freetel Priori FT132AのUSB充電電流制御
FT132Aの本体に貼ってあった「同梱しているUSBケーブルのみをお使いください。(それ以外はサポート対象外となります。)」と書いてあったタグが気になって、USB充電について一寸調べてみました。
以下の記事・資料を参考にしました。
USB充電器の設計技法 (1/3) - EDN Japan
2008年06月01日 00時00分 更新
http://ednjapan.com/edn/articles/0806/01/news013.html
USBバッテリ充電の基礎:サバイバルガイド
Feb 21, 2011, Maxim Integrated Products, Inc.
http://www.maximintegrated.com/jp/app-notes/index.mvp/id/4803
今までは単純に過電流が流れない程度に端末が電流制御しているのかと思っていましたが、そう簡単ではないようです。
現在の規格(バージョン)がどのようになっているのかはよく判りませんが、上記記事によれば、中国通信規格とかUSB-IF「Battery Charging Specification」とかいうのがあって、端末がUSBケーブルを介して充電電源の能力(種類)を判別して充電電流を制御することにより、最大1800mAまで給電できるようになっているようです。
1.8Aも流れるとなると貧弱な電源では過熱するかも知れません。
充電の仕組みはまだ十分に理解していませんが、以下のような原理的には手順になっているようです。
(1)端末がUSBケーブルを介して充電電源に接続されると、最初は小電流で端末を充電し、端末がUSBの一対のデータ(D+/D-)端子間のインピーダンスを測定する。
(2)端子間のインピーダンスが大きい場合には、PC等の一般的なUSBポートであると判断して、最大500mA(USB 2.0の場合)で充電する。
(3)端子間のインピーダンスが小さい(短絡されている)場合には、大電流供給可能な専用充電器であると判断して大電流(最大1800mA)で急速充電する。
この仕組みから考えると、電源ラインしかないUSBケーブルを使用した場合、あるいは電源ラインとデータラインがあるUSBケーブルを使用していても専用充電器のデータ端子間のインピーダンスが所定値より大きい(データ端子の配線が無い)場合には、急速充電ができないことになります。
これでは一寸不便な場合もあるかもしれません。
世の中には頭の良い人がいて、USBケーブルコネクタの内部でデータ端子を短絡させることにより、端末を騙して無理やり大電流を引き出そうとする「下駄」と呼ばれるものもあるようです。
無い袖を振らせることになるので、電源側が過負荷になる可能性があるような気がします。
概略の充電制御の仕組みは大体判ってきましたが、ここまで理解した範囲では、電源側に損傷を与える可能性があることは理解できましたが、端末側の不都合についてはまだよく判りません。
非常に単純な例であれば、端末を細いUSBケーブルを介して大電流の電源に接続し、端末を騙して電源から端末に大電流を流して急速充電をしようとした場合にUSBケーブルが発熱損傷することが考えられますが、端末側では過電流制限をしていると思われるので、端末への影響がよく判りません。
出力は、DC 5.0V 1.0Aとなっています。
テスタ(P-10)で調べた範囲では、通電時、非通電時ともに、ACアダプタのデータ端子間の抵抗は無限大です。
また、USBケーブルのデータ端子間の抵抗も無限大です。
テスタの端子を触れた時に瞬間的に抵抗値が表示されますが、ACアダプタの内部抵抗や静電容量の影響でしょうか?
次に、ACアダプタの方ではなく、USBケーブルの方に何か仕掛けがあるのではないかと思って調べてみました。
FT132AをUSBケーブルでPCに接続すると、FT132AがUSB Settingモードになり、USBストレージを選択するとPCからscreenshotの画像などを見ることができるので、データラインは普通に機能しているようです。
ということは、データ端子間は短絡されていないはずです。
【リムーバブルディスク】
実際の充電電流制御の様子を調べてみました。
最初に、同梱のUSBケーブルを使用してACアダプタからFT132Aを充電してみました。
【ACアダプタから充電(0.27A)】初期充電
【ACアダプタから充電(0.73A)】急速充電
【ACアダプタからの充電の様子(動画)】
次に、同梱のUSBケーブルを使用してPC(CF-W4)からFT132Aを充電してみました。
充電初期は両方とも0.27Aですが、一定時間が経過すると、ACアダプタからは0.73Aで充電され、PCからは0.46Aで充電されています。
上の記事に書かれていたように、相手を見て充電電流を制御しているようです。
FT132Aの充電器テストで調べてみると、確かに「AC挿入」と「USB挿入」が区別されています。
結局、FT132Aにおける充電電流制御の仕組みはよく判りませんでしたが、専用USBケーブルを(推奨ではなく)義務化(使わない場合は保証無し?)しているのは、この部分と関係があるのかもしれません。
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