JJY(60kHz)用バーアンテナを両周波数用/屋外用に改造
自作のループアンテナとSDRPlay RSP2の組み合わせで、時々JJY(40kHz/60kHz)を受信しています。
現在の受信環境では、信号レベルがかなり低く、且つ、ノイズレベルが結構高いので、受信できるのは、時間率で、40kHzが60%、60kHzが30%といった感じです。
タイムコードを受信しただけでは、1秒の間隔が判ること以外には、直接何かの役に立つ訳ではありませんが、モールスの「・--- ・--- ー・--」を聞いて、昔の短波時代のJJYを懐かしがっています。
現在、長波/短波用に使用しているアンテナは、100円ハンガーを利用した300φ10Tのループアンテナですが、非同調の割にはそこそこ聞こえます。
とは言っても手抜きの見本のようなアンテナなので、良好な特性は望めません。
2018年4月23日 (月)
100円ハンガーで300φ10Tのループアンテナ
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2018/04/10030010t-4c02.html
同調型のバーアンテナを使用している市販の電波時計は、かなり受信条件が悪いと思われる環境でも、自動時刻修正機能が結構正常に動作しています。
同調型アンテナと狭帯域フィルタの相乗効果であると思われますが、とりあえず、同調型のアンテナを使用すればJJYの受信状態が改善されるのではないかと思って試してみることにしました。
ゼロから作るは面倒なので、以前、以下の記事を見て実験したときに購入した60kHz用のバーアンテナを流用することにしました。
簡単に作れるソフトウェアラジオでJJYを見てみよう
(2012年 5月 15日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/musashino_proto/532682.html
受信地は、距離的には福島局(40kHz)の方が近いのですが、場合によっては福岡/佐賀局(60kHz)の方が強いときもあります。
サービスエリア
http://jjy.nict.go.jp/mission/servicearea2.jpg
また、40kHz付近はノイズが多いため、信号が埋もれてしまうこともあります。
このため、60kHz用のバーアンテナをそのまま使うことも検討しましたが、時間率で考えると40kHzの方が有利なので、40kHz用に改造することにしました。
また、アンテナを屋外に設置した方が受信条件が改善されるであろうということで、防水ケースに入れて窓の外に設置することにしました。
以下の資料の説明によれば、60kHz用のバーアンテナに接続されているコンデンサは0.012μF(123J)で、これを0.027μF(273J)のコンデンサに交換すれば40kHz用になるようです。「J」なので、誤差は5%以内です。
電波時計60KHz改造キットキット 」
http://www.tristate.ne.jp/den60.htm
(現在、秋月電子では扱っていないようです。)
40KHzと60KHzの確認方法
http://akizukidenshi.com/download/antcheck.jpg
コンデンサーの読み方
http://www.jarl.org/Japanese/7_Technical/lib1/konden.htm
上述したように、条件によって良好に受信できる周波数が異なるので、40kHzと60kHzを切り換えることができると便利です。
しかしながら、バーアンテナは屋外に設置する予定なので、アンテナの近傍で切り換えるのは細工が必要なようです。
そこで、手抜きですが、SDRPlay RSP2の高インピーダンス平衡入力端子に、並列に0.015μF(=0.027-0.012)のコンデンサをオンオフ可能な状態で接続することにしました。
アンテナとSDRPlayとの間は、長さ2.5mの並行ビニール線のフィーダで接続するので、フィーダ部分の静電容量やインダクタンスの影響が考えられますが、とりあえず作ってみることにしました。
以下、改造の手順です。
【JJY用バーアンテナ(電波時計60KHz改造キットのもの)】
【防水ケース:】
100円ショップで売っていた自転車ライト用の防水ケースが丁度都合の良いサイズでした。
【使用部品】
黒い環状体は、マウスパッドを切り抜いて作ったバーアンテナ固定用のゴムスペーサです。
【防水ケースの中にバーアンテナを収納】
バーアンテナの両端にスペーサを嵌めて、アンテナを弾性的に保持しました。
また、ゴム製の蓋に孔を開けてフィーダを引き出しました。
このままでは、同調周波数が60kHzに固定なので、周波数切り換え部を作りました。
SDRPlay RSP2の平衡入力端子に、並列に0.015μFをスイッチを介して接続するという回路構成です。
コンデンサは、幾つか買って容量の近いものを使用しました。
ELC-100で測定したら、ぴったり15.00nF(0.015μF)のものがありました。
【15.00nF】
コンデンサのオンオフ用のスイッチは片切りでも多分問題ないと思いますが、SDRPlayの高入力インピーダンスの入力端子が平衡入力なので、気休めかもしれませんが、双極双投の6Pのスナップスイッチを使用して両切りで切り替えるようにしました。
防水ケース入りのバーアンテナを屋外に設置しました。
防水ケースには、自転車のハンドルに固定するためのクランプが付属していたので、これを利用してパイプに取り付けました。パイプの基部は、ジャンクのモバイルアンテナから取り外したマグネット基台により、エアコン室外機の上面に取り付けてあります。
【アンテナ設置】
実際に使ってみました。
受信機:SDRPlay RSP2
表示ソフト:SDRuno
PC:ThinkPad X230 Windows7
【SDRPlayと周波数切り換え部】(非同調ループアンテナで受信中)
【SDRuno Waterfall】
(画像を左クリックで拡大表示)
全体の表示期間は約1時間です。
17:00以降(画面上部) → 40kHzに同調
17:00~17:10(画面中央部) → 60kHzに同調
17:00以前(画面下部) → 300φ10Tのループアンテナ(非同調)
以下は、60kHzと40kHzを交互に切り替えた場合のGIF動画です。
(画像を左クリックで拡大表示)
ウォーターフォールの画面で見ると、切り換えに応じてノイズのピークの位置が移動しているので、周波数は正常に切り換えられているようです。
40kHzのJJYを、非同調ループアンテナと40kHz同調バーアンテナで切り替えて一寸聞いた感じでは、若干よくなったような気がしましたが、顕著な効果は感じられませんでした。
実際に受信性能が改善されているかどうかは、しばらく使ってみないと判らないかもしれません。
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