ICF-SW07のアンテナを応急修理しました
知り合いがインドに行くのに短波ラジオICF-SW07を持って行きたいが、アンテナが壊れているようなので修理してほしいと言ってきました。
現物を見てみるとロッドアンテナ全体がすっぽりと抜け出ています。不思議なことに固定ねじはついたままなので、後でねじを嵌めたかどうか聞いたところ何もしていないとのことでした。
【(01)アンテナ基部】
ロッドアンテナを本来の固定位置に差し込んでみると、本来は見えないはずのアンテナ基部の金属がアンテナ固定ねじ孔から見えます。
【(02)アンテナ固定ねじ孔(修理前】
どうもアンテナ固定用ボスが破損しているように思われます。
内部を確認するために裏蓋を開けました。なお、裏蓋は、矢印のついた8本(2本(短い)はアンテナの下、1本は電池カバーの中)のねじを外せば簡単に取り外すことができます。
【 (03)アンテナ固定用ボス跡?】
やっぱりアンテナ固定用ボスが破損しているようです。
ラジオのケースの中にボスの残骸と思われるものが残っていました。但し、切断面照合はしていないので、別の部品のものかも知れません。
プリント基板のアンテナ固定部付近を見てみると、変な形のアンテナ端子板が宙ぶらりんの状態で浮いています。
【(05)ICF-SW07基板(裏面全体)】
【(06)基板(アンテナ固定部付近)1】
【(07)基板(アンテナ固定部付近)2】
【(08)変形したアンテナ端子板】
ボスが欠損しているので、このままの状態ではアンテナを固定することができせん。
そこで、修理方法として以下の二つを検討しました。
(1)ねじ径とピッチが同じで、頭部が裏蓋の外側に露出する程度の長さの長ねじを探してきて、ねじ頭が孔に落ち込まないようワッシャをかませてアンテナを固定する。
(2)アンテナ基部のねじ孔の径を広げてねじを切り直し、少し大き目のねじで固定する。
(1)の方法は、適当なねじを探すのが一寸大変そうです。一般に非常に細くて長いねじはあまり見かけません。
(2)の方法は、作業がかなり面倒になりそうです。
なにかいい方法はないかと考えていたら、アンテナ固定ねじと裏蓋固定ねじの直径が大体同じであることに気がつきました。
【 (09)アンテナ固定ねじ(左)と裏蓋固定ね じ(右)】
裏蓋固定ねじはアンテナ固定ねじよりも長いので、ねじ頭を裏蓋の外側に露出させることができそうです。
ねじのピッチは明らかに違っていますが、試しに裏蓋固定ねじをアンテナ基部のねじ孔にねじ込んでみると、抵抗を受けながらねじ込むことができます。
うまくいけば、割りと簡単に修理できそうですが、ワッシャとねじ頭が露出するので、外観的に問題があります。
依頼者に確認したところ、動作するのであれば外観は問わないという有りがたい(?)注文だったので、この方法で修理することにしました。
アンテナ端子板が大きく変形していたため、元の形状がよく判りませんでしたが、位置決めピンと思われる突起の位置と自分だったらこうするだろうという想像に基づいて適当にアンテナ端子板の形状を決めました。
【(10)アンテナ固定部(修理途中)】
アンテナ端子板をいろいろ動かしているうちにリード線の半田付け部が切れてしまったので、老眼に鞭打って半田付けしました。
裏蓋を取り付けて電源を入れ、放送を受信している状態でロッドアンテナを手で触ると受信強度が変化しているので、アンテナは正常に機能しているようです。
なお、裏蓋固定ねじは、アンテナ固定ねじに流用したので1本不足しますが、機械強度的に他の部分に比べて影響が小さいと思われる中央部を省略しました。
修理を頼む方は簡単ですが、実際に修理するのは結構面倒です。いつか一杯飲ませもらわなければ・・・・・・
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