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2018年7月28日 (土)

電子キーへの干渉

 ネットニュースで以下の記事を見かけました。

    軍艦の影響?車の電子キー不具合、長崎で多発 原因不明
    2018年7月23日19時06分
    https://www.asahi.com/articles/ASL6Y5QBTL6YTIPE03J.html

 有料会員でないと記事の全文は読めませんが、5月に佐世保で電子キーが正常に動作しなくなったという話のようです。

 素人無線家の好奇心で調べてみると、以下の記事(時系列)で大体の話が分かりました。

  西日本新聞
   車の電子キー無反応、トラブル相次ぐ 長崎県佐世保市で200件超 「米軍基地が影響か」の声も
  2018年05月29日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/420166/

  西日本新聞経済電子版
  佐世保の電子キー不具合を調査 九州通信局、電波障害確認へ
  2018年05月30日 03時00分 更新
  http://qbiz.jp/article/134775/1/

  西日本新聞
  佐世保の電子キー問題、米軍が調査へ 防衛局に情報提供要請
  2018年05月31日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/420772/

  西日本新聞
  佐世保の電子キー不具合、米軍が影響否定
  2018年06月01日 06時00分
  https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/421092/

  ベストカーWeb
  電子キーが使えない!! 原因は本当に軍用無線のせい!? 緊急時の使用法も解説
  2018年6月11日 / コラム
  https://bestcarweb.jp/news/motorsport/2857

 素人考えでは、電子キーで使用している周波数と同じまたは近傍の周波数が、他の送信機器で使用されているか、あるいは、周波数には無関係に超強力な信号で受信機の入力段がブロックされているか程度しか思いつきません。
 
 とりあえず、車の電子キーで使用されている周波数を調べてみました。

  平成 24 年度第 3 回医療電磁環境研究会
  電子式車両用施解錠装置の電波強度測定および植込み型心臓ペースメーカへの影響の検証
  http://www.bme-emc.jp/pdf/24no3Ishida.pdf

  製造国やメーカーで異なるようですが、「中心周波数は、312.15~ 315.00MHz の範囲内 (VolvoV60 のみ426.07MHz)であった」と書かれています。
 315MHz付近のようです。

    簡易スマート・キー・チェッカ の製作
    http://www.rf-world.jp/bn/RFW31/samples/p124-125.pdf

  この資料には、「送信周波数として国内ではUHFの315 MHz帯が使われており」と書いてあります。

 
  リモートキーレスエントリ(RKE)システムの要件
  https://www.maximintegrated.com/jp/app-notes/index.mvp/id/3395

  この資料にも「ワイヤレスの搬送周波数は現在、米国/日本で315MHzおよびヨーロッパで433.92MHz (ISM帯域)です。」という記載があります。

 
 英文のWikipediaには、以下のように書いて有りました。

  Remote keyless system - Wikipedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Remote_keyless_system
 "Most RKEs operate at a frequency of 315 MHz for North America-made cars and at 433.92 MHz for European, Japanese and Asian cars."
 
  この説明だと北米産は315 MHz、欧州/日本/アジア産は433.92 MHzとなっていますが、日本の実情とは違っているような気がします。

 一寸古いですが、下記の資料には、キーエントリーの周波数について書いてありました。

  平成19年2月7日.
  電波法施行規則及び無線設備規則の各一部を改正する省令案について
  (平成18年12月13日 諮問第35号).
  [315MHz帯タイヤ空気圧モニター、キーレスエントリーシステム等の導入に伴う制度整備]
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/denpa_kanri/pdf/070119_2.pdf

 この資料には、「特定小電力無線局が使用する周波数の電波を追加 313.625MHz(312MHz を超え315.25MHz 以下)」という記載があるので、315MHz帯というのは、312.00MHzを超え315.25MHz以下であると考えていいようです。
 前述の医療電磁環境研究会の資料に書いてあった「中心周波数は、312.15~ 315.00MHz の範囲内 (VolvoV60 のみ426.07MHz)であった」という説明に合致します。

    我が国の電波の使用状況
    平成29年6月  総務省
    http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/ika.pdf

  この資料の「30MHz-335.4MHz」の表には、キーレスエントリーの中心周波数として313.625MHzが記載されています。

【我が国の電波の使用状況 30MHz-335.4MHz】
30mhz3354mhz


313625mhz

 なお、英文のWikipediaに記載されていた433.92MHzは、日本ではアクティブ電子タグシステムに割り当てられていますが、アマチュア無線の430MHz帯の利用頻度が高い周波数範囲の近くなので、電子キーの周波数としてはあまり適していないような気がします。

【我が国の電波の使用状況 335.4MHz-960MHz】
3354mhz960mhz


43367mhz43417mhz

  以下の資料には、「アマチュア局からの干渉を許容することが前提であるため、干渉の可能性があることを十分認識し、周辺にシールドを設けるなど運用に支障が生じないような工夫が重要。」と書いてあります。

  433MHz帯アクティブタグシステムの技術的条件 - 総務省
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/pdf/060720_3_2-1.pdf

  この資料の中のアマチュア局数の推移のグラフを見ていると、そのうち消滅するから支障無い的な雰囲気が・・・(現在でも絶滅危惧趣味と言われているようです)

  市場には、433MHzのキーレスエントリーが流通しているようですが、「電波法に基づく免許等が必要な無線設備」のリストに記載されているものもあります。

  電波法に基づく免許等が必要な無線設備
  http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/illegal/result/

  平成26年度掲載分
  http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/monitoring/illegal/result/siryo002.pdf

【平成26年度掲載分(抜粋)】
_1
_2


 「電波法に基づく免許等が必要な無線設備」というのは一寸遠回しな表現ですが、簡潔に言うとリストに記載されている製品を使用すると電波法違反になるということです。
 電波法違反は結構罪が重いので要注意です。

 話が逸れましたが、以上のことから考えて、国内で合法的に使用されている車の電子キーの周波数は、基本的に315MHz付近であると考えてよいようです。

 やっと周波数が特定できたので、次は干渉の原因について考えてみました。

 この種の事象は、車の先進国である米国でも発生していることが推定されるので、関連情報を調べてみました。

 関係しそうな記事がありました。

  SHARED FREQUENCY: Radio band may be key to keyless mystery
  Sun | Local
  By Lloyd A. Pritchett, Sun Staff ? May 13th, 2001
  https://products.kitsapsun.com/archive/2001/05-13/0002_shared_frequency__radio_band_may_.html
(上記URLから抜粋引用)
-----------------------------------
The mysterious outages disabled keyless remote entry systems on thousands of vehicles in a roughly 50-square-mile area around Bremerton and Port Orchard on March 21-26 and also for several hours April 12.
-----------------------------------
The March outage occurred just as the Bremerton-based aircraft carrier USS Carl Vinson was returning to port after several weeks at sea. The April outage occurred the day after the carrier USS Abraham Lincoln arrived in Bremerton for maintenance work.
-----------------------------------
The affected keyless remote frequency of 315 megahertz is near the upper end of the military band, which includes all frequencies between 225 and 328.6 megahertz.
-----------------------------------
The Sun's research also found that those vehicles not affected by the outage are equipped with remote entry systems that use other frequencies, such as 434 megahertz and 314.2 megahertz.
-----------------------------------
There was no immediate explanation why the FCC officials asked about the 305-megahertz frequency, which is different from the one assigned to the malfunctioning keyless remotes.
Other experts also agreed it would be wrong to conclude the outages were caused by military equipment just because the affected frequency is in a military-reserved section of the spectrum and coincided with the arrival of military ships.
-----------------------------------
Outages of the type that hit Bremerton, affecting a 50-square-mile area for several days or several hours, are a rarity and too large to be caused by amateur radio operations, he said.
-----------------------------------

 障害発生の範囲が50マイル(80km)四方で、数千台の車両が影響を受けたようなので、佐世保に比べて規模が大きいです。

 記事には、色々書いてありますが、周波数範囲や軍艦の寄港時期が重なっているということでは判断できず、結局原因は不明ということのようです。

 軍用のATC(GCA?,GCI?)の話がでてきますが、通常は1回1秒程度で、長くても数秒なので、普通の状態では連続的に搬送波が出力されているのは考えにくいような気がします。
 米国の場合はFCCがかなり詳細に調査したようですが、"tight-lipped"という表現が出てくるので、色々な事情があるのかもそれません。

 315MHzでは影響があったけれども、434MHzと314.2MHzでは影響が無かったということですが、これがよく理解できません。
  "The Sun's research also found that those vehicles not affected by the outage are equipped with remote entry systems that use other frequencies, such as 434 megahertz and 314.2 megahertz."
 日本の場合は、315MHz帯は、312.00MHzを超え315.25MHz以下の周波数であると理解していますが、その場合には、315MHz帯の中に314.2MHzが含まれてしまいます。
 有効桁数がわかりませんが、この記事の315MHzが315.0MHzを意味するのであれば、315.0MHzと314.2MHzは800kHzしか離れていません。
  比率で考えると0.3%程度です。
  ということは、信号源は純度が高い周波数が安定した搬送波ということになるので、周波数ホッピングやスペクトラム拡散などは対象から外れてしまう可能性が高いです。
 物理量を比較する場合は有効桁数を揃えて欲しい・・・。

 
 別の記事を探してみました。
 Washington Postに関係しそうな記事がありました。

  washingtonpost.com  > Metro  >Maryland 
  Keyless Remotes To Cars in Waldorf Suddenly Useless
  By Joshua Partlow
  Washington Post Staff Writer
  Monday, July 5, 2004; Page B01
  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A28217-2004Jul4.html

 最初はスーパーマーケットの駐車場での話しなのですが、最後のほうはATTタワーからの秘密の信号(?)的な話になっています。
 315MHzの他に302MHzも出てくるのですが、302MHzは軍用信号の影響を受けるのか受けないのかよくわかりません。
 Bremertonのケースでは、305MHzは影響を受けないとなっています。
 前述のBremertonの話が引用されていますが、この記事でも結局原因は不明ということのようです。

 
 素人考えで色々妄想してみましたが、結局判りませんでした。

  DEURAS(DEtect Unlicensed Radio Stations)では、25MHz~3GHzを24時間監視できるので、簡単に位置が特定できるような気が・・・(毎年電波利用料を納めています)
 

    不法無線局探査設備(DEURAS).
    http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/mymedia/26/0924.html

    電波監視システム(DEURAS) (http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/K/deurs.html
Deuras



【参考外部リンク】
 スマートキー | アイシンものづくり精神
 http://www.aisin.co.jp/pickup/spirits/html/204.html

【蛇足】
 どこかで315MHz用を433MHz用に改造するという記事を見かけましたが、これって・・・

 

【2018.07.29追記】
  以下の資料には、関係があるかもしれない情報が書いてありました。

  MANUAL OF REGULATIONS AND PROCEDURES FOR FEDERAL RADIO FREQUENCY MANAGEMENT
  May 2010 Revision of the 2008 Edition
  https://www.ntia.doc.gov/legacy/osmhome/redbook/Manual_05_10_Full.pdf

 United States Tableを見ると以下の記載あります。

  285-315
  AERONAUTICAL RADIONAVIGATION
  MARITIME RADIONAVIGATION (radiobeacons)

  285-325
  MARITIME RADIONAVIGATION (radiobeacons) 5.73
  5.72 5.74 Aeronautical radionavigation (radiobeacons)

 妄想ですが、300MHz帯のTACANのようなもの?

 ナビゲーションやビーコンであれば、メンテナンスのために連続送信することもあり得るかもしれません。

 以下の資料は欧州の周波数割り当てに関するものですが、312-315MHzには防衛用(軍用)に関する記載があるので、一寸関係があるかもしれません。衛星経由のモバイル通信?

  Electronic Communications Committee (ECC)
  ERC REPORT 25
  THE EUROPEAN TABLE OF FREQUENCY ALLOCATIONS AND UTILISATIONS IN THE FREQUENCY RANGE 9 kHz to 3000 GHz
  https://www.fmv.se/Global/Verksamhet/Frekvensf%C3%B6rvaltning/REF%205_1_%20ECC%20Frekvensplan_ERCREP025_110621.pdf

European_table_of_frequency_allocat



  Frequency bands for LPD in EMEA countries - R1 - CEPT
  https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=18&ved=2ahUKEwjw77yXk8PcAhUMebwKHYI3AjQ4ChAWMAd6BAgHEAI&url=https%3A%2F%2Fcept.org%2FDocuments%2Ffm-44%2F32282%2Ffm44-16-020_m2m-via-satellite&usg=AOvVaw0gCSCgt0j_adaxGhei8V8H
(以下上記URLから抜粋引用)
--------------------------------------
The frequency range 312-315MHz is partly authorized for LPD. These authorizations happen often in Asian countries, such as China and Japan and also few countries in other Regions. The possibility for Mobile Satellite Services could make it a good candidate for complementary space IoT constellation. However this frequency band is not authorized in Europe and Northen America where space services are in use for military purposes, often on an exclusive basis. (UHF Follow-On (UFO) Satellite Constellation and Mobile User Objective System (MUOS))
--------------------------------------

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2018年7月25日 (水)

Alexaの「例文」で単三電池を誤注文

  しばらく前にAlexa Echo Dotを買って、主にBGM再生用に使用しています。
 最近、Wi-Fiの接続がおかしくなったので、最初から設定をし直しました。
 PCを使って、Amazon Alexa(https://alexa.amazon.co.jp) から設定を行いました。

 メニューに「試してみよう!」という項目があったので、どのようなものか一寸覗いてみました。
 色々なことができるようですが、その中に「Amazonの商品を追加する」というのがありました。

【Amazonの商品を追加する】
1amazon

 「追加する」ということは、その前の段階の「購入する」という項目があるのかと思ったのですが、そのような項目はないようです。 

 Alexaで注文する場合はどのような流れになるのか一寸興味があります。
 例として「アレクサ、単三電池を探して」 というのがあったので、これなら、ネットニュースで見たような、勝手に注文するような問題は発生しないだろうと思って、途中まで試してみることにしました。
 例文の通りに「アレクサ、単三電池を探して」と入力すると、何か商品の説明が始まったようですが良く聞き取れませんでした。
 勝手に注文されては困るので、終了しようとしたら、「注文しました」的なメッセージが聞こえました。
 「はい」、「OK」等の承認の言葉を発したつもりはありません。
 というか、自分は全く声を出していませんでした。
 しかし、このときテレビの音声が流れていたので、この音声に反応した可能性はあります。

 慌てて、「注文の確認」のページを見ると、注文が確定しているようです。

【注文の確認】
2

 単三電池ならそのうち買うことになる商品だし、それ程高価なものでもないので、このまま放置しても問題はないかと思いましたが、勝手に注文されるのはやっぱり気分が悪いです。

 キャンセルできるかどうか調べてみるとキャンセルできるようなので、キャンセルリクエストを送りました。
 場合によっては、キャンセルできない場合があるようですが、今回の場合は認められたようです。

【キャンセルリクエスト】
*
3_1

*
4_2

*
5_3

 Alexa側の処理では、注文の確認が行われているようなので、どのような言葉が認識されているのかを履歴で確認してみました。

【履歴】(逆時系列)
6


  この履歴によれば、「単三電池を探して」の次の入力は「今日の天気は」になっています。
 了承、承認の言葉は見当たりませんが、Alexaからの質問に対する回答は別処理になるのでしょうか?
 テレビの音声の一部が「はい」と認識されて誤注文となるのは理解できますが、その場合は履歴に残らない?

 デフォルトでは「音声ショッピングON」となっていますが、このままでは一寸怖いので設定を「音声ショッピングOFF」に変更しました。

【音声ショッピングON】
7_on

【音声ショッピングOFF】
8_off


 当方は、Alexaで買い物をするつもりはないので、多分これで問題は無いでしょう。

   

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2018年7月22日 (日)

Qi無線充電器からの漏洩信号

  「無線充電」ネタの続きです。
 無線充電(無線給電)には一寸興味があるので、以前Qi方式の無線充電器を購入したことがあります。

  2016年5月31日 (火)
  P-02EのQi充電用に3コイル充電器(Seneo SWC2)を買いました
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2016/05/p-02eqiseneo-sw.html

 一応充電は出来るのですが、スマホを変則的な姿勢(横向き且つ横方向にオフセット)でないと充電できませんでした。
 また、普通に正立して置くと、一見断続的に充電しているように見えるのですが、実際には放電している状態になりました。
 外れを引いたのかもしれませんが、まともに使用できないので、お蔵入りになっていました。

 その後、SDRplayを購入したときに、発振周波数を確認するために一時的に使用したことがありますが、充電不調の症状はそのままでした。

  2017年4月23日 (日)
  SDRplayで見た充電開始時のQiの出力周波数変化
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2017/04/sdrplayqi-42df.html

 このときは、周波数の確認が目的だったので、無線充電器のすぐ隣にAMラジオ用のループアンテナを配置しました。
 この状態では、当然受信信号のレベルが大きいので、不要輻射の観点でのチェックはできません。

 最近、Qiの大電力化の話が出ているようですが、手元にあるQi無線充電器の漏洩信号がどの程度のものなのかチェックしてみました。
 電界強度計などという洒落たものは持っていないので、原始的にPCからの漏洩信号のレベルと比較しました。

 テスト環境
 [テスト1]
  Qi無線充電器: Seneo SWC2
  充電対象スマホ:ELUGA X P-02E 
    受信機:SDRplay RSP2(1kHz-2GHz)
  アンテナ:SDRplay RSP2の高インピーダンス平衡入力端子に接続した80φのワンターンコイル
    PC:ThinkPad X230 (windows 7)
    SDR表示アプリ:SDRuno
    受信機のアンテナとPCとの最短距離は約20cm
  受信機のアンテナとQi無線充電器との最短距離は約60cm。
  受信機のアンテナ(ワンターンコイル)の面とQi無線充電器のコイルの面は平行

 [テスト2]
    Qi無線充電器: Seneo SWC2
  充電対象スマホ:ELUGA X P-02E 
    受信機:TECSUN PL-660 (SSBモード)
  アンテナ:PL-660内蔵(最短状態)

  テストの結果は以下の通りです。

[テスト1の結果]

 1kHz~200kHzの範囲では、場所はPCより離れているけれども、信号レベルはPCよりも高いです。
 不要輻射が漏洩しないように設計されているPCと、磁束が飛んで行くように設計されている無線充電器を比較するのは、意味が有るのかという問題もありますが、受信する方にとっては、邪魔になるか否かだけが問題であって、信号源側の事情は関係ありません。
 動画では、主に170kHz付近を移動していますが、実際には100~200kHzの範囲で移動しています。
 アマチュア無線の135kHzが含まれていますが、自分が運用する場合はQi無線給電を使用しなければ(電源を切っておけば)OK?
 自宅のものであれば自分で管理できますが、隣家のkWクラスの無線充電器の場合はどうなるでしょうか?

[テスト2の結果]

 3m程度までポーリング信号が聞こえました。
 下手なワイヤレスマイクより強い?
 アンテナを伸ばせばもっと聞こえるかもしれません。

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2018年7月16日 (月)

長距離無線充電

  一寸旧聞になりますが、以下の記事を見かけました。

  「長距離無線充電」制度化へ 総務省、20年度実用化後押し
  2018.7.5 06:15
  https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180705/mca1807050500001-n1.htm

 記事の説明によれば、実用化の初期段階では室内のパソコンやスマートフォンを充電する程度ですが、将来的には屋外のドローンや電動車両への充電/電力伝送が計画されているようです。
 記事では、想定しているシステムの詳細は不明ですが、「実用化を目指す装置は、アンテナから機器に電力を送る距離が数メートル~数キロメートルに及ぶ。」とのことですので、空中線電力はかなり大きくなりそうです。

  以下の資料を見ると色々な方式があるようです。

  ワイヤレス電力伝送(WPT) - 総務省
  www.soumu.go.jp/main_content/000448580.pdf

 数m飛ばすということになると、電磁波(所謂電波)を使用することになると思いますが、趣味で無線をやっている当方にとっては放送/通信受信に対する影響が気になります。

 下記の資料によれば、種々の周波数が検討されているようですが、関係しそうな周波数もあります。

  2015.11.30. no.279 15 tokugikon
   ワイヤレス給電の技術概容
     http://www.tokugikon.jp/gikonshi/279/279tokusyu1.pdf
   ワイヤレス電力伝送(WPT)技術の 実用化に向けた動向と今後取り組み
     http://www.tokugikon.jp/gikonshi/279/279tokusyu2.pdf

  WPT作業班での制度化対象システムの表を見ると、42kHz~58kHz(数W-1.5kW)は、JJY(40kHz,60kHz)への影響が一寸心配です。
  

 PLCの場合は訴訟まで起きたようです。

  高速電力線搬送通信(PLC)訴訟と その技術的論点
  http://eritokyo.jp/independent/aoyama_plc0905.pdf

  PLC行政訴訟原告団解散のお知らせ
  http://plcsuit.jp/PLCexp146.htm

 GHz帯を使ったワイヤレス給電も検討されているようですが、これも一寸気になります。

  マイクロ波空間伝送型ワイヤレス電力伝送(WPT)システムの実用化に向けて
  2018.2.28
  http://www.soumu.go.jp/main_content/000536747.pdf

 初期段階では、周波数が920MHz帯、2.4GHz帯、5.7GHz帯、空中線電力が1W~20Wということのようですが、2.4GHz帯で20Wというと結構なハイパワーです。

 GHz帯を使ったワイヤレス給電としては、CES等で展示されたEnergousのWattUpやOssiaのCOTAが知られているようです。

  約1メートルの遠隔無線充電システム「WattUp」、CESで披露へ - ITmedia ...
  2017年12月28日 12時54分 公開
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1712/28/news062.html

  電池切れ〜買い替えのイライラからの解放。ワイヤレス充電可能な単三電池「Cota Forever Battery」
  2018.01.14 09:00
  https://www.gizmodo.jp/2018/01/cota-forever-battery.html

FCCの認可は下りたようなので、現在の電力レベルでは多分問題ないのでしょうね。

 当方は、趣味用に自分で電波(空中線電力10W)を出しているので、自分では「目に見えないもの怖がる厨」ではないと思っていますが、目に見えないものを根拠があって怖がるのは当然なような気がします。

 コイルスプリング内蔵のボールペンを捨てるようことはしませんが・・・

【蛇足】
 将来的には、ハイパワーのビームステアリングでターゲットに電力を集中させることになると思われますが、ステアリングミスで以下の動画のようなことにならないことを祈ってます。(動画のシステムは95GHzを使っているので、皮膚の表面にしか影響を与えないようです。)

  『Active Denial System』(ADS)
  https://www.youtube.com/watch?v=kzG4oEutPbA

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2018年7月 7日 (土)

「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」?(その2)

  自分のブログのランキングを見てみたら、以下の記事がトップになっていました。

 

  2015年4月 8日 (水)
  「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」???
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-a83a.html

Photo_2
 昔の記事なので「なぜ?」と思っていたら、最近発売された業務用モニタが関係しているようです。
 「NHK受信不可テレビ」の観点で話題になったようです。
 チューナが無いので、通常のテレビ放送(ISDB-T等)が受信できないのは当然なのですが・・・
 
 ネット上の書き込みを見てみると、今回も特許の話が出てきているようです。
 上記の2015年の記事は、ネットニュースの「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」という文言に釣られて書いたものですが、現在では元の文言は削除されているようです。

 

 前回、ソースの確認はしませんでしたが、そのような話が出てくるということは、それなりの理由があるであろうということで少し調べてみました。

 

 日付は後ですが、関係がありそうな書き込みがありました。

 

  スラド
  特許の関係で 「NHK受信不可テレビ」 は不可能
  2016年09月07日
  https://srad.jp/comment/3076912

 

 以下の記事が根拠のようです。

 

  「NHKだけ映らないアンテナ」研究者に聞いた! 我々が逃れられない「NHKの呪縛」とは?
  2015/04/29
  http://news.nicovideo.jp/watch/nw1568996

 

 

 

【2018.11.04追記】
大きな勘違いをしていたため以下削除。

 

 この記事には、「デジタル放送に関してNHKが持っている特許は100以上あります。TVメーカーが特許を使っている以上、権利者であるNHKが映らないTVを商品化することはできません。」という記載がありますが、「NHK受信不可テレビ特許」 の存在の根拠になるようには思われません。

 

 

 

 別の情報はないかと思って探してみたら以下の記事がありました。

 

 

 

  産経ニュース
  2015.11.22
  開発秘話「NHKだけ映らないアンテナ」はこうして生まれた! 掛谷英紀(筑波大学准教授)
  
https://www.sankei.com/premium/news/151122/prm1511220036-n1.html

 

 

 

 この記事には以下のような記載があります。
 「NHKによるものだけでなく、各家電メーカー所有のものも含めて、テレビに関する特許はARIB必須特許ライセンスとしてアルダージ株式会社によって管理されている。この特許プールがNHKの特許を含む以上、NHKが映らないテレビは、特許使用が認められない可能性が高い。」

 

 

 

 この説明も「NHKが映らないテレビの特許」が存在するという根拠なしの前提で話が進んでいます。

 

 

 

 上記産経ニュースの記事にも書いてありますが、デジタル放送に関する必須特許は多数存在し、NHKだけが権利を持っている訳ではありません。

 

 

 

  ARIB必須特許ポートフォリオ
  
http://www.uldage.com/pdf/arib/arib20180701.pdf

 

 

 

  NHK特許リストの最初の特許(特許第3884869号)
  
https://plidb.inpit.go.jp/pldb/html/HTML.L/2007/004/L2007004071.html

 

 

 

  ARIB標準規格の例
  標準規格番号 ARIB STD-B21
  標準規格名 デジタル放送用受信装置 (望ましい仕様) 
  
https://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/6-STD-B21v5_4-E1.pdf
  (日本語版は有料なので・・・)

 

 

 

 常識的に考えて、「NHKが映らないテレビの特許」が「ARIB必須特許」に含まれていること、すなわち、NHKが映らないことがデジタル放送用受信装置(テレビ)の必須条件であることは有り得ません。

 

 

 

 

 

 

 

 別の観点から・・・
 特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」ですが、「NHKが映らないテレビ」が産業の発達に寄与するとも思えません。

 

 

 

特許法
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000121&openerCode=1
(目的)
第一条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

 

 

 

 違法性はないと思われるので公序良俗違反にはならないでしょう。
 
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/new_shinsakijyun02_shiryou/04.pdf

 

 

 

(特許を受けることができない発明)
第三十二条 公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

 

 

 

 迂回発明というのもありますが、今回のケースでは関係なさそうです。

 

 

 

 色々考えてみましたが、結局「NHKが映らないテレビの特許」(権利)は都市伝説のような気が・・・

 

 

 

 

 

 

 

【関連内部リンク】
2015年4月16日 (木)
これが「NHKが写らないテレビ受像機」の特許!?

http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-ef8e.html
(未請求取り下げで公開のみです。)

 

【2021.12.05追記】
 かなり前のことになりますが、下記のスラドの書き込みの「特許の関係で」という文言を、特定の特許に対する権利侵害の話だと思い込んで大恥をかいたことがあります。

  スラド
  特許の関係で 「NHK受信不可テレビ」 は不可能
  2016年09月07日
  https://srad.jp/comment/3076912

 結局、特定の特許の話ではなくて、ライセンス(実施許諾)の話だったようです。
 特許管理会社が特許のライセンスを許諾しないであろうという理由は理解できましたが、標準必須特許のライセンス交渉では基本的に FRAND(fair, reasonable and non-discriminatory)条件が存在することが多いので、そう簡単にはライセンス拒否はできないかもしれません。

  標準必須特許を巡る紛争解決について
  2021年2月25日
  内閣府 知的財産戦略推進事務局
  https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2021/dai4/siryou4.pdf


 調べてみるとFRAND関係の紛争は結構発生しているようです。

 不要信号を除去するためのトラップを内蔵した受像機を実施(製造販売等)する業者には必須特許をライセンスしないというのはdiscriminatoryのような気がしないでもありません。

 

 

 なお、地上デジタルなどのARIB(2K)の場合には、必須特許の特許権者は、NHKだけではなく、全部で約20社存在します。

  ARIB(2K)必須特許 特許権者
  http://www.uldage.com/arib/arib02.html

 単純に考えると、NHK以外の権利者にとってはライセンスを拒否する理由はないように思われるので、多数決ならライセンスOK?

 

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2018年7月 2日 (月)

Zライト風カメラ保持アームを作ってみました

  PCの画面や小さな被写体を、カメラを移動させながらマクロで撮りたいことがありますが、手持ちで撮るとブレブレの映像になります。

 手振れ抑制用に、市販のZライト風スマホホルダを利用して、マクロ移動撮影用デジカメホルダを作ってみました。

  秋葉原で見かけた"MID TELESCOPIC MOBILE RACK"という商品をベースにして、スマホ用のボールヘッドを、100円ショップで買ったデジカメ用のミニ3脚(1脚に改造)のボールヘッドに交換して出来上がりです。

1_mid_telescopic_mobile_rack_1

2_mid_telescopic_mobile_rack_2

3_mid_telescopic_mobile_rack_3

4_mid_telescopic_mobile_rack_4

5_mid_telescopic_mobile_rack_5


 うまくバランスが取れるか心配でしたが、コンデジであれば、スプリングの張力とねじの摩擦のおかげで、カメラが垂れ下がることはありませんでした。
 また、カメラを手で押すと、比較的簡単に移動させることができました。

 以下、撮影サンプルです。
 手持ち撮影よりは見やすいのではないかと思います。

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