« ADSB on USB SDR RTL (Beta)テスト(動画) | トップページ | ”ADSB on USB SDR RTL (Beta)”テスト@東急二子玉川駅 »

2013年12月22日 (日)

ADS-B(1090MHz)用10エレ八木アンテナを作ってみましたが・・・

   現在、主に以下の組み合わせでADS-Bを受信しています。
  アンテナ:2Fベランダの自作ワイヤ型3段コリニアアンテナ
  チューナ:DVB-T+DAB+FM (R820T)
  PC:IBM ThinkPad X40
    デコード/表示アプリ:RTL1090+adsbSCOPE

【コリニアアンテナ+adsbSCOPE+で見た東京湾】
Asdbscope_ew_31nm_above_tokyo_bay_c

 羽田空港の離陸/着陸機に関しては、結構空港に近い位置を表示しています。
 しかしながら、滑走路上の飛行機は表示できません。
 指向性アンテナを使用してビームを羽田空港に向けたら滑走路上の飛行機(ALT=Ground)を表示できるのはないかと思って(妄想して?)ビームアンテナを作ってみることにしました。

 ビームアンテナには色々な種類がありますが、今回は馴染みがある八木アンテナを作ることにしました。
 エレメントの詳細な寸法が判らないのでネットで調べてみましたが、1090MHz用の八木アンテナはあまり見当たりません。
 以下のサイトが関係ありそうだったので、これを参考にしました。
 
  A 10 Element Yagi Antenna for Mode-S Reception
  http://www.modesbeast.com/yagi10.html
  (現在はこのURLは http://www.modesbeast.com/ にリダイレクトされます)

  輻射器、導波器、反射器の各エレメントの長さと間隔がミリ単位で書かれています。
 輻射器はフォールデッドダイポールとなっており、U型バランで平衡・不平衡変換とインピーダンス変換を使っていますが、バランの詳細はよくわかりません。
 不明な部分はありますが、とりあえず作ってみようということで、3mm径1000mm長のアルミ棒(導波器、反射器用)と銅棒(輻射器)を買ってきました。ブームは電工用の断面コ字状のモールを使用しました。
【モール】
Photo

  上記サイトには図面がなく全体のイメージが湧かなかったので、実寸の寸法図を作って見ました。
【寸法図と10エレ八木アンテナ】
Adsb1090mhz_10element_yagi_antenna_

 10エレ八木なのに全長は60cm程度しかありません。周波数の高さを実感します。
 導波器と反射器は直線で材料はアルミなので、ペンチで寸法通り切ることは比較的簡単です。
 輻射器は3mm径の銅棒を折り曲げて作るのですが、寸法通りにRをつけるのが結構難しかったです。
 例によって手抜きで手元にあった3.2mmのドリルで適当にエレメント貫通用の孔を開けたので、ちょっとスカスカで各エレメント間のアライメントが取れていません。
Photo_4
 U型バランの構造がよくわからなかったので、昔買った「ハムのアンテナ技術」日本放送出版協会発行(昭和48年12月5日第8刷発行)を参考にしました。

 オリジナルのバランはセミリジッド同軸ケーブルを使っているようですが、面倒そうなので手元にあった3C2Vを使いました。
 「ハムのアンテナ技術」によれば、迂回線路の長さはλ/2で、ポリエチレン同軸ケーブル(50Ωまたは75Ω)の短縮率は66%ということだったので、U型バランの迂回線路の長さは、91mm(=(300m/1090MHz)x0.5x0.66)としました。

【ADS-B(1090MHz)用10エレ八木アンテナ】
Adsb1090mhz_10element_yagi_antenn_2

【給電部】
Adsb1090mhz_10element_yagi_antenn_3

 ビームを羽田空港の方に向けて受信して見ましたが、残念ながら滑走路上の機影は見えませんでした。
 なお、上の写真は撮影用に南側のベランダに南に向けて置いたものですが、使用時は北側べランダに東向きに置いて使用しています。

 離着陸機に関しては、今まで使用していたコリニアとあまり差がないような感じです。

【10エレ八木アンテナ+adsbSCOPEで見た東京湾】
Asdbscope_ew_41nm_above_tokyo_bay_2

  参考にした以下サイトには20NM(37km)離れた空港のground trafficが受信できるような記載がありますが、受信能力にはアンテナの設置状態が大きく影響するので、当方のような劣悪(?)な受信環境では八木アンテナでも無理なのかもしれません。

  Mode-S Beast:System Assembly
  http://wiki.modesbeast.com/Mode-S_Beast:System_Assembly
 以下、上記URLから抜粋引用
  ********************************************
  The 10ele yagi that I have built using existing material using the yagi designer by VK4DI, points to the closeby Munich   airport and receives all ground traffic from there. On the omni this did not show up, even it is just 20nm, due to mostly   2 reasons:
  1) too less gain and so too weak signal of the omni and
  2) too much FRUIT from other planes
  ********************************************

 なお、"10ele yagi that I have built"の部分にhttp://www.modesbeast.com/yagi10.htmlへのリンクが貼ってあるのですが、現時点ではこれをクリックしてもhttp://www.modesbeast.com/にリダイレクトされます。

 1GHz帯で使えるような測定器がなく、作ったアンテナの利得や指向性が確認できないので、受信できない理由がわかりませんが、可能性としてはいくつか考えられます。
・アンテナのロケーションが悪い。---これは対策が難しいです(特に集合住宅の場合)。
・寸法精度が悪い。---輻射器を作り直せば改善の可能性はあるかもしれません。
・U型バランに普通の同軸を使っている。ーーーオリジナルと同じようにセミリジッド同軸ケーブルを使用すれば改善の可能性はあるかもしれません。
 以下のサイトにセミリジッドケーブルと使ったバランの説明があるので、参考になりそうです。

  セミリジッドケーブルのはなし
  http://sudoteck.way-nifty.com/blog/2010/05/post-f762.html

 この記事では、芯線の長さに短縮率を掛けていますが、当方は短縮率が関係するのは芯線と外皮の間に誘電体が存在する部分だけであろうと考えて寸法を計算しました。差はわずかですが・・・

  アンテナを作るときに参考にしたサイトのページが参照できなくなったのが一寸気になります。
 もう少しいじってみて、あまり改善されないようであれば、別タイプのビームアンテナにするか、高利得のコリニアにするか検討して
見たいと思います。

|

« ADSB on USB SDR RTL (Beta)テスト(動画) | トップページ | ”ADSB on USB SDR RTL (Beta)”テスト@東急二子玉川駅 »

無線」カテゴリの記事

航空機」カテゴリの記事

ADS-B」カテゴリの記事

コメント

逆方向などにある障害物とかるような建物からの反射を受信してみると意外な場所の信号が受信出来る場合があります。

投稿: うに | 2013年12月22日 (日) 21時36分

コメントありがとうございます。
アンテナは鉄筋の建物と建物の間にあるので、ほとんど見通しがききません。アンテナは北側ベランダに設置して、ビームは羽田がある東側に向けています。予想外の反射もあるようなので、あちこちに向けて試したいと思います。

投稿: K | 2013年12月23日 (月) 11時23分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ADS-B(1090MHz)用10エレ八木アンテナを作ってみましたが・・・:

« ADSB on USB SDR RTL (Beta)テスト(動画) | トップページ | ”ADSB on USB SDR RTL (Beta)”テスト@東急二子玉川駅 »