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2012年11月23日 (金)

TRIOのオシロスコープCS-1557の高圧コンデンサ

  1年位前になりますが、何十年も使用していなかったブラウン管式のオシロスコープ(トリオCS-1557)を引っ張り出して使ってみたところ、ジー・バリバリという高圧放電のような音がしてオシロが動作しなくなりました。ケースを開けてみると高圧整流回路のコールドエンド側に直列に挿入されていた抵抗(R115:赤丸)が焼けていました。
【CS-1557の高圧発生回路】
Cs1557_high_voltage_power_supply_ck

 最初は、高圧回路のどこかで端子間放電が発生し、これが原因で抵抗に過大電流が流れて抵抗焼損が発生したものと想像していました。
 とりあえず抵抗を交換してみると一応動作するようになったので、故障は直ったと思っていたのですが、しばらくすると同じ症状が出て故障しました。なお、抵抗を物理的に交換するのは困難だったので、同規格の抵抗を蓑虫クリップで焼損抵抗にパラに接続しました。
 同様な故障が発生した他の人から高圧コンデンサ(C126:青丸)のリークが原因ではないかというのコメントを頂いたので、故障発生の状況を観察してみました。最初は、火花と放電音と感電が怖くて、落ち着いて観察できませんでした。
 下の動画は放電の様子をハイスピード(420fps EX-FC100)で撮影したものです。
【焼損したカーボン皮膜抵抗の火花放電】

 最初は狭い部分で発火して、ついでアーク状の放電が発生し、最後に抵抗の両端のキャップ部分で火花放電が発生するというパターンを繰り返しているようです。抵抗切断時の端子間電圧はDC3000V程度と思われますが、10mm程度の瞬間的な放電が発生しているように見えます。
 
 以下の写真は、抵抗の焼損状況です。
Hv_capacitor_and_burnout_resistors

 真ん中に見えるのがオリジナルの抵抗で、右下に見えるのが修理のために後付けした抵抗です。

Burnout_resistor_closeup_2   

 故障の原因は、高圧コンデンサの劣化である可能性が高いので、どのようなものが使用されているのか確認してみました。
【0.5μF X5 1500WVDC】
Hv_capacitor05f_1500v

 コンデンサの側面には以下のような文字が印刷されていました。

    C P
  OB-11G1W36P
  0.5μF X5
  1500WVDC
  Nichicon Ltd
  310N

 同じものが入手できれば問題は解決出来そうですが、現時点では難しそうです。
 秋葉原に行ったときに、真空管ラジオ等を扱っているジャンク屋を覗いてみますが、この種のコンデンサは一寸特殊なので見かけません。
 電気回路的には、容量0.5μFで耐圧が1500VDCのコンデンサが5個あればよいということになるので、代替手段として単品のコンデンサを探してみました。
 ブログへのコメントで教えて頂いた高圧コンデンサの他にも類似の仕様のものが幾つかありましたが、5個買うと結構なお値段になります。

  コンデンサ,メタライズド,ポリプロピレン,FHACD162V334J2LEZ0,1600V,0.33uF,5%
   http://jp.rs-online.com/web/p/plastic-film/6351427/

  SPRAGUE VitaminQ 0.5μF-1500VDC NOS角型
  http://mall.fc2.com/item/repairparts/51/

  Siemens MKT ポリエステル 0.5uF×2/1500VDC 2ユニット入り C2502
  http://www.garrettaudio.com/surplus%20film(Values).htm
  https://www.garrettaudio.com/_liberty/cart/cart.php?id=C2502&rf=http://www.garrettaudio.com/surplus%2520film(Values).htm

  Polyester Film Capacitors 0.5uF 1500Vdc. Part № T15P5NR-F. Manufactured by Cornell-Dubilier
  http://www.pdfdoc.ru/passive-components/capacitors/film-capacitors/polyester-film-capacitors/polyester-film-capacitors-0-5uf-1500vdc-t15p5nr-f-598-t15p5nr-f

 正攻法では修理費用がかなり高額になりそうなので、別の方法を検討しました。
 以前、電子レンジの回路図を見たときに高圧コンデンサを使っているようだったので、どのようなものか調べてみました。
 以下のサイトの写真では容量は1μFで耐圧は数kV有りそうなので、仕様的にはOKですが、これを5個使用するのはあまり実用的ではありません。また、価格も結構高いようです。

  実験室-Danger-: MOT摘出(電子レンジ分解)
  http://laboratory-danger-robo.blogspot.jp/2010/05/mot.html

  電子レンジ壊れた!DIY修理できるかな?
  http://blogs.yahoo.co.jp/masked_rider555/35147951.html

  電子レンジの電源がはいらない  ナショナルNE-730
  http://club.pep.ne.jp/~nonoyama/DIY/OvenT_S/OvenT_S.htm

 ということで、電子レンジの高圧コンデンサを流用するという案は却下です。

 次に、更に怪しい手段を検討しました。
 夏になるとホームセンター等で電撃ラケットが低価格で売られていますが、内部には高圧発生回路が設けられているはずです。
 どんな回路になっているのかと思って調べてみると、以下のサイトに色々な回路が説明されていました。

  探求: 電撃蚊取りラケット
  http://www.kansai-event.com/kinomayoi/KATORI/KATORI.html

 残念ながら、耐圧も容量も不足しています。価格から考えて当然かもしれませんが・・・

 次に、コンデンサの観点から離れて直流高圧発生回路の観点で検討してみました。
 高圧トランスには、1000V DC3mAと書いてあり、倍電圧整流回路を使用しているので、約3000VDCの高圧直流電源回路があれば流用できそうな気がします。
Highvoltage_transformer_1000v_3ma

 TVのFBTも含めて色々検討してみましたが、手間が掛かりそうで、且つ、まともに動作する保証がないので一寸手を出しにくいです。
 
  使い切りカメラで直流高電圧発生装置
  http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGHP_jaJP422JP422&q=%e9%ab%98%e5%9c%a7%e7%99%ba%e7%94%9f%e5%9b%9e%e8%b7%af%e3%80%80%e7%9b%b4%e6%b5%81

  HighVoltageGeneratorLink - *高電圧発生装置の自作関連のリンク
  http://www.makisima.jp/engineering-lab/wiki.cgi?HighVoltageGeneratorLink

 ということで、簡単な修理方法が見つかるまでは、残念ながらCS-1557はお蔵入りということになりそうです。

 
 どなたかの高圧コンデンサ交換レポートが出たら再挑戦するかもしれませんが・・・・

【関連内部リンク】
 2009年10月 4日 (日)
 市販の電波時計でJJYのモールスを聞いてみました
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2009/10/jjy-812d.html

 2009年10月 5日 (月)
 TRIOのオシロスコープ(CS-1557)を応急修理しました
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2009/10/triocs-1557-73f.html

 2011年12月31日 (土)
 オシロ(CS-1557)の抵抗器がまた焼けました
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2011/12/cs-1557-5c91.htm

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コメント

https://yutokudenshi.com/items/5d89d9f1bc45ac6c10b81b5c
こんなのでリークしてるか切り分られるでしょうか。おせっかいですが。
当方は松下製の半石半管のVP515Aの不調で資料探ししてるとこです。
オシロはブラウン管に優位性が残っている最後で唯一の機材かなと思います。
液晶の人も是非ともブラウン管の向こう側。
使えばすぐ解る。千円くらいで買えますし。

投稿: ブラウン管じゃわからない景色がみたい。 | 2022年1月10日 (月) 20時32分

Kです。
 貴重な情報をありがとうございます。
 CS-1557の高圧コンデンサは、”0.5μFX5、1500WVDC”なので、”2KV-104”が5セットあれば容量的には足りそうですね。
 リーク箇所の切り分けということであれば、1セットでOK?

 以前、下記の「仮称1557」さんから高圧コンデンサの交換の情報を頂いたことがあるのですが、結構面倒そうなので躊躇したままの状態になっていました。

  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2009/10/triocs-1557-73f.html
  投稿: 仮称1557 | 2018年12月12日 (水) 17時22分
  投稿: 仮称1557 | 2018年12月15日 (土) 12時22分

 昨年、仕事を辞めたのでやっと作業ができると思っていたら、魔女の一撃を食らって立往生です。
 コンデンサと抵抗を交換すれば、ほぼ修理ができそうなので、廃棄するのは勿体ないような気がします。
 昔であれば、高校の物理部や無線部に勉強(研究?)用に寄付するのですが、今はそのような時代ではないし・・・

 映画の中の怪しげな研究室で意味も無くクルクル回る緑色のリサージュ波形は、先端技術のシンボルだった?
 
 オシロはCRTに限る!

投稿: K | 2022年1月11日 (火) 14時26分

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