MRI検査受診時の熱感の原因は?
先日、魔女の一撃を食らってしまいました。
痛みの原因は色々存在するようなので、原因特定のためにMRI検査を受診しました。
MRI検査は10年くらい前に体験したことがありますが、ガガガガと唸る円筒の中を移動するので、自分がソレノイド・コイルの中のプランジャになったような気分でした。
What is MRI?
MRIではどうやって体の中を見るのでしょう?
https://jp.medical.canon/general/general_mri
How do RF-transmit coils work?
https://mriquestions.com/rf-transmit-coils.html
オープンフレームソレノイド
https://smt.shindengen.co.jp/product/lineup/seihin/c/act/openframe/
検査の手順は前回と同様でしたが、前回は気が付かなかった体の反応がありました。
前回の検査では、体が感じたのは振動と騒音だけでしたが、今回は音の発生に同期して内臓が暖かくなるのを感じました。
熱いとまではいきませんが、お腹の中に懐炉が入っている感じです。
音が大きくなると、感じる温度が高くなるので体に印加される信号の強さと関係があるようです。
検査が進むに連れて感じる温度が更に高くなります。
MRIの仕組みは全く知らないし、事前に温度の説明がなかったので一寸心配になりましたが、いざとなったらパニックボタンを押せばよいと思っていたら、そのうち検査が終わりました。
当方の場合は、所要時間は15分程度でしたが、結構長く感じました。
MRI検査の結果は、圧迫骨折ということで、対応する処方をして頂くことになりました。
1~2か月かかりそうですが、気長に待つしかないようです。
ここまでが今回のテーマの前振りで、これ以降が本題です。
MRI検査では磁性体禁止ということは知っていましたが、発熱(?)の話は知りませんでした。
インターネットで調べてみると、以下の資料がありました。
よくあるご質問
MRI検査施行中の熱感、ピリピリ感について
https://saiseikai.info/department/radiology/b_faq/
この資料には、「MRI検査は強い磁場と電波を使用します。電波の影響で検査の中頃から後半にかけ徐々に暖かくなります。」という説明があります。
当方が体験したのはこの現象のようです。これを知っていれば、無用な心配はせずに済んだかもしれません。
磁場ではなくて電波の影響であるとすると周波数が気になります。
下記の資料の例の場合には、"resonant frequency is approximately 64MHz"となっているので、FM放送より一寸下です。(防災無線付近?)
INTRODUCTION TO HOW MRIS WORK
https://www.maximintegrated.com/en/design/technical-documents/tutorials/4/4681.html
電子レンジのマイクロ波(2.4GHz)とは周波数が大きく異なっていますが、周波数によって発熱のプロセスが異なることはあるのでしょうか?
下記の資料によれば、生体に対する熱作用に関しては、100kHz以上では同じような挙動のようです。
電波の人体に対する影響
https://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/denpa/jintai/
電磁波の性質と生体作用
https://www.soumu.go.jp/main_content/000191705.pdf
(以下、上記URLから抜粋引用)
------------------------------------------------
熱作用
・電波のエネルギーが生体分子を振動させて、熱が発生
(電子レンジと同じ原理)
・体温上昇によるストレスが発生
・高周波電磁界(100KHz以上)で支配的な作用
------------------------------------------------
MRIも電子レンジも、電波の周波数は100kHz以上なので、上記資料の説明に基づけば、発熱の原理は同じということになりそうです。
結局、今回の場合は、自分が体験した熱は、VHF帯の電波が誘電体(人体)に吸収され、生体分子が振動されたことで発生した可能性が高そうです。
個人的には電子レンジと同じというのが、何となく納得しにくいですが・・・(わが身の反応は食品と同じ?)
電子レンジとは異なる原理の事象(生体分子振動以外の事象)を調べていたら、ジュール熱が原因と思われる以下の資料を見かけました。
医療事故情報収集等事業 第 22 回報告書 (2010年 4 月~ 6 月)
MRIの高周波電流ループによる熱傷
https://www.med-safe.jp/pdf/report_2010_2_T002.pdf
上記資料に記載の事例は、対象部位が体の表面に限定されており、自分の場合とは異なっているようです。
なお、"MRI Burn"で画像検索するといくつか事例があります。
事例の絶対数は少ないかもしれませんが、画像を並べて見ると一寸怖いです。
次にMRI検査を受けるときには、手足でループアンテナを作らないようにしなくては・・・
【参考外部リンク】
(タイトルに釣られて少し眺めてみましたが、ゼロベースの素人無線家では5年かけても理解は難しそうです。スピンや傾斜磁場の話が???)
5分でわかる!MRIのおはなし
http://www.kouseiren-ta.or.jp/gakujyutsu/2018/05/30/7545/
15分でわかる(?)MRI
https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/MRI-15-min.pdf
| 固定リンク
「無線」カテゴリの記事
- MRI検査受診時の熱感の原因は?(2021.11.15)
- レーダー用マイクロ波で溶けたのはチョコバーではなくpeanut butter candy barだった?(2021.08.26)
- Intel Drone Light Show Premiumの費用と仕様(2021.07.26)
- 電波法第59条の「傍受」が狭く解釈された判例(2021.07.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント