2015年11月29日 (日)

DVB-T+DAB+FMチューナと中華Pad Klu LT4304で1090MHz微弱信号発生

  FLEAZ F5の自作ネックストラップアンテナ(エアバンド用)でADS-B信号も受信できるかもしれないと甘く考えていましたが、さすがに波長が違いすぎるので一寸難しい感じです。
 遠距離受信を狙う訳ではなくて、巡航中の機内で自機(搭乗機)のADS-B信号を受信するつもりなので、かなり感度が悪くても受信できそうな気がします。
 そうは言っても簡単にはアンテナ感度の実験できません。
 空から降ってくる信号は弱いし、いつ降ってくるかわかりません。
 1090MHzのSSGがあればアンテナ感度の実験ができそうですが、そんな洒落たものは当然手元にはありません。
 
 以前、DVB-T+DAB+FMチューナ(RTL-SDRチューナ)で微弱信号を送信できるという記事を見かけて、以下の組み合わせで一寸実験したことがあります。

 漏洩局発信号送信用受信機
  アンテナ:付属ホイップ
   チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)-無改造
  Androidタブレット:Nexus 7
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.3)
  選局モード:オートスキャン(268.930MHz/268.932MHz)擬似FSK

 漏洩局発信号受信用受信機
  チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidタブレット:Hyundai T7
   SDRアプリ:RF Analyzer(v1.12)
   復調モード:USB(Upper Side Band)

 前回の実験では送信用のAndroidタブレットとしてNexus 7を使ったのですが、充電はUSB経由なのでOTGでチューナが動作している間は充電ができず、連続使用が困難です。
  充電しながらOTG可能というUSBケーブルを買ってみたこともありますが、うまくいきませんでした。

 充電専用端子があってSDRが動作する手持ちのAndroidタブレットを探してみたら、4.3インチのCurtis Klu LT4304 (V4.0.4)がありました。
 購入したLT4304はタッチパネルの動作が一寸変で、勝手にタップされる「空タップ」が結構頻繁に発生するため、お蔵入りになっていました。
 信号発生用であれば、操作することはあまりないので、「空タップ」はあまり問題にならならないであろうということで、 LT4304を1090MHz微弱信号発生器として使うことにしました。

 信号発生器といってもハードウエアを改造したり、専用のアプリを使用したり訳ではなく、Android用のSDRアプリである"SDR Touch"を使用し、受信周波数と受信モードを設定するだけです。

  チューナDVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)の場合には、RF周波数(受信周波数)をfRF、IF周波数をfIF(=3.57MHz)、VCO周波数をfVCO、VCO出力の分周比をN(=4)、ヘテロダインは上側とすると、分周前のVCO信号を利用して1090MHzの信号を発生させる場合には、受信周波数は以下のようになります。
 なお、分周比Nは使用周波数によって変わる可能性があります。

  fRF=fVCO/N-fIF =1090MHz/4-3.57MHz=268.93MHz

  具体的には以下のような条件で動作させました。

 漏洩局発信号送信用受信機
  アンテナ:自作λ/4グランドプレーン(GP)アンテナ・・・(送信用ではなく放熱用)
   チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)-無改造
  Androidタブレット:Curtis Klu LT4304 (V4.0.4)
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
  選局モード:オートスキャン(268.930MHz/268.940MHz)擬似FSK
   復調モード:(任意)
  電源:LT4304は常時充電状態。:DVB-T+DAB+FMチューナは外部電源供給型USBハブ経由でLT4304に接続。

 なお、周波数が固定であると、スプリアスや外部信号と区別しにくいので、二つの周波数を一定周期で交互に切り替えました。
 
 漏洩局発信号受信用受信機
  アンテナ:自作ネックストラップアンテナ(約55cmのビニール被覆電線)
  チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidスマホ:Covia FLEAZ F5 CP-F50aK
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
  選局モード:周波数固定(1090MHz付近)
   復調モード:CW(Continuous Wave)

【ネックストラップアンテナの受信実験の様子】

 1m程度まではどうにかスペクトルのピークが見えますが、2mを超えるとビート音のみが聞こえるようになり、3mを超えるとスピーカに耳を近づけてノイズの中に微かにビート音が聞こえる程度になります。5mを超えると認知できませんでした。
 もともと漏洩しては困る信号を無理やり受信しているので、こんなものかもしれません。
 チューナのごく近くでしか受信できないと予想していたので、3mでも受信できるのは一寸意外でした。
 この程度受信できるのであれば、機内で使えるかもしれません。

 DVB-T+DAB+FMに付属している簡易アンテナは、結構ADS-B信号を拾ってくれるので、このアンテナと比較してみました。
 簡易アンテナでは、1.5mでもスペクトルが確認できましたが、ネックストラップアンテナでは判別できませんでした。簡易アンテナは1090MHzに同調している訳ではありませんが、600MHz程度に共振しているようなので、120MHzに比べるとかなり条件が良いのかもしれません。

【チューナ付属簡易アンテナ(0m)】
0m

【チューナ付属簡易アンテナ(1.5m)】
15m

【ネックストラップアンテナ(0m)】
0m_2

【ネックストラップアンテナ(1.5m)】
15m_2



 なお、外部パワーUSBハブを使用したので、SDR動作中でも充電できました。

【充電しながらSDR】
Sdr_1

Sdr_2

Sdr_3



【参考外部リンク】
 OH2FTG Labs
 RTL-SDR Transmitter experiments
 https://sites.google.com/site/oh2ftg/home/rtl-sdr-transmitter-experiments

 Published on Jul 6, 2014
 RTL-SDR Transmitting on 1270MHz
 https://www.youtube.com/watch?v=fYGxHZKUrZM

 July 9, 2014
 RTL-SDR Transmitting at 1270 MHz
 http://www.rtl-sdr.com/rtl-sdr-transmitting-1270-mhz/

 July 10, 2014
 Update to the RTL-SDR Transmitting at 1270 MHz
 http://www.rtl-sdr.com/update-rtl-sdr-transmitting-1270-mhz/

【関連内部リンク】
 2015年3月21日 (土)
 ADS-B(1090MHz)用簡易テスト信号発生器を検討中
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/ads-b1090mhz-63.html

 2015年3月22日 (日)
 DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/dvb-tdabfm1090m.html

 2015年3月28日 (土)
 DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(VCO Ver.)
 http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/03/dvb-tdabfm109-1.html

2015年4月 3日 (金)
DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(FSK Ver.)
http://kenshi.air-nifty.com/ks_memorandom/2015/04/dvb-tdabfm1090m.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年6月25日 (火)

"SDR Touch"でポケッタブルFMラジオ(DT305+LT4304)

 4.3インチの中華Pad(Curtis Klu LT4304)とワンセグチューナ(DS-DT305)と"SDR Touch"の組み合わせで、小型のタブレットで広帯域オールモード受信機として一応使用できるようになりました。
 外部アンテナ(2Fベランダの1.5mホイップ)を使用すればどうにか東京のFM放送が受信できます。
 これで簡単に持ち運びができるようになったのですが、自宅の環境ではチューナ付属のロッドアンテナでは全く実用になりません。
 東京タワーが見える場所まで行けば受信できるであろうということで、都内まで出かけました。
 JRの駅では浜松町が最も近いと思われたので駅のフラットフォームで適当な場所を探してみましたが、アンテナはよくみえません。駅を出れば良く見えると思われますが、落ち着いて撮影できるような環境ではありません。
 隣の田町駅でも確認してみましたが、ここも構内からはアンテナはよくみえません。
 仕方がないので、三田口の2Fのペデストリアンデッキに出ると東京タワーの上部が見えます。

  田町駅 駅構内図
  http://www.jreast.co.jp/estation/stations/976.html

 ここならとりあえず落ち着いて撮影できそうだということで、受信テストを行なってみました。
 タブレットを手摺の上においてアンテナを伸ばした状態で受信してみました。
 東京タワーのFM送信アンテナが見えているので、いくら低感度でも受信できないことはないだろうと思ったのですが、80.0MHzに周波数を設定してもスペクトラムが見えません。
 タブレットを手摺から浮かすとやっと受信できました。
 場所を変えると手摺に載せたままの状態でも受信できましたが、超強力という感じではありませんでした。

【"SDR Touch" Pocketable FM Radio】

 音が悪いのはNFMで復調しているためです。本来ならばWFMで復調すべきですが、周囲の騒音で放送音声が聞こえないので、復調利得が高いNFMを使用しました。
 あまり実用になりそうにもありませんが、チューナ付属のアンテナ、チューナ、4.3インチのタブレットという最小構成のSDRでポケッタブルFMラジオが実現できたという実証実験のようなものです。

 動画の最後の方でエラーが発生して"SDR Touch"が停止しますが、これはバッテリの容量が不足したのか、タッチパネルの誤動作(画面の左上が勝手にタッチ状態になっている)なのかよくわかりません。
 なお、チューナを接続するとLT4304の内蔵バッテリでは100%充電状態でも20分位しか持ちません。

使用環境
  場所:JR田町駅三田口 2Fデッキ 
 アンテナ:チューナ付属ロッドアンテナ(21cm)
 ワンセグチューナ:ZOX DS-DT305(FC0012+RTL2832U) ISDB-T対応
 Android端末:4.3インチ Curtis Klu LT4304 (V4.0.4)
  SDRアプリ:SDR Touch v.1.5(PRO KEY)
  ドライバ:RTL2832U driver

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月19日 (日)

SDR Touchの周波数オフセット機能を使ってみました

 SDR Touch+LT4304+DT305の組み合わせでエアバンドを受信していると、カーソルの周波数と実際の周波数が少しずれているような感じがします。
 SDR TouchにはOffsetというボタンがあるので、これを使って周波数の較正もどきをしてみました。
 手もとに基準信号として使用できるような信用できる高周波信号源はないので、手抜きでアマチュア無線用の144/430MHzトランシーバ C501(無線局免許状に記載のもの)を使いました。
  大昔に50MHzの終段2E26入力10Wの送信機用に自作したダミーロードもどきをC501に接続して434.00MHzで送信してみました。
 周波数確度は不明ですが、無いよりはましということで・・・・

【C501→SMA→BNC→M→160Ω/3】
C501_with_dummy_load_2

【カーソル位置の周波数が434.015MHzになっていたので・・】
Sdr_touch_frequency_offset_before

【オフセット値として-0.015MHzを入力したら・・】
Sdr_touch_frequency_offset_0015mhz

【カーソル位置の周波数が434.000MHzになりました】
Sdr_touch_frequency_offset_after

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月18日 (土)

Curtis Klu LT4304 タッチスクリーン・テスト

 先日購入したCurtis Klu LT4304 のタッチスクリーンの動作が一寸変です。

 ・個体差なのかもしれませんが、勝手に画面左上の隅をタッチしたり、指を離してもタッチした状態のままになることがあります。
 いつもという訳ではありませんが、USB使用時の発生が多いような気がします。

 ・大きな誤差ではありませんが、横置き画面の右下では検出位置が若干左上にずれています。
 どこかでキャリブレーションができるといいのですが・・・・。
Klu_lt4304_touch_screen_test_1

Klu_lt4304_touch_screen_test_2

 ・横置き画面の右下隅のタッチが非常に検出されにくいです。

 なお、パネルは保護フィルムなしで使っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月14日 (火)

4.3インチ中華Pad(Curtis Klu LT4304)にSDR Touchを入れてみました

 現在、7インチの中華パッドUZONE Q7にAndroid用SDRアプリのSDR Touchを入れて使っていますが、常時持って歩くのには一寸荷物になります。
 ということで、5インチ以下でSDR Touchが動作するようなタブレット(Android 4.0以上、OTG機能あり)を探してみました。。
 条件に合うモデルは非常に少なくて、LT4304とS5110くらいしか見つけるとが出来ませんでした。
 S5110はPSP/Vita風のゲーム用タブレットで、一寸人前で使用するのは気が引けるので却下です。
 ということでLT4304を買うことにしました。価格が4980円と安いのも都合がいいです。

【Curtis Klu LT4304】
1klu_tl4304_box

2klu_tl4304_contemts


【Manufactured by Curtis Intrernational Ltd】
3manufactured_by_curtis_intrernat_2

【OS】
4klu_lt4304_os_androir_404

【CPU】
5klu_lt4304_cpu

【主画面】
6sdr_touch_icon

【SDR Touch画面】
7wfm_825mhz

*

 SDR Touchは正常に動作しましたが、4.3インチのタブレットのバッテリで消費電力0.8Wのワンセグチューナを動作させるのはかなり無理があるようです。
 満充電の時はどうにか動作しますが、80%を切ると停止することが多いです。
 セルフパワーのUSBハブを介してチューナを接続した場合には問題ありません。
 ただし、場合によってはチューナが認識されない場合があるようです。
 あと、画面が小さいためかスケルチのボタンが表示されないので都合が悪いです。スクロールで表示することができました。

 なお、使用環境は以下の通りです。
 アンテナ:2Fベランダの1.5mホイップ
  VHF/UHFプリアンプ:M-75
 ワンセグチューナ:ZOX DS-DT305(FC0012+RTL2832U) ISDB-T対応
 Android端末:Curtis Klu LT4304 (V4.0.4)
  SDRアプリ:SDR Touch v.1.4(PRO KEY)
  ドライバ:RTL2832U driver

【Curtis Klu LT4304(4.3") v.s. UZONE Q7(7")】
8klu_lt4304_and_uzone_q7

 
【参考外部リンク】
LT4304
http://www.curtisint.com/web/browser.asp?productID=LT4304&catName=TABLET
http://www.curtisint.com/products/Images/SpecSheets/LT4304.pdf

4,980円の静電式Android端末が販売中、4.3インチ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20130424_597400.html

今週見つけた新製品 CURTIS LT4304
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20130427/ni_clt4304.html

LT4304(4.3インチAndroid端末)
http://www.ark-pc.co.jp/i/33000070/

Klu LT4304 4.3 Inch Tablet PC RK2906 Android 4.0 4GB Camera Black
http://www.ipromarket.com/klu-lt4304-43-inch-tablet-pc-rk2906-android-40-4gb-camera-black_p3884.html
"3G :Not built in, support external 3G dongle: E1916, ZTE AC2736, HUAWEI E1750, HUAWEI EC122, HUAWEI EM770W"
(3Gドングルがつながるかも・・・)

| | コメント (0) | トラックバック (0)