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2019年12月14日 (土)

GP-102+ DGPSテスト@ハワイ陸軍博物館前

 最近、GP-102+のDifferential GPS(DGPS)モードを使ってSLASもどきの測位精度を得ることができれば嬉しいなと思って色々試行錯誤しています。

  サブメータ級測位補強サービス
  https://qzss.go.jp/technical/system/l1s.html

 今までの経験では、10分程度の連続測位で1~2m程度の測位精度になったことがありますが、このようば結果を出すための条件が良く判りません。

  2019年11月24日 (日)
  GP-102+のDifferential GPSモード
  http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2019/11/post-e20e43.html


 以下は、今までの自分の印象と実際の受信結果です。
・GP-102+は、DGPSのモードがあるので、SBASによるDGPSに対応している可能性がある。
・GP-102+のDGPSをONに設定してオープンスカイに近い条件で測位した場合には、測位精度が1~2m程度になる場合がある。
・Huawei P10やublox7/ublox8を使用して、自宅で受信した範囲では、日本のSBAS(MSAS)は、信号自体は時々受信できるようであるが、測位に利用できる状態で安定に送信されているかどうかが良く判らない。
・Huawei P10を使用してホノルルで受信した範囲では、米国のSBAS(WAAS)は、ID(PRN)138、搬送波(C/No)、フラグAEU、仰角、方位角が表示されている。

【(01)SBAS_PRN138_Huawei P10】
01sbas_prn138_huawei-p10

 SBASにおけるフラグ"U"の意味がよく判りませんが、下記の資料によれば、その衛星の情報が測位計算に使用されたということのようです。

  gpstest/FAQ
  https://github.com/barbeau/gpstest/blob/master/FAQ.md

 以下、上記URLから抜粋引用
-----------------------------------------
What does the "U" flag mean for SBAS satellites?

For SBAS, the Android spec does not specify if the "U" ("Used") flag refers to pseudoranges from the satellite being used in the position solution or to correction information originating from that satellite being used.
Here's the documentation for the boolean value for "used" that's passed from the chipset to the Android OS to GPSTest, which is shown as a "U" letter in the "Flags" column on the GPSTest Status screen:
Reports whether the satellite at the specified index was used in the calculation of the most recent position fix.
As a result, it's unclear how this is being implemented by OEMs.
-----------------------------------------

 ハワイでもSBAS(WAAS)の信号を利用できそうなことは判りましたが、ハワイは米国本土から遠く離れているので、ハワイで観測した電離層の影響の情報がWAAS衛星からの送信信号に反映されていなければ、精度の改善は望めません。
 以下の資料によれば、ハワイにも基準局(reference station)があるようです。

  List of WAAS reference stations - Wikipedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_WAAS_reference_stations

  WAAS Ground Segment - Navipedia
  https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/WAAS_Ground_Segment

 ということであれば、ハワイもSBAS(WAAS)のサービスエリア内であるということになると思います。
 また、Huawei P10に入れたGPSTest(barbeauDev)を使用してホノルルのホテルで受信した範囲では、SBAS(WAAS)のUフラグが立っているので、ホノルルでは測位に利用可能な状態で信号が受信できていると考えられます。

 ここまでの情報から判断すると、ホノルルでは測位に使用可能な状態で SBAS(WAAS)の衛星からの信号を受信可能であり、また、GP-102+はDGPSに対応していることが期待されるので、DGPS補正付の測位が可能かもしれません。
 実際に測位してみることにしました。

今回の場合には、測位場所としては、以下の条件を満足することが望ましいです。
 ・宿泊ホテル(モアナ・サーフライダー)から近いこと。(歩いて10分程度)
 ・比較的周りが開けていること。(オープンスカイ)
 ・測位精度が判りやすいように、固定構造物の周りを回って測位するつもりなので、背が低くて単純な形状の構造物があること。
 ・観光地とはいっても米国なので、治安が良い場所であること。(場所によっては、昼間の公園だから安全とは限りません)


 以前、Google Mapで探して測位場所として日比谷公園を使いましたが、今回も同様に衛星写真を見ながら探してみました。
 単純な構造で背が低いという構造物は中々ありませんが、ハワイ陸軍博物館(U. S. Army Museum of Hawaii)の玄関前のラウンドアバウトが希望のものに近いです。

  Hawaii Army Museum Society 
  https://hiarmymuseumsoc.org


【(02)Hawaii Army Museum】
02hawaii-army-museum

【(03)Hawaii Army Museum(Roundabout) 】
03hawaii-army-museumroundabout

 変な機械を見ながら同じ場所を何度も周回する動作は挙動不審なところがあります。
 場所が場所なので、怪しい行動をとると博物館の前に展示されているM24の75mm砲が黙っていないかも・・・

【(04)Hawaii Army Museum_M24】
04hawaii-army-museum_m24

 環状のラウンドアバウトの外周に沿って左周りに歩いてみました。
 衛星写真ではよく判りませんが、下側に突出した扇状のコンクリートの部分は、全部が車両用という訳ではなくて、左半分が車両の停車用で、右側は一段高くなっている歩行者用の路面になっています。


 最初にHuawei P10とGeo Trackerの組み合わせで使ってみました。

  Geo Tracker - GPS tracker
  https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ilyabogdanovich.geotracker&hl=ja

【(05)Hawaii_Army Museum_Roundabout_Geo Tracker】
 画面をキャプチャした動画
 SVID_20191202_141058_1

 

 Geo Trackerのアプリの評価は結構高かったので一寸期待したのですが、今回の測位ではかなり精度が悪いです。
 Huawei P10は、ハードウエア的にはDGPS測位のポテンシャルを持っていると思われますが、実際にDGPS補正を行うかどうかは、地図表示アプリの仕様に依存するので、Geo TrackerはDGPSに対応していないのかもしれません。

 次に、本題のDifferential GPS ONに設定したGP-102+で測位しました。
 GP-102+では非常に狭い画面でしかトラックを表示できませんが、軌跡は一応環状になっています。

【(06)Hawaii_Army Museum_Roundabout_GP-102+_LCD】
06hawaii_army-museum_roundabout_gp102_lc

 自宅に戻ってから、GP-102+のfitデータを、PC(ThinkPad X250, Windows 10)にインストールしたCamWayに取りこんで表示してみました。

【(07)CanWay】
07canway
 道路の地図があまり正確でないような気がしますが、期待したような精度は出ていないようです。
 左下の停車エリアは、どうにか扇状の概略輪郭が再現されています。


 次に、fitファイルを、以下のgpxとkmlのファイルに変換して、ルートラボとGoogle Earthで表示してみました。

  export_2019-12-03 09-15.gpx
  export_2019-12-03 09-15.kml

 元データは同じなので、軌跡自体は変わりませんが、地図の形態が異なるので、印象が一寸違います。

【(08)ルートラボ】
08_20191213235201

 下記のURLでないと、地図を拡大することができません。
 https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=15cd75f4d9388a4387b880e4fa2ce183

 拡大最大、速度最低にしないと移動の様子は見えません。

こちらもあまり地図が正確でないような感じですが、トラック自体もかなりずれています。

【(09)Google Earth】
09google-earth

 この写真を見ると、樹木が生い茂っている部分と高層ビルに近い部分では、測位精度が低下しているような感じですが、これは今までの経験と大体一致します。

 結果としては、静止状態で測位を開始した時点では。1~2mの誤差でしたが、移動するにつれて最大10m程度の誤差が発生しました。
 WAAS信号に基づく補正が行われた結果の測位精度なのか、補正が行われなかったのかはよく判りませんが、感じとしては普通のGNSSの測位精度のようです。
 十分なオープンスペースではなかったのが、精度低下の原因の一つかもしれません。


 今のところ、費用を掛けずに、安定的に1~2mの測位精度を確保するのは難しそうです。

 

【蛇足】
 ホノルル滞在中に米国陸軍からアクセスがあったようです。
 5年間で3回しかアクセスがないので、偶然だと思いますが・・・
20191204

 

【参考外部リンク】
SBAS:Satellite-based augmentation systems
 https://www.gsa.europa.eu/european-gnss/what-gnss/what-sbas
 https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/SBAS_Fundamentals
 https://en.wikipedia.org/wiki/GNSS_augmentation#Satellite-based_augmentation_system

WAAS:Wide Area Augmentation System
 https://en.wikipedia.org/wiki/Wide_Area_Augmentation_System

MSAS:MTSAT Satellite Augmentation System
 https://en.wikipedia.org/wiki/MTSAT_Satellite_Augmentation_System

MTSAT:Multi-Functional Transport Satellite
 https://en.wikipedia.org/wiki/Multi-Functional_Transport_Satellite

 

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