2016年9月22日 (木)

Hyundai T7が再起動ループに陥ったのでファームウエアを書き換えました

  SDR受信用のタブレットとしては、主にHyundai T7を使っています。
 充電端子とUSB端子が独立しており、SDRを常時受信状態にしておけるので便利です。

 先日、一寸調子が悪かったので再起動をかけたところ、再起動を無限に繰り返す症状が発生しました。
 いわゆる「再起動ループ」に嵌ったようです。
 電源ボタンの長押し、リセットスイッチ、複数ボタンの同時押しなど色々やってみましたが、電源を切ることができません。
 ACアダプタの充電コードを接続している状態では、何時間でも再起動ループが続きます。
 このままだと手の出しようがないので、充電コードを抜いて完全に放電するまで待つことにしました。

 完全放電後に充電するために再度充電コードを接続してみると、本来は充電ランプが赤(充電中:写真右)になるはずなのに緑(充電完了:写真左)になっています。

【充電開始直後の充電ランプ】
1t7usbt7


 右は初代T7(スピーカ修理済、USB端子脱落)、左は2代目T7(スピーカ故障中、今回再起動ループ)です。

 しばらく充電して、Vol-Downを押しながら電源をONしてみましたが、症状は変わりませんでした。

 ネットで調べてみると、バッテリの劣化が再起動ループの原因になることがあるようです。
 対策としては、バッテリ交換の例が多いようですが、ファームウエア書き換えで解決したという例もあるようです。
 現時点では、①バッテリ交換、②ファームウエア書き換えが候補ですが、どちらも結構敷居が高そうです。

 ①の場合は新しいバッテリをどこから入手すればよいか? 簡単にバッテリを交換できるのか? という問題があります。
 Hyundai T7のバッテリの仕様を調べて見ると、3.7V/3300mAhのLi-polymerのようです。

  現代T7
  http://baike.baidu.com/view/10181119.htm

 少し容量は少ないですが、単品で購入することも不可能ではないようです。

  3000mAh Battery for HYUNDAI T7 White(S-WMC-1702W)
  http://www.amazon.in/3000mAh-Battery-HYUNDAI-White-S-WMC-1702W/dp/B014RUE2GQ

 別の手として初代のHyundai T7のバッテリを流用することが考えられます。
 USB端子が脱落してSDR用チューナを接続することができなくなったので、現在はほぼ放置状態ですが、2代目よりはバッテリの劣化は少ないような感じがします。
 2代目は365日24時間連続通電で使用していましたが、初代はUSB端子脱落後は殆ど充電していないので、積算通電時間は初代の方が短いかもしれません。
 次の問題は、簡単にバッテリを交換できるのかということです。
 バッテリが単品で売られているということは、交換が可能ということだと思いますが、難易度が判りません。
  ネットでHyundai T7のバッテリを交換した例を調べてみましたが、よく判りませんでした。

  ②の場合は、ファームウエアをどこから入手するかということと、簡単にインストールできるのかということが問題です。
 別のメーカーのタブレットですが、昔は中国のサイトからファームウエアと一緒に専用のツールをダウンロードして、結構面倒な作業をした記憶があります。

 ①は手先の器用さが必要ですが、②は必要な情報を得ることができれば、基本的にキーボードとマウスで処理できそうです。
  結局、なんとなく②ファームウエア書き換えの方が楽そうだったので、こちらを選択しました。
 まず、ファームウエアを探す必要がありますが、本家(中国)にはアクセスできないようだし、発売から時間が経過しているので、関係しそうなネット情報もリンクが切れているものが多いです。
 色々調べてみると、参考になりそうな情報がありました。

  SlateDroid.com → Cortex A9 → Exynos 4412 Quad Core CPU Devices→ Hyundai T7 (S)

   [Firmware-Pre-Rooted] Hyundai T7 Android 4.2.2
   Started by  epok04 , Jun 09 2013 09:51 AM
   http://www.slatedroid.com/topic/77265-firmware-pre-rooted-hyundai-t7-android-422/

 この種のデータは危険がつきものですが、基本的にはスタンドアロンでSDR専用に利用するタブレットが対象なので、万一の場合でも被害は大きくならないであろうということで、ダウンロード&インストールしてみました。
 ダウンロードしたのは以下のファイルです。
 
  File Name : HYUNDAI_T7_ Android_4.2.2(20130607)_prerooted_by_epok04.zip
  Date : 09/06/2013
  Size : 241.12 MB

 インストールの手順は非常に簡単でした。
 PCはThinkPad X230(windows 7)を使用しました。

(1)ファームウエアのzipファイルをPCにダウンロード。
(2)zipファイルを展開。
【展開後のファイル】
Photo

(3)展開後のファイルをマイクロSDにコピー。
(4)Hyundai T7の電源を切った状態にする。
  電源ボタンでオフできない場合は、リセットスイッチを10秒以上押し続ける。
  リセットスイッチの先端はかなり細いので、細いピン(先端を伸ばしたゼムピン等)の先端をリセット孔から挿入し、ピンの角度を少しづつ変えながら、注意深くスイッチの先端を探して押す必要があります。
【赤印がリセット孔】
Hyundai_t7_reset_hole

(5)マイクロSDをHyundai T7のメモリスロットに挿入。
(6)Vol-Downボタンを押しながら電源ボタンを押す。
(7)アップグレード処理が開始され、何か文字が表示されるので、しばらく待つ。
【Exynos4 upgrade Android 4.2 V0.1】
Exynos4_upgrade_android_42_v01

(7)処理が終わると電源が切れる(画面が暗くなる)ので、今度は普通に電源を入れる。

 あっけない位簡単にAndroid 4.2.2(ルート化済み)になりました。

【タブレット情報】
6

 GPSも普通に使えました。

  電源ボタンも正常に機能します。

  ネット情報では、このファームウエアはあまり良くないという話もありますが、とりあえずこれでやっと再起動ループから抜け出すことができたので、これで良しとします。 

 但し、かなりバッテリが劣化しているようで、充電の表示が100%でも、充電コードを抜くと20分程度で動作が停止します。
【100%】
7battery_mix_100

【1%】
8battery_mix_1


 100%の初期状態で「0%まで:17分」というのは一寸変ですが、ある意味では正確といえるのかもしれません。

【充電中】
9battery_mix_charging

 充電する場合も、充電コードを挿すとすぐに充電完了の緑ランプが点灯し、数分で99%になります。

 移動で使う可能性は少ないので、とりあえずこのままで使ってみます。
 バッテリが交換できればいいのですが、Li-polymerのようなので、下手に手を出さないほうが安全かもしれません。

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2016年7月18日 (月)

Horyu4のdigi-singerらしき信号を受信しました

 以下の九工大のイベントの記事を見かけたので、関東でも鳳龍四号からの信号を受信できるであろうということで試してみました。

  ♪digi-singer!宇宙からとどく音楽をキャッチ♪
  https://www.sec.kyutech.ac.jp/event/20160718/event20160718-2.html

 500円八木アンテナを使って小学生でも簡単に受信できるとのことなので、受信できなかったら一寸恥です。

 当方も500円八木アンテナ(方位・仰角固定)を使用しました。
 受信機は、DVB-Tチューナ+Hyundai T7+SDR Touchです。

 パスの途中のどこかでドップラーシフトがゼロになるだろうと思って、12時のパスでは437.375MHzに固定したままにしていたら、受信周波数が上側にずれていたようで、スペクトルは見えましたが音は出ませんでした。
 14時のパスではスペクトルを探しながら信号を追いかけたので、どうにかdigi-singerらしき信号が受信できました。

【Horyu4 digi-singer(部分)】

  最後の数秒しか受信できませんでしたが、「ツァラトゥストラはかく語りき」(Also sprach Zarathustra)でしょうか?

Also Sprach Zarathustra, Brass Quintet Arrangement

Also_sprach_zarathustra
 
  赤枠の部分が聞こえたような気が・・・



  SDR Touchでの手動微調は中々難しいです。
 自動ドップラ補正機能があるといいのですが・・・

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2016年4月15日 (金)

スマホ(FLEAZ F5)のGPSで見た国際日付変更線通過

たまには命の洗濯が必要ということで、ハワイ(ホノルル)に行ってきました。

 昔は機内での受信機の使用は禁止だったのですが、現在ではかなりの割合の航空会社や機材で受信機が使用可能となっています。

  電子機器の使用制限緩和概要(区分一の航空機内のケース)
  http://www.mlit.go.jp/common/001050247.pdf

 なお、緩和後も国内航空会社よりも海外の航空会社の方が制限が多いようです。

 飛行中は暇なので、GPSで自機位置を確認したり、SDR(ADS-B)で近くの航空機の位置を確認して暇つぶしをしています。
 
 多くの航空会社では受信機の使用が許されているのですが、禁止の航空会社もいくつかあります。
 たとえば、大韓航空では受信機の使用が禁止されています。

  03 March 2014
  Korean Air to Allow PED Use For Whole Flight Duration
  http://www.cits.com.hk/images/news/pdf/Korean%20Air_March%202014.pdf

  前回のホノルル行きのツアーのときに、GPSで国際日付変更線通過の様子を記録しようと思ったのですが、残念ながら指定された航空会社が大韓航空でした。

 今回のツアーの航空会社はチャイナエアライン(中華航空)だったので、受信機の使用が可能かどうか調べてみました。

  電気電子機器のご使用について  
  https://www.china-airlines.co.jp/service/safety.html
  電気電子機器のご使用について
  http://www.china-airlines.com/jp/svcs/97522e7c-b24a-457e-a2ce-6394d28c3638.html#
 (注:ネットワー/PC環境によってはページが表示されない場合があるようです)

  Electronic Devices Handling Principles
  http://www.china-airlines.com/en/check/check_notice.htm

  Usage of Portable Electronic Devices Regulations
  Inflight Safety
  Customer ServicesPassenger NoticeInflight SafetyUsage of Portable Electronic Devices Regulations
  http://www.china-airlines.com/en/svcs/0d8efd35-85a2-43b9-bfd5-f245238c7520.html
  http://www.china-airlines.com/ch/images/150902.PNG

 これによれば、機内での受信機の使用はOKのようです。

 機内で電子機器を使用する場合は、シート電源があると便利なので調べて見ました。
 利用便はCI018です。
 FlyTeamで調べてみると、機材はA330-300のようです。

  FlyTeam
  トップ〉航空路線〉チャイナエアライン〉CI018便
  http://flyteam.jp/flightnumber/CI018

 チャイナエアのA330-300のエコノミークラスの説明を見てみました。

  Airbus A330-300 Economy Class
  https://www.china-airlines.com/us/en/discover/fly-experience/airbus-a330-300##EconomyClass

  "110V power outlets available in certain seating areas for the convenience of a mobile office."と書いてあるので、運が良ければ利用できるかもしれません。
 "certain seating areas"がどこなのか調べてみようとしましたが、よく分かりませんでした。

  China Airlines
  Airbus A330-300(C/Y) flight Seat map
  https://www.china-airlines.com/us/en/Images/A333-Lopa_1_tcm42-8812.jpg

  SEATGURU
  Airlines >China Airlines >Planes & Seat Maps >Airbus A330-300 (333) V1
  http://www.seatguru.com/airlines/China_Airlines/China_Airlines_Airbus_A330-300.php?flightno=18&date=

 以下、成田→ホノルル間の話です。

【GATE 71 CI018(NRT-HNL)】
Cimg5002_g71


 定刻にゲートを離れたのですが、長いタキシングと長い離陸指示待ちのために、実際に離陸したのは20分程度後でした。

 事前の情報では、シート電源を利用できる可能性は非常に低いような感じですが、もしかしたらどこかにソケットが埋めてあるのではないかと、淡い希望を持ってシートを調べてみました。
 ざっと見た感じでは、前のシートの背の部分にも、アームレストにもそれらしいものは見当たりません。
 アームレストにはよく見かける2穴式のイヤホンジャックが見えます。
 電装品はまとめて配置されていることが多いので、何かないかと思ってアームレストを引き起こしてみると、スライドカバーがついたジャックのようなものが見えます。
 スライドカバーを開けてみると、電話のジャックのようなものが見えます。RJ11でしょうか? RJ45であればもっと横長のような気がします。

【アームレストの謎のジャック(RJ11?)】
Cimg5044_armrest_jack_1Cimg5044_armrest_jack_2

 メンテナンス用でしょうか? あるいは、モデムが接続できる?
 いずれにしても電源とは関係ないようです。

 残念ながら、利用シートは"certain seating areas"ではなかったようです。
  CI18便のA330-300を利用された他の方のブログを見ても電源はなかったようです。

 シート電源は利用できないようですが、受信機は利用できそうなので、機内に持ち込んだいくつかの受信機(GPS, SDR)を使ってみました、

[GPS関連]
 GPSロガー(Holux m-241)、スマホ(Covia FLEAZ F5 CP-F50aK)、中華Pad(Hyundai T7)で座標データを記録してみました。
 m-241は全航路記録用に使用し、FLEAZ F5は国際日付変更線通過記録用に使用し、Hyundai T7は対地速度表示用に使用しました。
 記録結果は以下の通りです。

【NRT-HNL GPSログ (m-241)】
成田空港(タキシング)
Nrt

飛行航路
Nrthnl

ルートラボ
gate-to-gate GPS Log(NRT-HNL,CI018)


ホノルル空港(タキシング)
Hnl


 成田空港のゲートからホノルル空港のゲートまでシームレスで記録してみました。
 成田空港とホノルル空港の地図は同じ縮尺です。
  成田は定刻出発でも離陸するまでに時間がかかる・・・・

【日付変更線通過(FLEAZ F5)】

Crossing the International Date Line (NRT→HNL)
China Airlines CI018
Covia FLEAZ F5 CP-F50aK)
GPS TEST

 経度がEからWに変化しています。
 「だからどうした」と言われそうですが・・・
 経度が1秒(角度)変化するのに要する秒数を確認し、通過時刻を予想して撮影の準備をしましたが、少し目を離している間に通過直前の状態になったので、慌てて撮影しました。

【対地速度(Hyundai T7)】
Ground Speed (CI018,NRT-HNL,A330-300)

【対地速度(m-241)】
Cimg5023_holux_m241


 個人モニタを見れば分かる情報なので、わざわざ自分で測定する意味があるのかと言われそうです。

  昔使っていたGarmin eTrex Legend はあまり感度がよくなくて、常に窓に押し付けて必要があったのですが、最近のGPSは感度がいいので、シートポケットの中やテーブルの上でも測位できます。

[ADS-B関連]
  自機および周辺機体からのADS-B信号を受信できるのではないかと思って、巡航中の機内で試してみました。

 受信環境は以下の通りです。

  アンテナ:430MHzベースローディング・ホイップ
  チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T)
   タブレット:Hyundai T7(rooted)
    ADS-Bデコード/表示アプリ:Avare ADSB Pro

 残念ながら、受信できませんでした。
 出発ゲート付近では他機の信号は受信できたので、受信機に問題はないと思いますが、搭乗機はADS-Bに非対応だったのでしょうか?

 上記の一寸オタクっぽい作業で少しは時間がつぶれましたが、やっぱりハワイは遠いです。

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2016年2月27日 (土)

HORYU-IVらしき信号を500円八木アンテナとSDR Touchで受信

 衛星のパスを確認するだけで面白くないので実際に受信してみたいのですが、受信環境が貧弱なので今までの経験から考えて衛星の仰角がかなり高くないと受信の可能性が低いような感じです。
 CALSAT32で今日のHORYU-IVのパスを確認してみたら、12:40頃に仰角が40度程度になるようです。

【CALSAT32(HORYU-IV)】
Calsat32horyuiv

 今更ではありますが、CWビーコン(437.375MHz)を受信してみました。

  受信環境は以下の通りです。

  アンテナ:500円八木アンテナ(6エレ)
  アンテナ方向:2Fベランダ南向き固定、仰角約40度固定
   チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidタブレット:Hyundai T7
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
  選局モード:Auto Scan
    走査範囲:437.380~437.370MHz
    選局ステップ:1kHz
   復調モード:CW

【500円八木アンテナ】
500


【[左]EeePC 1005HA+CALSAT32 、[右]DVB-T-tuner+Hyunda T7+SDR Touch】
Eeepc_1005hacalsat32_dvbttunerhyund


 自分の部屋は北側なので、南側のべランダに面した和室に受信機を移動させて受信しました。

 タブレットのタッチパネルで連続的に周波数を動かして選局するのは非常に困難です。
  RTLチューナドングルを利用したSDRの場合には受信周波数の精度があまり高くないし、衛星特有のドップラシフトもあるので、437.375MHzを中心にして+/-5kHzの範囲で自動スキャンさせました。
 ビート音が聞こえたら自動スキャンを止めて、手動スキャンに切り替えて信号を追いかけるという方法でビーコンを受信しましたが、結構難しいです。

 437.375MHz付近で断続的に英数字のモールスが聞こえており、聞こえる周波数が徐々に低くなっており、聞こえた時刻がTLEから計算されるパスの時刻と一致しているので、HORYU-IVのビーコン信号の可能性は高いと思われますが、コールサインは確認できませんでした。

【SDR TouchでHORYU-IV(?)を受信】

 今回の受信方法では、ドップラシフトを追いかけながら受信するのはほぼ不可能なので、タブレットで簡単に連続的に周波数を変更できる方法を考える必要がありそうです。

 貧弱な環境で一応HORYU-IVらしき信号が受信できたので、今日のところはこれで良しとしましょう。

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2016年1月21日 (木)

SDR Touchで見たVHF-Low新放送「i-dio」の試験電波(ISDB-Tsb)

 インターネットで以下のようなモニター募集の記事を見かけました。

  VHF-Low新放送「i-dio」のWi-Fiチューナを5万名無料モニター
  車載や高音質チャンネル等。'17年に96kHz放送も
  (2016/1/12 14:15)
  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20160112_738517.html

 ざっと見た範囲では、アナログTVの跡地を使用した「見えるデジタルラジオ」のような感じです。
 車用のチャンネルと音楽用(?)のチャンネルの2チャンネル構成となっているようです。、

 新しいものには(費用が掛からなければ)とりあえず飛びついてみるという性格なので、早速応募しました。
 「5万名のモニター募集」とのことなので、かなり確率は高いような気がしますがどうでしょうか?
  なお、i-dioの公式受信アプリは無事にスマホ(Covia FLEAZ F5 CP-F50aK )にインストールできました。

 以下の資料にはお題目やビジネス絡みのことは色々書いてありますが、使用周波数や放送方式についてはよく判りません。

  i-dio
  http://www.i-dio.jp/

  ニュースリリース
  http://www.i-dio.jp/pdf/news/20160112release.pdf

 関連しそうなリンクをざっと見てみましたが、まだよくわかりません。

 総務省の無線局免許状等情報を見てみたら、東京局の概要は以下のようになっていました。

  無線局免許状等情報
  http://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?pageID=4&IT=A&DFCD=0003863023&DD=1&styleNumber=01

  (以下抜粋)
  免許人の氏名又は名称  株式会社VIP
  無線局の種別  特定以外の地上基幹放送局   
  免許の年月日  平27.12.7 
  無線局の目的  基幹放送用マルチメディア放送
  識別信号 JOLZ-MM3 
  送信所  東京都港区
  演奏所  東京都千代田区
  電波の型式、周波数及び空中線電力 3M90X7W   105.428571MHz  10kW
  最大実効輻射電力   70kW
 
 これでやっと電波の型式と周波数が判りました。
 周波数が105.428571MHzということは、旧アナログTVの3チャンネル付近です。
 電波の型式のほうは3M90X7Wとなっていますがイメージが湧きません。

 電波の型式については電波法施行規則の「(電波の型式の表示)第四条の二」に書いてあります。

  電波法施行規則第4条の2
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000014.html

 下位3桁が電波の型式なので、X7Wは以下の意味になります。

  X:主搬送波の変調の型式・・・その他のもの
  7:主搬送波を変調する信号の性質・・・デイジタル信号である二以上のチヤネルのもの 
  W:伝送情報の型式・・・(前略)組合せのもの 

 この内容だけだと、2チャンネル以上のデジタル信号で主搬送波を変調して各種の情報を送信するということ位しか判りません。

 更に調べてみると、以下の資料には割とシステムやハードウエアに近い話が書いてありました。

  ITUジャーナル Vol. 45 No. 1(2015, 1)
  V-Lowマルチメディア放送の開始に向けて
  https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2015/01/2015_01-09-sl-vlow.pdf

 当方が興味がある部分をピックアップすると以下の通りです。

  使用周波数: 
    99~103.5MHz(東北、東海・北陸、中国・四国)
   103.5~108MHz(北海道、関東・甲信越、近畿、九州・沖縄)
  放送方式:ISDB-Tsb
  送信帯域:4.5MHz(9セグメント)  
  
 かなりイメージが湧いてきました。
 ISDB-Tsbとはどのようなものでしょうか?
  以下のサイトにISDB-Tsb(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial for Sound Broadcasting)についての簡単な説明がありました。

  ISDB-TSB
  2006/07/05
  http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060703/242348/

  この記事にはISDB-TSBについて、以下の記載がありました。

  伝送方式 OFDM
  変調方式
   1セグ:16QAM,QPSK
   3セグ:16QAM,QPSK,DQPSK
   1チャンネルの帯域幅
     1セグメント:432kHz
     3セグメント:1296kHz

 ISDB-TsbはARIB STD-B29,STD-B30等に関係しているようなので、以下の資料も見てみました。
  もっと新しい資料があるかも知れませんが未確認です。

  標準規格の概要及び改定の概要
  http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_hoso/hoso_std-b029.html

  ARIB STD-B29 2.2版
  地上デジタル音声放送の伝送方式
  TRANSMISSION SYSTEM FOR DIGITAL TERRESTRIAL SOUND BROADCASTING
  http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B29v2_2.pdf

 ISDB-TSBは「1個又は3個のOFDMセグメントで伝送帯域を構成する地上デジタル音声放送の放送方式」と定義されています。
 文字だけではよく判りませんが、以下の図面で何となくイメージが湧いてきました。

【図2-1 地上デジタル音声放送の階層伝送及び部分受信のイメージ】
Arib_stdb29_21


  標準規格の概要及び改定の概要
  http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_hoso/hoso_std-b030.html

  ARIB STD-B30 1.4版
  地上デジタル音声放送用受信装置
  RECEIVER FOR DIGITAL TERRESTRIAL SOUND BROADCASTING
  http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B30v1_4.pdf

【図 2-2 ブロック図の例】
Arib_stdb30_22


 ISDB-Tsbの概要が大体判ってきたので、次に実際にi-dioの電波を受信してみることにしました。
  受信するといっても電波が出ていなければ話が始まりません。
 調べてみたら既に東京局の試験電波が発射されているようです。

  Lowマルチメディア放送 試験電波のお知らせ
  http://vip.v-low.jp/denpa/

  東京局試験電波発射を開始いたしました
  2015/10/05
  http://vip.v-low.jp/info/denpa_news/38/

 以下の環境で受信してみました。

  アンテナ:2Fベランダの1.5m長ホイップ
   チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidタブレット:Hyundai T7
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
  選局モード:Auto Scan
    走査範囲:102.0~109.0MHz
    選局ステップ:200kHz
   復調モード:AM

  放送帯域は4.5MHzですが、SDR Touchの表示帯域は2MHzなので、周波数を順次切り替えながら受信しました。

【SDR Touchで見た「i-dio」の試験電波のスペクトラム】

【スペクトラム下端】
103mhz

【スペクトラム上端】
107mhz

 SDR TouchではISDB-Tsbは復調できないので、局IDは確認できませんが、以下の点から判断して「i-dio」の試験電波であるように思われます。

 ・スペクトラムの下端が103.5MHz付近で、上端が108MHz付近であること。
 ・スペクトラムのエッジの波形がOFDM特有の断崖絶壁の形状であること。
 ・AMモードで復調した場合、帯域外ではノイズレベルが低いですが、スペクトラムの山の部分でデジタル放送/通信特有の「ザー」というノイズ音が再生されること。

 どうにか試験電波は受信できましたが、内容が判らないので一寸寂しいです。
 モニターの抽選に当たるのを待っていることにします。

【f蛇足】
  どこかのサイトに、ガラパゴス状態の日本のFM放送周波数割り当てを解消する絶好の機会だったのに・・・と書いてありましたが、確かにそうだったかもしれません。
  FMラジオの新規需要が発生したかも・・・
  マレーシアでお縄を頂戴することもないし・・・(日本バンドのFMラジオは違法

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2015年12月 7日 (月)

在京AM3局ワイドFM本放送開始

 在京AM3局のワイドFMの本放送が始まりました。
 今日(12/7)の朝刊のラジオ欄では、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送にFM補完放送(ワイドFM)の周波数が追加されています。

  TBSラジオ   :90.5 MHz
  文化放送   :91.6 MHz
  ニッポン放送 :93.0 MHz

【朝日新聞朝刊ラジオ欄(2015.12.06)】
20151206

【朝日新聞朝刊ラジオ欄(2015.12.07)】
20151207

 
 「ワイドFM」という呼び方は、通信分野において「ナローFM(NFM)」と対になって使用される「ワイドFM(WFM)」と紛らわしいような気もしますが、普通の人は周波数偏移は関係ないので、たぶん問題ないのでしょう。

  13:00から本放送のようなので、SDR Touchで受信してみました。
  SDR Touchでは、信号を復調しながら2MHz帯域でスペクトラムの表示が可能なので、90.5 MHzと91.6 MHzの搬送波を同時に表示しながら、90.5 MHzの信号を復調しました。

  アンテナ:1.5m長ホイップ
   チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidタブレット:Hyundai T7
   SDRアプリ:SDR Touch(v2.65)
   復調モード:WFM(Wide FM)

【TBSラジオと文化放送のワイドFMスペクトラム】

ワイドFM放送をWFM(ワイドFM)で復調。
やっぱり一寸紛らわしいかも・・・

 13:00以降は変調信号が同じになっています。
Tbs

 スペクトラムを見ると、無変調時に19kHzのパイロットトーン信号が見えているので、ステレオに対応しているようです。
 背景音として聞こえているのは、中波(AM)のTBSラジオです。
 SDR Touchの音はソフトウエアでFMを復調しているので、アナログ復調のAMより若干遅れて聞こえます。

【参考外部リンク】
FM補完中継局 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/FM%E8%A3%9C%E5%AE%8C%E4%B8%AD%E7%B6%99%E5%B1%80

アナログ周波数変調・復調について - サーキットデザイン
http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/modulation/modulation_FM.asp

変調方式と伝送 - 電子情報通信学会知識ベース
http://www.ieice-hbkb.org/files/05/05gun_08hen_02.pdf

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2015年9月 2日 (水)

SDR Touchのプリセット周波数データのExport/Import

  Android用SDRアプリとしては、主にSDR Touchを使っています。
 SDR Touchでは、周波数をプリセットして自動的にスキャンすることが可能であり、またスケルチも使えるので、エアバンドを受信するのに便利です。
 今まではAndroid用端末として7インチのHyundai T7を使っていましたが、先日5インチのSDR用端末としてCovia FLEAZ F5 CP-F50aKを購入したので、これにSDRアプリを新たにインストールしています。

 Android用SDRアプリは数が少ないし、インストールも簡単なので、手間はかからないのですが、SDR Touchのプリセット周波数データを移行するのが一寸面倒な感じがします。
 SDR Touchの場合には、複数のカテゴリを指定することができ、各カテゴリごとに複数の周波数をプリセットすることができます。
 プリセットされた周波数のスキャンは、一つのカテゴリの中で行われます。異なるカテゴリを跨いだスキャンはできないようです。
 現在、Hyundai T7のSDR Touchには17カテゴリを登録してあり、各カテゴリに数チャンネル登録してあります。

【Hyundai T7の登録カテゴリ(抜粋)】
01hyundai_t7sdr_touch

【カテゴリ[ATC-HND]の登録例】
02atchnd

 数チャンネル程度であれば手入力するのが手っ取り早いですが、数十チャンネルになると一寸面倒です。

  SDR Touchのfacebookを見てみると、v2.2からプリセットデータのエクスポートとインポートができるようになっているようなので、これを使ってみることにしました。

  SDR Touch facebook
  2014年12月7日
  https://www.facebook.com/SdrTouch/posts/368699093304084

  New features in v2.2:
  - RDS support (program service name only for now)
  - Improved VFO area UI
  - Fine tuning
  - Export and import of pre-sets
  - Manual audio gain
  - DSP quality and performance improvements
  - Bug fixes

 SDR Touchのカテゴリのメニューを見ていると、下の方に、"Export all","Import all"という項目があり、これを使ってプリセット周波数データの移行が可能なようです。

【SDR Touch Export/Import】(カテゴリ未登録状態)
Sdr_touch_export_all_import_all

 とりあえず、どのようなデータがどこにエクスポートされるのかを確認してみました。

 Export allを選択すると、"Saved/mnt/sdcard/SDRTouchPresets.xml"という表示が出ます。

【プリセット周波数データのエクスポート先(Hyundai T7)】
03hyundai_t7

 どうやらプりセット周波数のデータは、"/mnt/sdcard/SDRTouchPresets"にxmlフォーマットで格納されるようです。
 実際にはどのように格納されているのかを確認してみました。

【PCから見たT7(D) (Hyundai T7)】
04pc_hyundai_t7_2

【SDRTouchPresets.xml の中身(Hyundai T7)】
05sdrtouchpresetsxml_hyundai_t7

 中身は、各チャンネルの周波数や復調モード等のパラメータのリストになっています。

 とりあえず、転送元であるHyundai T7側のプりセット周波数のデータ格納場所とフォーマットは判りました。

 次に、転送先であるFLEAZ F5 CP-F50aK側でエクスポートしてプりセット周波数データの格納場所を調べてみました。

 同じ場所に格納されるのかと思ったら少し違っていました。
 FLEAZ F5の場合には、"Saved/storage/emulated/0/SDRTouchPresets.xml"という表示が出ました。

【プリセット周波数データのエクスポート先(FLEAZ F5)】
06fleaz_f5

【SDRTouchPresets.xmlの格納場所 (FLEAZ F5 CP-F50aK)】
07sdrtouchpresetsxml_fleaz_f5_cpf50

08sdrtouchpresetsxml_fleaz_f5_cpf50

 PCからはFLEAZ F5のSDRTouchPresets.xmlのデータは以下のように見えました。

【PCから見たSDRTouchPresets.xml (FLEAZ F5 CP-F50aK)】
09pcsdrtouchpresetsxml_fleaz_f5_cpf

10pcsdrtouchpresetsxml_fleaz_f5_cpf

  Hyundai T7のプりセット周波数データをFLEAZ F5に転送するためには、 Hyundai T7の"/mnt/sdcard/SDRTouchPresets.xml"のデータでFLEAZ F5の"/storage/emulated/0/SDRTouchPresets.xml"のデータを上書きすればよさそうです。

  Hyundai T7からFLEAZ F5に直接転送できそうな気もしますが、プりセット周波数データをPCに保存しておきたいということと、問題が発生した時に原因の切り分けをしやすいようにしたいということで、最初にHyundai T7からPCに転送しました。次に、PC経由のデータをFLEAZ F5に転送しました。

 これでプりセット周波数データの転送ができたはずなので、FLEAZ F5のSDR Touchを立ち上げてカテゴリを見てみると、いくつかのカテゴリが新しく登録されています。
 しかしながら、よく見るとHyundai T7の登録カテゴリの数に比べて、FLEAZ F5登録カテゴリの数は少なくなっています。
 また、各カテゴリの中のプリセット周波数の数が少なくなっているものがあります。

【FLEAZ F5の登録カテゴリ(抜粋)】
11fleaz_f5

 理由はよく判りませんが、データ転送の途中でデータが化けたのでしょうか?
 SDR TouchのFAQ等を見てみましたが、よく判りません。

 現時点では、完全にはコピーできていませんが、ゼロから入力するよりは楽です。
 そのうちバージョンアップで改善されるとうれしいのですが・・・

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2015年8月15日 (土)

FLEAZ F5によるポータブルAndroid SDRセット

 先日購入した5インチスマホCovia FLEAZ F5 CP-F50aKでSDR TouchやRF Analyzer等のSDRアプリが動作することは確認できましたが、スマホ本体とチューナとアンテナが別々では、移動しながら使用する場合は不便です。

 Android端末として7インチのHyundai T7を使用していたときには、少し大きめの汎用7インチタブレットケースにHyundai T7とチューナUSBドングル(DVB-T+DAB+FM)を両面テープで貼り付けて、アンテナはチューナに直挿ししました。

 FLEAZ F5の場合も同じような構造にしようと思ったのですが、FLEAZ F5を普通の通話用スマホとして使う場合を考えると、チューナが付属したままだと使いにくいし、胸のポケットにも入りません。

 ということで、FLEAZ F5の場合は、保護ケースの裏面にチューナを面ファスナ(ベルクロ)で貼り付けて、チューナを着脱可能にしました。アンテナをチューナに直挿しする点は同じです。

【FLEAZ F5】
Portable_android_adsb_sdr_setfleaz_

Portable_android_adsb_sdr_setflea_2

Portable_android_adsb_sdr_setflea_3

Portable_android_adsb_sdr_setflea_4

Portable_android_adsb_sdr_setflea_5


【FLEAZ F5 SDRセット(上)とHyundai T7 SDRセット(下)】
Fleaz_f5_sdr_and_hyundai_t7_sdr


 Hyundai T7のときよりもかなり小型化されたので移動用に便利になりました。
 バッテリもSDRを常時動作させた状態で2時間程度もつので、一寸した暇つぶしの役には立ちそうです。
 望ましくは、Hyundai T7のように専用の充電端子が設けられていると、滞在先で連続使用が可能なのですが、いまのところ、FLEAZ F5でデータ通信と充電を同時に行うことができるかどうかは判りません。

 しばらく使って見た印象ですが、チューナにアンテナを直挿しした場合には、ノイズやスプリアスをかなり拾っているみたいです。
 デジタルチューナの場合には、アンテナ直下型チューナが良いとは限らないというようなことをどこかで聞いたような気がしますが、これと関係があるのかもしれません。

 課題としては、とりあえず以下の二つがあるので、そのうち勉強してみます。
  ・SDR動作と充電動作を両立させる。
  ・不要信号の飛び込みを軽減する。

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2015年4月 3日 (金)

DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(FSK Ver.)

 DVB-T+DAB+FMチューナ(R820T+RTL2832U)を利用(流用)した1090MHzの微弱信号発生ネタの続きです。
 隣接していれば二つのチューナのアンテナ端子間を同軸ケーブルで直接直結しなくても、1090MHzの漏洩信号を受信できたので、どの程度離れて受信できるのか試してみました。
 なお、受信しているのは局発信号(受信周波数+中間周波数)そのものではなくて、局発信号の4倍の周波数で発振しているVCOからの漏洩信号です。
 VCOからの漏洩信号は局発信号の漏洩信号よりは強いですが、強いといっても高が知れています。
 漏洩信号のレベル高くするための何らかの手段を講じたいところですが、下手にチューナの回路に手を加えると、「免許を要しない無線局」の範囲を逸脱する可能性があります。

  微弱無線局の規定
  http://www.tele.soumu.go.jp/j/ref/material/rule/

【微弱無線局の3mの距離における電界強度の許容値】Photo

  電波法施行規則
  第六条(免許を要しない無線局)
  第1項
  http://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/72002000001.html#j6_k1

 「無線局の無線設備から三メートルの距離において」、周波数帯が「三二二MHzを超え一〇GHz以下」では、 電界強度が「毎メートル三五マイクロボルト」以下となっています。
 322.0MHzでは500μV/mですが、322.1MHzでは35μV/mと急に厳しくなります。
 1090MHzの場合には、35μV/mとなります。
  35μV/mと言われても、どの程度のものかなのかよくわかりません。
  70~80MHzのワイヤレスマイクやFMトランスミッタを使用した経験から判断すると、到達距離は数mという印象があります。
 FM放送帯域では上限が500μV/mですが1090MHzでは35μV/mなので、約1/14の強さになります。
 電界強度は距離の二乗に反比例するようなので、35μV/mの場合は到達距離は非常に短くなりそうです。
 実測すれば話は簡単ですが、電界強度は素人無銭家では実質的に測定不可能です。
  TELECで微弱無線設備の一般試験を行えば試験成績書を発行してもらえるようですが・・・
 
  TELEC
  微弱無線設備
  http://www.telec.or.jp/services/examination/weak_radio_equipment.html

 電界強度の測定は一寸難しいようなので、空中線電力ではどの程度になるのか調べてみました。
 関係がありそうな情報がありました。

  微弱トランスミッタの可能性を探る - エレキジャック
  http://www.eleki-jack.com/archives/images/Elc02_030~031_toku1~AP.pdf

 この資料には以下のような記載があります。周波数は1200MHz帯です。
「送信側に使うアンテナを標準的な無指向性を使用する前提で計算を行いました.結果は,送信機出力は0.00000000035W=350pW=-64.56dBmとなりました.」

  NICT
  広域電波強度分布測定技術の研究開発  http://www2.nict.go.jp/aeri/sts/stmg/ivstdc/siryou/2007/Vcon2007/VLBI_Symposium2007_Koyama_2.pdf

 この資料には以下のような記載があります。周波数は8GHz帯のようです。(322MHz<8GHz≦10GHz)
 「3mの距離で、電界強度が35μV/m以下(300MHz~=半波長ダイポールアンテナ(利得2.15dBi)で送信する場合の送信電力に換算して-66.4dBm (0.23nW) 以下」

 両方の資料で数値は若干異なりますが、いずれにしてもピコワット、ナノワットのオーダーの気が遠くなるような小さな値です。

 話はRTLチューナに戻りますが、R820TのデータシートのTable 1-2 : Electrical AC Parametersには、Multiple Crystal Frequency Spurious (Refer to RF-In) -120dBmと書いてあります。

  R820T Datasheet
  http://superkuh.com/gnuradio/R820T_datasheet-Non_R-20111130_unlocked.pdf

 このSpuriousの中にVCOの出力成分が含まれているかどうかよくわかりませんが、かなり小さな値です。

 また、R820Tのデータシートで引用されているARIB STD-B21「標準規格名 デジタル放送用受信装置(望ましい仕様) 」(第14章 受信装置各部の性能 14.3 衛星DIRD)では、「局部発振漏洩電力 入力端において-55dBm 以下」となっています。(DIRD: Digital Integrated Receiver Decoder)

  ARIB STD-B21
  http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_hoso/hoso_std-b021.html
  http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B21v5_0.pdf

 スーパーヘテロダイン受信機の局発信号が電波法違反になったという話は聞いたことがないので、通常の使用状態(無改造チューナに付属アンテナを接続して動作させる)であれば問題はないであろうということで、試してみました。
  なお、テレビの局発信号を外部から傍受して受信チャンネルを判別する装置もあるようなので、近ければ検出可能かもしれません。

 実験条件は以下の通りです。

 漏洩局発信号送信用受信機
  アンテナ:付属ホイップ
  チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)-無改造
  Androidタブレット:Nexus 7
  SDRアプリ:SDR Touch(v2.3)
  選局モード:オートスキャン(268.930MHz/268.932MHz)擬似FSK

 漏洩局発信号受信用受信機
  チューナ:DVB-T+DAB+FM(R820T+RTL2832U)
  Androidタブレット:Hyundai T7
   SDRアプリ:RF Analyzer(v1.12)
   復調モード:USB(Upper Side Band)

 実験結果は以下の通りです。

【RTLチューナによる1090MHz FSK微弱信号送信実験 】

 1~2mの範囲であればどうにか受信できました。
 電界強度が35μV/m@3m以下かどうかは確認できませんが、多分大丈夫でしょう。

 実際にアンテナの調整に役に立つかどうかは不明ですが、そのうちにヘンテナを作る予定なので、そのときに試してみたいと思います。

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2015年3月28日 (土)

DVB-T+DAB+FMチューナで1090MHzの微弱信号を発生させてみました(VCO Ver.)

 DVB-T+DAB+FMチューナ(R820T+RTL2832U)のアンテナ端子から1090MHzの局発信号が漏洩していることは確認できましたが、このままではアンテナのテストに利用できそうにもありません。

  R820Tのデータシートで、局発信号の漏洩経路を想像してみました。

  Rafael Micro
  R820T
  High Performance Low Power Advanced Digital TV Silicon Tuner Datasheet
  http://superkuh.com/gnuradio/R820T_datasheet-Non_R-20111130_unlocked.pdf

  Figure D:Simplified R820T Block Diagramを見ると、周波数変換回路関係の回路ブロックは以下のようになっています。

   RF_IN→LNA→RF_Filter→Mix→IF_Filter→(fIF=3.57MHz)
    (fRF)                              ↑
                          Div(fLO=fVCO/N)
                                         ↑
                                        VCO (fVCO)          

 漏洩経路としては、VCO→Div→Mix→RF_Filter→LNA→RF_IN という経路が考えられますが、LNAは逆向きのバッファ(アイソレータ?)として動作するように思われるので、この経路での漏洩は少ないのかもしれません。
 一般的には配線(パターン)間の容量結合が問題になることが多いので、こちらの方が原因かもしれません。
 データシートの 4.2 Application Notes にもRF tracesやcrystal tracesについての注意書きが色々書いてあります。

  上記のデータシートでは、VCOの発振周波数やPLLの分周比が判りませんが、関係がありそうな以下の記事がありました。

  Mobile Osmocom SDR
  Using the R820T above 1.77 GHz?
  http://t142.mobile-osmocom-sdr.mobiletalk.us/using-the-r820t-above-1-77-ghz-t142.html

 上記URLから抜粋引用
--------------------------------------------
  From the source code, it looks as if the VCO runs in the range 1.77 to 3.54 GHz. The actual mixer frequency sent to the IF stage is the VCO frequency divided by a number between 2 and 63 -- so the possible center frequency tuning range ends up being in the range of ~24 MHz to 1.77 GHz.
--------------------------------------------

  これによれば、VCOの周波数は1.77~3.54GHz、分周比は2~63、受信周波数は24MHz~1.77GHzのようです。

 VCOの出力を分周する分周器(Div)の出力(ミキサへの入力)が目的周波数の局発信号ですが、チップの外に直接取り出すことができません。
  もともと局発信号は極力外部に漏洩しないように設計されている筈なので、局発信号を利用することにかなり無理がありますが、下記の記事によれば、無線で1270MHzの信号を飛ばしているようなので、工夫すればどうにかなるのかもしれません。
 
  OH2FTG Labs
  RTL-SDR Transmitter experiments
  https://sites.google.com/site/oh2ftg/home/rtl-sdr-transmitter-experiments

 この記事には以下のような記載があります。

 上記URLから抜粋引用
--------------------------------------------
Interestingly the 4th "harmonic" of the frequency at the mixer leaks the best, this is likely result of the LO actually being on a higher freq inside the tuner and then divided to get the I and Q LO's
So the strongest output is at <transmit frequency>/4 - 3.57 MHz.
Also quite interestingly there is strong LO leakage at the VCC input of the tuner.
--------------------------------------------

 実験の動画ではかなりのレベルで受信できているようです。

 RTL-SDR Transmitting on 1270MHz .

  基板のどのポイントから信号を取り出しているのかはよく判りませんが、OH2FTG氏のサイトに書かれていた以下の点を参考にして、色々試してみました。
 (a)最も強い出力の周波数は、送信周波数/4-3.57MHzである。
  (b)チューナのVCO入力に強い漏洩局発信号が存在する。

  RTL-SDRチューナでは、VCOの出力を1/4に分周して局発信号(ミキサへの入力信号)を生成しているようなので、VCOの出力の出力が最も強いようです。

 RF周波数をfRF、IF周波数をfIF、VCO周波数をfVCO、局発(分周後)周波数をfLO、分周比をN、ヘテロダインは上側とすると、以下のようになります。
  fLO-fRF=fIF
    fLO=fVCO/N
  従って、
    fVCO/N-fRF=fIF
  fRF=fVCO/N-fIF
となります。

 局発(分周後)信号を利用して1090MHzの信号を発生させる場合には、
  fLO-fRF=fIF
  fRF=fLO-fIF=1090MHz-3.57MHz=1086.43MHz
となるので、送信用受信機の受信周波数は1086.43MHzとなります。
 先日の実験で、送信用受信機の受信周波数を1086.43MHzにすれば、送信用受信機で1090MHz付近の信号が受信できることは確認しました。

 これに対してVCO(分周前)信号を利用して1090MHzの信号を発生させる場合には、
  fRF=fVCO/N-fIF =1090MHz/4-3.57MHz=268.93MHz
となります。
 OH2FTG氏の説明によれば、この信号の方が強いはずなので、実際に受信してみました。
 実験条件は前回と同じです。
  なお、正確な周波数較正はしていませんので、数値は目安です。

【送信用受信機(Nexus 7)の受信周波数:1086.43MHz】
Transmitting_receivernexus_7108643m

【受信用受信機(Hyundai T7)の受信周波数:1090.03MHz】
Receiving_receiverhyundai_t7109003m


【送信用受信機の受信周波数:268.93MHz】
Transmitting_receivernexus_726893mh

【受信用受信機(Hyundai T7)の受信周波数:1090.07MHz】
Receiving_receiverhyundai_t7109007m

  VCO出力を分周した後の出力(低調波?)を利用した場合の信号の値が-14dBであるのに対して、VCOの原発振出力を利用した場合の信号の値が-10dBとなっています。
 数値の正確な意味はよくわかりませんが、VCOの原発周波数(局発周波数から見れば4次高調波?)の信号の方がかなり強いようです。
 
 実験では両方のチューナのアンテナ端子間を直結しましたが、両方に簡易アンテナを接続した状態でもどうにか受信できているので、希望的観測ですが、局発信号の取り出し方を工夫すればどうにかなるかもしれません。
 

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