DVB-T+DAB+FMチューナと中華Pad Klu LT4304で1090MHz微弱信号発生
FLEAZ F5の自作ネックストラップアンテナ(エアバンド用)でADS-B信号も受信できるかもしれないと甘く考えていましたが、さすがに波長が違いすぎるので一寸難しい感じです。
遠距離受信を狙う訳ではなくて、巡航中の機内で自機(搭乗機)のADS-B信号を受信するつもりなので、かなり感度が悪くても受信できそうな気がします。
そうは言っても簡単にはアンテナ感度の実験できません。
空から降ってくる信号は弱いし、いつ降ってくるかわかりません。
1090MHzのSSGがあればアンテナ感度の実験ができそうですが、そんな洒落たものは当然手元にはありません。
以前、DVB-T+DAB+FMチューナ(RTL-SDRチューナ)で微弱信号を送信できるという記事を見かけて、以下の組み合わせで一寸実験したことがあります。
漏洩局発信号送信用受信機
アンテナ:付属ホイップ
チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)-無改造
Androidタブレット:Nexus 7
SDRアプリ:SDR Touch(v2.3)
選局モード:オートスキャン(268.930MHz/268.932MHz)擬似FSK
漏洩局発信号受信用受信機
チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
Androidタブレット:Hyundai T7
SDRアプリ:RF Analyzer(v1.12)
復調モード:USB(Upper Side Band)
前回の実験では送信用のAndroidタブレットとしてNexus 7を使ったのですが、充電はUSB経由なのでOTGでチューナが動作している間は充電ができず、連続使用が困難です。
充電しながらOTG可能というUSBケーブルを買ってみたこともありますが、うまくいきませんでした。
充電専用端子があってSDRが動作する手持ちのAndroidタブレットを探してみたら、4.3インチのCurtis Klu LT4304 (V4.0.4)がありました。
購入したLT4304はタッチパネルの動作が一寸変で、勝手にタップされる「空タップ」が結構頻繁に発生するため、お蔵入りになっていました。
信号発生用であれば、操作することはあまりないので、「空タップ」はあまり問題にならならないであろうということで、 LT4304を1090MHz微弱信号発生器として使うことにしました。
信号発生器といってもハードウエアを改造したり、専用のアプリを使用したり訳ではなく、Android用のSDRアプリである"SDR Touch"を使用し、受信周波数と受信モードを設定するだけです。
チューナDVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)の場合には、RF周波数(受信周波数)をfRF、IF周波数をfIF(=3.57MHz)、VCO周波数をfVCO、VCO出力の分周比をN(=4)、ヘテロダインは上側とすると、分周前のVCO信号を利用して1090MHzの信号を発生させる場合には、受信周波数は以下のようになります。
なお、分周比Nは使用周波数によって変わる可能性があります。
fRF=fVCO/N-fIF =1090MHz/4-3.57MHz=268.93MHz
具体的には以下のような条件で動作させました。
漏洩局発信号送信用受信機
アンテナ:自作λ/4グランドプレーン(GP)アンテナ・・・(送信用ではなく放熱用)
チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)-無改造
Androidタブレット:Curtis Klu LT4304 (V4.0.4)
SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
選局モード:オートスキャン(268.930MHz/268.940MHz)擬似FSK
復調モード:(任意)
電源:LT4304は常時充電状態。:DVB-T+DAB+FMチューナは外部電源供給型USBハブ経由でLT4304に接続。
なお、周波数が固定であると、スプリアスや外部信号と区別しにくいので、二つの周波数を一定周期で交互に切り替えました。
漏洩局発信号受信用受信機
アンテナ:自作ネックストラップアンテナ(約55cmのビニール被覆電線)
チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
Androidスマホ:Covia FLEAZ F5 CP-F50aK
SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
選局モード:周波数固定(1090MHz付近)
復調モード:CW(Continuous Wave)
【ネックストラップアンテナの受信実験の様子】
1m程度まではどうにかスペクトルのピークが見えますが、2mを超えるとビート音のみが聞こえるようになり、3mを超えるとスピーカに耳を近づけてノイズの中に微かにビート音が聞こえる程度になります。5mを超えると認知できませんでした。
もともと漏洩しては困る信号を無理やり受信しているので、こんなものかもしれません。
チューナのごく近くでしか受信できないと予想していたので、3mでも受信できるのは一寸意外でした。
この程度受信できるのであれば、機内で使えるかもしれません。
DVB-T+DAB+FMに付属している簡易アンテナは、結構ADS-B信号を拾ってくれるので、このアンテナと比較してみました。
簡易アンテナでは、1.5mでもスペクトルが確認できましたが、ネックストラップアンテナでは判別できませんでした。簡易アンテナは1090MHzに同調している訳ではありませんが、600MHz程度に共振しているようなので、120MHzに比べるとかなり条件が良いのかもしれません。
【チューナ付属簡易アンテナ(0m)】
【チューナ付属簡易アンテナ(1.5m)】
【ネックストラップアンテナ(0m)】
【ネックストラップアンテナ(1.5m)】
なお、外部パワーUSBハブを使用したので、SDR動作中でも充電できました。
【充電しながらSDR】
【参考外部リンク】
OH2FTG Labs
RTL-SDR Transmitter experiments
https://sites.google.com/site/oh2ftg/home/rtl-sdr-transmitter-experiments
Published on Jul 6, 2014
RTL-SDR Transmitting on 1270MHz
https://www.youtube.com/watch?v=fYGxHZKUrZM
July 9, 2014
RTL-SDR Transmitting at 1270 MHz
http://www.rtl-sdr.com/rtl-sdr-transmitting-1270-mhz/
July 10, 2014
Update to the RTL-SDR Transmitting at 1270 MHz
http://www.rtl-sdr.com/update-rtl-sdr-transmitting-1270-mhz/
【関連内部リンク】
2015年3月21日 (土)
ADS-B(1090MHz)用簡易テスト信号発生器を検討中
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/ads-b1090mhz-63.html
2015年3月22日 (日)
DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/dvb-tdabfm1090m.html
2015年3月28日 (土)
DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(VCO Ver.)
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/dvb-tdabfm109-1.html
2015年4月 3日 (金)
DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(FSK Ver.)
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/dvb-tdabfm1090m.html
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