タブレット(Hyundai T7)の故障スピーカを交換しました
現在、SDR用に使用しているタブレットは中華(韓?)PADのHyundai T7ですが、2台目です。
【Hyundai T7】
1台目目は当たりが悪かったのか、取り扱いが不適切だったのか、よくわかりませんが、最初に内蔵スピーカが故障して、次にUSB端子が接触不良になりました。
USB充電ではなく充電専用の端子を使用しているので、メモリに記録された動画を再生しながら音楽をイヤホンで聞くことくらいはできましたが、やっぱり使い難いということで2台目を買いました。
先日、1台目のUSBの故障をどうにか出来ないかと色々触っていたら、USBレセプタクルが完全に外れてしまいました。
このまま、部品取り用のジャンクにするのは、一寸勿体ないので、修理できるかどうかはわかりませんが、いわゆる「殻割り」をやってみました。
ケースの表面にビスの頭は見えないので、裏蓋の固定は接着か嵌合と思われますが、多分爪による係止構造であろうと想像して、こじ開けることにしました。
通常の小型ドライバでは裏蓋を開け難いし傷が付きやすいので、刃の先が幅広になっている腕時計の工具を使用しました。
【殻割り】
隙間に刃の先を差し込んで、少しずつよじっていくと裏蓋が外れました。
なお、Hyundai T7の場合は、裏蓋側には電気部品が固定されていないので、裏蓋を完全に取り外すことができます。
【スピーカ部分】
超小型の楕円形のスピーカが使用されています。サイズは約12mm×約20mmです。
故障の原因を確認するためにホルダを外し、スピーカを取り外して、動画を再生してみましたが、やっぱり音は出ません。
イヤホンからは音が出るので、故障の原因はイヤホンジャックからスピーカまでの配線か、または、スピーカ自体であると考えられます。
【タッピングで検査中】
故障の原因を切り分けるために、スピーカの直前でスピーカ用のリード線にピンを刺してタッピングしてイヤホンに接続すると音が出ます。
ということは、故障の原因はスピーカ自体に確定です。
スピーカの内部をよくみると、ボイスコイルのようなものが見えますが、その一部が本来あるべき位置とは異なった位置にあるように見えます。
スピーカの外からではよく見えないので、スピーカを分解することにしました。
【スピーカの分解】
ボイスコイルが二つに分離しています。
ボイスコイルの断線は時々聞きますがボイスコイル自体が変形する故障は初めて見ました。
調べてみると、ボイスコイル成形用の接着剤が熱で溶けて、ボイスコイルがばらけることがあるようです。
Hyundai T7にSDR用のDVB-T+DAB+FMチューナ(消費電流約300mA)を接続し、SDR TouchでUHFのエアバンドを4時間位連続受信した後に故障が発生しており、タブレットはかなり高温(アッチッチ状態)になっていました。
この状態では、スピーカを交換するしかないので、スピーカホルダのサイズに合いそうなものネットで探してみました。
【スピーカ取り外し後(ホルダ付き)】
秋月電子とaitendoにそれらしいものがありました。
秋月電子
トップ > パーツ一般 > 音響部品 > スピーカーユニット
http://akizukidenshi.com/catalog/c/cspk/
aitendo
ホーム > ★色々な電子部品 > スピーカ
http://www.aitendo.com/product-list/123
ネットの情報では現物の細部がよく判らないので、故障したスピーカを持参して秋葉原で現物と比較しながら探しました。
最終的には、以下の二つをaitendoで買ってきました。
中:①ESE1420T21-03X-8Ω 1W-P \200
8Ω 1W
14.0x20.0x4.1 mm
高品質
右:②SPKU1318-808 \200
8Ω 0.8W
18.0x13.0x3.8 mm
モバイルデバイス用
タブレットのスピーカは、ホルダで固定されているので、ホルダのサイズと比較しました。
【②SPKU1318-808】
①の方は、形状は元のスピーカと殆ど同じですが、全体的にサイズが大きく、ホルダをかなり削る必要がありそうです。
②の方は、形状は元のスピーカとは異なりますが、楕円の短径がスピーカホルダより僅かにはみ出すだけなので、ホルダを少し削ればスピーカを固定できそうです。
どちらを使うか迷いましたが、少しでも音が大きい方が良いであろうということで、実際にタブレットのスピーカコードを接続してみると、①の方が音が大きくて音質も若干良い(比較の問題ですが)ようです。
ということで、①に決定です。(シールに「高品質」と印刷されているし・・・)
この種の超小型のスピーカは携帯電話の受話用なので、耳に接近させた状態で使用することが想定されており、空中で鳴らすと「蚊の鳴くような声」しか聞こえません。
スピーカをタブレットの裏蓋の放音孔部分に押しつけると、音量と音質が若干改善されます。裏蓋が共鳴板や平面バッフルとして少しは機能しているのかもしれません。
スピーカの押しつけ状態によって、音量と音質がかなり変化するので、裏蓋の放音孔部分をよく見ると、不自然に変形した部分があります。
【裏蓋の放音孔付近】
最初は、スピーカを裏蓋に固定するための接着剤の痕かと思いましたが、変形部分と周囲の部分の材質は同じです。
変形の状態から判断して、どうも熱で溶けたようです。
裏蓋の材質は不明ですが、合成樹脂が溶けるのであればかなり高温になったようです。
故障の直前にはタブレットはかなり発熱していましたが、基板の熱がスピーカに伝わってスピーカが高温になったとは考えにくいです。
もしそうであれば、基板上の部品や裏蓋の内側にも損傷があるはずですが、目視した範囲では損傷は見当たりません。また、スピーカ以外の動作不良は見受けられません。(USBの故障は除く)
となると、原因はスピーカ自体の発熱ということになりますが、思い当たる節があります。
SDR受信の耐久試験のつもりで、UHFのエアバンドをスケルチ・オフ、音量最大の状態で受信していたので、スピーカからはノイズが連続的に出力されていました。
スピーカをシングルトーンで長時間駆動することはご法度ということは知っていましたが、ノイズについては気が付きませんでした。
後で、下記のスピーカメーカのHPを見てみると、ホワイトノイズを使用して連続負荷試験を行っているようなので、長時間のノイズ再生は過酷な状態だったのかもしれません。
技術情報 - 株式会社東京コーン紙製作所
http://www.toptone.co.jp/technology/
故障発生時に想像した「高熱によるボイスコイルの損傷」が当たっていたようです。
なお、スピーカの交換作業自体は簡単で、ホルダの孔をスピーカのサイズに合わせて広げ、スピーカを押し込んでホルダを基板にねじで固定し、スピーカのリード線を半田付けして終わりです。
【スピーカの修理】
2台目の音と比べると若干音が小さくて低音も不足していますが、200円の部品代で修理できたので、よしとしましょう。
スピーカの表面と裏蓋の放音孔部分の接触状態によって、音量と音質が変化するようなので、スピーカの周囲を裏蓋に接着剤で固定した方がいいのかもしれませんが、次に分解するときに不便になるので、しばらくはこの状態のままで様子を見ることにします。
なお、裏蓋を開けるときに、最初は丁寧に作業をしていたのですが、途中で手抜き作業になったため、ケースに若干傷がつきました。
老眼ではあまり気にならないので、許容範囲とします。
【ケースの傷】
【関連内部リンク】
2013年9月22日 (日)
Hyundai T7のスピーカが沈黙したので外部スピーカを接続しました
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2013/09/hyundai-t7-1a28.html
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