2016年7月 5日 (火)

航空ショーガイドが付録だったので久しぶりにRL誌(2016.8)を買いました

 書店で電気関係の棚を覗いていたら、表紙の一部にブルーインパルス大辞典と書かれている雑誌がありました。
 付録は「航空ショー完全ガイド2016」のようです。
 RL誌は周波数帳が付録のときに数年おきに買うくらいです。
 本誌の内容には興味がありませんが、最近の航空ショーの情報は知らないので、付録は何かの役に立つかもしれないと思って買ってきました。

20168


 横浜で飛ぶブルーインパルスの周波数の情報でも書いてないかと思って見てみましたが、横浜の周波数情報は無く、一般的な情報(TWR/GCA/GCI等)だけでした。
  なお、リストには横浜は含まれていませんでした。不定期 or 4年ごとだから?

  ブルーインパルスのパイロットが使う周波数は?
  http://radiolife.com/security/defense/3049/

  ガイドの最後のほうにある「USBワンセグチューナーでエアーバンドを受信しよう」の記事が役に立つかもしれません。
 個人的には、Android端末+SDR Touchの組み合わせが、非常にらくチンのような気がします。

 なお、ワンセグはISDB-T特有の概念なので、写真のDVB-Tチューナはワンセグチューナとは呼べないような気が・・・(R820T自体は多方式に対応)
 ISDB-Tの海外売り込み資料には、仕様比較の欄に、DVB-Tにはワンセグの機能が無いようなことが書いてあったような気がします。

    地上デジタル放送日本方式(ISDB‐T)の概要
    http://www.jtec.or.jp/icttrend/pdf/2010-01kouenkai-makiguchi.pdf

 

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2015年7月18日 (土)

SF小説「オービタル・クラウド」を読んで一寸気になった点(その2・ネタバレあり)

  前回の続きです。
  他人の迷惑顧みず、重箱の隅をつついています。

--- P147 ---
「直行」→「直交」

--- P220~P221 ---
「スマートフォンのカメラ」

  4万個のテザー(8万個のカメラ,P338)から送られてくる映像を合成して地球を映し出す説明となっています。
 撮影時点の空間座標と撮影方向が判っていれば、原理的には座標変換で画像合成は可能だと思いますが、元になるスマートフォンのカメラの画質が気になります。
 小説の設定(P164)では、テザー(長さ2km)は、回転半径が1kmで1周2秒で自転していることになっています。
 イメージ的には、東京タワーからJR浜松町駅まで伸びた紐の先にカメラをつけて、2秒で1回転の速度で振り回しながら撮影することになります。
 30rpmというのは結構な速さなので、遠心力もかなり大きくなるものと思われます。
 
  下記のサイトで計算してみました。
 普通のスマホは200g程度ですが、付属装置(VHF送信機、スプールリール等)や筐体の重さを考慮して終端装置の重さを500gで計算しました。

  遠心力と接線速度
  http://keisan.casio.jp/exec/system/1245903825

    遠心力   F : 4,934.8022005447 N = 503.20978117346 kg重   
    接線速度 v : 3,141.5926535898 m/s = 11,309.733552923 km/h

 接線速度は小説の中に出てくるように約3km/sですが、遠心力は約500kg重となります。
  0.5トンの錘がテザーの先にぶら下がっているという感じになりますが、テザーは耐えられるのでしょうか?
 グラフェン(P346)なら大丈夫?

 下記の動画は映画「Gravity」の予告篇ですが、冒頭のシーンではスーペスシャトルのアーム(15m?)が約5秒で1回転しています。

  Gravity - Official Main Trailer [2K HD] .
  https://www.youtube.com/watch?v=OiTiKOy59o4

 テザーの場合は、アームの長さが1000mで、この動画の2倍以上の速さで回転する状態に対応します。
 こんな条件でまともな絵が撮れるのか一寸心配ですが、5年後にはさらに高感度・高速シャッタのカメラが存在しているかもしれません。
 テザーは回転しているので、1台のカメラで動画を撮ることは難しいような気がしますが、カメラが8万台もあればタイムスタンプを参照し、座標変換して画像を繋ぎ合わせることができるかもしれません(Motion JPEG ?)。

--- P281 ---
「ヤギ・アンテナ」

 指向性を得るために、複数のテザーの長さ(エレメント長)に変更可能に微妙な長短をつけるのは難しいのでは?
 それ以前に使用波長(VHF:1m~10m)とエレメント長(2000m)の差が大きすぎて、共振型のアンテナとしては使用できないのでは?

--- P318 ---
「AM波」、「VHF」

  AM波は電離層で反射・減衰するのでVHFを使うというような話になっています。
 多分、「AM=中波」という前提だと思いますが、カテゴリが異なるもの(変調方式と周波数)を比較するのは違和感があります。
 大昔に、「5球スーパー」と「ダイナミックスピーカ」はどちらが音がいいというような話がありましたが・・・

--- P326 ---
「人工衛星投入」

 あっさりと書いてありますが、合計4万個のテザーを軌道上に絡まないように展開するのは大変では?
 各国の実験結果を見ていると、テザーの伸延失敗がかなり多い印象です。
 特にこの小説の出てくるスペース・テザーは自転することになっているので、最初の回転力をどのようにして与えたのか気になります。

--- P345 ---
「VHFの受発信機」

 室内に置かれたUSBケーブルの中のアンテナ(銅線)で300km上空のスマホと通信できるとは一寸考え難いです。
 USBから電源を取るのであれば、最大で2.5W(=5Vx0.5A)程度の消費電力となるので、効率を考えると空中線電力はせいぜい1W程度だろうし、他のケーブルに隣接した銅の紐アンテナではアンテナの利得は相当に低いと思われます。
 それ以前に、テザー側のスマホにはVHFの送信機能はないので、どう対応したのでしょうか? 外付け?(携帯電話の周波数はUHF)
 FMラジオ付きスマホの局部発振回路を利用するという手もありますが、スマホの本体だけでは出力的に一寸無理でしょう。
 なおこの送信装置は当然不法局だと思いますが、300km先まで届く強さの電波を短時間でも送信すればDEURASで発見可能?
   

--- P433 ---
「紐の長さより、ほんの少しだけ短い波長の電波を放射」

 最初は波長短縮率(Velocity Factor)のことだと思ったのですが、一寸違うようです。
  
  Velocity factor - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Velocity_factor

 テザーを焼き切るための電波の周波数のことを話しているのですが、長さ2kmのテザーに対して157kHzの電波を使うことになっています。
 単純計算では、波長が2kmの電波の周波数は150kHz(=300/2000m)です。

  電磁界(電磁波)の基礎知識
  「周波数」と「波長」
  http://www.chuden.co.jp/energy/denjikai/jik_chishiki/shuhasu/index.html

 一方、157kHzの電波の波長は1910mになり2kmの約96%になります。
 96%という数字は数値的には裸銅線の波長短縮率(95~99%)に近いのですが、係数の掛かり方が逆になっています。
 157kHzに共振する銅製の1波長(1λ)アンテナを考えると、波長短縮率を96%と仮定すると、実際に共振するアンテナの長さは1834m(=1910mx0.96)になります。

  「アンテナのエレメントの長さ=計算上の波長x波長短縮率」というのが基本的な考えなので、2kmから157kHzを導出する過程がよく判りません。

 「紐の長さより、ほんの少しだけ長い波長の電波を放射」ということであれば、一応理屈は通るのですが・・・

 また、普通のアンテナは、λ/2アンテナが基本なので、1λアンテナを想定する理由がよく判りません。

  アンテナって何?
  http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/DesignGuide/guide4.asp

 157kHzを「アマチュア無線の使うレンジだ」と言っていますが、135kHz帯(135.7~137.8kHz)のことでしょうか?
 近いといえば近いですが、相当にマイナーなバンドです。
  米国では一般のアマチュア無線局には開放されていないし・・・

  2200-meter band
  https://en.wikipedia.org/wiki/2200-meter_band

  アマチュアバンドプラン
  https://www.jarl.org/Japanese/A_Shiryo/A-3_Band_Plan/bandplan20150105.pdf

  US Amateur Radio Frequency Allocations
  http://www.arrl.org/frequency-allocations

  135kHz帯 ‐ 通信用語の基礎知識
  http://www.wdic.org/w/WDIC/135kHz%E5%B8%AF

 なお、テザーの材料は導電率が極めて高いグラフェン(Graphene)という設定(P346)なので、ベアテザーの場合には波長短縮率は関係ないかもしれません。

  グラフェン - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3
  グラフェン
  http://www.nikkyoko.net/nobel/physics2010.pdf

  グラフェンをどのようにして紐状にするのかと思ったら、色々方法はあるようです。
 将来は銅に取って代わる?

  グラフェンの配線、巻き線への応用およびその製造方法
  http://shingi.jst.go.jp/abst/p/10/1061/tokaishiritsu7.pdf

--- P433 ---
「VHS」→「VHF」

---P436,P448---
「偽のGPS信号」

 小説の中では、攻撃側は、テザーの位置測定用のGNSS(Global Navigation Satellite System)として米国(米軍)のGPSを使用しています。
 そこで、迎撃側は対策としてスプーフィング(Spoofing)によりテザーのGPSを騙して、テザーを攻撃しやすい位置に移動させています。
 普通のスプーフィングは中継装置でデータを改竄するようですが、小説ではクラウドから見える衛星のGPSデータを直接改竄するするとともに、航空機から偽のGPS信号を送信するようになっています。
 本物のGPS衛星から偽データを送信する期間は結構長くなると思いますが、一般の航法機器への影響は無視? 万一のときはコラテラル・ダメージ?

 GNSSとしては、GPSがよく知られていますが、これ以外にも、GLONASS、Galileo、Beidouが存在しています。

  GNSS applications - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/GNSS_applications

  マルチGNSS解析技術等の開発にむけた衛星系の技術仕様調査
  http://www.gsi.go.jp/common/000068239.pdf

 以下のサイトでは、実際の受信状態が確認できます。

  GPS/みちびきQZSS/中国北斗(BEIDOU/Compass)/GLONASS(ロシア)に対応したリアルタイム・GNSSモニタ-GNSS Real-time Monitor
  http://gps.szparts.com/?m=0&d=34631344
 
 GNSSに対する攻撃手段としてスプーフィングは知られているので、攻撃側が攻撃先の国が管理するインフラを利用するのは不味いような気がします。

  GPSはじめ他国の測位衛星が使用不可能になるケース
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/QZSkaihatsu/dai1/siryou4.pdf

  民生用衛星測位システムの脆弱性軽減方法の開発
  http://www.gnss-pnt.org/taikai24/yoko/Chino.pdf

 GNSSとして中国のBeidouを使った方が危険が少ないような気がしますが、素人考えなので違うかもしれません。
  GPSとBeidou(Compas)は仕様が異なっており、(米国から見て)他国のシステムなので暗号の解読やスプーフィングに手間がかかるはずですが・・・

 なお、最近のスマホは、GPS以外のGNSSにも対応しているようです。

  GPS+GLONASS+QZSS(みちびき)/Beidou(北斗)対応 スマートフォン
  http://smart.diipedia.net/smartphone-gps-3in1.html

--- P434, P452, P453 ---
「SAMPSON5」,「多用途アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー」、「157kHz」、「0.2秒角」、「25kW」

 やっと本題のレーダの話に辿り着きました。
 小説では、SAMPSON5という防空レーダを使用して、周波数157kHz、ビーム幅0.2秒角、出力25kWでテザーを焼き切ることになっています。
 SAMPSONで検索すると以下のレーダーがヒットしますが、周波数は2~4 GHz (Sバンド)、出力は25kW(これは小説と同じ)となっています。

  SAMPSON
  https://en.wikipedia.org/wiki/SAMPSON
  https://ja.wikipedia.org/wiki/SAMPSON

 SAMPSON5ではヒットしなかったので、SAMPSON5はSAMPSONの後継機種という設定でしょうか?
 問題は、この5年後に存在することになっているレーダーSAMPSON5でテザーを焼き切れるかどうかということです。
 現時点の技術で考えると、いくつか疑問があります。

 第1に157kHzという周波数です。
 テザー(長さ2km)に共振させるために150kHz帯の電波を使用することはいいとしても、SバンドやXバンドのGHz帯の電波を使用する防空レーダで効率よく送信できるようには思われません。出力用のデバイスの特性も全く異なるだろうし・・・
 いくら多用途と言っても、同じアンテナで150kHz帯(2000m)の電波と3GHz帯(0.1m)の両方を扱うのは無理でしょう。

 157kHzの付近には長波の放送局がいくつかありますが、153kHzの放送局のアンテナを調べてみると、350m程度の高さがあります。

  Longwave
  https://en.wikipedia.org/wiki/Longwave#List_of_longwave_broadcasting_transmitters

 アマチュア無線の136kHz用のアンテナでは、136kHzに同調させるための500mの水平部を有するものもあるようです。

  Antennas for 136kHz
  http://www.strobbe.eu/on7yd/136ant/
  2.13. Antennas with a long horizontal section

 波長に依存せずに使用できる革命的なアンテナが発明されれば、共用可能になるかも知れませんが、5年以内という可能性はほぼゼロでしょう。

 第2に、0.2秒角というビーム幅です。
 有り得ない位狭い幅のように思われます。
 1秒角は1度の3600分の1なので、0.2秒角は1/72000度になります。(計算あってるでしょうか?)
 1秒角がどの程度のものかイメージが湧かないので、調べてみました。

  理科年表オフィシャルサイト
  https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_018.html
  「人間の場合、20 km 先の物体を両目で見たときの視差が約 1 秒角です。」

 単純計算では、0.2秒角は100km先(都心から富士山)を見たときの視差?
 SAMPSONのビーム幅の詳細は不明ですが、イージスシステムのAN/SPY-1では2度程度ですし、「はやぶさ」のアンテナでも半値幅1.4度なので、これよりも極端に狭いということは考え難いです。
 しかも周波数が157kHzという長波(LF:1km~10km)なので、狭い指向性を得ることが難しいように思われます。
 0.2秒角は5年後に実現できる数字とは思われません。

 アマゾンのレビューの中に「象の檻」の話が出てきたので、これも調べてみました。

  Elephant Cage
  AN/FLR-9 - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/AN/FLR-9

  象の檻 - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%A1%E3%81%AE%E6%AA%BB

 1.5~30MHz で方向探知が可能だったようですが、特別にビーム幅が狭いということではなかったようです。

 宇宙への大出力送信と言えば、HAARP (High Frequency Active Auroral Research Program)を忘れる訳にはいかないので、ついでに調べてみました。
 HAARPはトンデモ系の情報が多いので信頼できそうな情報を探すのに一寸苦労します。

  The High Frequency Active Auroral Research Program
  http://www.nrl.navy.mil/research/nrl-review/2004/atmospheric-science-and-technology/kennedy/

  情報通信研究機構季報Vol.53 No.1/2 2007
  特 集 HAARP(High Frequency Active Auroral Research ... - NiCT
  http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/kihou-vol53no1.2/01-03C.pdf

 途中で出力が低減され、ビーム幅も広げられた(ERPが下げられた?)ようですが、実験当初は出力3.6MW、ビーム幅4.5度~15度だったようです。
 オーロラに影響を与えることができる程度の出力なので、電線に向けたら焼けるかもしれません。

【2015.07.19追記】
----------------------
ニュー・ホライズンズ のアンテナのビーム幅は0.3°のようです。
電波が届くのに4時間!

New Horizons
Spacecraft Systems and Components
Communications
http://pluto.jhuapl.edu/Mission/Spacecraft/Systems-and-Components.php
"The high-gain beam is only 0.3 degrees wide, so it must point directly at Earth."
----------------------

 第3に25kWという出力です。
 この出力は現実のSAMPSONと同じです。
 普通のパルスレーダーでは、数MW(AN/SPY-1は4~6MW)の尖頭出力は珍しくありませんが、25kWはかなり小出力です。
 出力が小さいのは出力段が半導体であるからだと思われますが、この出力で300km上空のテザーを焼き切れるのでしょうか? ビーム幅が0.2秒角だったら可能?

  第4に電波形式と送信タイミングです。
 小説の説明ではパルスかCW(continuous wave)かよく判らないのですが、テザーが正面を向いたときに焼き切る(焼き切れる?)ことになっています。
 共振現象(?)の説明(P433)から判断すると、出力はCWで、焼き切れるタイミングはテザーの角度で決まるような雰囲気です。
 もしそうなら、放射ビームの方向に対して80°のときは焼き切れないで、90°になった瞬間に焼き切れるとは一寸思えません。
 もし正確な角度で終端装置を放出するのであれば、テザーの角度を測定して90°になった瞬間にレーダパルスを照射するということも考えられますが、4万個のテザーでは対応できないでしょう。
  P453の説明では、クラウドが広がった範囲は半径50km、照射範囲の通過時間は7秒となっています。
 クラウドの範囲S1と照射範囲S2の大小関係は明確ではありませんが、ビームが1本で方向が固定であると仮定すると、S1<S2でないと未照射領域が発生するので、S1<S2とします。
 だとすると照射範囲は少なくとも直径が100km以上になります。
 照射範囲とビーム幅の関係がよく判りませんが、高度が300km程度であったとすると、相当にビームが広がっていることになります。
 この辺の想像は妄想と勘違いと理解不足の産物かもしれません。

  P359, P421, P422に「ブラックアウト」のマイクロウェーブの誤射により、スペース・テザーが焼き切れる話が出てきますが、マイクロウェーブで焼き切ることができるのであれば、防空レーダの本来の周波数であるSバンドやXバンドでビームを絞って照射するという話の方が整合性がとれるような気が・・・・

  Blackout Bomb: Air Force's High-Powered Microwave Weapons Fry Enemy Equipment
  Posted July 31, 2009
  http://www.popsci.com/military-aviation-amp-space/article/2009-07/experimental-microwave-weapon-could-fry-enemy-equipment
  "10 nanosecond-long, gigawatt bursts"

 妄想のついでにもうひとつ。
 テザーの自転速度は、最初は2秒で1(30rpm)でしたが、この時点では0.6秒で1回(100rpm)になっています。
 回転速度が約3倍になっています。
 テザーが短くなったのかと思いましたが、レーダの送信周波数の説明から判断すると、長さは2kmのままと考えられます。
 終端装置の重さを500gとして加速度を計算すると。以下のようになります。

   遠心力 F : 54,831.135561608 N= 5,591.2197908162 kg重   

  重さに換算して5トン以上になります。
 グラフェンだから耐えられる?

--- その他 ---

 ・小説の中にはテザーを引き出す機構の話が出てきませんが、実際の実験ではここが中々難しいようです。
 長さが2kmのテザーを終端装置内に収納する必要がありますが、5cmx5cmx5cm以下のサイズで2000mのテザーを繰り出すことができるスプールリールを収納することができるのでしょうか?

 ・この小説に出てくる「スペー・テザー」の回転駆動システムの説明はよく理解できませんが、テザー上でバラストを移動させるシステムは可動部品が増えるので故障が増えそう・・・。展開時にはバラストはどう処理?
 
  米国特許を調べていたら、回転テザーに関するものがありました。

  Method and apparatus for propulsion and power generation using spinning electrodynamic tethers
  US 6942186 B1
  http://www.google.com.gh/patents/US6942186

  回転するテザーという考えは以前からあったようです。(小説の中にも書いてあります)
 テザーの歴史が BACKGROUND OF THE INVENTION に書いてあります。
 
 IHIの公開特許もありました。

  Space debris removing device and space debris removing method
  US 20140367523 A1
  http://www.google.com/patents/US20140367523

 図面を見ると、銛を打ち込んでデブリを捕獲するようです。捕鯨みたい・・・

 
 

 以上、素人の付け焼刃の知識で、「致命的なミス」について考えてみましたが、5年後に存在予定のSAMPSON5でも157kHzの電波によるテザーの焼き切りは不可能であるように思われました。

  「下手の考え・・・・」かもしれませんが・・・

蛇足:
 レビューに映画化に適しているのではないかというコメントがありましたが、CIAのクリスのキャラ(有能で腹黒い性格が悪い?)には、シガニー・ウィーバー(Sigourney Weaver)が似合うかもしれません。 白髪ではありませんが年齢的には丁度いいのでは? 映画「僕らのミライへ逆回転(Be Kind Rewind)」や「宇宙人ポール(Paul)」でも似たようなキャラだったような気がします。

 一冊の本で2週間たっぷり楽しめましたので、元は取れたかもしれません。雑学の知識も少し増えたし・・・
 なお、お話としては突っ込みところはありますが結構面白かったです。

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2015年7月 5日 (日)

SF小説「オービタル・クラウド」を読んで一寸気になった点

 しばらく前のことになりますが、新聞の書評のページを見ていたら「オービタル・クラウド」という文字が目に入りました。
 軌道上(状?)の雲"Orbital Cloud""ということでしょうか?(追記:本文中P268に「軌道の雲」とありました)

 一寸興味をひかれて書評の内容を見てみると、デブリの異常挙動発見に端を発したSF小説のようです。
 いつもは書評で面白そうな本を見かけても、単に面白そうという段階で終わっていたのですが、日本SF大賞をとった小説のようなので、どんな本なのかと思ってAmazonでレビューを見てみました。
 非常に面白かったというレビューが多いのですが、「象の檻」とか「25KW」とかいう単語が出てきて「致命的なミスがある」と書いてあるレビューがありました。
 レビューの内容だけでは、何が「致命的なミス」なのか判りません。

 どこが問題なのか確認したいという素人無銭家の好奇心に負けて数十年ぶりにSFを買いました。
 大昔はSFマガジンを毎月読んでいましたが・・・

【オービタル・クラウド】
Photo

  とりあえず殆ど予備知識のない状態で一通り読んでみました。
 ところどころ引っ掛かるところはありますが、新しい「仕掛け」が出てくるたびに、「ヘー そうなの」という感じで読み進みました。

 読書の目的である「致命的なミス」についてですが、現在(2015)の技術では一寸無理があるのではないかという印象でした。
 しかしながらこの小説の時代設定は2020年なので、技術の進歩を考慮する必要があります。

 ということで、まず基礎知識を仕入れてから、もう一度読み直すことにしました。

 なお、読んだのは、以下の本です。

「オービタル・クラウド 」2014/2/25発行、2015/3/15再版、藤井太洋 著、早川書房出版 ISBN978-4152094445-5 C0093

 この小説の中心になるのは導電性テザーですが、基礎知識がないので、とりあえず調べてみました。

  テザー推進 - Wikipedia
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%B6%E3%83%BC%E6%8E%A8%E9%80%B2

  JAXA
  導電性テザー(EDT)
  http://www.ard.jaxa.jp/research/mitou/mit-edt.html

    宇宙航空研究開発機構
  HTV搭載導電性テザー実証実験 の検討状況について
    平成25(2013)年9月4日
  http://www.jaxa.jp/press/2013/09/20130904_htv_j.pdf

  International Space Station
  Electrodynamic Tether Reboost Study
  http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/19980223479.pdf

  Space Transportation with a Twist
  http://www.nasa.gov/vision/universe/roboticexplorers/tethered_spacecraft.html

  Electrodynamic tether - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Electrodynamic_tether

  Space tether missions - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Space_tether_missions

 なんとなくイメージは湧いてきました。

 実際のテザー実験はどうなっているのかと思って調べてみると、結構各国で実験が行われているようです。

  プラズマ・核融合学会誌第72巻第1号 1996年1月  
  テザー衛星実験
  http://jasosx.ils.uec.ac.jp/JSPF/JSPF_TEXT/jspf1996/jspf1996_01/jspf1996_01-48.pdf

  Space tether missions - Wikipedia, the free encyclopedia
  https://en.wikipedia.org/wiki/Space_tether_missions

   PMG(1993, Plasma Motor Generator)の説明では、"The total experiment lasted approximately seven hours. In that time, the results demonstrated that current is fully reversible, and therefore was capable of operating in power generator and orbit boosting modes. "と書いてあります。これは、確認できたのは双方向電流通過だけで、発電と推進については可能性を示したというレベルなのでしょうか?
  YES2(2007, Young Engineers' Satellite 2)については、"deployment telemetry indicated that the tether deployed to full length and that the capsule presumably deorbited as planned."と書いてあります。32kmのテザーによるカプセルの引き降ろしに成功した?
  Space debris removal missionsの項目のところに、この小説と関係ありそうなJAXAの話が出てきます。

    STS-75 - Wikipedia
    https://ja.wikipedia.org/wiki/STS-75

 Wikiをざっと読んでみましたが、実際にどこまで実現できているのかよくわかりません。

 NASAの資料があったのでこれも一寸覗いてみました。

   The Space Tether Experiment - ISTP
   http://www-istp.gsfc.nasa.gov/Education/wtether.html

  テザーによる発電と推進について書いてあります。
  1996の実験ではテザーを20kmまで伸ばしたけれども、テザー伸延時に発生した絶縁層のピンホールが原因と思われる放電(3500V, 1A ?)によりテザーが破損したみたいです。

     TSS-1R tether composition
     https://en.wikipedia.org/wiki/File:TSS-1R_tether_composition.png

 以下の資料はNASAのものではありませんが、かなり詳しく説明されています。
 UFOの話が出てくるのが一寸怪しいですが・・・

  Energy Projects
  Electrodynamic Tether
  http://www.thelivingmoon.com/41pegasus/02files/Electrodynamic.html

 

 以下のような書き込みもありました。
  
  tether de-orbit experiment fails - Google Groups
  9/26/07
  https://groups.google.com/forum/#!topic/sci.space.history/o4wZYUbXyMw

  以下の資料を見ると、2007年の時点で「導電性テザー推進として推力が確認されたことはなく」ということのようです。

  「低推力・連続加速を用いた宇宙ミッションに関する研究会」
  2007年11月2日(金)
  http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2007/1102_low.shtml

  導電性テザーのダイナミクスとその応用例について
  https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/54659/1/63739010.pdf

  簡単に調べただけですが、テザー推進の実験もある程度行われており、全くの夢物語という訳ではないようです。

 これでやっと本の内容を再確認する準備が出来ました。
 以下、自分の興味を引いた箇所をピックアップしました。
 読書の目的が「致命的なミス」の確認という不純な動機なので、普通の読書感想文的な部分はほとんどありません。あしからず。
  この記事の内容の性質上、「重箱の隅」、「枝葉末節」、「些細な事項」的な記載が多いですが、ご容赦の程お願いします。
 SFはFictionなので何でも有りというのは承知していますが・・・

 素人の好奇心で書き飛ばしているので、見当はずれな部分が多々あると思います。

  

--- P10 ---(2015.07.12追加/修正)
「実験機 #42」
  プロローグの記載だけではあまりイメージが湧きませんでしたが、本文(P318)を読んだらかなり様子が判ってきました。
  
  テザー:長さ20m(?)の針金
  終端装置(電子銃、プラズマコンタクタ、電流エミッタ、電流コレクタ):?
  センサ:スマホを流用?
  テレメトリデータ:座標、ベクトル
  データ形式:8ビットシリアル(チェックデジットを含む)
  デーア変調形式:AFSK?  (小説ではビープ音となっているので違うかも・・)
  搬送波周波数:中波?
  搬送波変調方式:AM
  アンテナ:不明
  電子回路:テザー給電用、(テレメータも?)
  電池:単三(電源電圧?) 
    場所:テヘラン郊外
    到達高度:30km(気球破裂後自由落下)
  
  受信機:ラジカセ(AMラジカセ?)
  テレメトリデータデコード:AFSK聴取?+指レジスタ?+脳内デコード?

  43(10進数)=101011(2進数)・・・P318の例

     00001    01011 (LSB)
   左  親人中薬子 子薬中人親 右

  1:立てた指
  0:折った指

Counting 1 to 31 with Binary Fingers

 テザー実験の話の中で、よく理解できない点が幾つか・・・

  ・ラジオの入手容易性からAM(中波?)を選択したという話になっていますが、単三電池で動作する中波のAM送信機(電源電圧は不明ですが・・・)で30km飛ばすのはかなり困難のように思われます。
 中波AM送信機は、部品(変調トランス等)がFMより多いのでコストが高くなるし、変調のために電力を食うし、アンテナが大きくなるし、アンテナで利得を稼ぐことは難しいし、等の不都合があります。
 FM放送が始まる前は、個人レベルが使えるワイヤレスマイクはAM(中波)のものしかなかったので、作ったことがありますが、FMに比べて多くの費用と工数が必要で、しかも電波は余り飛びません。
  現時点(2015年)でのイランのFM放送局を調べてみると結構あるようなので、プロローグの時点で多分AM/FMラジカセが容易に入手できるような気がします。

  Home >> Asia >> Iran >> Radio Station Websites
  http://radiostationworld.com/locations/iran/radio_websites.asp

 もし、AM/FMラジカセが利用できるのであれば、FMを使った方がメリット(安い、簡単、飛ぶ)が大きいように思われます。

 軍用無線機が入手できる環境であれば、業務用/アマチュア無線用VHF/UHFトランシーバを改造する手もあります。
 もっと手を抜くのであれば、費用と入手容易性の問題はありますが、以下のような製品を使えば、超低速の「指デコード」をせずに座標、高度が確認できます。

  Pro’s Picks: Garmin Alpha Dog Tracking GPS and Trainer
  Posted on 27 February 2014.
  https://www.sportsmansnews.com/2014/02/pros-picks-garmin-alpha-dog-tracking-gps-and-trainer/

  Vaisala Radiosonde RS92-SGP
  http://www.vaisala.com/Vaisala%20Documents/Brochures%20and%20Datasheets/RS92SGP-Datasheet-B210358EN-F-LOW.pdf

 ・終端装置(電子銃、プラズマコンタクタ、電流エミッタ、電流コレクタ)はテザー以上に重要な部品だと思われますが、詳細がよく判りません。タッパウエアの中?

 ・高度30kmからテザーを落下させて、座標データ等からローレンツ力を確認するようになっていますが、高度30kmでは風の影響が無視できないように思われるのですが、どうでしょうか? 
 下記の資料によれば、30kmから20kmに降下後にかなり東に流されています。

  気象庁高層気象観測のラジオゾンデ飛行軌跡予測
  http://n-kishou.com/corp/service/observation/observation_sonde/

 風力の方がローレンツ力より大きいような気が・・・(単なる想像です)

 ・気球破裂後が「実験の本番」となっていますが、理由がよく判りません。
 テザーによる発電の実験であれば、e=Blvsinθから、速度vが速くなると電圧eが高くなるので観測しやすいということがあります。
 しかしローレンツ力を観測する場合に、テザーをテザーの伸延方向に高速で移動させることにどのような意味があるのか判りません。
  (2015.7.20追記:起電力を駆動電流として利用する?)
 
 ・高度30kmからの自由落下ということになると相当な速さで落下することになると思いますが、「指デコード」できる程度の非常に遅いビットレートでは、データの更新が遅すぎて測定精度が下がるのでは?
 「ピッピッ」の音を聞いて指を立てるのであれば、ビットレートはあまり高くできないと思います。
 たとえば、「ピッピッ」の間隔が1秒で、「ピッ」が1ビットに対応するのであれば、8ビット(1ワード?)送るのに8秒もかかってしまいます。
  座標、ベクトルのデータを高精度で伝送しようとすると、1箇所の測定データを送信するだけで相当な時間を必要となるのでは?
 データロガーに記録して落下気球をビーコンで探して回収するという手もありますが、小説のシチュエーションでは多分無理でしょう。

 ・GPSデータ(NMEA等)を8ビットシリアルデータに変換し、AFSK信号(?)に変換し、中波の搬送波を振幅変調できるスキルがあるのであれば、AFSKのデコーダを作ることができるような気が・・・(2015年の時点では可聴帯域用のモデム用の部品はもう入手困難?)

 ・気球が上昇中は、下側のタッパは上側のタッパからテザー(針金)で吊り下げられているので、テザーには張力が加わっており、テザーに発生したローレンツ力はタッパに伝わって推進力となると思われますが、気球が破裂して自由落下状態になると、張力が開放されてテザーが緩んで不味いのでは?

 話は大きく脱線しますが、高度30kmからiPadから落下させた動画がありました。
 イメージとしてはこんな感じでしょうか?

  iPad Survives 100,000+ Foot Fall From Space Near Area 51 (High-Res)
  https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=X4xNcF6T7Is

--- P125(x2), P158 ---
「ケプラー(Kepler?)繊維」→「ケブラー(Kevlar)繊維」

--- P129 ---
「持続的スペース・テザーの概要と実証実験」
 自分でも実験できそうなので試してみました。

 小説記載の材料(東急ハンズで購入という設定)
 (1)マグネットシート
 (2)30cm銅棒 2本
 (3)スイッチ付き電池ボックス
 (4)アクリル板
 (5)両面テープ
 (6)縫い針

 自分の実験では若干材料を変更しました。
 (2),(4),(5) → Nゲージのレール
  (3)  → ヒータトランス(6.3V 2A)+ダイオードブリッジ

  マグネットシートはレールの道床の裏に貼りました。
 レールの上に縫い針を置いて、レール間に電圧を印加してしましたが、縫い針は一瞬動くだけで、転がりません。
 接触が悪いのかと思って縫い針の位置を変えてみましたが状況は変わりません。
 電圧を加えた状態で縫い針を触ってみるとかなり熱いです。縫い針には通電されているようです。
 通電状態で縫い針を指で転がそうとすると、指先に抵抗力が感じられます。
 指で転がし続けると抵抗力が波状に変化します。
 また、抵抗力が一番強い箇所で縫い針を持ち上げようとすると吸引力が感じられます。
 針の代わりに小さな円板状の磁石を、一方の極がレールの道床の面に対向するように指で持って、レールに沿って移動させると、吸引力と反発力が交互に感じられます。
 この状況から判断すると、マグネットシートの面の極性は一定ではなく、一定間隔で反転しているようです。
 いままでは、マグネットシートの一方の面がNで、他方の面がSであると思い込んでいましたが、違うようです。
 当方が購入したのは、100円ショップで購入した「マグネット・バンド」というものですが、着磁構造が特殊なのでしょうか?

【マグネット・バンド】
Photo
 念のために調べてみたら、どうも一面にNSが交互に配置されている「片面多極着磁」が一般的で、一方の面がNで他方の面がSの「両面着磁」は特殊なもののようです。

  マグネットシート(着磁の種類)について
   http://sk-shinkyo.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%88%E7%9D%80%E7%A3%81%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E%EF%BC%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 シート状のものは着磁状態が判断し難いので、これに代えて極性が判断しやすい円板状の磁石(100円ショップで購入)を使用することにしました。

【超強力マグネット 4P】
Photo_2
 今度は、レールの道床の裏に円板状の磁石を貼って同様に実験してみましたが、余り状況は変わりません。
 念のために電圧を加えない状態で縫い針を転がしてみると、通電時と同様に抵抗があります。
 どうも縫い針が磁石で吸引されているようです。
 調べてみると、縫い針の材質は鋼線材のようなので磁性体です。

    JIS S 3008:1981 手縫針
    http://kikakurui.com/s/S3008-1981-01.html

 発生したローレンツ力よりも磁石による吸引力の方が強かったために転がることが出来なかったのかもしれません。
 もしこの仮説が正しいのであれば、テザー(プロジェクタイル? ショートバー?)を非磁性体にすれば問題は解決するはずです。

 というころで、縫い針の代わりに3mmφのアルミ棒を使ってみました。

 やっと動きました。

 小説の中にも出てきますが、永久磁石の部分を除けばレール・ガンの原理にかなり近いです。

【スペース・テザー実証実験?】
Setup

 
  老体に鞭打ってここまで書いてきましたが、疲れてきたので、今日はこれで休憩です。

    ・・・ つづく ・・・ (いつのことになるやら・・・)

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2011年8月 8日 (月)

小説「下町ロケット」を読みました

 最近は本を読むことが少ないのですが、今回の直木賞受賞作品は、ロケット絡みの企業小説ということだったので、一寸と興味を引かれて読んで見ました。
Photo_3
 超ラフに要約すると、優秀な技術と特許を持った中小企業と、高度な(狡猾な?)知財戦略を駆使するライバルの大企業と、これらの企業が製造する部品のユーザである旧財閥系(?)の大企業の絡んだお話ということになります。
 問題となる部品がロケット用のバルブというあまりなじみのないもの(見たことも触ったこともありません)だったので、一寸イメージしにくい部分もありましたが、なかなか面白かったです。

  こんな格好をしているんでしょうかね?
 Cryogenic propellant valves for rocket propulsion systems.
 http://cs.astrium.eads.net/sp/launcher-propulsion/propellant-valves/index.html

 新聞の書評には “かって確実に存在した「夢」” と書いてありました。
 
 話の中に「マネシマ工業」という表現があったりして、一寸ニヤリとしてしまいました。
 そういえば、状況は異なりますが、大企業と中小企業(とはいえないかもしれませんが)の間の特許裁判として以下のような事件がありました。
 「平成17年(ネ)第10040号 特許権侵害差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(ワ)第16732号)」
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/4AC9E8ED0D080C574925710E002B12CE.pdf

 「下町ロケット」では、中小企業側がマスコミを味方にしますが、上記特許権侵害差止請求控訴事件のときは、自然発生的(?)に2chなどが中小企業側に味方したようです。

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2009年9月16日 (水)

付録(アニメキャラ+電卓付マウスパッド)に釣られてDIMEを買ってしまいました

 本箱は満杯で置く場所がないし、情報がすぐ古くなるし、大抵の情報はネットで入手できるし、ということで、最近は雑誌を買うことがなかったのですが、新聞で「ソーラー電卓付きマウスパッドwith藤子・F・不二雄」の広告を見たのが運の尽きで、ふらふらと買ってしまいました。

 電卓とパッドを買うと何百円かするので、580円は無駄ではないと自分に言い聞かせています。

 実用品出ないことは判っていますが、最悪でも団扇かクッション材の代わりにはなるでしょう。

Pad1 Pad2 Pad3

しかし、最近の女性雑誌は付録がすごいですね。

http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/fm_furoku/

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2008年3月20日 (木)

A.C.クラーク氏の通信衛星に関する論文

  19日にスリ・ランカで死去されたアーサー.C.クラーク氏の通信衛星に関する論文の話はよく出てくるのですが、具体的な内容がよく判らなかったので一寸調べて見ました。

EXTRA-TERRESTRIAL RELAYS(第1ページのみ)
http://lakdiva.org/clarke/1945ww/1945ww_305.jpg

OCR版(全ページ)
http://lakdiva.org/clarke/1945ww/1945ww_oct_305-308.html

The 1945 Proposal by Arthur C. Clarke for Geostationary Satellite Communications
http://lakdiva.org/clarke/1945ww/ に記載の資料を引用させてもらいました。

3/21追記:
Sir Arthur C Clarke について、Daily Newsにかなり詳しい記事が載っていました。
http://www.dailynews.lk/2008/03/20/news01.asp

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2007年8月 5日 (日)

極大射程(5)

その5です。

ここから文庫版の下巻分です。

極大射程〈下巻〉 (文庫)

http://www.amazon.co.jp/%E6%A5%B5%E5%A4%A7%E5%B0%84%E7%A8%8B%E3%80%88%E4%B8%8B%E5%B7%BB%E3%80%89-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%B3-%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC/dp/4102286063

「フレシェット弾」(flechette)・・・下p37

http://en.wikipedia.org/wiki/Flechette

「アーマライト・ライフル」(Armalite rifles ) ・・・下p50

http://www.armalite.com/

「パーカライズ仕上げ」(Parkerized) ・・・下p52

http://en.wikipedia.org/wiki/Parkerize

「コルト・エージェント」(Colt Agent) ・・・下p52

http://www.coltparts.com/pt_agent.html

「本国帰還用輸送機」(freedom bird) ・・・下p73

http://www.petester.com/html/AC021.html

最初に読んだときは気がつきませんでしたが、偶然他の人のホームページ(ブログだったかもしれません)で、freedom birdを本国帰還用輸送機と訳しているのは立派であるというような記述があったのでピックアップしました。freedom birdにそのような意味があるとは知りませんでした。

「ガリル・アサルトライフル」(Galil assault rifles) ・・・下p156

http://ja.wikipedia.org/wiki/IMI_%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AB

「セレストロン」(Celestron) ・・・下p175

http://www.celestron.com/c2/category.php?CatID=30

「シュミット・カッセグライン社」(Schmidt-Cassegrain) ・・・下p175

http://en.wikipedia.org/wiki/Schmidt-Cassegrain

通常「シュミットカセグレン」と呼ばれているようです。

なお、Celestronが会社名で、Schmidt-Cassegrainが光学系の名称であるように思われます。

「IMR-4895」・・・下p178

http://www.imrpowder.com/imr4895.html

「ウジ・サブマシンガン」(Uzi) ・・・下p191

http://www.israel-weapon.com/?catid=%7BDF9B961E-1B6B-4DC0-ACA9-351C57FABC5B%7D

http://en.wikipedia.org/wiki/Uzi_submachine_gun

「スキート射撃」(skeet) ・・・下p197

http://en.wikipedia.org/wiki/Skeet_shooting

http://www1.ocn.ne.jp/~wes/clayrule.htm

「・306口径のサヴィッジ110」(Savage 110 thirty-ought-six)・・・下p229

http://www.savagearms.com/110gxp3.htm

なおthirty-ought-sixは30-0-6なので、・306口径ではなく、30-06口径のことと思われます。

http://captioning.robson.org/reference/language/firearms-2.html

.30-06 (pronounced thirty ought-six)

また、日本では「サベージ」と呼ばれているようです。

http://www.navi-kita.net/usuki-gunshop/used.html

「高高度低開傘」(high altitude, low opening) ・・・下p265

高高度“降下”低開傘としないと、意味が不明確になるように思われます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/HALO

http://www.special-warfare.net/data_base/301_tactical_gear/tactical_gear_07_airbone.html

「ボタンカット旋条」(button-cut rifling) ・・・下p371

http://www.firearmsid.com/A_bulletIDrifling.htm

「撃針」(firing pin) ・・・下p371

http://www.nles.com/store/customer/product.php?productid=1369?utm_source=netag&utm_medium=cpc&utm_campaign=nextag

http://www.nles.com/store/customer/popup.php?imageid=408

「ブラウネルズ社」(Brownells)・・・下p371

http://www.brownells.com/

http://www.brownells.com/aspx/ns/store/catSearch.aspx?pg=3&si=True&ps=10&k=firing+pin

「ピラー取り付け式」(‘pillar bedded,’) ・・・下p371

この記述から判断すると、上p15の「パイラー」(pilar) は、「ピラー」(pillar)であるように思われます。

「ルガー・ミニ14」(Ruger Mini-14) ・・・下p389

http://en.wikipedia.org/wiki/Ruger_Mini-14

これで、一応下巻も終わりです。

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2007年7月29日 (日)

極大射程(4)

その4です。

「.300口径H&Hマグナム」(.300 H&H Magnum) ・・・上p86
http://en.wikipedia.org/wiki/.300_H&H_Magnum

「ユナーテル」(Unertl)・・・上p86
http://www.unertloptics.com/

「H4831」・・・上p87
http://www.reloadbench.com/gloss/hh4831.html

「M-14」・・・上p149
http://en.wikipedia.org/wiki/M14_rifle

「スミス&ウェッソン1076」・・・上p157
http://www.chuckhawks.com/s-w_1076_pistol.htm

「M852マッチ・アキュラシー・レークシティ・アーセナル7.62ミリNATOカートリッジ」(M852 Match Accuracy Lake City Arsenal 7.62mm NATO cartridges) ・・・上p179


http://www.k5.dion.ne.jp/~sak/main/Cartridges/308WIN.html

「レミントン・モデル40A-1」(Remington Model-40A1) ・・・上p179
http://en.wikipedia.org/wiki/M40_rifle

「ベレッタ92」(Beretta 92) ・・・上p179
http://products.berettausa.com/frame_tabellaprodotti_2002.asp?sgmt=31&Model=92/96%20Series

「モデル4506」(Model 4506) ・・・上p277
http://en.wikipedia.org/wiki/Smith_&_Wesson_Model_4506

「コルト10ミリ・デルタ・エリート」・・・上p296
http://en.wikipedia.org/wiki/Colt_Delta_Elite

「ペーパー・パッチング」(paper-patching) ・・・上p348
http://www.lrml.org/technical/ammunition/patching.htm
素人の考えですが、弾丸の外周が直接ライフル溝に食い込まない状態で、1000ヤード以上の距離で十分な射撃精度を維持できるのか、疑問であるように思われます。
米国内でもいろいろ意見があるようです。
http://community.discovery.com/eve/forums/a/tpc/f/9701967776/m/7341952888

「モデル19」(Model 19)
http://en.wikipedia.org/wiki/Smith_%26_Wesson_Model_19

とりあえず上巻分はここで終わりです。

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2007年7月22日 (日)

極大射程(3)

その3です。

「ホローチップ弾」(hollowtip) ・・・上p37
http://en.wikipedia.org/wiki/Hollow_point_bullet

「スタイロフォーム」(Styrofoam) ・・・上p37
http://en.wikipedia.org/wiki/Styrofoam
http://www.dowkakoh.co.jp/Styrofoam%20Product/styrofoam-top.htm

「ウィンチェスター・シュプリーム」(Winchester Supreme) ・・・上p37
http://www.winchester.com/products/catalog/rifle.aspx

「フェデラル・プレミアム」(Federal Premium) ・・・上p37
http://www.federalpremium.com/default.asp?br=1

「レミントン・エクステンディッド・レンジ」(Remington Extended Range) ・・・上p37
??(未確認)

「レークシティ・マッチM852」(Lake City Match M852) ・・・上p59
http://www.dtic.mil/ndia/2003smallarms/beck.ppt スライド4枚目

「“一時溶接”」(spot-weld) ・・・上p78
短時間であることを意味する「一時」と半永久的な状態である「溶接」の組み合わせがどうも釈然としません。一般に使用されている「スポット溶接(点溶接)」の方が、状況が把握しやすいように思われます。
<http://ja.wikipedia.org/wiki/スポット溶接>
p76に記載された射撃姿勢(座射)の場合であれば、ライフルと砂袋の接触点、ライフルの床尾と肩の接触点などの各接触点が、スポット溶接されたように堅固に固定されているので、射撃姿勢が安定することを意味しているように思われます。

(2007/12/19追加):溶接用語として「一時的溶接」という用語はあるようですが、あくまでも、時間を規定するものであって、位置を規定するものではない思われます。(外部リンク:http://w.jisw.com/01260/

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2007年7月14日 (土)

極大射程(2)

続きです。

「ロック・チャッカー」(Rock Chucker) ・・・上p30
http://www.midwayusa.com/eproductpage.exe/showproduct?saleitemid=513567

「ディロン・リローダー」(Dillon) ・・・上p30
http://dillonprecision.com/default.cfm?

「シューターズ・チョイス」(Shooter’s Choice) ・・・上p31
http://www.shooterschoice.com/

「ガンズ&アモ」(Guns & Ammo) ・・・上p31
http://www.gunsandammomag.com/

「シューティング・タイムズ」(Shooting Times) ・・・上p31
http://www.shootingtimes.com/

「アメリカン・ライフルマン」(The American Rifleman) ・・・上p31
http://www.nrapublications.org/TAR/index.asp

「アキュラシー・シューティング」(Accuracy Shooting) ・・・上p31
??(未確認)

「ショットガン・ニュース」(The Shotgun News) ・・・上p31
これか??   http://www.shotgunnews.com/

「ライフル」(Rifle) ・・・上p31
これか?? http://www.riflemagazine.com/magazine/index.cfm?magid=268

「コルト.45口径シリーズ70」(Series ’70 Colt .45) ・・・上p31
http://www.sightm1911.com/lib/history/s70_colts.htm

今日はここまで。

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