SDRplay RSP2+SDR Touchでエアバンドを受信
外付けチューナとPC/スマホを使ったSDRに興味を持っているので、色々な組み合わせを試しています。
最初の頃は、入手が容易ということで、ISDB-T用のワンセグチューナ(DS-DT305, LT-DT306等)とWindows用のSDRソフト(HDSDR, SDRSharp等)との組み合わせで使用しました。
しばらくはこの組み合わせで遊んでいましたが、受信ソフトがWindows用なので、旅行先で受信したい場合にはPCを持っていく必要があります。
ノートPCはかなり小型軽量になったとは言っても、結構重たいし、それなりの場所を占有します。
旅行の場合にはなるべく身軽になりたいので、タブレットやスマホが使えるAndroidのSDRアプリを探しました。
"SDR Touch"というアプリがあったので、このアプリとワンセグチューナの組み合わせでしばらく使っていました。
しかしながら、ワンセグチューナはあまり感度がよくありません。
ネット情報では、R820Tを使用したチューナ(TV28Tv2DVB-T等)の感度がよいということであり、またこの種のチューナがAmazonで簡単に入手できるようになったので、ISDB-T用のワンセグチューナからDVB-T用の非ワンセグチューナに切り替えました。
これで、DVB-Tチューナとスマホにインストールした"SDR Touch"の組み合わせを使用することにより、ほぼスマホのサイズで空港や機内(許可されている場合)でATCやADS-Bを受信可能となりました。
【機内で使用中のADS-B受信セット】
とりあえずこれで目的とする機能を実現できるようになったのですが、消費電力の問題が残っています。
R820Tを使用したDVB-T用チューナは、感度が高いのは良いのですが、ワンセグチューナに比べて消費電流が多いです。
現在、移動用には、「DVB-Tチューナ(R820T)+SH-01F+SDRTouch/RadarStick」の組み合わせで使っていますが、約260mA流れています。
【DVB-Tチューナ(R820T)使用時の消費電流】
最初は、ISDB-Tのワンセグチューナは、DVB-Tチューナに比べて復調帯域が狭いので消費電流が少ないのかと思っていたのですが、 下記のブログによれば、DVB-T用チューナだから消費電流が多いという訳ではなくて、使用するチップに依存するようです。
Antti's LinuxTV Blog
http://blog.palosaari.fi/2013/06/naked-hardware-11-unbranded-rtl2832u.html
fc2580: 183mA
e4000: 176mA
fc0012: 166mA
tua9001: 186mA
r820t: 313mA
感度が高くて消費電流が少ないチューナがあれば良いですが、なかなか見当たりません。
SDR用の端末としてスマホを使う場合には、バッテリの容量に制限があるので、なるべくチューナの消費電流を減らしたいです。
できれば、200mA以下にしたいです。
なにか良い手はないか検討したところ、以前購入したSDRplay RSP2の消費電流が少なそうです。
以下のサイトの説明によれば、「消費電流 170mA」となっています。
SDRplay社製 RSP2 SDR受信機
http://icas.to/lineup/rsp2.htm
R820Tチューナの約半分になります。
R820TチューナとSH-01F(SDR Touchをインストール)の組み合わせの場合は、約2時間動作したので、SDRplay RSP2とSDR Touchを組み合わせて使用することができれば、受信時間を伸ばすことが出来そうです。
2016年8月27日 (土)
バッテリー容量3,000mAhに惹かれてSDR用に中古のSH-01Fを買いましたが・・・
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2016/08/3000mahsdrsh-01.html
そこで、かなり前のことになりますが、SDRplay RSP2とSDR Touchを組み合わせて使用できるのかを調べてみたことがあります。
その当時にざっと見た範囲では、SDRplay RSP1とSDR Touchとの組み合わせの情報はあるものの、SDRplay RSP2とSDR Touchの組み合わせで動作したという情報は見当たりませんでした。
SDRplay Community Forum
getting started android tablet with RSP2 -
http://www.sdrplay.com/community/viewtopic.php?t=2088
ところが、最近久しぶりにSDRplayのサイトを見てみると、SDR Touch用ドライバとして、RSP2で使用可能と思われるドライバ(Alpha)が提供されていました。
SDRplay Download
https://www.sdrplay.com/downloads/
Driver from Google Play (Alpha)
(RSP1/RSP2) for SDR Touch
SDRPlay Driver (Unreleased)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sdrtouch.sdrplay&hl=en
(以下、上記URLから抜粋引用)
--------------------------------------
What's New
* Compatible with new Android versions
* Experimental RSP 2 support
Additional information
Updated:October 24, 2017
Installs:5,000 - 10,000
Requires Android:3.2 and up
--------------------------------------
【Google Play SDRPlay Driver】
SH-01Fも対象端末に含まれているので、使えそうな雰囲気です。
Wikiには、「素人はAlpha版に手を出さないように」的なことが書いてありましたが、好奇心に負けてインストールして使ってみました(自己責任!)。
SH-01FにSDRplay RSP2を接続してSDR Touchを起動すると、SDRplayのドライバが認識されました。
【SDRPlay Driver Access】
デバイスへのアクセスを許可すると、SDR Touchが立ち上がって、スペクトルとウォーターフォールの画面が表示されます。
【SDRplay RSP2+SDR Touch(ATC)】
受信状態は一寸変ですが、とりあえず受信機としては動作しているようです。
また、消費電流は約160mA流れているので、ほぼ仕様通りのようです。
エアバンド(119.1MHz)を受信してみると、一応音声は聞こえますが、音声が断続気味で音質もよくありません。
また、スペクトルの波形も通常のSDR Touchとはちがって、受信信号のスペクトルの裾野にノイズの台地が広がっているような感じです。
更に、タッチパネルを操作した時の反応がかなり遅くなっているような感じです。
次に、FM放送を受信してみました。
FM放送は信号が強いので、比較的良好に受信できますが、動作が不安定になる場合があります。
SDRplay RSP1とSDR Touchの組み合わせの場合には、短波が受信できるようなので、RSP2でも受信できるのか試してみました。
なお、SDRplay RSP2とThinkPad X230に入れたSDRunoとの組み合わせの場合は、AMラジオ用のループアンテナでもJJY(40kHz/60kHz)やBPM(5MHz)が受信できます。(弱いですが・・・)
SDRplay RSP2の長波・中波・短波用のアンテナ端子にAMラジオ用のループアンテナを接続して試してみました。
SDRplay RSP2とSDRunoの組み合わせの場合は、メニューで受信周波数帯域を切り替えるようになっていますが、SDR Touchには周波数帯切り替えのボタンはありません。
仕方がないので、受信周波数を直接入力しました。
5MHzを入力すると、それらしい画像が表示されてノイズ的なスペクトルが見えています。
しかしながら放送波らしい信号はみえません。
強力な中波の信号であれば受信できるかもしれないと思って、中波を受信してみました。
【中波周波数を設定】
同じようなノイズ的なスペクトルが見えていますが、やはり放送波らしい信号はみえません。
感じとしては、VHF/UHF用の回路しか動作していないような雰囲気でした。
現在はアルファ版ですが、将来ベータ版になれば、低い周波数も受信できるようになるのかも・・・(希望的観測です)
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