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2013年10月14日 (月)

ADS-B受信用アンテナ直下型強制空冷式SDRチューナを作ってみました

 ADS-Bで飛行情報をリアルタイムでモニタできるという話は聞いていましたが、周波数が1090MHzということで、一寸敷居が高いような印象を持っていました。
 最近、R820Tを使用したUSBチューナドングル(DVB-T+DAB+FM )を入手して、色々な周波数を聞いてみると、結構高い周波数(1200MHz等)が受信できるようです。
 1090MHを受信してみると、ノイズだかデータ信号だかよく判らない”ジッジッ”という音が聞こえます。
 VHFのACARSの場合には、"ピギャ"という特徴がある音がするので、入感を容易に確認できますが、ADS-Bの場合は実際の信号を聞いたことがないのでよく判りません。
 判らないのであれば、実験して確認してみようということになりました。
 ADS-B受信に際しては、”ゆうちゃんのパパ”さんのブログを参考にさせて頂きました。
 色々とためになる情報を書いて頂いているので、大変助かりました。感謝!感謝!

 ADS-Bは、周波数が高いので信号伝送系の損失対策が重要ということなので、アンテナ直下型チューナを試してみることにしました。
 アンテナ直下型の場合には、通常屋外に設置することになるので、外部環境(雨、埃など)への対策が必要となります。
 何かのケースにチューナを入れれば、とりあえず良いだろうと思って、探して見ると100円ショップに利用できそうなケースがありました。
 本来は自転車用のライトを入れるためのケースのようですが、サイズがチューナを入れるのに丁度良いような感じです。
 また、説明書には書いてありませんが、外観から判断するとある程度は防滴・防塵の効果がありそうです。
 好都合なことに、ケースをハンドルに固定するためのパーツが付属しているので、アンテナマストに取り付けるのに役に立ちそうです。
 安いのでとりあえず実験用に買ってきました。
【自転車用ライトホルダーケース】
Light_holder_case_for_bicycle_1_3Light_holder_case_for_bicycle_2_2
 

 一方、アンテナのほうですが、専用のアンテナでなくても、チューナに付属しているアンテナでもADS-Bの信号がある程度受信できるようです。
 ということで、付属アンテナを自転車用ライトホルダーケースに接着して、ケース内のチューナのアンテナ端子に直接接続することにしました。
  チューナをケースの中に入れると、オーバーヒートの可能があるので、先輩方のアイデアを参考にさせて頂いて、チューナの基板に、秋月で買った100円の小さな冷却ファンを取り付けました。
【100円冷却ファン】
100yen_dc_fan

Tuner_dongle_with_cooling_fan_1_2

Tuner_dongle_with_cooling_fan_2

Tuner_dongle_with_cooling_fan_3

 本来であれば、チップ側から冷却したいところですが、取り付けが困難だったので、裏面側に取り付けました。チップの裏側には放熱用のパターンが形成されているので、ここに風を当てることにしました。
 密閉空間内の冷却の場合には、空気を当てたほうが良いのか引いたほうが良いのかよく判りませんが、ファンの回転方向は決まっており、モータ側を厚手の両面接着テープで基板に貼り付けたので、結果的に風を当てることになりました。
  本当は、基板とモータとの間の隙間をもっと大きくしたいのですが、もっと厚い両面接着テープを使うとケースに入らなくなってしまいます。
 実際に冷却効果があるのかどうか確かめるために、冷却ファンを取り付けたチューナ基板を裸の状態で動作させてみました。
【冷却効果実験中】
Cooling_fan_test_1

Cooling_fan_test_2
(ストロボでファンの回転を止めてみました)

 適当な温度計がないので、指先で触って感覚で調べるという原始的な方法を使いました。
 冷却しないときには、R820TとRTL2832Uは両方とも、触り続けるのが苦痛になる程度の熱さになります。
 冷却すると面積が広いとRTL2832Uの方は暖かく感じるという程度まで温度が下がりましたが、R820Tのほうは少し温度が下がったような気がしますがまだ結構熱いです。裏面からの冷却なので効果が少ないのかもしれません。
 とりあえず、効果があることはわかったので、実際に組み立ててみました。
 なお、冷却ファンの消費電流を測定してみたところ、41~42mAでした。

 次は、チューナをアンテナ直下型にするための改造です。
 まず、チューナに付属していたアンテナを改造しました。
【アンテナを分解】
Ant_disassemble_6

 オリジナルのアンテナでは、同軸ケーブルは基台から横に引き出されていますが、このままだとケース内に引き込み難いので、真下に引き出すことにしました。
 アンテナを分解してみると金属円板にマグネットが取り付けられており、また、同軸ケーブルのアース側が接続されています。金属円板は磁性体の土台に取り付けられたときに、接地容量の一方の電極として機能するのかもしれません。

 最初に、同軸ケーブルを無理やり引っ張って抜き出しました。(芯線は予め外しておく)
 次に、金属円板の中心に孔を開けて同軸ケーブルを通してアンテナ基台の真下に引き出しました。
 最後に、金属円板をアンテナ基台の底部に嵌め込みます。このとき同軸ケーブルのシールド線を噛み込むようにしました。
 マグネットは使用しないので、接地容量は期待できませんが、グランドプレーンもどきの効果はあるかもしれません。
 これでアンテナ側の改造は終わりです。

 次にホルダーケースの天板(底板?)に同軸ケーブルを通すための貫通孔を開けました。
 後は、同軸ケーブルを貫通孔を通してケース内に引き込んで、同軸ケーブルの先端をケースの開口部(ゴムキャップで覆われる部分)から引き出して、チューナ基板のアンテナ端子に半田付けできる程度の長さで切断しました。
 次に、同軸ケーブルの先端の芯線とシールド線をアンテナコネクタの対応する端子に半田付けして電気的な工作は終了です。
【アンテナ端子の半田付け】
Ant_terminal
(仕上げが汚いのはご容赦。老眼で半田付けはつらい・・・)

 最後に、アンテナの基台の底部をケースの天板部分に接着剤で固定し、ゴムキャップに孔を開けてUSBケーブルを通し、USBコネクタをチューナ基板のコネクタに接続し、チューナ基板をケース内に押し込んで、ゴムキャップをすれば出来上がりです。
 なお、今回は、ベランダでの使用を想定しているので、防水対策はしていません。

【アンテナ直下型チューナ】
Tuner_with_case_1

Tuner_with_case_2

Tuner_in_case_1

Tuner_in_case_2

Tuner_in_case_3

【空冷ファン回転の様子】


  密閉空間の中の空気をかき混ぜて冷却効果があるかどうか疑わしい部分もありますが、発熱部品とケースとの間に温度勾配があれば、冷却効果があるのではないかと希望的観測をしています。

 これでアンテナ直下型チューナは準備できましたが、ADS-Bをデコードするためのソフトウエアが必要になります。
 上記の参考にさせて頂いたブログにRTL1090とadsbSCOPEが紹介されていたので、SDRsharpをベースにしてこれらを導入することにしました。
 説明にしたがって作業を進めることにより、それほど問題なくインストールできました。

    当方が使用したソフトウエア
   RTL1090: rtl1090a→rtl1090
   adsbSCOPE: adsb_all→pc_software→adsbscope→26→adsbscope26f3_256

 なお、バージョンによって若干の違いがあるようです。

 早速、動かしてみました。
 アンテナ直下型SDRチューナは窓際のカーテンフックに引っ掛けました。
【窓際で受信】
Anttuner_setting_1

【adsbSCOPE表示】
Adsbscope_hnd_local_ed

 初めてadsbSCOPEの動作画面をみましたが、リアルタイムで飛行位置が判るのは面白いです。
  受信条件はかなり悪いですが、それでも50NM程度は受信できているようです。
 これがアンテナ直下型の効果なのかどうかは判りませんが・・・
 なお、飛行機の表示時間はデフォルトでは5分になっています。

 受信条件を改善するために、ベランダに設置してみました。
 なお、USBケーブルは手元にあった3mのものを使用しました。
 理由はよく判りませんが、全長が規格の5m以内でも複数のUSBケーブルを接続するとエラーが発生しました。
【ベランダで受信】
Anttuner_setting_2 Anttuner_setting_3

【adsbSCOPE表示】
Adsbscope_map1_ed

Adsbscope_map2_ed

 今度は100NM程度まで表示できるようになりました。
 たまに、かなり遠くまで表示されている飛行機がありますが、よく見ると機体にX印が付いており、コース表示が破線になっています。
 信号ロストが生じた場合には、予測データが表示されるようなので、ときどきとんでもないところを飛んでいるように見えることがあります。

【adsbSCOPEとFlightrader24freeとの比較】
Adsbscope_vs_flightrader24free_ed

 なお、直射日光が当たる場所にアンテナ直下型チューナを置くと、ファンが回転していてもあっという間に温度が上昇してデコード不可となります。
 40mAを余分に消費するのに見合うだけの効果が本当にあるかどうかは一寸疑問かもしれませんが・・・
 今回は実験用の設置でしたが、実際に使用する場合いには、雨にぬれず、直射日光に当たらない場所に設置する必要がありそうです。

 PCはIBM ThinkPad X40を使用しましたが、3時間で電池容量が100%から40%になる程度だったので、移動する場合にも使えそうです。
 機内で使うと超怪しい雰囲気になりそうですが・・・・。変なケースの中で青いランプが明るく光っているし・・・・

【2013.12.08追記】
 モータからノイズがでているようなので、あまりうまくないかも・・・
 チューナからもノイズが出ているようなので、SDRの場合にはアンテナ直下型が良いとはいえない場合もあるかもしれません。

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コメント

こんにちわ
おもしろいですね
私もアンテナ直下やってみようかなとおもっちゃいました。
ところで、adsbSCOPEの表示の画像で、リアルな地図画像がありましたが、どうすれば表示できるんですか?
教えていただけると助かります。
よろしくおねがいします。

投稿: ランチ | 2013年10月15日 (火) 12時47分

"ランチ"さん こんにちは
 1000円(チューナ)+αでこんな表示ができるとは技術の進歩はすごいですね。
地図の表示ですが、私の場合は色々触っているうちに表示されるようになったので、正しい操作ではないかもしれませんが、以下の設定で表示されるようになりました。
(1)メニューのConfig→Background Picture→SRTMにチェックを入れる
(2)メニューのload Maps→Background Pictureをクリック(地図のダウンロードに少し時間がかかります)
(3)メニューのView→SRTM-Backgroundにチェックを入れる

 adsbScopeを解凍したときに生成されるadsb_allのフォルダの中にadsbScope26quick_enというpdfファイルがあって、これがクイックリファレンスのようです。
 この中に簡単な説明がありました。
 adsbScope26quick_enの方は詳細マニュアルのようですが、まだ良く見ていません。
 よろしくお願いします。

投稿: K | 2013年10月15日 (火) 22時27分

できました。
すごいです。
ありがとうございました。

投稿: ランチ | 2013年10月16日 (水) 18時25分

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