液晶パネルに降る雪(?)
IEEE1394を使う必要があって古いノートPC(2000年1月発売)を、保管棚の奥から引っ張り出してみると、液晶パネルの表面に白い粉が付着しています。
最初はどこから来たのかが判りませんでしたが、よく見ると液晶パネルと周囲のフレームの隙間から出てきているようです。
試しに、フレームを叩いてみると隙間から盛大に白い粉が降ってきます。
【液晶パネルに降る雪(?)】
すぐに止まるかと思っていたら結構な量が出てきました。
液晶の表面にカビが生えることは知っていましたが、これは一寸違うようです。
また、酢酸のような臭いがします。
ネットで調べてみると、関係ありそうな「ビネガ-シンドロ-ム(Vinegar Syndrome)」という現象の説明がありました。
ビネガ-シンドロ-ムとは
www.jps.gr.jp/center/main_content/vinaigre/e-1.html?
「何か酸っぱい臭いがする」とか「白い粉が析出」という記載あります。
TAC(Triacetylcellulose、トリアセチルセルロース、セルローストリアセテート、三酢酸セルロース)の劣化が原因のようです。
次に、TACが液晶パネルで使用されているかどうか調べてみました。
日経テクノロジー
TACフィルムとは
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20060427/116698/
コニカミノルタ
液晶偏光板用TACフィルム
http://www.konicaminolta.jp/al/products/tac_film/
コニカミノルタ
液晶用新TACフィルムの開発(1.77MB)
http://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2012/pdf/09_sugitani.pdf
上記の記事によれば、TACは偏光板の保護膜として使用されているようです。
どうも白い粉の原因はTACの劣化のような気がしますが、 白い粉の正体がよく判らないので調べてみました。
下記の資料は、液晶の保護膜ではなく映画フィルムの話ですが、白色物質をフタル酸(フタル酸塩)と推定しています。
東京工芸大学
劣化映画フィルムから析出した白色固体の分析 ... -
https://www.t-kougei.ac.jp/research/pdf/vol36-1-05.pdf
「TAC フィルムに含まれていたフタル酸エステル系可塑剤が酢酸酸性下、加水分解を受け、その結果、水に不溶のフタル酸あるいはフタル酸塩が析出した可能性がある。」
ここまで調べてなんとなくイメージが湧いてきましたが、まだよく判らない部分があります。
白い粉がTACフィルムから析出したのであれば、液晶パネルの表面に直接付着してもいいような気がしますが、TACフィルムの表面にはコーティング層が形成されているので、TACフィルムの面に沿って端まで移動してフレームの部分に堆積したということでしょうか?
対象液晶パネルの表面には長くて深い傷があるのですが、これも関係があるのでしょうか?
結局、正確なことは判りませんでしたが、幸いなことにPCの電源を入れる画面が表示されたので、IEEE1394は使えるようです。
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コメント
8~9年前に使っていたノートを引っ張り出したらびっくり。液晶を開くと白い粉がキーボードにびっしり。匂いは少し酸っぱい感じでした。液晶の表面は汚れてはいませんが大量の皺。電池の液漏れを疑って確認しましたが漏れた様子は無し。コンデンサの破裂では?と書いている所も有りましたが、何なのでしょうね。自分は怖くて電源を入れられませんでした。
投稿: 魚座 | 2019年1月14日 (月) 09時16分