交流電源のレールガン?
Gigazineにレールガンの記事があったのですが、よく意味が分からない部分がありました。
Gigazine
2015年11月11日 12時30分00秒
自作レールガンに2万7000ジュールのエネルギーを投入し標的を一瞬で破壊する強者が登場
http://gigazine.net/news/20151111-diy-giant-mobile-railgun/
記事の中に「電流フローはC形(交流定電圧制御+交流電流制限)を採用しているそうです。」という部分があります。
レールガンは、ローレンツ力を利用した導電性の飛翔体(projectile)の発射装置です。
以前、超原理的な実験をしたことがありますが、本物は相当大掛かりな電源が必要なようです。
ローレンツ力を利用するということは、少なくとも飛翔体に電流が流れている間は、電流が流れる方向が同じである必要があるように思われます。
もし飛翔体がレールの間を通過している間に電流の向きが逆転すると逆向きの力が発生してしまいます。
今まで直流電源以外のレールガンの資料は見たことがありません。
高電圧を発生させるために、LC共振パルスを利用する資料はありましたが、利用するのは単極性部分でした。
この動画に出てくる電源はコンデンサだけなので、交流は無関係であるように思われます。
レールガンの記事で原理的な説明の部分で「交流」という文字が出てくるのは一寸変です。
交流を整流して直流を得るという話はあり得るかもしれませんが・・・
元記事を確認してみました。
以下の部分が関係あるみたいです。
DIY 250 lb Giant Mobile Railgun, 27,000 joules. - Album on Imgur
http://imgur.com/a/GrAiE
"The current flows in a C-shape through the device."
元記事と写真(動画)から判断すると、「電流は装置(注:レール)を経由してC字状体(注:導電性飛翔体)に流れる。」という意味であるように思われます。
Gigazineの記事の中で「アルミニウム製の弾丸」と書かれているC字状(U字状?)の物体が" a C-shape"です。
装置の動作は判りましたが、「C形(交流定電圧制御+交流電流制限)」はどこから出てきたのでしょうか?
突然出てくるので不思議です。
好奇心で色々調べてみたら、それらしい情報が出てきました。
富士交流電力調整器〔APR〕
https://www.mekasys.jp/data/series/FILE/FUJ_0060_K01.pdf
制御方式(抜粋)
制御方式 コード
フィードバック機能無し T
交流CLR A
交流ACR+交流CLR B
交流AVR+交流CLR C
AVR= 定電圧制御
CLR= 電流制限
"C-shape"→「C形」→「コードC」→「交流AVR+交流CLR」→「交流定電圧制御+交流電流制限」と解釈されたと仮定すると辻褄が合います。(当方の勝手な妄想です)
しかし、"C-shape"を「C形」と訳すと、以下の原文が訳せなくなる(意味不明になる)ような気が・・・
This C-shape produces outward force in all directions, like water flowing through a bent rubber hose.
翻訳された日本語を読んでいて引っ掛かる個所は、誤訳の可能性が高いと言われますが、このケースもそうかもしれません。
レールガンの記事で交流が出てくるのはやっぱりおかしいです。
なお、二酸化炭素は炭酸ガスの方が判りやすいと思います。写真にCO2圧縮ガスボンベが写っています。
(重箱の隅をつつきたがるという悪い癖がまた出てきてしまいました・・・)
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 中国のバレンタイン用ドローンショー(2022.02.16)
- 「ハバナ症候群」は大部分が持病やストレスが原因?(2022.01.31)
- 日本人月面へ(2021.12.29)
- 祝「カーク船長」宇宙から帰還(2021.10.14)
- 「カーク船長」宇宙へ(2021.10.07)
コメント