100円USBスイッチで消費電流測定用アダプタを作ってみました
SDR用チューナとして、最初はチューナチップにFC0012やFC0013を採用したUSBワンセグ(ISDB-T)チューナ(DS-DT305BK,LT-DT306SV)を使用していましたが、最近は感度が良いということでR820Tを採用したTV28Tv2DVB-Tを使用しています。
TV28Tv2DVB-Tは感度が良いのは有難いのですが、発熱がすごいです。
AC電源のPCで使用している場合には、とりあえず放熱だけを考えれば良いですが、バッテリ駆動で使用する場合には消費電流が気になります。
仕様では消費電力以下のようになっています。
DS-DT305BK(RTL2832U+FC0012) 電源 5V 0.3A 消費電力 0.8W
http://www.zox-net.com/products/tv/ds-dt305/
LT-DT306SV(RTL2832U+FC0013) 電源:5V 0.3A 消費電力:0.8W
http://www.redspyce.com/004-1lt-dt306/
TV28Tv2DVB-T(RTL2832U+R820T) Power consumption: No more than 1.5W
http://dx.com/p/dvb-t-digital-tv-receiver-usb-dongle-w-fm-remote-control-antenna-black-149928
単純計算では、0.8Wの場合には160mA(=0.8W/5V)、1.5Wの場合には300mA(=1.5W/5V)となります。
空港や機内でエアバンドやADS-Bを受信するような場合には、感度よりも消費電流の方が気になります。
実際にどの程度の電流を消費しているのか確認してみたいです。
市販の装置はありますが、高価という程ではないものの、そこそこのお値段がします。いつも使う訳ではないので買うのは一寸躊躇します。
電流測定は、原理的には、電源ラインを切断してテスタを直列に入れるだけなのですが、USBケーブルに流れる電流を実際に測定しようとすると、結構面倒そうです。
まず、測定用の中継用USBケーブルを用意し、ケーブルの被覆を剥がして電源ラインを探し出して切断し、切断部分の両端に測定用のリード線を半田付けすることになりますが、結構手間がかかりそうです。
以前、SDR用チューナのUSBドングルの電源をオンオフするために、100円ショップで買った「USBスイッチ付コネクタ」(USBデータ転送/充電用ON OFFスイッチ付きコネクター)を使っていたのですが、スイッチは電流通路に直列に挿入されているはずなので、オフ状態にある端子からリード線を引き出せば、比較的簡単に電流が引き出せるのではないかと思って改造してみました。
回路パターンを見てみると、双極双投(DPDT)のスライドスイッチで電源のプラス側とマイナス側の両方で電流通路をオンオフしています。100円なので片切りかと思っていたら、ちゃんと両切りになっていました。
電流を測定するためには、電流通路のプラス側(供給側)かマイナス側(リータン側)の接点をどちらを常時オン状態にし、逆側のオフ状態にある二つ接点からそれぞれリード線を引き出せはいい筈です。
ということで早速改造してみました。
リード線には、手元にあったすずメッキ線を使用しました。
半田付けの個所は4箇所(実質3箇所)なので簡単です。
電流を測定するのは、プラス側でもマイナス側でもいい筈ですが、接地側にテスタを入れるのは気持が悪いので、マイナス側の接点間をショートさせ、プラス側の接点間で電流を測定することにしました。
電流測定用のすずメッキ線はケースに孔を開けて外部に引き出しました。
テスタの接続用にプローブの径に合わせてコイルを形成してプローブを直接差し込めるようにしました。
実際に使ってみました。
なお、スイッチはオフの状態にしておきます。また、テスタは電流測定用の抵抗の値が低い(1~2Ω)ものでないと、電圧降下のためにUSBドングルが正常に動作しない場合があります。
当方の場合は、P-09では動作しましたが、P-10では動作しませんでした。
電流測定用の抵抗の値は、テスタの仕様書には書かれていないことが多いので、他のテスタで測定しますが、正確に測定するのは困難ですので目安程度です。
手元にあったP-09は1~2Ωでしたが、P-10では10Ω程度ありました。
【DS-DT305(スタンバイ)】
【DS-DT305(動作中)】
TV28Tv2DVB-Tは、スタンバイ時は100mA程度ですが、動作時には280mA近く流れています。
一方、ワンセグのDS-DT305は、スタンバイ時が50mA程度で、動作時には100mA程度です。
消費電流に相当差があるので、目的に応じて使い分ける必要があるかもしれません。
【参考外部リンク】
操作用スイッチの基礎
https://www.nikkai.co.jp/pdf/sw-kiso_ver01.pdf
ポケット・デジタルマルチメータ P-09 バーグラフ ロジックレベル
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00136/
| 固定リンク
「SDR」カテゴリの記事
- SDR TouchがHackRF対応になっていました(2019.05.18)
- SDRUNO V1.3で周波数スキャンが可能になりました(2019.03.17)
- ハワイでJJYのモールスを受信(2018.12.22)
- ハワイアン航空はラジオはNGですがGPSはOK(2018.12.01)
- 300φ88tのループアンテナとSDRPlay RSP2でBPC(68.5kHz)を受信(2018.11.16)
「測定器」カテゴリの記事
- RFワールドNo.52(NanoVNA特集)をリモートで一寸立ち読み(2020.11.11)
- nanoVNA-H4でADS-B(1090MHz)用GPアンテナを測定(2020.07.07)
- 下限が10kHzのアンテナアナライザ(nanoVNA-H4)を買いました(2020.07.04)
- ISDS205BのDDSで40kHzと60kHzの信号を交互に発生(2020.05.04)
- DDS付きUSBオシロ(ISDS205B)で並列共振回路を測定(2019.05.07)
コメント