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2018年7月 7日 (土)

「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」?(その2)

  自分のブログのランキングを見てみたら、以下の記事がトップになっていました。

  2015年4月 8日 (水)
  「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」???
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-a83a.html

Photo_2
 昔の記事なので「なぜ?」と思っていたら、最近発売された業務用モニタが関係しているようです。
 「NHK受信不可テレビ」の観点で話題になったようです。
 チューナが無いので、通常のテレビ放送(ISDB-T等)が受信できないのは当然なのですが・・・
 
 ネット上の書き込みを見てみると、今回も特許の話が出てきているようです。
 上記の2015年の記事は、ネットニュースの「NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず」という文言に釣られて書いたものですが、現在では元の文言は削除されているようです。

 前回、ソースの確認はしませんでしたが、そのような話が出てくるということは、それなりの理由があるであろうということで少し調べてみました。

 日付は後ですが、関係がありそうな書き込みがありました。

  スラド
  特許の関係で 「NHK受信不可テレビ」 は不可能
  2016年09月07日
  https://srad.jp/comment/3076912

 以下の記事が根拠のようです。

  「NHKだけ映らないアンテナ」研究者に聞いた! 我々が逃れられない「NHKの呪縛」とは?
  2015/04/29
  http://news.nicovideo.jp/watch/nw1568996

【2018.11.04追記】
大きな勘違いをしていたため以下削除。

 この記事には、「デジタル放送に関してNHKが持っている特許は100以上あります。TVメーカーが特許を使っている以上、権利者であるNHKが映らないTVを商品化することはできません。」という記載がありますが、「NHK受信不可テレビ特許」 の存在の根拠になるようには思われません。

 

 別の情報はないかと思って探してみたら以下の記事がありました。

 

  産経ニュース
  2015.11.22
  開発秘話「NHKだけ映らないアンテナ」はこうして生まれた! 掛谷英紀(筑波大学准教授)
  
https://www.sankei.com/premium/news/151122/prm1511220036-n1.html

 

 この記事には以下のような記載があります。
 「NHKによるものだけでなく、各家電メーカー所有のものも含めて、テレビに関する特許はARIB必須特許ライセンスとしてアルダージ株式会社によって管理されている。この特許プールがNHKの特許を含む以上、NHKが映らないテレビは、特許使用が認められない可能性が高い。」

 

 この説明も「NHKが映らないテレビの特許」が存在するという根拠なしの前提で話が進んでいます。

 

 上記産経ニュースの記事にも書いてありますが、デジタル放送に関する必須特許は多数存在し、NHKだけが権利を持っている訳ではありません。

 

  ARIB必須特許ポートフォリオ
  
http://www.uldage.com/pdf/arib/arib20180701.pdf

 

  NHK特許リストの最初の特許(特許第3884869号)
  
https://plidb.inpit.go.jp/pldb/html/HTML.L/2007/004/L2007004071.html

 

  ARIB標準規格の例
  標準規格番号 ARIB STD-B21
  標準規格名 デジタル放送用受信装置 (望ましい仕様) 
  
https://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/6-STD-B21v5_4-E1.pdf
  (日本語版は有料なので・・・)

 

 常識的に考えて、「NHKが映らないテレビの特許」が「ARIB必須特許」に含まれていること、すなわち、NHKが映らないことがデジタル放送用受信装置(テレビ)の必須条件であることは有り得ません。

 

 

 別の観点から・・・
 特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」ですが、「NHKが映らないテレビ」が産業の発達に寄与するとも思えません。

 

特許法
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000121&openerCode=1
(目的)
第一条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

 

 違法性はないと思われるので公序良俗違反にはならないでしょう。
 
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/new_shinsakijyun02_shiryou/04.pdf

 

(特許を受けることができない発明)
第三十二条 公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

 

 迂回発明というのもありますが、今回のケースでは関係なさそうです。

 

 色々考えてみましたが、結局「NHKが映らないテレビの特許」(権利)は都市伝説のような気が・・・

 

 

【関連内部リンク】
2015年4月16日 (木)
これが「NHKが写らないテレビ受像機」の特許!?

http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/post-ef8e.html
(未請求取り下げで公開のみです。)

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コメント

根本的に勘違いなさってますよ。
「NHKが映らないテレビの特許」の話なんて最初から誰もしていません。

テレビを作るにはNHKの特許を使わざるを得ないが、NHKが映らないテレビにはNHKが(正確には特許管理会社が)特許の使用許可を出してくれない「だろう」というだけの話です。

投稿: 名無し | 2018年11月 4日 (日) 16時48分

了解です。
特許の話というより政治の話ですね。
特開2007-174694を見てしまったので、頭がバイアスされたようです。
http://www.j-tokkyo.com/2007/H04N/JP2007-174694.shtml
どうもありがとうございました。
思い込みは恐ろしいです。

投稿: K | 2018年11月 4日 (日) 21時34分

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