10kHz以下の受信テスト(SDRplay RSP2)
SDRplayを購入するときに、RSP1にするかRSP2にするか一寸迷いました。
Radio Spectrum Processor 2
http://www.sdrplay.com/docs/RSP2_Datasheet.pdf
結局、周波数に応じてアンテナ端子が独立していることと、水晶の周波数精度が0.5PPMという点に惹かれてRSP2にしました。
購入時にはあまり着目しなかったのですが、RSP2の受信可能範囲は、仕様によれば、1kHz~2GHzとなっています。
RSP2は10kHz~20GHzなので、1kHz~10kHzの分だけ広いです。
10kHz以下の電波というのはあまりイメージが湧きません。
いままで、低い方ではアマチュアバンドの135kHzとか、JJYの40/60kHzとかは受信してみたことはありますが、10kHz以下の世界は全く知りません。
潜水艦等で使用されているようですが、Wikipediaの"List of VLF transmissions"には10kHz以下のデータはありません。
Very low frequency - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Very_low_frequency
一寸古いですが、以下の資料には、"RADIO-SIGNALS; BELOW 10 kHz"という項目があります。
UDXF - UTILITY Dxers FORUM - ELF and VLF Guide
Version 1.0 - updated 15 November 2001
http://www.udxf.nl/ELF-VLF-GUIDE-v1.0.pdf
10kHz以下といっても、2.5~82Hzの話なので、桁が全く違います。
当方は疑り深い性格なので、10kHz以下の信号が本当に受信できるの?ということで、簡単な実験をしてみました。
この周波数帯の信号が簡単に受信できるとは思えないので、自前で信号源を用意しました。
10kHz以下ということは、普通のオーディオ(可聴周波数)の帯域なので、低周波発振器が利用できる筈です。
固定のスポット周波数ではあまり面白くないので、20Hz~20kHzの掃引信号を使ってみました。
仕掛けは以下の通りです。
送信側
スマホ:SH-01F
アンテナ:SH-01Fの内蔵ダイナミックスピーカのボイスコイルをループアンテナとして利用
信号発生アプリ:FuncGen Signal Generator
波形:正弦波、下端周波数:20Hz、上端周波数:20kHz、繰り返し周期:20秒、出力特性:リニア
受信側
SDR受信機:SDRplay RSP2
アンテナ:SONY TP-5T(テレホンピックアップ)
PC:ThinkPad X230
SDRアプリ:SDRuno
表示周波数範囲:約70kHz幅
受信モード:CW
復調中心周波数:10kHz
今回はとりあえず信号が受信できるかどうかを確認するだけのテストなので、SH-01Fからの漏洩磁束を検出できれば良いであろうということで、ジャンク箱に転がっていたテレホンピックアップ(SONY TP-5T)を受信用のループアンテナとして流用しました。
TP-5Tの素性はよく判りませんが、直流抵抗は1kΩ程度です。
【Sony Telephone Pick-up TP-5T】
SDRplay RSP2の高インピーダンス(High-Z)ポートの入力インピーダンスは1kΩということなので、直結しても多分問題ないでしょう。
実際に受信してみました。
受信アンテナ代用のテレホンピックアップは、SH-01Fの隣に置きました。
受信結果は以下の通りです。
【SDRplay RSP2+SDRunoで掃引信号を受信中】
20Hz~20kHzの範囲で、20秒周期で下から上に掃引しました。
1kz程度からウォーターフォール画面に信号が表示されています。
受信モードはCWで復調中心周波数は10kHzなので、10kHz付近で短時間ビートが発生しています。
送信アンテナと受信アンテナが非常に近いので、電波伝播というよりは電磁結合に近いのかもしれません。
とりあえず10kHz以下でも動作していることは確認できましたが、実際に何が受信できるかは、追々調べてみたいと思います。
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