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2014年7月 9日 (水)

カンタス航空(Qantas Airways)のGPSへの対応

 先日、機内でのBluetoothの使用について各航空会社の対応を調べていたら、カンタス航空のサイトの説明で一寸気になる部分がありました。

 GPSに関しては以下のような記載があります。

  Qantas Airways
  ホーム/ご搭乗 / 機内で / 通信
  http://www.qantas.com.au/travel/airlines/inflight-communications/global/ja

  電子機器
  離着陸時には、PDA、ノートパソコン、携帯用ゲーム機、玩具などすべての電子機器の電源を切りください。
  個人通信機器を利用した無線通信(無線機、双方向通信ができるポケットベル、GPSなど)はフライト中、一切使用が禁止されています。

 一寸見ただけでは、GPS自体が常時使用禁止のようにも解釈できそうです。

  「無線機=個人通信機器を利用した無線通信」は理解できます。
  「双方向通信ができるポケットベル=個人通信機器を利用した無線通信」も理解できます。
  しかし、
  「GPS=(?)個人通信機器を利用した無線通信」の部分が引っ掛かります。

 英文の説明では以下のようになっています。

  Electronic Equipment
  All electronic devices, including PDAs, laptop computers, handheld games, iPads, Ebooks and toys must be switched off during take-off and landing.
  Portable electronic equipment such as laptop computers (including WiFi and Bluetooth enabled devices), PDAs (without mobile phones), personal music (for example, iPods) iPads, Ebooks and electronic game devices may be used when the aircraft seat belt sign is extinguished after take-off and can now be used until we prepare the cabin for landing.
Radio transmission using personal communication devices (including walkie-talkies, two-way pagers, or global positioning systems) is prohibited at all stages of flight, as it may interfere with the aircraft's communication and navigation systems.
http://www.qantas.com.au/travel/airlines/inflight-communications/global/en#jump3

 GPSに関する記載は同じみたいです。
 なお、Wi-FiやBluetoothは、巡航中であればOKのように読めます。

 普通のGPS端末は不要輻射(漏洩局発信号等)の観点からはラジオと同じと思われるので、ラジオについて調べてみたら、運送約款に以下のような記載がありました。

  運送約款
  第11条 機内での行為
  11.1指示の遵守(抜粋)
  当社では、携帯電話、ノートパソコン、レコーダー、ラジオ、CDプレーヤー、電子ゲーム、レーザー製品または送信機器、トランシーバー、リモコン式玩具または無線操縦式玩具等、通信を妨害する恐れのある電子機器を一切使用しないよう求める場合があります。旅客が当社の求めに応じない場合、当社はフライトの終了まで、当該機器を預かる場合があります。補聴器および心臓ペースメーカーの使用は認められています。
  (http://www.qantas.com.au/travel/airlines/conditions-carriage-full/global/ja

 これによれば、「使用しないよう求める場合があります」と書いてあるので、使用することを許す場合もあるということでしょうか?

 他に情報はないかと探してみたら、Whirlpool ForumsというフォーラムにQantasのGPSへの対応についてのスレッドが立っていました。
 なお、このWhirlpool Forumsは"The Australian internet and technology discussion forums"だそうです。

  Whirlpool Forums
  ≫ Forums Archive≫ Gadgets≫ GPS≫ GPS on QANTAS
  http://forums.whirlpool.net.au/archive/775785

 ポストされた内容をざっと見てみましたが、やっぱりカンタスの説明が判りにくいようです。
 「GPS受信機は受信するだけなので電波を出すはずがない」というよくあるパターンのコメントが多いのですが、Bluetooth付のGPSについて言及しているコメントもありました。
 また、以下のように、GPSの局部発振回路について言及しているコメントがありました。

  --------------------
  posted 2007-Jul-7, 4:29 pm
  A gps is receive-only. But to receive a GPS signal you need a local oscillator at (roughly) the same frequency as the signal. Although it is not being transmitted it is being generated inside the GPS and at radio frequencies anything is a transmitter. So you will be creating SOME interference. Chances are it won't be enough to do anything but it COULD effect the plane's GPS.
  --------------------

 なお、機内のGPSに関する別のスレッドもありましたが、こちらは衛星信号の受信状態に関する話で、ルールの話はありませんでした。

  ≫ Forums≫ Gadgets≫ GPS≫ Using a GPS on a plane
  Using a GPS on a plane.
  http://forums.whirlpool.net.au/forum-replies.cfm?t=62906

 ここまで調べた範囲では、Bluetoothや局発回路が関係する可能性がありそうですが、これらからの信号のレベルは、個人通信機器を利用した無線通信として例示されている他の二つの「無線機」、「双方向通信ができるポケットベル」に比べて大幅に低いです。
 「無線機」は、ハンディタイプであれば、普通は出力が数100mWから数Wの範囲だと思われます。
 「双方向通信ができるポケットベル」については今まで知らなかったのですが、いろいろな製品があるようです。
 基本的には、携帯電話回線を利用したシステムのようなので、携帯電話と同様な扱いを受けるのは理解できます。

   Pager - Wikipedia, the free encyclopedia
   http://en.wikipedia.org/wiki/Pager

   Two-Way Pager Service
   http://www.mysecretaryusa.com/assured/

   双方向ページャ
   http://www.ntt-review.jp/yougo/word.php?word_id=4709

 問題はGPSですが、双方向通信可能なGPS端末なんかあるのと思って調べてみたらありました。

  Garmin | RinoR
  http://sites.garmin.com/rino/

 写真とキャッチコピーから判断すると、ハンティングなどに適した通信機能付のGPSのようです。
 こんなGPSがあるのは知りませんでしたが、下記の資料によれば、米国にはハンターが1400万人近くいるそうなので需要があるのかもしれません。

  U.S. Fish & Wildlife Service
  2011 National Survey of
  Fishing, Hunting, and Wildlife-Associated Recreation
  National Overview
  Issued August 2012
  http://www.doi.gov/news/pressreleases/upload/FWS-National-Preliminary-Report-2011.pdf

  Number of Hunters in U.S. Rises for First Time in Decades
  http://www.petersenshunting.com/2012/08/16/number-of-hunters-in-us-rises-for-first-time-in-decades/
  "13.7 million people, about 6 percent of the total population over the age of 16, went hunting"

 米国では17才以上の人口の6%がハンティングに行くということなので一寸驚きです。
 グループで狩猟する場合には、勢子は常に誤射の危険にさらされるので、射手と勢子が声や音を出さずにお互いの位置が正確に確認できることは重要かもしれません。

 ハンティングでこのトランシーバ機能付きのGPSを使っている人は、旅行の際にこのGPSをそのまま機内に持ち込むことがあり得るように思われます。
 機内で意図的にトランシーバ機能を使うことはないと思いますが、GPSを使うつもりで電源を入れている場合には、PTTボタンが何かに押されて連続送信状態になることも考えられます。
 座席の隙間にライターが挟まって発火する事故も時々発生していますし・・・

 GarminのRinoの説明をみるとFRS/GMRS radioと書いてあります。
 総務省のサイトによれば、FRS(Family Radio Service)は出力0.5Wで14CH、GMRS(General Mobile Radio Service)は出力5W又は50WでFRSの14CHを含む30CHとのことです。

  外国製無線機器(FRS・GMRS)についての注意 - 総務省
  http://www.soumu.go.jp/soutsu/chugoku/fieldinfo/denpa_kankyo02_06.html

 こんなのが機内で連続送信状態になったら一寸怖いです。

 このトランシーバ機能付きのGPSを念頭において、カンタスのHPに書いてある「個人通信機器を利用した無線通信(無線機、双方向通信ができるポケットベル、GPSなど)はフライト中、一切使用が禁止されています。」を読むと、ここでいうGPSは普通のGPSではなくて、トランシーバ機能付きのGPSを意味していると考えると、文言的にも技術的にも納得できますが、この解釈が正しいかどうかはわかりません。

 次にカンタスに乗る機会があれば直接聞いてみたいと思います。

 なお、双方向通信可能なGPS端末としては、中国の北斗衛星測位システムがありますが、多分こんな端末を持ち込む人はいないでしょうね。

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