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2015年7月18日 (土)

SF小説「オービタル・クラウド」を読んで一寸気になった点(その2・ネタバレあり)

  前回の続きです。
  他人の迷惑顧みず、重箱の隅をつついています。

--- P147 ---
「直行」→「直交」

--- P220~P221 ---
「スマートフォンのカメラ」

  4万個のテザー(8万個のカメラ,P338)から送られてくる映像を合成して地球を映し出す説明となっています。
 撮影時点の空間座標と撮影方向が判っていれば、原理的には座標変換で画像合成は可能だと思いますが、元になるスマートフォンのカメラの画質が気になります。
 小説の設定(P164)では、テザー(長さ2km)は、回転半径が1kmで1周2秒で自転していることになっています。
 イメージ的には、東京タワーからJR浜松町駅まで伸びた紐の先にカメラをつけて、2秒で1回転の速度で振り回しながら撮影することになります。
 30rpmというのは結構な速さなので、遠心力もかなり大きくなるものと思われます。
 
  下記のサイトで計算してみました。
 普通のスマホは200g程度ですが、付属装置(VHF送信機、スプールリール等)や筐体の重さを考慮して終端装置の重さを500gで計算しました。

  遠心力と接線速度
  http://keisan.casio.jp/exec/system/1245903825

    遠心力   F : 4,934.8022005447 N = 503.20978117346 kg重   
    接線速度 v : 3,141.5926535898 m/s = 11,309.733552923 km/h

 接線速度は小説の中に出てくるように約3km/sですが、遠心力は約500kg重となります。
  0.5トンの錘がテザーの先にぶら下がっているという感じになりますが、テザーは耐えられるのでしょうか?
 グラフェン(P346)なら大丈夫?

 下記の動画は映画「Gravity」の予告篇ですが、冒頭のシーンではスーペスシャトルのアーム(15m?)が約5秒で1回転しています。

  Gravity - Official Main Trailer [2K HD] .
  https://www.youtube.com/watch?v=OiTiKOy59o4

 テザーの場合は、アームの長さが1000mで、この動画の2倍以上の速さで回転する状態に対応します。
 こんな条件でまともな絵が撮れるのか一寸心配ですが、5年後にはさらに高感度・高速シャッタのカメラが存在しているかもしれません。
 テザーは回転しているので、1台のカメラで動画を撮ることは難しいような気がしますが、カメラが8万台もあればタイムスタンプを参照し、座標変換して画像を繋ぎ合わせることができるかもしれません(Motion JPEG ?)。

--- P281 ---
「ヤギ・アンテナ」

 指向性を得るために、複数のテザーの長さ(エレメント長)に変更可能に微妙な長短をつけるのは難しいのでは?
 それ以前に使用波長(VHF:1m~10m)とエレメント長(2000m)の差が大きすぎて、共振型のアンテナとしては使用できないのでは?

--- P318 ---
「AM波」、「VHF」

  AM波は電離層で反射・減衰するのでVHFを使うというような話になっています。
 多分、「AM=中波」という前提だと思いますが、カテゴリが異なるもの(変調方式と周波数)を比較するのは違和感があります。
 大昔に、「5球スーパー」と「ダイナミックスピーカ」はどちらが音がいいというような話がありましたが・・・

--- P326 ---
「人工衛星投入」

 あっさりと書いてありますが、合計4万個のテザーを軌道上に絡まないように展開するのは大変では?
 各国の実験結果を見ていると、テザーの伸延失敗がかなり多い印象です。
 特にこの小説の出てくるスペース・テザーは自転することになっているので、最初の回転力をどのようにして与えたのか気になります。

--- P345 ---
「VHFの受発信機」

 室内に置かれたUSBケーブルの中のアンテナ(銅線)で300km上空のスマホと通信できるとは一寸考え難いです。
 USBから電源を取るのであれば、最大で2.5W(=5Vx0.5A)程度の消費電力となるので、効率を考えると空中線電力はせいぜい1W程度だろうし、他のケーブルに隣接した銅の紐アンテナではアンテナの利得は相当に低いと思われます。
 それ以前に、テザー側のスマホにはVHFの送信機能はないので、どう対応したのでしょうか? 外付け?(携帯電話の周波数はUHF)
 FMラジオ付きスマホの局部発振回路を利用するという手もありますが、スマホの本体だけでは出力的に一寸無理でしょう。
 なおこの送信装置は当然不法局だと思いますが、300km先まで届く強さの電波を短時間でも送信すればDEURASで発見可能?
   

--- P433 ---
「紐の長さより、ほんの少しだけ短い波長の電波を放射」

 最初は波長短縮率(Velocity Factor)のことだと思ったのですが、一寸違うようです。
  
  Velocity factor - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Velocity_factor

 テザーを焼き切るための電波の周波数のことを話しているのですが、長さ2kmのテザーに対して157kHzの電波を使うことになっています。
 単純計算では、波長が2kmの電波の周波数は150kHz(=300/2000m)です。

  電磁界(電磁波)の基礎知識
  「周波数」と「波長」
  http://www.chuden.co.jp/energy/denjikai/jik_chishiki/shuhasu/index.html

 一方、157kHzの電波の波長は1910mになり2kmの約96%になります。
 96%という数字は数値的には裸銅線の波長短縮率(95~99%)に近いのですが、係数の掛かり方が逆になっています。
 157kHzに共振する銅製の1波長(1λ)アンテナを考えると、波長短縮率を96%と仮定すると、実際に共振するアンテナの長さは1834m(=1910mx0.96)になります。

  「アンテナのエレメントの長さ=計算上の波長x波長短縮率」というのが基本的な考えなので、2kmから157kHzを導出する過程がよく判りません。

 「紐の長さより、ほんの少しだけ長い波長の電波を放射」ということであれば、一応理屈は通るのですが・・・

 また、普通のアンテナは、λ/2アンテナが基本なので、1λアンテナを想定する理由がよく判りません。

  アンテナって何?
  http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/DesignGuide/guide4.asp

 157kHzを「アマチュア無線の使うレンジだ」と言っていますが、135kHz帯(135.7~137.8kHz)のことでしょうか?
 近いといえば近いですが、相当にマイナーなバンドです。
  米国では一般のアマチュア無線局には開放されていないし・・・

  2200-meter band
  https://en.wikipedia.org/wiki/2200-meter_band

  アマチュアバンドプラン
  https://www.jarl.org/Japanese/A_Shiryo/A-3_Band_Plan/bandplan20150105.pdf

  US Amateur Radio Frequency Allocations
  http://www.arrl.org/frequency-allocations

  135kHz帯 ‐ 通信用語の基礎知識
  http://www.wdic.org/w/WDIC/135kHz%E5%B8%AF

 なお、テザーの材料は導電率が極めて高いグラフェン(Graphene)という設定(P346)なので、ベアテザーの場合には波長短縮率は関係ないかもしれません。

  グラフェン - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3
  グラフェン
  http://www.nikkyoko.net/nobel/physics2010.pdf

  グラフェンをどのようにして紐状にするのかと思ったら、色々方法はあるようです。
 将来は銅に取って代わる?

  グラフェンの配線、巻き線への応用およびその製造方法
  http://shingi.jst.go.jp/abst/p/10/1061/tokaishiritsu7.pdf

--- P433 ---
「VHS」→「VHF」

---P436,P448---
「偽のGPS信号」

 小説の中では、攻撃側は、テザーの位置測定用のGNSS(Global Navigation Satellite System)として米国(米軍)のGPSを使用しています。
 そこで、迎撃側は対策としてスプーフィング(Spoofing)によりテザーのGPSを騙して、テザーを攻撃しやすい位置に移動させています。
 普通のスプーフィングは中継装置でデータを改竄するようですが、小説ではクラウドから見える衛星のGPSデータを直接改竄するするとともに、航空機から偽のGPS信号を送信するようになっています。
 本物のGPS衛星から偽データを送信する期間は結構長くなると思いますが、一般の航法機器への影響は無視? 万一のときはコラテラル・ダメージ?

 GNSSとしては、GPSがよく知られていますが、これ以外にも、GLONASS、Galileo、Beidouが存在しています。

  GNSS applications - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/GNSS_applications

  マルチGNSS解析技術等の開発にむけた衛星系の技術仕様調査
  http://www.gsi.go.jp/common/000068239.pdf

 以下のサイトでは、実際の受信状態が確認できます。

  GPS/みちびきQZSS/中国北斗(BEIDOU/Compass)/GLONASS(ロシア)に対応したリアルタイム・GNSSモニタ-GNSS Real-time Monitor
  http://gps.szparts.com/?m=0&d=34631344
 
 GNSSに対する攻撃手段としてスプーフィングは知られているので、攻撃側が攻撃先の国が管理するインフラを利用するのは不味いような気がします。

  GPSはじめ他国の測位衛星が使用不可能になるケース
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/QZSkaihatsu/dai1/siryou4.pdf

  民生用衛星測位システムの脆弱性軽減方法の開発
  http://www.gnss-pnt.org/taikai24/yoko/Chino.pdf

 GNSSとして中国のBeidouを使った方が危険が少ないような気がしますが、素人考えなので違うかもしれません。
  GPSとBeidou(Compas)は仕様が異なっており、(米国から見て)他国のシステムなので暗号の解読やスプーフィングに手間がかかるはずですが・・・

 なお、最近のスマホは、GPS以外のGNSSにも対応しているようです。

  GPS+GLONASS+QZSS(みちびき)/Beidou(北斗)対応 スマートフォン
  http://smart.diipedia.net/smartphone-gps-3in1.html

--- P434, P452, P453 ---
「SAMPSON5」,「多用途アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー」、「157kHz」、「0.2秒角」、「25kW」

 やっと本題のレーダの話に辿り着きました。
 小説では、SAMPSON5という防空レーダを使用して、周波数157kHz、ビーム幅0.2秒角、出力25kWでテザーを焼き切ることになっています。
 SAMPSONで検索すると以下のレーダーがヒットしますが、周波数は2~4 GHz (Sバンド)、出力は25kW(これは小説と同じ)となっています。

  SAMPSON
  https://en.wikipedia.org/wiki/SAMPSON
  https://ja.wikipedia.org/wiki/SAMPSON

 SAMPSON5ではヒットしなかったので、SAMPSON5はSAMPSONの後継機種という設定でしょうか?
 問題は、この5年後に存在することになっているレーダーSAMPSON5でテザーを焼き切れるかどうかということです。
 現時点の技術で考えると、いくつか疑問があります。

 第1に157kHzという周波数です。
 テザー(長さ2km)に共振させるために150kHz帯の電波を使用することはいいとしても、SバンドやXバンドのGHz帯の電波を使用する防空レーダで効率よく送信できるようには思われません。出力用のデバイスの特性も全く異なるだろうし・・・
 いくら多用途と言っても、同じアンテナで150kHz帯(2000m)の電波と3GHz帯(0.1m)の両方を扱うのは無理でしょう。

 157kHzの付近には長波の放送局がいくつかありますが、153kHzの放送局のアンテナを調べてみると、350m程度の高さがあります。

  Longwave
  https://en.wikipedia.org/wiki/Longwave#List_of_longwave_broadcasting_transmitters

 アマチュア無線の136kHz用のアンテナでは、136kHzに同調させるための500mの水平部を有するものもあるようです。

  Antennas for 136kHz
  http://www.strobbe.eu/on7yd/136ant/
  2.13. Antennas with a long horizontal section

 波長に依存せずに使用できる革命的なアンテナが発明されれば、共用可能になるかも知れませんが、5年以内という可能性はほぼゼロでしょう。

 第2に、0.2秒角というビーム幅です。
 有り得ない位狭い幅のように思われます。
 1秒角は1度の3600分の1なので、0.2秒角は1/72000度になります。(計算あってるでしょうか?)
 1秒角がどの程度のものかイメージが湧かないので、調べてみました。

  理科年表オフィシャルサイト
  https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_018.html
  「人間の場合、20 km 先の物体を両目で見たときの視差が約 1 秒角です。」

 単純計算では、0.2秒角は100km先(都心から富士山)を見たときの視差?
 SAMPSONのビーム幅の詳細は不明ですが、イージスシステムのAN/SPY-1では2度程度ですし、「はやぶさ」のアンテナでも半値幅1.4度なので、これよりも極端に狭いということは考え難いです。
 しかも周波数が157kHzという長波(LF:1km~10km)なので、狭い指向性を得ることが難しいように思われます。
 0.2秒角は5年後に実現できる数字とは思われません。

 アマゾンのレビューの中に「象の檻」の話が出てきたので、これも調べてみました。

  Elephant Cage
  AN/FLR-9 - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/AN/FLR-9

  象の檻 - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%A1%E3%81%AE%E6%AA%BB

 1.5~30MHz で方向探知が可能だったようですが、特別にビーム幅が狭いということではなかったようです。

 宇宙への大出力送信と言えば、HAARP (High Frequency Active Auroral Research Program)を忘れる訳にはいかないので、ついでに調べてみました。
 HAARPはトンデモ系の情報が多いので信頼できそうな情報を探すのに一寸苦労します。

  The High Frequency Active Auroral Research Program
  http://www.nrl.navy.mil/research/nrl-review/2004/atmospheric-science-and-technology/kennedy/

  情報通信研究機構季報Vol.53 No.1/2 2007
  特 集 HAARP(High Frequency Active Auroral Research ... - NiCT
  http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol53no1.2/01-03C.pdf

 途中で出力が低減され、ビーム幅も広げられた(ERPが下げられた?)ようですが、実験当初は出力3.6MW、ビーム幅4.5度~15度だったようです。
 オーロラに影響を与えることができる程度の出力なので、電線に向けたら焼けるかもしれません。

【2015.07.19追記】
----------------------
ニュー・ホライズンズ のアンテナのビーム幅は0.3°のようです。
電波が届くのに4時間!

New Horizons
Spacecraft Systems and Components
Communications
http://pluto.jhuapl.edu/Mission/Spacecraft/Systems-and-Components.php
"The high-gain beam is only 0.3 degrees wide, so it must point directly at Earth."
----------------------

 第3に25kWという出力です。
 この出力は現実のSAMPSONと同じです。
 普通のパルスレーダーでは、数MW(AN/SPY-1は4~6MW)の尖頭出力は珍しくありませんが、25kWはかなり小出力です。
 出力が小さいのは出力段が半導体であるからだと思われますが、この出力で300km上空のテザーを焼き切れるのでしょうか? ビーム幅が0.2秒角だったら可能?

  第4に電波形式と送信タイミングです。
 小説の説明ではパルスかCW(continuous wave)かよく判らないのですが、テザーが正面を向いたときに焼き切る(焼き切れる?)ことになっています。
 共振現象(?)の説明(P433)から判断すると、出力はCWで、焼き切れるタイミングはテザーの角度で決まるような雰囲気です。
 もしそうなら、放射ビームの方向に対して80°のときは焼き切れないで、90°になった瞬間に焼き切れるとは一寸思えません。
 もし正確な角度で終端装置を放出するのであれば、テザーの角度を測定して90°になった瞬間にレーダパルスを照射するということも考えられますが、4万個のテザーでは対応できないでしょう。
  P453の説明では、クラウドが広がった範囲は半径50km、照射範囲の通過時間は7秒となっています。
 クラウドの範囲S1と照射範囲S2の大小関係は明確ではありませんが、ビームが1本で方向が固定であると仮定すると、S1<S2でないと未照射領域が発生するので、S1<S2とします。
 だとすると照射範囲は少なくとも直径が100km以上になります。
 照射範囲とビーム幅の関係がよく判りませんが、高度が300km程度であったとすると、相当にビームが広がっていることになります。
 この辺の想像は妄想と勘違いと理解不足の産物かもしれません。

  P359, P421, P422に「ブラックアウト」のマイクロウェーブの誤射により、スペース・テザーが焼き切れる話が出てきますが、マイクロウェーブで焼き切ることができるのであれば、防空レーダの本来の周波数であるSバンドやXバンドでビームを絞って照射するという話の方が整合性がとれるような気が・・・・

  Blackout Bomb: Air Force's High-Powered Microwave Weapons Fry Enemy Equipment
  Posted July 31, 2009
  http://www.popsci.com/military-aviation-amp-space/article/2009-07/experimental-microwave-weapon-could-fry-enemy-equipment
  "10 nanosecond-long, gigawatt bursts"

 妄想のついでにもうひとつ。
 テザーの自転速度は、最初は2秒で1(30rpm)でしたが、この時点では0.6秒で1回(100rpm)になっています。
 回転速度が約3倍になっています。
 テザーが短くなったのかと思いましたが、レーダの送信周波数の説明から判断すると、長さは2kmのままと考えられます。
 終端装置の重さを500gとして加速度を計算すると。以下のようになります。

   遠心力 F : 54,831.135561608 N= 5,591.2197908162 kg重   

  重さに換算して5トン以上になります。
 グラフェンだから耐えられる?

--- その他 ---

 ・小説の中にはテザーを引き出す機構の話が出てきませんが、実際の実験ではここが中々難しいようです。
 長さが2kmのテザーを終端装置内に収納する必要がありますが、5cmx5cmx5cm以下のサイズで2000mのテザーを繰り出すことができるスプールリールを収納することができるのでしょうか?

 ・この小説に出てくる「スペー・テザー」の回転駆動システムの説明はよく理解できませんが、テザー上でバラストを移動させるシステムは可動部品が増えるので故障が増えそう・・・。展開時にはバラストはどう処理?
 
  米国特許を調べていたら、回転テザーに関するものがありました。

  Method and apparatus for propulsion and power generation using spinning electrodynamic tethers
  US 6942186 B1
  http://www.google.com.gh/patents/US6942186

  回転するテザーという考えは以前からあったようです。(小説の中にも書いてあります)
 テザーの歴史が BACKGROUND OF THE INVENTION に書いてあります。
 
 IHIの公開特許もありました。

  Space debris removing device and space debris removing method
  US 20140367523 A1
  http://www.google.com/patents/US20140367523

 図面を見ると、銛を打ち込んでデブリを捕獲するようです。捕鯨みたい・・・

 
 

 以上、素人の付け焼刃の知識で、「致命的なミス」について考えてみましたが、5年後に存在予定のSAMPSON5でも157kHzの電波によるテザーの焼き切りは不可能であるように思われました。

  「下手の考え・・・・」かもしれませんが・・・

蛇足:
 レビューに映画化に適しているのではないかというコメントがありましたが、CIAのクリスのキャラ(有能で腹黒い性格が悪い?)には、シガニー・ウィーバー(Sigourney Weaver)が似合うかもしれません。 白髪ではありませんが年齢的には丁度いいのでは? 映画「僕らのミライへ逆回転(Be Kind Rewind)」や「宇宙人ポール(Paul)」でも似たようなキャラだったような気がします。

 一冊の本で2週間たっぷり楽しめましたので、元は取れたかもしれません。雑学の知識も少し増えたし・・・
 なお、お話としては突っ込みところはありますが結構面白かったです。

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コメント

私は、テザーの運動と地磁気による電磁誘導の電力だけで、機体を加速する(高度を上げる)ことができる、という部分を疑問に感じました。
発電の際には軌道速度を落とす向きにローレンツ力が発生し、力学エネルギーを消費して電気に変えているはずなので、その電力を運動エネルギーに変換しても元のエネルギーよりも高くはならないのではないかと思います。

投稿: | 2016年3月 3日 (木) 15時24分

テザー衛星が縦回転か横回転か詳しく書かれてないので、わからないですが、テザーを焼ききる際、進行方向から電波を照射し、テザー全長より少し短い波長となってます。ということは、水平面に対して横方向に回転しているイメージですが、実際は地上からの照射であれば、下からの照射でテザー衛星の向き選択的に焼ききることはできない(衛星の出を狙うのかな)。
縦回転なら、終端の機器は半分は地上に落下、半分は第二宇宙速度で飛び出してしまいます。どっちなんでしょうね。

投稿: | 2017年2月 3日 (金) 10時15分

Kです。
コメントありがとうございます。

 小説には「紐が進行方向に対して真横を向いたときに焼き切ります」、「紐がレーダーの正面を向くたびに焼き尽くされていく」、「進行方向に投げ出された終端装置」という記載があります。

https://books.google.co.jp/books?id=fxEoDAAAQBAJ&pg=PT177&lpg=PT177&dq=%E3%83%86%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%80%80%E5%9B%9E%E8%BB%A2%E3%80%80%E9%81%A0%E5%BF%83%E5%8A%9B&source=bl&ots=A3423PBQ5v&sig=E1Bp4VmmMMW3uvIZfY-Lc5odoY4&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiX89jCx_vRAhVGi7wKHbrAClwQ6AEIPzAH#v=onepage&q=%E3%83%86%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%80%80%E5%9B%9E%E8%BB%A2%E3%80%80%E9%81%A0%E5%BF%83%E5%8A%9B&f=false


 「進行方向に対して真横」の意味がよく分かりませんが、軌道に対してテザーが直角になったときということでしょうか?
 この場合は、回転軸は、地表面に平行で軌道に直交する方向か、または、地表面に垂直な方向になると思われます。
 テザーの両端の終端装置で他の宇宙船を蹴り上げることを考えると、回転軸は、地表面に平行で軌道に直交する方向かもしれません。
 電波の照射方向がよく分かりませんが、地上で進行方向から照射すると考えると、ご指摘のように日の出、日の入りを狙う必要が出てくるので、効率が悪そうです。
 なお、この場合(回転軸が地表面に平行で軌道に直交)であれば最高位置と最低位置でテザーが切断されるので、終端装置は円周方向に放出されそうです。
 しかし、小説ではクラウドが地上のレーダに近づいた時に電波を照射しているように思えるので、テザーが地表面に水平になった時に切断されるように思われます。
 この場合は、これもご指摘のように真上か真下に放出されるように思わます。
 
 テザーの回転状態がイメージできるような説明が書いてあれば、あまり悩まずに済んだかもしれません。

 話は変わりますが、テザーによる加速の場合には外部電源が必要なので、自力で宇宙船を蹴り上げて軌道を上げるのは難しいような気が・・・・

投稿: K | 2017年2月 7日 (火) 21時06分

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