Covia FLEAZ F5でGPS,GLONASS,QZSSの衛星が見えました
先日購入したCovia FLEAZ F5のGPS受信確認用アプリとして"GPS TEST"を使っていますが、今まで見たことがない数字"65","77"が表示されています。
【GPS TEST】
この数字は、PRN (Pseudorandom Noise)番号(衛星番号?)を表しているようなのですが、"65","77"はなんでしょうか?
GPS TESTのfacebookには以下のように書いてありました。
GPS TEST facebook
https://www.facebook.com/GpsTes
以下上記URLから抜粋引用
-----------------------------------------------------
1 - 32 GPS (US)
33 - 64 SBAS (Used to enhance other constellations)
65-96 GLONASS (Russian)...
193-197 QZSS (Japanese)
201-235 BEIDOU (Chinese)
"GPS Test only shows symbols for GPS (Dot) and GLONASS (Triangle) satellites at the moment, but it will show different symbols for the other constellations in the future."
-----------------------------------------------------
GPS(Global Positioning System)
SBAS(Satellite-Based Augmentation Systems)
GLONASS(Global Navigation Satellite System)
QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)
BEIDOU(北斗:COMPASS)
"65","77"は▲で表示されているので、数値とシンボルから判断してGLONASSのようです。
"193"の「みちびき」も表示されています。
したがって、Covia FLEAZ F5では3種類の衛星システム(GPS, GLONASS, QZSS)に対応しているようです。
下記のサイトを見てみると、BroadcomのBCM47511やBCM475の仕様に近いようですが、実際のチップは未確認です。(保証が切れたら蓋を開けて確認してみたいです)
GPS+GLONASS+QZSS(みちびき)/Beidou(北斗)対応 タブレットPC
http://smart.diipedia.net/tablet-gps-3in1.html
最近のGPSのチップはどのようになっているかと思って調べてみたら、以下の資料にBCM47511の話が出てきました。
BCM2076 - Broadcom
2011 年2 月18 日
ブロードコム、GLONASS 衛星をサポートする最先端 GPS ソリューション「BCM2076」と「BCM47511」を発表
http://ja.broadcom.com/docs/press/localized_press/ja/PR110218JPN.pdf
BCM2076は Bluetooth/FM/GPS コンボチップ・ソリューション、BCM47511はスタンドアローン型 GPS ソリューションとのことです。
GLONASS対応が主な特徴のようですが、SBASやQZSSの話も出てきます。
複数のGNSSを組み合わせれば測位精度が改善されるであろうことは想像できますが、BCM47511やBCM475の精度は実際にはどの程度でしょうか?
下記の資料に関係ありそうなことが書いてありました。
Inside GNSS
MARCH/APRIL 2011
http://www.insidegnss.com/auto/marapr11-VanDiggelenREV.pdf
テストにはBCM2076とBCM47511が使用されたようです。
上記Inside GNSのFig.12, Fig.13は、マルチGNSS(GPS+SBAS+GLONASS)の場合の測位結果のようですが、かなりの精度が確保できているようです。
写真でみる限りでは周りに高層ビルがないので、減衰やマルチパスの影響が少ないかもしれません。
Fig.4, Fig.5に東京の話(GPS+SBAS+QZSSの場合のシミュレーション)が出てきます。
この説明によると、HDOP(horizontal dilution of precision)が4を超す期間は、GPS単体では40%だけれども、SBASとQZSSを併用すると19%に改善されることになっています。
Dilution of precision (GPS) - Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Dilution_of_precision_(GPS)
DOPの値の意味はまだよく理解できていませんが、上記資料によれば以下のようになっていました。 (境界値はどちらに属する?)
DOP Value Rating Description
< 1 Ideal
1-2 Excellent
2-5 Good
5-10 Moderate
10-20 Fair
>20 Poor
雰囲気的には、マルチGNSSにより測位性能が改善されそうですが、精度が劇的に改善されるという訳ではなくて、実用的な測位精度が確保できる期間が長くなるということのようです。衛星ロストタイムも短くなる?
QZSSを併用した場合の実際の測定例はないかと思って探していたら、内閣府宇宙戦略室のサイトに関係しそうな資料がありました。
内閣府宇宙戦略室
準天頂衛星システム
2015年06月11日
都市部でのQZ1測位モード比較:1. 試験概要
http://qzss.go.jp/technical/technology/qz1_150611_1.html
都市部でのQZ1測位モード比較:2. 実証結果
http://qzss.go.jp/technical/technology/qz1_150611_2.html
都市部でのQZ1測位モード比較:3. QZSとGLONASSの効果
http://qzss.go.jp/technical/technology/qz1_150611_3.html
都市部でのQZ1測位モード比較:4. まとめ
http://qzss.go.jp/technical/technology/qz1_150611_4.html
GLONASSの併用で衛星数が増え、QZSSの併用で高層ビルの影響が減るので、精度が改善されるようです。
Covia FLEAZ F5の測定では、GPS, GLONASS, QZSSのデータが受信され、且つ、使用されていると思われるのですが、今のところ測位精度が非常に改善されたという印象はありません。
気のせいかも知れませんが衛星捕捉時間は短くなったような感じがします。
過去の経験では、GPS単体でも条件がよければ4~5mの精度が出ていたので、衛星の位置や周囲の環境の影響が大きいのかもしれません。
以前ニュースで見かけたセンチメートル級の測位デモンストレーション(お絵かきデモ)のような精度を享受できるようになるのはまだ先のことになるのでしょうか?
東京・お台場が地理空間情報に染まった「G空間EXPO2013」の3日間
(2013/11/21 06:00
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/20131121_624538.html
【参考外部リンク】
The Beginner’s Guide to Different Satellite Navigation Systems
December 20, 2013
http://linxtechnologies.com/blog/beginners-guide-satellite-navigation-systems/
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