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2016年10月30日 (日)

中華短波ラジオTECSUN PL-660を買いましたがFMバンドが・・・

 短波でCWの受信実験をしようと思いましたが、手元にある短波ラジオROC-10, ER-C57WRにはBFO(Beat Freqency Oscillator)がありません。
 通信用の短波受信機ではBFOが付属していることが多いですが、ポータブルの短波ラジオではあまり見かけません。
 安くてBFO付きのものを探していたら、TECSUN PL-660という製品が目に付きました。

 一寸高めですが、評価は悪くなさそうだということで、これにしました。

【TECSUN PL-660】
Pl660_1

Pl660_2

Pl660_3


 この種の製品は、とりあえず動作確認が必要ということで、AM, FM, SW, AIRを聞いてみました。
 一通り聞こえるようですが、 FMバンドが一寸変です。
 日本バンド(76-108MHz)と国際バンド(?)(87-108MHz)が切り換え可能になっているのですが、76-108MHzを選択しても受信できるはずのTOKYO-FM(80.0MHz)やNHK-FM(82.5MHz)が受信できません。
 ダイヤルを回すと表示される周波数は変化するのですが、入感がありません。
 しかしながら、InterFM(89.7MHz)やワイドFM(TBSラジオ 90.5MHz、文化放送 91.6MHz、ニッポン放送 93.0MHz)はフルスケールで受信できます。
 この状況から判断すると、76-108MHzを選択しても、76-87MHzは周波数が表示されるだけで、実際に受信できるのは87-108MHzだけのような感じがします。

 あらためて、Amazonのレビューを全部見てみると、FMが受信できないというレポートがあがってました。
 Goo知恵袋にも同様な書き込みがありました。

  tecsun pl 660でFM80Mhzが聞けず - Goo知恵袋
  http://otasuke.goo-net.com/qa9141991.html

 どうも外れを引いたようです。
 気分は悪いですが、FM放送を聴くことは殆どなく、返品の手間が面倒なので、このまま使うことにしました。

 もしかしたら、何か対策があるかもしれないと思って、受信の状態を詳しく確認してみました。
 FMバンドの設定は、電源OFFの状態で[FM SET]のボタンを長押しすることで行いますが、押し続けた場合は、表示は以下のように変化します。

  [76--  」→ [  -108] → [87--  」→ [  -108] → 時刻表示
  または、
  [87--  」→ [  -108] → [88--  」→ [  -108] → 時刻表示
  または、
  [88--  」→ [  -108] → [76--  」→ [  -108] → 時刻表示

  下限の周波数[76--  」,[87--  」,[88--  」が表示されたタイミングで[FM SET]のボタンをOFFにすれば、そのバンドが設定されるようです。

  [76--  」  76.0-108.0MHz
  [87--  」 87.0-108.0MHz
  [88--  」  87.5-108.0MHz

 今までの感じでは、87MHz以上であれば受信できそうな雰囲気ですが、実際はどうなのか試してみました。
 信号発生装置には、大昔に買ったTRIOのグリッドディップメータ(DM-6)を使用しました。
  なお、DM-6の周波数範囲は1.7-180MHzです。

【DM-6】
Trio_grid_dip_meter_dm6

 受信範囲の確認は以下の手順で行いました。

 (1)PL-660のFMバンドを76.0-108.0MHzに設定し、受信周波数を88.00MHzに設定する。
 (2)88.00MHzで信号が受信できるようにDM-6の発振周波数を調整する。
   結果:88.00MHzでは信号はフルスケール(S5)で受信できました。
  (3)受信周波数を88.00MHzから徐々に上げながら、DM-6の発振周波数を調整し、どこまで受信できるか確認する。
   結果:88.00-108.0MHzの範囲ではフルスケールで受信できました。
 (4)受信周波数を88.00MHzから徐々に下げながら、どこまで受信できるか確認する。
   結果:88.00-87.65MHzの範囲ではフルスケールで受信できました、が87.64MHzでは全く受信不可(S0)になりました。(周波数はバラツキあり)
 (5)受信周波数を87.60MHzから徐々に上げて、受信が再開される周波数を確認する。
   結果:87.79MHで受信が再開されました。(周波数はバラツキあり)

【受信範囲確認中】
Pl660_

  周波数を下げた場合は、87.65MHzまで受信できるのに、周波数を上げた場合は87.79MHからしか受信できません。
 受信範囲にヒステリスがあるということは、PLLのキャプチャレンジやトラッキングレンジに関係がありそうな感じです。

  ここから先は完全な推測ですが、FMバンドを76.0-108.0MHzに設定した場合、表示周波数は切り替わるけれども、局発を制御するPLLの制御が88.00-108.0MHzのままになっているような気がします。
  88MHz以下は選局用のPLLがロックしていない?
 88MHzより下ではノイズの音が変化するのはロックが外れているから?
 ソフトウエアの問題?
 正常に動作しているPL-660もあるようなので、個体差?

 中華Padであれば、ファームウエアの書き換えという救済手段も可能かもしれませんが、ラジオの場合は難しそうです。

 FMは殆ど聞かないので、不具合はFMバンドに限定されているのが不幸中の幸いと考えることにします。

【追記】
 メータは振れませんがJ-WAVE(88.3MHz)が受信できました。信号は弱いですが、了解度は5でした。アマ無線的にはRS53程度?

【2016.11.05追記】
 どのFMバンドでもニッポン放送(93.0MHz)しか受信できなくなりました。
 時間が経過すると受信可能範囲が変化するということは、設定ミスとかバグではなくて、ハードウエア的な故障?
 大昔の水平/垂直同期摘みが付いているブラウン管テレビでは、長く見ていて温度が上昇すると水平/垂直発振回路のフリーランニング周波数が変化して同期が外れて、画が流れることがありましたが・・・

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コメント

初めまして、じんけいと申します。
私もPL-660を昨年の夏に入手しました。最初のうちは76MHzから高感度に受信できており、所有しているICF-2001Dとそん色ないと喜んでいたのですが、徐々に低い周波数帯が受信できなくなり、先月は84.7MHzのFM横浜がかろうじて受信できる状態に、現在では約90MHz以上の帯域しか受信できなくなってしまいました。何かの素子が経年変化で特性が変化して来るのかあるいは劣化してくるのでしょうかね。基板を見てみたところTA7358で局発が作られているようですが、この周波数を制御するためのバリキャップに印加する電圧を作っているPLLのIC(LC72137)からの電圧が暴れてしまっていることがわかりました。低い周波数帯を受信するにはバリキャップの電圧を下げる必要があるのですが、ある電圧以下になってくるとそれ以上下がらず、ノイズが混じった波形になってしまっています。各半導体を温めたり冷やしてみたりしましたが変化せず、お手上げ状態です。とほほ。

投稿: じんけい | 2017年10月22日 (日) 12時12分

じんけいさん はじめまして
Kです。

 TA7358のVCOの制御電圧に関する情報を有難うございます。
 当方は受信機を分解する元気がなかったので、外から局発レベルをチェックしただけですが、低域で急に局発レベルが低下します。
 同じ現象のようです。

  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2016/11/tecsun-pl-660fm.html

 TA7358の局発周波数が低くなると、LC72137の位相比較器の出力が正常に出力されなくなるという野は不思議な現象のようですね。
 PLLチューナの場合は、TA7358の局発周波数をLC72137でカウントして希望周波数と比較し、局発周波数が希望周波数と一致するようにTA7358のVCOの制御電圧を可変するようになっているので、このループが怪しいかもしれません。
 IC自体が故障したり短時間で劣化したりすることはあまり考えられないように思われるので、外付け部品に原因があるかもしれません。

 想像ですが、以下のような原因を考えてみました。

 LC72137のデータシートの21/22ページのブロック図を見ると、FM OSCの出力(局発信号)が結合コンデンサを経由して、LC72137のFMIN(FM局発入力)に供給されています。

 LC72137データシート
 http://pdf.datasheetcatalog.com/datasheet/sanyo/ds_pdf_e/LC72137.pdf

 この結合コンデンサについては、以下のような注意書きがあります。

2. Notes on the FMIN, AMIN, and IFIN Pins
 Coupling capacitors must be placed as close as possible to their respective pin. A capacitance of about 100 pF is
desirable. In particular, if a capacitance of 1000 pF or over is used for the IF pin, the time to reach the bias level will increase and incorrect counting may occur due to the relationship with the wait time.

 この説明自体は、PLLの応答速度に関するものですが、最短距離での配線が指示されており、かなりクリチカルな部分のようです。
もしこの結合コンデンサの容量が、何等かの原因で減少したとすると、周波数が低い方の伝送量が低下するので、周波数カウントや周波数比較が正常にできなくなくなるかもしれません。

 全くの妄想ですが、このコンデンサを容量を変えていくつか交換してみたら、なにか変化があるかもしれません。
 壊れても責任は持てませんが・・・
 基板の現物を見ていないので、交換可能かどうかは???

 自分でやってみたらと言われそうですが、70過ぎの老人には一寸つらいです。

投稿: K | 2017年10月26日 (木) 21時49分

Kさん、貴重な情報どうもありがとうございます。
回路を追いかけたところ、LC72137の位相比較器の出力でTA7358の局発回路のバリキャップ電圧をコントロールし、TA7358の局発回路の信号をC結合でLC72137のFMINに入れているようです。このループのどこかの部品が劣化してきているか特性が変化してきているのかもしれません。バリキャップに印加される電圧が低くなってくると(つまり受信周波数を下げてゆくと)TA7358の局発VCOの発振レベルが小さくなって行き、そのせいかFMINのレベルも低下し、バリキャップに印加される電圧も暴れ出すという状況です。また時間を見つけて内部点検してみます。進展がありましたらご連絡いたします。

投稿: じんけい | 2017年10月29日 (日) 14時08分

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