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2019年11月16日 (土)

GNSSアプリ”MapIt GIS”のDGPS(SBAS)測位モード

 高精度測位に使えそうなAndroidアプリを探していたら、以下のアプリを見かけました。

  Mapit GIS - Map Data Collector & Land Surveys
  https://play.google.com/store/apps/details?id=com.osedok.gisdatacollector&hl=ja
  (レビュー表示なし_2019/11/16現在)
     https://play.google.com/store/apps/details?id=com.osedok.gisdatacollector&hl=en
     (レビュー多数)

  更新日:2019年11月15日
  サイズ:14M
  インストール:100,000+
  現在のバージョン:7.2.5Core
  Android 要件:4.1 以上
  アプリ内アイテム:¥230~¥2,100/アイテム
  提供元:Mapit GIS LTD

 アプリの説明の中に"Support for RTK corrected coordinates when external Bluetooth GPS/GNSS is connected,"という記載があります。
 レビューの内容は色々ですが、全体的な評価は悪くないようなのでインストールしてみました。
 RTK測位のためには外付けGNSS受信機や有料オプションが必要なようですが、とりあえず基本的な機能を使ってみました。

 測位条件
  測位場所:小田急小田原線(走行中の電車内) 本厚木→厚木→海老名
  使用スマホ:Huawei P10
  測位アプリ:Mapit GIS

 全体としては、他のGNSSアプリと同じような感じですが、測位モードが途中で時々変わる点が異なっていました。
 今までのアプリは、2D/3Dモードの測位しか行われませんでしたが、このアプリでは、Qualityの表示が、"GPS"(2D/3Dに対応?)と"DGPS(SBAS)"で切り替わっていました。
 全体としては、"GPS"の期間が長く、時々"DGPS(SBAS)"に切り替わっているという感じでした。

【(01)MapIt GIS_Quality:GPS】
01mapit-gis_qualitygps

【(02)MapIt GIS_Quality:DGPS(SBAS)】
02mapit-gis_qualitydgpssbas_20191116134901  

 精度の値は、上記写真のGPSの時には16.00m(大幅に変化あり)であるのに対して、DGPS(SBAS)の時には1.65mとなっているので、DGPSによる測位が行われていると考えてもおかしくないように思われます。
測位モードがDGPSということは、DGPSに対応している衛星からの信号を受信している筈です。
 下記の資料によれば、DGPSに対応する実用衛星は、PRNが120~138の範囲に含まれるようです。

  GLOBAL POSITIONING SYSTEM (GPS)
  PSEUDORANDOM NOISE (PRN) CODE ASSIGNMENT PROCESS Version 3.1
  https://www.gps.gov/technical/prn-codes/PRN-code-assignment-process-v3.1.pdf


  MapIt GISの画面に表示されたスカプロットとスカイレベルをチェックしてみました。
 DGPSに関係しそうな衛星としてPRN120が見えます。

【(03)MapIt GIS_PRN120】
03mapit-gis_prn120_20191116135001  

 DGPS(SBAS)に対応するPRNの値の範囲には入っているようですが、PRN120に対応する衛星を調べてみると、日本からは見えない位置に居るようです。

  EGNOS Space Segment
  https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/EGNOS_Space_Segment
  "Inmarsat 3F2 AOR-E | PRN Number 120 | Orbital Slot 15.5 W"

  File:EGNOS footprint.png
  https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/File:EGNOS_footprint.png


 何か一寸変です。

 現在の日本のSBASの運用状態がよく判らないので、少し調べてみました。
 以下の2019年発行の下記の資料を見ると、PRN129,PRN137という話が出てきます。

  GBAS/SBAS International Workshop, Seoul, 3-5 June 2019
  MSAS System Development
  https://www.icao.int/APAC/APAC-RSO/GBASSBAS%20Implementation%20Workshop/1-6_MSAS%20System%20Development_Rev2%20(S%20Saito).pdf

 QZSSのFAQにも同様な情報があります。

  みちびき(準天頂衛星システム)
  https://qzss.go.jp/overview/faq/index.html
-------------------------------------------------
https://qzss.go.jp/overview/faq/index.html#faq7_13
Q. みちびき3号機SBAS信号(L1Sb)のPRN番号は、現在MTSATのPRN番号である#129または#137を引き継ぐのでしょうか?それとも、現在運用している#187が継続されるのでしょうか?
A. みちびき3号機SBAS信号(L1Sb)のPRN番号は、現在のMTSATが使用している#129あるいは#137のいずれかを引き継ぐ予定です。
-------------------------------------------------

 ということは、日本で使えそうな衛星は、PRN129またはPRN137というになりそうです。

 次に実際の運用状況をGNSS Viewで調べてみました。

  GNSS View
  https://app.qzss.go.jp/GNSSView/gnssview.html?t=1573517673658

  GNSS View マニュアル
  https://qzss.go.jp/technical/gnssview/manual.html

  衛星の表示/非表示設定(衛星配置レーダー)
  https://qzss.go.jp/technical/gnssview/manual.html#cl2

 GNSS Viewのアプリの説明によれば、「みちびきとGPS以外の4システムの衛星配置は、NORAD(North American Aerospace Defense Command、北米航空宇宙防衛司令部)が公開している軌道情報を用いて計算しています。」とのことなので、SBASの衛星の実際の軌道上の位置が判る筈です。

 東京から見えるDGPS対応衛星を調べてみるとPRN120は含まれていません。

【(04)GNSS View】
04gnss-view

 
 PRN120という表示は何でしょうか?
 MapIt GISのスカイプロットに表示されているPRN120は、南のかなり低い角度に位置していますが、GNSS Viewでは対応する衛星はありません。


 念のため、GR-8015(M8T)を繋いだu-centerでチェックしてみましたが、今朝(07:30 2019/11/16 JST)の時点では、SBASの信号が確認できませんでした。(受信環境が悪いためかもしれません)

【(05)u-center_UBX-NAV-SAT】
05ucenter_ubxnavsat

 

 測位モードがDGPS(SBAS)となっており、測位精度もそれらしい値になっており、DGPS対応と思われる衛星が見えていますが、衛星のPRNが120となっている理由が判りません。
 PRNの誤表示は時々発生するようなので、単純な誤動作なのかもしれませんが、一寸不思議です。
 好奇心であちこちに頭を突っ込んでみましたが、素人の悲しさで状況が理解できません。

 もし本当にDGPSモードで測位されており、1~2mの精度が確保されるのであれば、少し広めの空き地があれば、超特大フォント(5mx5m程度?)で一筆書きができるかもしれません。

 

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