映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」(3D)を見てきました(重箱隅的雑感)
オリンピックをリアルタイムで経験した年代なので、懐かしく見ました。
映画自体については、他の人が沢山書いていると思うので、感想を一言二言。
・見て損はないと思います。
・宅間先生の御話は言わずもがなのような気が・・。
・個人的には2Dがお勧め。映画館に依存するのかもしれませんが、3Dでは画面が暗くて肌や青空の色調がよく判りませんでした。
以下は、重箱の隅をつついたような若干オタク的な感想です。
【東京タワー】
映画の冒頭で真上から見たシーンが出てきます。
東京タワーの俯瞰
http://www.always3.jp/3d/img/thums_3_01.jpg
このシーンではさすがに3Dの効果が十分発揮されていま。(最大の見せ場?)
頂部の避雷針(誘雷針?捕雷針?導雷針?)の形状が一寸面白いです。
実物の写真はこちら↓
東京タワーの避雷針
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:TaroTokyo20100501TT-Top.jpg
通常、アンテナを真上から見ることはありませんが、映画の画像では避雷針の下にあるスーパーターンスタイル(super turnstile)アンテナが、4方向に扉が突出したターンスタイル(回転改札口、回転出入口)の形に似ていることが判ります。
SUPER TURNSTILE ANTENNAS
http://www.sekitech.co.jp/product/defense/ara_7/pdf/stsa.pdf
turnstiles
http://www.expedit.eu/product-areas/entrance-gates/entrance-gates-mechanical/safety-turnstiles
東京タワー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC
昨年10月に東京タワーに行ったときにはアンテナが未だ曲がっていましたが、アンテナ撤去工事が始まったようです。
(コンデジ(EX-V7)のデジタルズームを使用して手持ちで撮影(2011.10.08))
東京タワー、アナログ放送アンテナの撤去始まる http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C889DE1EAE6E5EAE1E3E2E2E3E2E0E0E2E3E09EE5E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E7
(ソース記事はリンク切れ)
【模型飛行機】
映画の最初と最後にゴム動力の模型飛行機が出てきますが、あの浮遊感は米国映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」に一寸似ているかもしれません。
映画の中では、道路で飛ばしていますが、良い子の皆さんは真似しないように。
当時のゴム動力の模型飛行機の脚部は金属(ピアノ線?)なので、電線や変圧器、電車の架線に引っかかると面倒なことになります。
直接ショートはしなくても、耐圧低下による放電の可能性があるし、模型飛行機除去のための作業が必要になります。
最近は電気工事の際に停電することはまりありませんが、電線や電柱の近くで飛行機を飛ばすことはご法度です。
関東電気保安協会
http://www.kdh.or.jp/safe/document/basic/outdoor.html
http://www.kdh.or.jp/img/safe/document/basic/ttl_basic_outdoor_01.gif
四国電力
http://www.yonden.co.jp/life/safety/outdoor.html
「電線の近くで凧上げや模型飛行機を飛ばさない」
また、映画の中では模型飛行機がかなり長い時間にわたって飛行していますが、学校の前にある文具店で売っているようなゴム動力の模型飛行機では、プロペラが回転するのはせいぜい10秒程度だったような気がします。
脱線しますが、模型飛行機のゴムでも結構奥が深いようです。
【東京オリンピック】
開会式当日(1964年10月10日土曜日)は、国立競技場から2km位離れた場所にいました。
ドーン ドーン ドーン という祝砲の音も聞こえました。
ブルーインパルスが飛ぶというので空を見上げていたら、一寸斜め上に見上げる角度(30~50度?)で五輪のスモークを見ることができました。
映画ではほぼ真上に五輪の輪が見えますが、映画では夕日町三丁目は国立競技場のかなり近くという想定になるのでしょうか? wikiによれば港区愛宕町界隈が想定されているようです。
他の人のブログによれば、高度1万フィート、輪の直径6千フィートということなので、愛宕町からでも見えたのかもしれません。
当時のブルーインパルスで使用されたF-86Fは、朝鮮動乱を題材にした映画に良く出てきました。
古老の話によれば、基地の近くまで辿りついたけれども、着陸できずに博多湾に不時着した機もあったようです。
昔、板付基地で機体の後部をL字状のノイズサプレッサに突っ込んでエンジンの整備をしている風景を良く見かけました。
ブルーインパルス | [JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/blueimpulse/
ALWAYS 三丁目の夕日
http://ja.wikipedia.org/wiki/ALWAYS_%E4%B8%89%E4%B8%81%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%A4%95%E6%97%A5
上記URLから抜粋引用:
「昭和33年(1958年)の東京の下町を舞台とし、夕日町三丁目に暮らす人々の暖かな交流を描くドラマに仕上がっている。(当時の港区愛宕町界隈を想定している。」
SOARのパストラーレ♪
『ALWAYS 三丁目の夕日'64』・・・東京タワーと新幹線とブルーインパルス ...
http://pastorale-soar.at.webry.info/201201/article_2.html
【カラーテレビ】
映画の中では、スイッチを入れると数秒で映像と音声がでますが、当時の全真空管テレビでは数十秒かかったような気がします。
余熱(プリヒート)やカソード材料の改良はかなり後だったような気が・・・。
トランジスタ式のブラウン管テレビ(変な日本語ですがCRT以外はトランジスタの意)ならCRTのヒータだけ余熱すればいいですが、全真空管テレビでは高周波系、中間周波数系、映像系、音声系、同期系、偏向系の真空管を余熱しなければならないので、待機電力がかなり大きくなるように思われます。
真空管テレビ工房
http://www.geocities.jp/kuwakahi/index.html
タムラの電気遊戯
「ALLWAYS三丁目の夕日'64」映画制作に微力ながら協力
http://www17.plala.or.jp/tamradio/achi_i/index.html#allways
ポンパ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%91
【ラジオ】
映画の最初の方でラジオが出てきます。
最初はノイズとフェージング(再生帯域が変化しているように聞こえるので選択性フェージング?)を伴っていますが、後でクリアな音になります。
何を意味しているのかと思っていたら、時間の経過を表現しているようです。
受信状態が改善されているのはなぜでしょうかね? 送信出力増加? アンテナが良くなった?
CinemaNavi21
「ALWAYS 三丁目の夕日3」BT③・武雄のその後と時代を思い出させる物~ブログ特別編<33>
http://ameblo.jp/cinemanavi21/entry-11153229599.html
【3D方式】
3D映画を見るのは2回目ですが、最初に見た「アバター」は液晶アクティブシャッターを使用したXPAND方式でした。眼鏡が結構重かったです。
XPAND
http://www.xpand.me/
http://ja.wikipedia.org/wiki/XpanD
今回の映画でも眼鏡を使用しますが方式が違うようです。入口で眼鏡を渡されましたが、スイッチやセンサは見当たりません。どうも偏光フィルタを使用したパッシブ方式のようです。
持ち帰り可能だったので後で調べてみると「masterImage」と書いてありました。
3Dシステムの種類
http://109cinemas.net/3d.html#3d
MASTERIMAGE3D
http://www.masterimage3d.com/
Polarized 3D Eyewear
http://www.masterimage3d.com/products/glasses
http://www.masterimage3d.com/clarity/sliders/eyewear.html
MasterImage 3D
http://ja.wikipedia.org/wiki/MasterImage_3D
http://en.wikipedia.org/wiki/MasterImage_3D
眼鏡は円偏光方式のようです。
持ち帰った二つの眼鏡で左右のフィルタを色々組み合わせて透過率の変化を調べてみました。
直線偏光の眼鏡の場合は、左右のフィルタを偏光軸が直交した状態で重ねると透過率が低下して暗くなりますが、円偏光の場合は挙動がかなり違うようです。
フィルタ(フィルム)の平面性はあまりよくありません。
どんな映写機を使用しているのかと思って調べてみると、結構レトロな格好をしています。
Stereoscopic 3D Digital Theater System
Operator Manual (MI-2100)
http://www.projectionniste.net/docs/masterimage-MI-2100-manuel-utilisateur-version-anglaise.pdf
XPANDでは投射光自体は偏光されておらず、眼鏡側で電子的に左右のシャッタを交互に開閉させていますが、MasterImage 3Dでは円偏光フィタを取り付けた円板を回転させて偏光面を切り替えています。
立体視の原理とメガネ式3Dテクノロジー-コラム
http://www.jawdrop.jp/column_32.html
MasterImage 3Dシステムは、既存の映写機の前に配置して使用されます。
モーターで円板の回転させるという仕組みは、カラーテレビ創世期のCBS方式を思い出します。
Field-sequential color system
http://en.wikipedia.org/wiki/Field-sequential_color_system
CBS Field Sequential Color System
http://www.novia.net/~ereitan/Color_Sys_CBS.html
このCBS方式は一旦は標準化されたものの、その後RCA方式(現在のNTSC方式)に変更になりました。
回転円板によるフィールドシーケンシャルTVは、レトロなローテクのように思えますが、アポロ11号でも使用されています。
Apollo Television
http://www.hq.nasa.gov/alsj/ApolloTV-Acrobat5.pdf
MasterImage 3Dは、円偏光眼鏡を使用する点ではRealDと似ていますが、RealDでは電子的に電子的に偏光を切り替えているのに対して、MasterImage 3Dは機械的に偏光を切り替えている点が異なります。
以下の記事によれば、MasterImage 3Dは「Real Dに比べて1/3ほどの価格」とのことです。
コラム:第三の革命 立体3D映画の時代 - 第3回
2008年3月31日更新
http://eiga.com/extra/oguchi/3/
今まで3D映画は、「アバター」と今回の「ALWAYS 三丁目の夕日'64」の2本だけですが、個人的には、明るさを犠牲にしてまで3Dにする必然性があるの? というのが感想です。
ミュージカルであれば、サイレントではなくトーキーにする必然性があると思いますが・・・。
明るい、眼鏡不要、疲れないというような3D映画ができるのは、いつのことになるのでしょうか?
映画の公式サイトには「映画館でメガネなしの3D上映実現は20年後!? 」とっ書いてありましたが・・・
【参考外部リンク】
映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」
http://www.always3.jp/
3Dメガネは夕日町三丁目へのご招待キップ
http://www.always3.jp/3d/01.html
リアル3D(カメラを上下に配置)
http://www.always3.jp/3d/img/thums_2_03.gif
デジタル技術を駆使した 映像制作・表示に関する調査研究 報 告 書
www.dcaj.org/report/2007/data/dc08_06.pdf (全222ページ)
2.1.6 3D立体映像(3Dシネマの変遷と現状)p60(67/222)-p88(95/222)
(p86(93/222)に少しだけMaster Imageの説明があります)
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 2025年想定版のSurvival on the Moon(2022.02.04)
- 韓ドラ「静かなる海」の着陸船は月面直行便?(2022.01.09)
- 日本が無い世界地図(2021.12.22)
- 日本沈没の場合は環境難民?(2021.12.13)
- スター・トレック(Star Trek)にCQが出てきました(2021.09.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント