一概には言えませんが、10mWで200~300mが実用的なところのような気がします。
ご参考まで。
(2015.7.1 一部修正)
投稿: K | 2015年6月28日 (日) 08時41分