下限が10kHzのアンテナアナライザ(nanoVNA-H4)を買いました
現在、長波の標準電波(JJY等)の受信用に、自作の300φ88tの非同調ループアンテナを使用しています。
条件が良いと、たまにハワイでJJY(40kHz)が受信できる(例1、例2)ので、それほど性能は悪くないような気がしますが、かなり雑音の影響を受けます。
WWVB(60kHz)用のアンテナの例を見ると、同調型のループアンテナが多いようなので、このタイプのアンテナを作ることを考えています。
同調型の方がノイズの影響を受けにくいかもしれません。
しかしながら、長波の場合は、共振周波数や共振特性を確認できる簡単なツールがありません。
下限周波数が50kHzのアンテナアナライザの広告を見かけますが、折角なら40kHzにも対応したものが欲しいです。
最近広告を見ていたら、希望に沿うような製品がありました。
Elikliv「2020最新進化版」アンテナネットワー クアナライザNanoVNA 10KHz-1.5GHz 4.0インチLCDデジタルディスプレイ
VNA(Vector Network Analyzer)なので、本来はベクトルネットワークアナライザと呼ぶべきなのかもしれませんが、自分の用途ではベクトルもネットワークもあまり関係ないので、単にアンテナアナライザとします。
動作範囲が”10KHz-1.5GHz”となっています。
下限が50kHzの製品と比べると、価格比はかなり大きいですが、絶対値で考えると差額は飲み会1回分程度なので、思い切ってこれを買うことにしました。
6月24日に注文したのですが、配達予定を見ると、7月19日~7月26日となっています。
1ヵ月以上先です。
今は、早ければ翌日、遅くても2~3日で届くので、昔の雑誌広告の通信販売のような感じです。
多分中国から送られてくるので、注文した商品が間違いなく届けばラッキーとというつもりで気長に待つことにしました。
ところが、期待(?)に反して7月2日に配送されてきました。
約1週間で到着しました。結構早かったです。
NanoVNA-H4 10k-1.5GHzと書いてあるので、注文した品物のようです。
下記の広告に記載されているものと同じであるような感じです。
Original Hugen NanoVNA-H4 4.0" display 4.2 version 1950mAh battery Vector Network Analyzer HF VHF UHF Antenna Analyzer
https://www.alibaba.com/product-detail/Original-Hugen-NanoVNA-H4-4-0_62455845943.html
Packing list
NanoVNA host (with 1950mAh battery) x 1
USB Type-C data cable x1
15cm SMA male to male RG316 RF cable x2
SMA male calibration kit - OPEN x1
SMA male calibration kit - SHORT x1
SMA male calibration kit - LOAD x1
SMA female to female connector x1
Type-c to Type-c cable x1
NanoVNA Menu Structure Map
https://nanovna.com/?page_id=87
ケースの裏に貼られたシールには、50kHz-300MHzと書いてあります。
この種の製品では、外箱の表示と中身が異なることが珍しくないので、一寸心配になりました。
【(08)NanoVNA-H4 Version 0.5.0】
電源を入れてみました。
初期状態では、"START 50.000kHz"と表示されていたので、やっぱり外れを引いてしまったのかとがっくりです。
念のために、画面をタッチして表示される初期メニューから、"STIMULUS"→"START" と進んで、テンキーから"10k"と入力すると"START 10.000kHz"と表示されたので、とりあえず一安心です。
入力オープンなので、表示されたデータにはあまり意味がありませんが、"START 10.000kHz"、"STOP 900.000 000MHz"で動作しているようです。
1秒で約1GHzをスイープするというのがすごいです。
次に、実際に使っているアンテナを測定してみました。
なお、測定の前に以下のjh4vajさんの記事を参考にさせて頂いて較正作業を行いました。
NanoVNA、まずはキャリブレーション(校正)
2019/9/19 2020/7/1
http://www.jh4vaj.com/archives/13010
【(10)NanoVNA-H4 表示例(Comet CA-2X4M 144/430MHz Whip)】
スイープ範囲は100~200MHzです。
丁度146.0MHzのところにディップがあるので、ぎりぎりセーフでしょうか?
次に、本題の長波用アンテナを測定してみました。
測定したのは以下のアンテナです。
電波時計60KHz改造キットキット 」
http://www.tristate.ne.jp/den60.htm
デフォルトでは、バーアンテナのコイルに0.012μFのコンデンサが並列に接続されていますが、変化が検出しやすいように直列共振状態で測定しました。
スイープ範囲は10~100kHzです。
【(11)NanoVNA-H4 表示例(電波時計60KHz改造キット)】
一寸見にくいですが、61kHz付近で共振しているようです。
しかしながら、Qはかなり低いような感じです。
以下のアプリでスマホとの連携ができるようなので、これも試してみました。
NanoVNA WebApp
https://play.google.com/store/apps/details?id=net.lowreal.nanovnawebapp&hl=ja
更新日:2019年10月11日
サイズ:1.4M
インストール:5,000+
現在のバージョン:v1.4
Android 要件:7.0 以上
提供元:cho45
開発元:https://github.com/cho45/NanoVNA-Web-Client
スマホ(Huawei P10にNanoVNA WebAppをインストールし、両端のコネクタがtype-CのOTG用USBケーブルでNanoVNA-H4に接続しました。
【(12)NanoVNA WebAppをインストールしたスマホをNanoVNA-H4に接続】
【(13)NanoVNA WebAppの表示例(60kHz用バーアンテナ)】
表示グラフの読み方がまだよく理解できていませんが、60kHz付近で共振しているようです。
横軸の周波数の数値は、下限が10kHzになっていますが、本当にここまで有効な測定データが得られているのかどうかはよく判りません。 40kHz程度まで?
【(14)NanoVN A WebAppの表示例(10kHz-900MHz 周波数)】
【(15)NanoVNA WebAppの表示例(10kHz-900MHz スミス)】
簡単に触ってみた範囲では、特に問題はないように思われるので、ゆっくり使い方を勉強したいと思います。
スミスチャートなどは、50年以上前に大学の講義で一寸聞いただけで、何の役に立つのかも覚えていません。
頭の体操になりそうです。
【参考外部リンク】
About NanoVNA
https://nanovna.com/
NanoVNA-H4
https://www.switch-science.com/catalog/6406/
NanoVNA User Guide
https://cho45.github.io/NanoVNA-manual/
NanoVNA
2019/11/3 2020/6/24
http://www.jh4vaj.com/nanovna
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