シンガポールの地下鉄(MRT)のICカードを透視してみました
今回のシンガポール観光はツアーではなく個人旅行だったので、移動にはタクシと地下鉄を使用しました。
シンガポールの地下鉄は初めてですが、雰囲気は香港の地下鉄に似ているかもしれません。椅子が固いとか、走行中に普通に携帯電話で話しているとか・・
乗車券はスマートカード(ICカード)方式になっており、今回はStandard TicketとAdult Stored Smartcard(EZ-link)を使いました。
両方ともSUICA,PASMOと同様に非接触方式です。
Standard Ticket
http://www.smrt.com.sg/RiderGuide/Tickets/StandardTicket.aspx
Adult Stored Value Card
http://www.transitlink.com.sg/PSdetail.aspx?ty=catart&Id=1
下記の記事によれば現在のStandard Ticketは比較的最近導入されたようです。
Singapore News
New standard ticket scheme for rail travellers
Posted: 25 July 2012 1356 hrs
http://www.channelnewsasia.com/stories/singaporelocalnews/view/1215586/1/.html
Adult Stored Value Cardは、SUICA,PASMOと同様に硬質プラスチックのクレジットカード風ですが、Standard Ticketの方は一寸厚手の名刺といった感じです。
どんな構造になっているのかと思って背面からLEDライトで照らしてみると、ループコイルとICチップのようなものがみえました。
一寸見た感じではFelicaに似ているような気がします。
非接触ICカード技術“FeliCa(フェリカ)”
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/technology/technology/theme/felica_01.html
下記のWikiによれば、初期のez-linkではFeliCaの技術を採用していたということなので、SUICA,PASMOとは親戚と言えるのかもしれません。
EZ-link
http://ja.wikipedia.org/wiki/EZ-link
システムが類似しているということであれば、PCのカードリーダで何か読めるのでないかと思って試してみました。
ふたつのビューワーで試してみましたが、2枚とも読めませんでした。
当然といえば当然かもしれませんが・・・
画面には表示されないけれども何らかの通信は行なわれているのではないかと思って、手元にあったポケット短波ラジオ(ROC-10)で13.56MHzをモニタしてみると、Standard Ticketの方は全く反応がなくて、PCからのポーリングの"ポツポツ"という音しか聞こえませんが、Adult Stored Value Cardではカードをリーダに近づけるとハウリングのような"ピー"という連続音が聞こえました。OSI参照モデルの下位層では僅かに反応している?
なおPASMOの場合には"ビッ"という短い音がします。
ついでに両方のカードのループアンテナの共振周波数をトリオのグリッドディップメータ(DM-6)で測ってみました。
使用周波数は13.56MHzと思われるので、共振周波数もその付近の筈ですが、念のためにDM-6の測定可能周波数の全域(1.7~180MHz)で調べてみました。
両方のカードともに17.0MHz付近にディップがありました。Adult Stored Value Cardの方が一寸ディップが深い(Qが高い?)ようです。
使用周波数よりも一寸高いですが、Felicaでは可変容量による自動同調を行なっているようなので、実際の稼働時にはコンデンサが並列に接続されて共振周波数が下がるのかもしれません。(単なる想像です。手元のカードには実装されてないかもしれません。)
アンテナチューニング用キャパシタ調整器
http://www.sony.co.jp/Products/SC-HP/cxpal/vol81/pdf/cxg1400xr.pdf
念のため、手元のあったPASMOを測定してみると16.5MHz付近だったので、大体同じ周波数のようです。
シンガポールの地下鉄の切符を調べて何か意味があるのかという気がしないでもありませんが、単なる好奇心です。
【余談】
・駅のエスカレータの移動速度が日本のものより一寸早いので、高齢者(当方?)は注意が必要かもしれません。
・外部から透けて見えるエスカレータのベルト駆動機構が電車の車輪みたいです。
・プラットフォームには立派なスクリーンタイプのホームドアが設置されていますが、これは第三軌条方式(レールに併行して給電用レールを設置)を採用しているので、ホームから転落すると感電の危険性があることも理由の一つのようです。
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