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2020年10月27日 (火)

AI翻訳"DeepL"は「愛の不時着」を知らない?

 しばらく前のことになりますが、テレビで韓ドラ「愛の不時着」(사랑의 불시착、Crash Landing on You)の元ネタになった「女優越北事件」の再現ドラマと称する番組をやっていました。
 最初の方を少し見てみましたが、再現ドラマというよりも、TvNの「愛の不時着」の改変ダイジェスト版のような感じがします。

 再現ドラマということであれば、実際の事象に基づいた番組ということになると思いますが、映像を見ているかぎりでは、限りなく捏造に近い演出を施した番組のような感じがします。

 この種の情報は信頼性に問題があることが多いので、「女優越北事件」の当時の記事を探してみたら、以下の記事を見かけました。

  wowKorea
  チョン・ヤン 北方境界線NLLを超え北朝鮮警備の銃撃受ける
  2008/09/13 09:56配信
  http://www.wowkorea.jp/news/enter/2008/0913/10048435.html

 記事をざっと見てみましたが、引っ掛かる部分がいくつかあります。

 「北朝鮮の住人に発見された。」・・・北に上陸した?
 「不慣れな海外」・・・?
 「現地住民に発見された。」・・・現地住民は陸上?
 「すぐに戻りなさい」・・・にわかには信じ難いです。
 「漕ぎ出した」・・・3トンの船では難しい?


 wowKoreaの記事の信頼性はよく判りませんが、詳細が確認できないのでイメージが湧きません。
 別の記事を探してみると、もう少し詳しい下記の記事がありました。

  The Korean Times
  Boat Carrying Actress Rescued Near Border
  Posted : 2008-09-12 15:45
  https://www.koreatimes.co.kr/www/nation/2020/02/113_30980.html#:~:text=Boat%20Carrying%20Actress%20Rescued%20Near%20Border&text=An%20actress%20and%20three%20others,to%20the%20coast%20guard%20Friday.

 この記事を見ると、少しイメージが湧いてきます。

・乗員は女優1名と男性3名。
・インチョンの浜から出発。
・試験航海中の事件。
・昼食のために近くの島に立ち寄った後に自船の位置を見失い、霧の中に迷い込んだ。
・適切な航法装置がない状態で約2時間漂流した後に、NLL付近で北朝鮮の漁船に遭遇。
・韓国の船と誤認して接近し、漁師に話しかけた。
・漁師のアクセントが北朝鮮のものだったので、船を旋回させて反対方向に針路をとった。

 The Korean Timesの信頼度はよく判りませんが、この記事の内容であれば筋が通ります。


 別の信頼度が高そうな記事を探していたら、ワシントン・ポストに簡単な説明がありました。

  The Washington Post 
  April 18, 2020
      Amid lockdown binge watching, U.S. viewers savor story that puts a human face on North Korea
  https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/south-korea-crash-landing-on-you-defectors-netflix/2020/04/17/d78c761c-7994-11ea-a311-adb1344719a9_story.html
(以下、上記URLから抜粋引用)
------------------------------
“Crash Landing on You” was inspired by an actual event, when a South Korean actress and three friends accidentally strayed into disputed waters between North and South Korea on a boat trip in 2008, even talking to North Korean fishermen after getting lost in a fog.
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最近の翻訳エンジンはかなり進歩しているようなので、“Crash Landing on You”がどのように翻訳されるのかを試してみました。

【Google翻訳】(2020/10/27翻訳)
「愛の不時着」は、2008年に韓国の女優と3人の友人が、霧の中で迷子になった後、北朝鮮の漁師と話をしているときに、誤って北朝鮮と韓国の間の争いの海に迷い込んだという実際の出来事に触発されました。

【Bing翻訳】(2020/10/27翻訳)
「あなたに不時着」は、韓国の女優と3人の友人が2008年にボート旅行で南北間の紛争海域に誤って迷い込み、霧の中で迷子になった後に北朝鮮の漁師と話をした実際の出来事に触発されました。

【DeepL翻訳】(2020/10/27翻訳)
"不時着 "は、2008年に韓国の女優と友人3人が船旅で南北の紛争海域に迷い込み、霧の中に迷い込んだ後、北朝鮮の漁師にまで話しかけてしまったという実話から着想を得たものです。


 Google翻訳は、正しく「愛の不時着」と翻訳されているのは良いのですが、他の部分の時系列が混乱しており、意味不明な文章となっています。"boat trip"はどこに?
 Bing翻訳は、直訳で「あなたに不時着」となっていますが、その他の部分は筋が通っています。
 DeepL翻訳は、不思議なことに"on You"の部分が省略されて翻訳されています。他の部分は"even"もちゃんと訳されて自然な日本語になっているのに一寸残念です。

 今までの経験では、DeepL翻訳は、他の翻訳に比べて明らかに翻訳のレベルが高いです。
 翻訳エンジンの中に人間の翻訳者が隠れているのではないかと思うくらいです。
 ところが、AIが気を利かせすぎて、原文(or 翻訳文)が不自然な場合は意図的に省略することがあるようです。
 「貞淑な醜女」よりも「不実な美女」の傾向が強い?
 過去の経験では、結構長い文章がバッサリ削られたことがあったので、技術系の翻訳は要注意です。

 英文タイトルの“Crash Landing on You”ですが、背景(ドラマの存在)を知らない状態でこれを翻訳しろと言われたら、人間の場合は、意味も分からずに「あなたに不時着」と直訳する可能性が高いように思われます。
 ここから先は想像(妄想)ですが、AIは「あなたに不時着」という表現を解析して、統計的に見て、文章中に「あなたに」と「不時着」が隣り合って出現する確率が非常に低い(用語の親和性が非常に低い)ので、原文が間違っている(or 日本語に翻訳するのは適切ではない)と判断し、とりあえず日本語として意味が通じる「不時着」だけを残したのかもしれません。

 素人の勝手な希望ですが、実社会で頻繁に使用される用語(表現)については、短い間隔で辞書を更新して貰えるとうれしいです。
 Google翻訳ではちゃんと「愛の不時着」になっているし・・・

 

[2020.10.28追記]
【Mirai翻訳】
「クラッシュ・ランディング・オン・ユー」は、2008年に韓国の女優と友人三人が、霧の中で道に迷って北朝鮮の漁師と話をしていたときに、偶然にも南北間の紛争水域に迷い込んだという実際の出来事に触発された。

 あまり芳しくないです。

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