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2019年6月 8日 (土)

BASIO3(KYV43)のQZSS表示が変(PRN196?)

 先日、AUの端末をガラケーCA007からスマホBASIO3(KYV43)に機種変更しましたが、まだ慣れません。
 通話やメールする際に手間が増えたような気がします。(単に慣れてないので、もたついているだけかもしれませんが・・・)
 今まで通話/メール用のCA007とインターネット用のSH-01Fの2台持ちだったのが1台になったので、荷物が減った点では都合が良いです。

 もともと、携帯の通話やメールはあまりしないので、殆どがデータ通信になりますが、老人向け(?)の必要以上に大きいと思われるアイコンやラジオボタンが沢山あって操作性があまり良くないような気がします。
 起動画面の編集はできるようですが、今のところ希望のレイアウトにはできていません。
 希望としてはキャリア(AU)特有の操作画面と、後からインストールした一般的なアプリの操作画面とを別画面にしたいのですが、編集が難しいです。


   話は変わってGNSS関連です。
 当方はQZSSに一寸興味があるので、このBASIO3が対応しているかどうか確認してみました。
 公式のみちびき対応製品リストには、BASIO3は含まれていないようです。

  みちびき対応製品リスト
  2019年05月23日
  スマホ・タブレットPC
  http://qzss.go.jp/usage/products/list.html#smartphone-tabletpc

 

 BASIO3ですが、GNSS関係の仕様を調べてみると以下のような資料がありました。

  Kyocera Basio 3 - Specifications
  https://www.devicespecifications.com/en/model/92044802

  SoC: Qualcomm Snapdragon 430 MSM8937

  Tracking/Positioning
   The tracking/positioning service is provided by various satellite navigation systems, which track the autonomous geo-spatial positioning of the device that supports them. The most common satellite navigation systems are the GPS and the GLONASS. There are also non-satellite technologies for locating mobile devices such as the Enhanced Observed Time Difference, Enhanced 911, GSM Cell ID.


 この資料を見ると、GPSとGLONASSしか対応していないような感じです。
 実際に確認してみました。
 表示アプリは、AndroiTSを使いました。

 受信結果は以下の通りです。

【BASIO3/AndroiTS/sky】
02-basio3_androits_skyplot

【BASIO3/AndroiTS/level】
03-basio3_androits_levelplot


 スカイプロットの画面をざっと見ると米9,露8,日1となっているので、GPS, GLONASS, QZSSが受信できているように見えます。
また、レベルプロットの画面では、QZSSとしてPRN 193, 194, 195が表示されています。
 しかしながら、方位データ(Azimuth, Elevation)の値がゼロになっています。
 また、スカイプロットの画面を見ると、衛星の位置が北の水平線に貼りついています。
 この状態では、QZSSは測位に寄与していないと思われます。

 方位データがゼロとなっている理由としては、送信側と受信側の両方が考えられます。
 GPSの衛星であるNAVSTARでも、特定の衛星の方位データがゼロになっていることがあります。
 QZSSの送信側の状態をNAQU情報(http://sys.qzss.go.jp/dod/naqu.html)で調べてみましたが、受信時点におけるPRN 193, 104, 195に関する情報はないようです。

 試験運用期間中は、QZSS対応の FLEAZ Que で受信しても、ときどき方位データがゼロになっていましたが、最近はあまり見かけないような気がします。
 正確なところはよく判りませんが、今回のBASIO3での現象は、送信側が原因では無いような感じがします。

 ということは、受信側に原因がある可能性が高いですが、中途半端に受信できているというのが一寸気持ちが悪いです。
 ネットで関連しそうな情報を探していたら、同じ症状を呈するスマホに関する以下の書き込み(2017)がありました。

  『QZSS(みちびき)に対応してますか?』のクチコミ掲示板
  ZenFone 3 SIMフリー
  https://bbs.kakaku.com/bbs/J0000021762/SortID=20853868/

 書き込みの内容を見ると、BASIO3はZenFone 3と同じ症状のように思われます。
 あらためてみちびき対応製品リストを見てみると、ZenFone 2はリストに含まれていますが、ZenFone 3は含まれていません。
ZenFone 3はSnapdragon 625を使用し、BASIO3(KYV43)はSnapdragon 430を使用しているようです。

 どのチップがQZSSに対応しているのかを調べてみると、以下のような資料がありました。

  みちびき対応スマートフォンは少ない。対応するSnapdragonはどれか?
  << 作成日時 : 2017/06/05 08:32 >>
  https://powerpro.at.webry.info/201706/article_3.html

 これによれば、「みちびき非対応の型番については、Snapdragon200シリーズ、400シリーズ、 610~626までの型番、650は非対応である。」とのことなので、話は合っています。

 色々調べてみましたが、残念ながらBASIO3はみちびき非対応のようです。

 以上、色々と書いてきましたが、ここまでの話は仕様がそうなっているということなので、別に不思議な話ではありません。

 

 ここからが本題です。
 QZSSの信号をQZSS対応のFLEAZ Queに入れたGNSS表示アプリで表示した場合には、QZSのPRNとして193, 194, 195が表示されます。
 先日、ハワイに遊びに行ったときに、同行者が88TEESで買い物をしているときに暇つぶしでBASIO3に入れたGPS TESTを見ていました。

 画面を見ると、レベルバーの下に、193, 194, 195, 196と表示されています。
 スカイプロットには、北の水平線に196だけが表示されています。

【QZSS PRN 193, 194, 195, 196】@HNL, 88TEES 2F
04basio3-gps-test-level-prn196_1
地図が小さくて見にくいですが、現在地はハワイです。

06-basio3-gps-test-sky-prn196_

 四つともPRNの数字の背景が黒なので、測位には使用されていません。
  PRN196という表示は初めて見ました。これは何でしょうか?
 下記資料によれば、196はみちびき2号機(QZS-2)のL5Sに割り当てられたPRNのようです。

  みちびき
  http://qzss.go.jp/technical/satellites/index.html#QZSS

 L5Sはあまり聞いたことがないので調べてみました。
 下記の資料によれば、L5Sは1176.45MHzで送信される測位技術実証サービス用の測位信号のようです。

  送信信号一覧
  http://qzss.go.jp/overview/services/sv03_signals.html

  測位技術実証サービス
  http://qzss.go.jp/overview/services/sv07_tv.html
  「衛星からのデータは、L5信号と同じ形式であるL5S信号の受信機で利用することができます。」

 整理すると以下のようになります。

  193   1号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
  194   2号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
  195 4号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
  196 2号機 L5S                        1176.45MHz

 L5Sの周波数(1176.45MHz)はL1C/Aの周波数(1575.42MHz)とは約400MHzも違っているので、入口のL1C/A用のアンテナで減衰して信号自体が受信できないような気がします。
 GNSS受信端末におけるエラーとしては、マルチパスや信号劣化の影響で、現在位置がとんでもない場所になることがありますが、今回のようなエラー(?)は見たことがありません。
 でたらめな数字が表示されるのであれば、なんとなく納得できますが、それらしい数字が表示されるのが不思議です。
 

 PRN196に関する情報はあまりないのですが、以下の資料に関係ありそうな情報が書いてありました。

  u-blox 8 / u-blox M8 
  Receiver Description Including Protocol Specification
  Revision and date R17 (5321fe3) 17 May 2019
  https://www.u-blox.com/sites/default/files/products/documents/u-blox8-M8_ReceiverDescrProtSpec_%28UBX-13003221%29_Public.pdf

    A Satellite Numbering(Page 394 of 407)
    GNSS Type  SV range   UBX gnssId:svId  UBX svId
    QZSS     Q1-Q5    5:1-5        193-197

  SV rangeがQ1-Q5で、UBX svIdが193-197であるということは、単純に考えると以下のようになります。

    Q1 193 1号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
    Q2 194 2号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
    Q3 195 4号機 L1C/A, L1C, L2C, L5 1575.42MHz
    Q4 196 2号機 L5S                        1176.45MHz
    Q5 197 3号機 L5S                        1176.45MHz

    Q5という文字を見て思い出したのですが、以前U-bloxの表示ソフトu-centerで「QZSS Q4」、「QZSS Q5」という表示(方位データなし)を見たことがあります。
 なお、使用した GNSSレシーバはu-blox7/G7020でした。

【QZSS Q4, QZSS Q5】
07-ucenter_827_qzss_q4_q5

Qzss-q4-q5


 普通のGNSSレシーバで受信できるL1C/Aの信号は、QZSSでは3波しか無い筈なのに、5波も表示されているのが不思議でした。


     みちびき 準天頂衛星システム 3号機(199)受信不可について
     https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=Gz0iRDAbibAKYZV9teLnq9

     GPS受信モジュール(1PPS出力付き) 「みちびき」3機受信対応の質問と回答
     http://akizukidenshi.com/catalog/faq/goodsfaq.aspx?goods=M-09990 


  KiwiSDRならL1C/A等が変則仕様(?)の3号機(PRN199)にも対応しているようですが・・・

     KiwiSDR
    http://kiwisdr.com/

  『ど』 の ぺえじ
  みちびき 久しぶりの4機同時受信 [GNSS]
  https://radio-dxing.blog.so-net.ne.jp/2018-09-10


 u-centerでQ4, Q5が表示される理由は今もよく判りません。
 u-centerで表示された「QZSS Q4」がBASIO3で表示された「196」と何か関係があるのでしょうか? 素人には想像もつきません。


 PRN情報がどのようにして伝送されているのかよく判りませんが、他の信号に共通データ(アルマナック?)として含まれていたり、ネットワーク経由で伝送されているのであれば、どこかの経路を通って「196」という数字が漏れ出てくることはあるのでしょうか? 
 受信していた場所は、2階の室内で雑音となりそうなものが沢山あったので、ノイズが飛び込んで誤動作したとか?
 あるいは近くで誰かがGNSSシミュレータで遊んでいたとか?

 

 QZSSを目的としてBASIO3を購入した訳ではないので、もし受信できたらラッキーという程度だったですが、QZSSのPRNが表示されたので、一寸期待してしまいました。
 残念ながら、BASIO3はQSZSに対応していませんが、C/Nは表示されているので、QZSS信号チェッカとしては利用できるかもしれません。

 

【蛇足】
 ホノルルから見たQZSSのスカイプロット

  GNSS View
  http://app.qzss.go.jp/GNSSView/gnssview.html?t=1559693991764
 
Gnss-view-hnl  
 低い仰角で移動しているので、受信環境としてはあまりよくないかもしれません。

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コメント

いつも興味深く拝見させていただいてます。また、拙ブログ記事をご紹介いただき、ありがとうございます。
実在しないPRNが表示される現象は私も経験があります。スマホでお使いのアプリ「GPS TEST」はQZSSに対応していないので、仕様外のPRNを受信した場合に誤表示するのはあり得る話だと思います。L5Sという可能性は、そもそもスマホの受信チップが対応していないのであり得ません。
また、u-centerについても、残念ながらQZSSに対する実装が不完全なようで、実在しないPRNを表示したり、PRNが重複しまうことが時々あります。ついでに言うと、u-centerで3号機(PRN199)を受信しても日の丸マークは付かず、不明機として扱われてます…
3号機の受信については、KiwiSDRの他にSONYのコンピュータボードSPRESENSEでも受信できます。(トランジスタ技術2月号で記事を書かせてもらいました) また、u-bloxの最新モジュールである「F9」シリーズでも受信対応しています。
長くなりましてすみません。

投稿: ど | 2019年6月10日 (月) 11時23分

『ど』さん
 誤り表示についての詳細な説明をありがとうございます。
 受信側のハードやソフトが完全には対応していないので、正しく表示されない場合があるということですね。了解いたしました。
 u-centerには、L1C/Aの他にQZSSのL1Sのチェックボックスがあるのですが、現在はグレーアウト状態で選択できません。そのうち見えるようになるとうれしいのですが・・・
 SPRESENSEで3号機が受信できる件、了解です。
 ネット上の製作記事を見ると、関連知識のみならず手先の器用さも必要なようなので、70過ぎの老人には一寸ハードルが高いです。
 FRGとかICFとか趣味が重なっている部分もあるようなので、これからもよろしくお願いいたします。

 K

投稿: K | 2019年6月10日 (月) 22時12分

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