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2021年2月25日 (木)

GNSS AnalysisのRaw/Kalman Filter/ADRの差をGoogle Earthで表示

 世の中の流れからは2~3年遅れになりますが、最近2周波GNSS Raw Data対応のXiaomi MI 8を中古で購入したので、頭の老化防止を兼ねて色々と遊んでいます。
 高精度測位の詳細は理解できませんが、測位データの後処理で精度が変化するのが視覚的に確認できるので一寸面白いです。
 
 行き当たりばったりで色々触っていますが、測位の手順や必要な情報の場所を忘れることがあるので、再インスト―ルに備えて、自分用に整理してみました。


①GnssLoggerをスマホにインストールする。

  GnssLogger App - Apps on Google Play
  Developed with Google
  https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.location.gps.gnsslogger&hl=en_US&gl=US

 最新版と思われるv3.0.0.1をXiaomi MI 8(Android 10)にインストールしたのですが、途中で止まったり、アプリ選択の初期画面に戻ったりして正常に動作しません。
 仕方がないので、現在は古いバージョン(v2.0.0.1)を入れて使っています。
 完全に安定しているとは言えませんが、どうにかLogの取得はできます。

 試しに、v3.0.0.1を1周波Raw Data対応のHuawei P10(Android 9)にインストールしてみたところ、不安定ですがどうにか使えました。


②GNSS Analysis AppをPCにインストールする。

  GNSS Analysis App V 3.1.0.0 Release
  https://github.com/google/gps-measurement-tools/releases

 PCは、ThinkPad X250(Windows 10)を使っています。
 マニュアルに"The first time you install MATLAB Runtime it will take a long time to download the license-free program from The MathWorks (like, 30 minutes):"と書いてありますが、当方の環境では約20分かかりました。


③GnssLogger(Xiaomi MI 8)による測位およびLOGデータ保存。

 「GnssLogger」→「SETTING」(適宜必要スイッチON)→「PLOT」(受信信号を確認)→「LOG」→「START LOG」→(例:5分間)→「STOP & SEND」


④Xiaomi MI 8のLOGデータ(measurement log file)をUSB経由(ファイル転送モード)でPCに転送する。
 なお、PC側の転送先については、マニュアルには以下のようなヒントが書いてありました。
---------------------------------------------
 It is a good idea to store each measurement log file in its own subdirectory under
 .../Desktop/GnssAnalysisFiles/yourSubdirectory/
---------------------------------------------

場所としてはデスクトップが判りやすいのですが、1回の分析処理で10個程度のファイルがLOGデータと同じディレクトリに生成されるので、デスクトップがファイルのアイコンだらけになります。

【(01)Xiaomi MI 8のLOGデータの格納場所】
01xiaomi-mi-8log

 LOGデータは、"gnss_log_2021_02_23_12_53_44"のようなファイル名でテキストファイルとして格納されています。


【(02)LOGデータの中身】
02log

 TXTフォーマットのLOGデータの中にRaw Dataが含まれています。
 他の各種データも含まれています。

-------ここまでがスマホ(GnssLogger)側の話です。-------

-------これ以降はPC(GNSS Analysis)側の話です。-------

 基本的には、以下の資料のp.16の"6 Work with your own data"以降の操作になります。

  Installation.and.User.Manual.GNSS.Analysis.App.pdf
  https://github.com/google/gps-measurement-tools/releases/download/V3.1.0.0/Installation.and.User.Manual.GNSS.Analysis.App.pdf


⑤GNSS Analysisを起動する。
 MS-DOS風の窓が開いてコマンドプロンプトが点滅しますが、砂時計もプログレスバーもないので、本当に処理が進んでいるのか心配になります。
 最初は長時間反応がないので、インストールに失敗したと思って何度か再インストールしました。
 結局、当方の環境では30秒程度でControl Panelが表示されました。

【(03)GNSS Analysis_Control Panel】

03gnss-analysis_control-panel

 マニュアルには"BE PATIENT"と書いてありますが、想定待ち時間が不明だとストレスが溜まります。


⑥“Find Log File”で目的のLOGデータを選択する。
当方の場合は、GnssAnalysisFilesの下位にlogdataという名前のフォルダを作り、更にその下位に、格納するLOGデータのファイル名と同じ名称のフォルダを作り、その中にLOGデータを入れました。
 今回は、LOGデータとして、"gnss_log_2021_02_23_12_53_44.txt"を使用したので、一寸判りにくいですが、階層構造は以下のようになります。

  .../Desktop/GnssAnalysisFiles/logdata/gnss_log_2021_02_23_12_53_44/gnss_log_2021_02_23_12_53_44.txt

 選択するのは最下位のテキストファイルになります。


⑦“Analyze and Plot”をクリックする。
 当方の場合は9個のプロット画像(分析結果表示用の初期画面)が完全に表示されるまでに2分程度かかりました。
 途中から処理中の画面が色々表示されるので、待つのはそれほど苦痛ではありません。

【(04)GNSS Analysisの分析結果表示用の初期画面】
04gnss-analysis

⑧9個のプロット画像の中の右上のPositios(Raw)の画像を全画面表示にする。

【(05)Positios(Raw)】
05analysis_positions-raw


⑨Positios(Raw)の画像の左下の"Show KalmanFilter"をクリックして、画像を表示した後に全画面表示にする。

【(06)Positios(Kalman Filter)】
06analysis_positions-kalman-filter

⑩Positios(Kalman Filter)の画像の左下の"Show ADR"をクリックして、画像を表示した後に全画面表示にする。

【(07)Positios(ADR)】
07analysis_positions-adr

 歩行経路の大体の様子が判ります。

 

-------ここまでがGNSS Analysisの基本的な動作の話です。-------

-------これ以降はGNSS Analysisの処理結果を利用して歩行経路をGoogle Earth上に表示する話です。-------

 この時点では、.../Desktop/GnssAnalysisFiles/logdata/gnss_log_2021_02_23_12_53_44/ のフォルダの中身は、以下のようになっています。


【(08)ThinkPad X250のLOGデータの格納状態】
08thinkpad-x250log

なお、"gnss_log_2021_02_23_12_53_44"がスマホからPCに転送されたLOGデータのテキストファイルで、それ以外のファイルは、分析処理後に自動的に同一ディレクトリ内に生成されたものです。

⑪ /GnssAnalysisFiles/logdata/gnss_log_2021_02_23_12_53_44/ のフォルダの中の下記のKMLファイルをクリック。

⑫"gnss_log_2021_02_23_12_53_44_rawPr"をクリック。→Positios(Raw)に対応する経路がGoogle Earthに表示される。
【(09)Google Earth_Raw】
09google-earth_raw

⑬"gnss_log_2021_02_23_12_53_44_rawKfPr"をクリック。→Positios(Kalman Filter)に対応する経路がGoogle Earthに表示される。

【(10)Google Earth_Kalman Filter】
10google-earth_kalman-filter

⑭"gnss_log_2021_02_23_12_53_44_Adr"をクリック。→Positios(ADR)に対応する経路がGoogle Earthに表示される。

【(11)Google Earth_ADR】
11google-earth_adr


【(12)歩行した道路】
12_20210225211001

 測位コースは、農地の中を通る幅2mの道路です。
 進行方向に向かって道路左端に沿って往復しました。
 道の両側には柵があったので、往復路の間隔は1.5m程度です。

 処理方法が、Raw→Kalman Filter→ADRと変化するのに従って、歩行経路のばらつきが小さくなっていくのが判ります。
 見かけ上は、測位位置が北に1.5m程度ずれているように見えますが、地図の座標精度が判らないので、正確なところは判りません。
 リアルタイムでこの程度の精度が得られるのであれば、スマホだけを見ながら試験コースを運転できるかも・・・

 

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